【バラ栽培】つるばらの育て方|基本の栽培方法や季節のお手入れのコツ
つるばらは長いつるを伸ばし、枝にたくさんの花を咲かせます。枝を誘引してさまざまな仕立て方を楽しめるのも魅力です。
ぜひご自宅につるばらを植えて、美しい花を咲かせましょう。
今回は、つるばらの特徴や基本的な育て方、季節の管理方法をご紹介します。
つるばらの特徴
バラは「木立ち性」「半つる性」「つる性」など、特徴によってさまざまなタイプに分けることができます。
つるばらは「つる性」のタイプであり、枝を長く伸ばして生育することが特徴です。この性質を活かしてアーチやオベリスク、フェンスなどに誘引して楽しむことができます。
幅広い品種がありますが、5月~6月上旬に咲く一季咲きが多く見られます。初夏(5月~6月上旬)になると一斉に咲き、豪華な花の姿を堪能できるのが魅力です。
品種によっては春から秋にかけて返り咲くこともあるため、育てたい品種の開花時期を調べておきましょう。
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【つるばらの育て方】基本の栽培のコツ
つるばらをご自宅に植えるときは、どのようなポイントに気をつけたら良いのでしょうか。基本的な栽培のコツを確かめておきましょう。
つるばらの好む栽培環境
つるばらを美しく咲かせるためには、性質に合った栽培環境を整えることが大切です。基本的に日当たりと風通しの良さを保てる場所へ植えつけましょう。
風通しなどの環境が悪い場合、病害虫被害を受けやすくなることもあるため注意が必要です。
土づくり
つるばらは有機質に富んだ水はけの良い土を好みます。ご自分で配合する場合は小粒の赤玉土と堆肥を7:3程度で混ぜたものなどがおすすめです。
市販されているバラ専用の培養土を使うと手軽に準備できます。
『ブリリアントガーデン バラの培養土』元肥が配合されているので元肥を追加する手間がなく、購入してそのまま使うことができおすすめです。
植えつけ
つるばらは苗の種類によって植えつけ時期が異なります。春に新苗を購入した場合は4月~6月が植えつけ適期です。
新苗とは前年秋~冬の間に接ぎ木した若い苗で、春苗とも呼ばれます。
秋から冬に大苗を購入したら、11月~2月のうちに植えつけを行います。大苗は新苗をさらに半年ほど長く育てたものです。
新苗よりも大きく育っているため、初心者の方は大苗を入手して栽培を始めたほうが育てやすいでしょう。また、鉢苗の場合は真夏を避けて、植えかえましょう。
地植えの場合は直径・深さが30cm~40cmの植え穴を掘り、苗を植えましょう。鉢植えの場合は根鉢よりも一回り~二回り大きな鉢へ植えつけます。
新苗の根鉢は崩さないように作業しましょう。大苗は11月~2月の休眠期の際は根をほぐして広げてから植えつけます。
水やり
基本的に、鉢植えは土の表面が乾いてから水を与えます。地植えの場合は乾燥した日が続き、土が乾くようであれば水をあげましょう。また、季節ごとに適切な水やり頻度は変わってきます。
蕾がつき花が咲く春から初夏は、1年の中でもっとも生育旺盛になる時期です。水切れしないように土の状態をこまめに確認して水をあげましょう。
梅雨に入ると土が乾燥しにくくなるため、水の与えすぎに注意が必要です。
梅雨明け後の夏場は用土が乾燥しやすくなります。気温の高い日中に水やりするのは避けましょう。朝か夕方の涼しい時間帯に水をあげることが大切です。
秋になったら気温が下がってくるため、夏より水やりの頻度が減ることがあります。土が乾いてから与えることを心がけましょう。
冬場は休眠期に入り、水をそれほど必要としなくなります。土の中が乾くまで待ってから水やりすることがおすすめです。
見ただけではわからない場合は、土の表面を軽く掘ってみて、乾き具合をチェックしましょう。
肥料
つるばらをきれいに咲かせ、元気に育てていくためには、肥料から栄養を与えることも大切です。
植えつけの際には元肥として有機肥料『ブリリアントガーデン バラの有機肥料』を与えます。その後は生育に応じて追肥をしていきます。
