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【果樹栽培】ザクロの育て方|植えつけから収穫までを紹介します!

【果樹栽培】ザクロの育て方|植えつけから収穫までを紹介します!

赤い皮に覆われて透きとおった真っ赤な粒々の実がたくさんつまった「ザクロ」は、プチプチの食感と甘酸っぱさのある果実です。

スーパーフードとしても知られるザクロですが、実は家庭でも育てられます。

今回は、ザクロの収穫が楽しめるように育て方とコツを紹介します。

ザクロの基本情報

ザクロは、実が特徴的な果樹です。ザクロの基本情報からみていきましょう。

ザクロの概要

ザクロはミソハギ科ザクロ属の果樹で、学名は「Punica granatum」といいます。地中海沿岸からヒマラヤが原産地で、樹高は2m以上に生育します。

ザクロは花や実の色鮮やかさからエキゾチックな印象もありますが、実は日本でのザクロの歴史は古く、中国から平安時代に伝わったとされています。

「紅一点」というたくさんの男性の中に一人の女性がいることを表す言葉も、中国の詩に登場するザクロが由来したといわれています。

緑の葉の中に鮮やかなザクロの花姿が美しいことから、この言葉が生まれたようです。

ザクロは漢字で「石榴」と書きます。形が瘤(こぶ)に似ていること、「安石国」(あんせき)から中国を経由して伝わったことから「安石榴」(ザクロ)といわれていました。

そして、「瘤」から「榴」に字が変わって石榴(ザクロ)となったという説があります。

ザクロの実

観賞にも素晴らしく庭木としても楽しめるザクロは、果実が美容や健康にもよいスーパーフードとして知られています。

ザクロの実は果皮の中にぷっくりとした丸い粒がたくさん入っており、生のままでさっぱりとおいしくいただけます。

ザクロは他の果物よりも市販されているのを見かける頻度は少ないため、自家栽培で収穫するのを楽しみに育ててみてはいかがでしょう。

ザクロは植えつけから5~6年で実の収穫が期待できますが、それまでのあいだは開花を楽しみに育てましょう。

1年生~3年生の苗が一般的に市販されているため、もっと早く収穫したいという方は3年生の苗を購入するとよいでしょう。

ザクロは生で食べるほか、ジャムや果実酒などアレンジもできます。ヨーグルトやサラダにザクロをトッピングすると彩りもアップします。

また、ザクロをシロップにすれば、お湯や炭酸で割ってザクロドリンクとしても楽しめます。

ザクロの花芽の生育

ザクロは、春ごろに枝を伸ばし夏ごろに花芽がつきます。枝は太くて短いのが特徴で、枝先の2~3節あたりに花芽がついています。

花芽の先が割れて開き、中から花びらが広がります。花が咲き終わると花びらだけが落ちて、花芽が裂けた部分がヒトデのような形で残ります。

芽の根元がだんだんと丸く膨らみながら実が生育します。ヒトデのように裂けた部分よりも、実の部分が大きく丸くなり赤く色づきます。

ザクロの花

ザクロの花は、5月下旬~6月ごろの初夏が開花シーズンです。オレンジ色や赤色の鮮やかな色をして、形状もユニークであるためエキゾチックな印象を感じられます。

夏場に花芽がつきますが、開花まで1年ほどかかります。冬場に剪定作業を行うため、花芽がついたものを剪定してしまわないように注意が必要です。

ザクロの花言葉