春から秋の生育期間には定期的に『ブリリアントガーデン バラのまくだけ肥料』を追肥として株元から少し離れて円を描くようにばらまき、表面の土に軽く混ぜ込んでください。
その後、冬の休眠期には寒肥として『ブリリアントガーデン バラの有機肥料』を与えます。「肥料」「土壌改良」の二つのすぐれた効果を発揮するのでおすすめです。
【つるばらの育て方】季節のお手入れ
つるばらは季節に応じたお手入れを行うことで、より元気に育ちます。きれいな花を咲かせるためにも、基本的な管理方法をチェックしておきましょう。
花がら摘み
つるばらの開花期間中は、ひとつの株に次々と花が咲いていきます。咲き終えた花がらは切り取っておきましょう。
放置していると見た目が悪くなるのはもちろん、株が消耗する原因になってしまいます。
ただ、つるばらの中には秋に実をつける品種もあります。実の観賞も楽しみたい場合は花がらを切らずにおきましょう。
アブラムシ、うどんこ病対策
つるばらの栽培中、アブラムシやうどんこ病などの病害虫被害を受けてしまうことがあります。アブラムシはとても小さな虫で、気がつくと大量発生していることがあります。
植物を吸汁して弱らせるほか、病気を媒介することもあるため、見つけたらすぐ駆除しましょう。
うどんこ病は葉などが白い粉をまぶしたような状態になる病気です。糸状菌が原因といわれており、放っておくと葉が落ちてしまうことがあります。
まずは病害虫の被害を受けないように予防することが大切です。栽培環境が悪いと病害虫が発生しやすくなってしまうため、日当たり・風通しが良い状態を保ちましょう。
ハダニには卵から成虫までに効果がある『ブリリアントガーデン ハッパ乳剤』がおすすめです。防除効果のある薬剤を活用することも効果的です。
また、被害が生じた場合はすぐに対処を行います。病害虫を放置していると被害が広がり、枯れる原因にもなってしまうため注意が必要です。
アブラムシは駆除し、うどんこ病にかかった葉は切り取り、うどんこ病に優れた予防・治癒効果を発揮する『ブリリアントガーデン フローラガードAL』を散布します。
シュートの処理
シュートとは幹から勢いよく生えてくる若い枝のことです。株元から伸びるものは「ベーサルシュート」と呼ばれます。つるばらの場合、花後に伸びてきたシュートに翌年の花がつきます。
次の花をたくさん楽しむためには、株を充実させてシュートをしっかりと生やすことが大切です。
ただ、シュートを放置していると長く伸びすぎてしまい、手がつけられなくなることがあります。
冬になったら誘引しますが、それまでの間は長くなったシュートをまとめて上へ向けて束ね、仮留めしておきます。
また、シュートは基本的にそのまま伸ばしますが、スペースが限られている場合は余計な部分をカットして問題ありません。
たとえばアーチに這わせている場合、アーチの上から飛び出てしまった枝はカットすると良いでしょう。
「Let's start!金子慎吾さんのローズ&ペレ二アル」
冬剪定・誘引
冬になるとつるばらは休眠に入ります。その間に剪定や誘引を済ませておきましょう。とくに、12月~1月のうちに剪定・誘引することがポイントです。
時期が遅くなると枝が硬くなり、誘引する際に折れてしまう可能性があります。
2月頃からは新芽がつきはじめ、作業中に落ちてしまうこともあるため、なるべく早めに終わらせましょう。
作業の際、まずは残っている葉があれば取り除いておきます。傷んだ枝や枯れた枝などを切って整理しましょう。
主要な枝は芽を残すようにして先端を剪定します。厚みのある赤い芽は充実しているため、優先して残しましょう。
剪定が終わったら、開花後の様子をイメージしながら枝を誘引します。枝が地面から水平、もしくはやや上向きになるよう配置しましょう。
おわりに
つるばらは品種も豊富で、美しい花をたくさん咲かせてくれることが魅力です。花を楽しむためには施肥や剪定などのお手入れを行い、しっかりとした株に育てることが大切です。
今回ご紹介した情報も参考にしながら、ぜひご自宅で栽培して、つるばらの観賞を楽しみましょう。