ザクロの花には「成熟した美しさ」、ザクロの実には「結合」、ザクロの木には「互いを思う」とそれぞれにつけられています。

また、全体の花言葉は「子孫の守護」です。

ザクロの栽培スケジュール

開花時期:5月下旬~6月

収穫時期:10月上旬~11月上旬

植えつけ:12月~2月

肥料(地植え):3月・10月

肥料(鉢植え):3月・7月・10月

剪定:12月~2月

ザクロの性質と栽培のポイント

ザクロ独自の性質と、それに伴う栽培のポイントをまとめます。

寒冷地では寒さ対策を

ザクロは、暑さ・寒さにも耐える強い性質があります。

冬場は落葉して冬越しをしますが、霜がつくような寒冷地ではマルチングなど寒さ対策をしてあげるとよいでしょう。

トゲに注意

ザクロの木にはトゲがあるため、剪定や収穫などのお手入れの際にはケガをしないよう注意が必要です。ガーデニング用のグローブなどを着用しましょう。

ザクロは自家結実性

ザクロは自家結実性があり、1本植えつけすれば受粉でき実がつきます。2本植えつけるなどの管理の難しさはありません

ただし、ザクロの花が雨にあたると、受粉が不十分で花が咲かない恐れもあります。

ザクロは品種や環境の違いもありますが、梅雨シーズンと開花が重なる場合は人工授粉してあげると実がつきやすくなります。

筆や綿棒などを使って花の内部を優しくこすると、人工受粉できます。

ザクロの仕立て方

ザクロの樹高は2m以上、大きく生育すると7mほどの高さになります。

放置すると剪定なども大変になるため、幹の高さを決めて2~3本の主枝から横に広がるように仕立てるのが一般的です。

ザクロの種類

もとは果樹として栽培されているザクロですが、多くの品種が登場したことで食用の実ザクロや観賞用の花ザクロに大きく分かれています。

【実ザクロ】

  • 大実水晶ザクロ:美しい花と実が特徴のザクロです。
  • 大実日本甘ザクロ:病害虫に強く育てやすい品種です。
  • シャインレッド(種なしザクロ):種がないまたは種が小さくて食べやすい品種です。
  • カリフォルニアザクロ:日本産のザクロよりも2倍以上もある大きな果実の品種です。

【花ザクロ】

花ザクロは実がなっても、硬かったり酸味があったりします。

  • 白実フルーツザクロ:オレンジ色の花が咲きます。
  • 五彩榴(ごさいりゅう):さまざまな色の花が咲く珍しい品種です。

ザクロの基本的な育て方

ザクロに最適な環境やお手入れの方法について紹介します。

ザクロ栽培に最適な環境

ザクロは比較的丈夫で育てやすい果樹ですが、日本の寒い地域では冬越しが難しいため、関東以西が栽培に適しています。

根が生育すれば冬越しできるようになるため、寒い地域での栽培の場合は鉢植えで育てて、寒い日は暖かい室内に取り入れてあげるとよいでしょう。

またザクロは根が深く張る特徴があるため、日当たりやスペースがあれば地植えがおすすめです。

ザクロに必要な日当たり

ザクロは日当たりのよい場所が適しています。耐陰性もありますが、花がつかず収穫にも影響するため、地植え・鉢植えともに日当たりのよい場所を選びます。

ザクロに適した用土

ザクロ栽培には、排水性と保水性のよい土が適しています。赤玉土(小粒)6~7割に対し、腐葉土3~4割を混ぜ合わせて作ります。市販されている樹木用の用土を使用してもかまいません。

地植えの場合は、植えつけの際に堆肥や腐葉土を混ぜ合わせておきます。水はけが悪い場合には、川砂を1割ほど合わせると排水性がよくなります。

ザクロの水やり

【鉢植えの場合】
土の表面が乾いたら、鉢底から少し水が流れるくらいの量を目安に水やりします。土が湿った状態が続くと、根腐れを起こす原因となります。

またザクロが休眠期に入る冬場は、水やりを控え目にします。暑さが和らいできたら、徐々に水やりの量を調節して回数を減らします。

【地植えの場合】
基本的に降雨だけで十分で水やりの必要はありませんが、植えつけしたばかりものは根付くまではしっかりと水やりします。

また、夏場に土が乾燥しすぎている場合は水やりします。

ザクロの肥料

肥料を与える時期は春の芽が出る3月、果実を収穫したあとの10月です。鉢植えの場合は、開花後の7月にも与えます。

ザクロは肥料の吸収がよく、枝葉がよく生育します。

果樹に必要な栄養をバランスよく配合する『Plantia(プランティア)花と野菜と果実の肥料』を株元に円を描くようにばらまき、土の表面を軽く混ぜ込んでください。

肥料には、さまざまな成分が含まれています。ザクロにはリンサンやカリが多く含まれているものが最適ですが、チッソが多く含まれているものは避けましょう。

チッソは木の生育によい栄養分ですが、与えすぎると花や実がつきにくくなるためです。

『Plantia(プランティア)花と野菜と果実の肥料』のようにバランスの良い成分の肥料を使用して適切な肥料管理が大切です。

ザクロの植えつけ

ザクロの植えつけの方法をみてみましょう。

植えつけの時期

ザクロは12月~2月ごろが植えつけの適期です。

地植えの場合の植えつけ

  1. 日当たりのよい場所を選びます。
  2. 30cmほどの深さの穴を掘ります。
  3. 堆肥や腐葉土を土に混ぜます。
  4. ザクロの苗を植えつけます。
  5. 2週間ほどはたっぷりと水やりします。その後の水やりは基本的に必要なく生育します。

鉢植えの場合の植えつけ

苗より一回り大きな鉢を用意します。植えつけの際に緩効性肥料『Plantia(プランティア)花と野菜と果実の肥料』を土にばらまき、たっぷり水やりをします。

ザクロの植えかえ

ザクロの根詰まりを防いで通気をよくするために、植えかえする必要があります。

植えかえの頻度

通常、2年に1回は植えかえをしましょう。

植えかえの時期

植えつけと同様、12月~2月ごろが適期です。

植えかえのポイント

1回り大きな鉢植えを用意して植えかえます。

ザクロの増やし方

挿し木や接ぎ木、取り木、種まきなど、どのような方法でも増やせます。この中でも挿し木がもっとも手軽にできる方法です。

挿し木

挿し木とは枝の一部を切り取って土に埋めるなどして、発根させて増やす方法です。

【挿し木の方法】

  1. 太い枝を15cmほどの長さでカットします。
  2. 水に3時間ほど浸けます。
  3. カットした枝の半分くらいが土に埋まるように土に挿します。
  4. しっかりと水やりして直射日光が当たらない場所で管理します。
  5. 1か月ほどで根が出てきます。根が出たら、地植えや鉢植えに植えかえします。

種まき

ザクロは苗の植えつけで育てるのが一般的ですが、種から育てることも可能です。ザクロの実の粒に種が入っており採取できます。

収穫後すぐに種を採取して10月上旬~11月上旬ごろに種まきするか、冷蔵庫で保管して2月中旬~4月上旬ごろに種をまくことも可能です。

種まきで増やす場合は、実がなるまで3~5年以上はかかります。また、性質が変わるためお手入れ方法や味わいが変わる可能性があります。

【種まきの方法】

  1. 実から種を採取したら、種の回りの果肉などをよく洗い流します。
  2. 一晩水に浸けておきます。
  3. ポットや浅めの鉢に土を入れて種をまきます。種まき用の土は赤玉土(小粒)などを使用するとよいでしょう。
  4. 土を乾燥させないよう水やりを継続します。
  5. 発芽して15cm以上になったら、地植えか鉢植えに移します。

ザクロの剪定方法

木の勢いが強いザクロは、枝が伸びすぎたり増えすぎたりしないように適切に剪定を行うのがポイントです。

ザクロの剪定時期

12月~2月が剪定時期です。この時期には落葉し、すでに花芽ができているため、必要な花芽まで剪定してしまわないように注意します。

剪定のポイント

ザクロは夏ごろから花芽をつけて冬を越し、花を咲かせるまで1年ほどかかります。途中の12月~2月ごろに剪定作業があるため、剪定する枝を注意深く選ぶ必要があります。

ザクロの剪定方法

前年伸びた枝先の2~3節あたりに花芽がついています。これらの枝は残し、細く伸びた枝や上に伸びた徒長枝を根元から切り落とす間引き剪定行います。

ザクロは幹の途中から枝が出て、株の根元のほうから「ヤゴ」と呼ばれるたくさんの枝を伸ばすため、これらの枝も剪定してください。

上向きに伸びている枝には花芽はつきにくくなります。枝が少し垂れ下がるように剪定し、紐などを縛って枝が水平を保てるように工夫すると実が安定して生育します。

数年に1回は思い切って剪定する

ザクロは丈夫で生命力があり、太い枝が次々と横に広がるように伸びていくのが特徴です。樹形やサイズを保つために、数年に1回は強めの剪定も必要です。

強めの剪定をすると次の収穫は期待できませんが、ザクロを適切に管理するために必要な作業です。

おいしいザクロを収穫するためには?

ザクロをおいしくするために、摘果と実を守るための袋かけは欠かせない作業です。

摘果

摘果とは、実を摘み取る作業のことです。1箇所に1個の実が残るように摘果します。

ザクロの実がたくさんつくのは嬉しいですが、そのまま多くの実を生育させると栄養が分散されて実の味が落ちてしまうほか、株が疲れて翌年に花をつけなくなります。

そのため、実を選別して早めに摘果する作業が大切です。果皮が膨らんでいないものを優先的に摘み取ります。

袋かけ

ザクロの実は、熟し始めると果皮が割れることがあります。実に害虫や雨水が入ると食い尽くされて傷む原因となるため、防止策として袋かけをおこないます。

雨水が染みこまないように、透明のビニール袋が適しています。袋は収穫の1週間前を目安に外します。

ザクロを収穫する方法

いよいよ待ちに待ったザクロの収穫です。収穫する目安や、おいしいザクロの見分け方を紹介します。

ザクロを収穫する目安

ザクロは、実が割れ始めたころが収穫のサインです。しかし品種によって割れやすいものと割れないものがあり、収穫期になってキレイに色づいていれば割れていなくても収穫できます。

おいしいザクロの見分け方

おいしいザクロの見分け方は、実が赤く色づいているかを見るのがポイントです。品種によっては完熟していても色が薄い場合もあるため、その場合は皮が薄いものを選びます。

皮に傷がないほうが見た目がよいですが、皮が厚いため少々の傷は問題ありません。手に持ってみて重みを感じるものは、水分や果肉がたくさん含まれている証拠です。

また実が割れているものは完熟しているサインのため、なるべく早く食べましょう。

家庭で収穫したものをだれかにお裾分けする場合や、市販されているザクロを購入するときはぜひ参考にしてください。

ザクロの花や実がつかない場合の原因と対策

花が咲かない、実がならない場合、考えられる原因と対策を紹介します。

日当たりが悪い

日当たりが悪いと、花や実がつかない原因となります。しかし、ザクロは日陰でも枯れにくいため、日当たりの悪さに気づきにくい恐れがあります。

植えつけのときに十分に場所を選ぶ必要があります。また、剪定を行って木の内部まで日が当たるようにすることも対策につながります。

 

適切な肥料選び

ザクロは肥料をよく吸収します。適しているのはリンサンやカリの成分が多く含まれているもので、チッソが多く含まれているものは避けます。適切な肥料選びと管理が大切です。

木の老化

経年により徐々に木のエネルギーが弱くなり、花が咲かず、実がつかなくなることがあります。この場合は、肥料を施してザクロの生育を促してあげましょう。

若木だった

ザクロの木が若いうちはまだ生育しきれていないため、花をつける十分なエネルギーがありません。そのため、開花の量は少なくなってしまいます。

ザクロの病害虫

ザクロは丈夫な果樹のため、病気にはかかりにくい。ただし、日当たりや風通しが悪い環境であれば病気にかかる恐れがあります。

定期的に剪定をすることで内側まで日が当たるようになり、風通しもよくなるため病害虫の予防につながります。

アブラムシやカイガラムシなどがついていないか日頃からチェックして、見つけたらすぐに駆除します。ザクロの実に虫がつかないよう袋かけしておくと安心です。

ザクロは収穫と観賞を楽しめる

ザクロは丈夫なため、日当たりなどの環境がよければ比較的簡単に育てられます。花が咲き、実がつく様子は観賞度も高く庭木にもおすすめです。

また、健康や美容にもよいとされる果実を収穫できる喜びもあるでしょう。栽培のポイントなどに注意して、ザクロを育ててみてはいかがでしょうか。

 

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プランティア 花と野菜と果実の肥料

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