【家庭菜園】わけぎの育て方|収穫までのお手入れのポイントや栽培方法
ネギとよく似ている「わけぎ(分葱)」は、ご家庭で手軽に栽培しやすい野菜です。
一株植えておくだけでもたくさんの収穫を楽しむことができます。家庭菜園で育てていれば、好きなときに新鮮なわけぎを摘み取り、味わうことができるでしょう。
今回は、わけぎの特徴や育て方、栽培時のよくある疑問などをご紹介します。
わけぎの基礎知識
わけぎ(分葱)はネギの仲間で、とても育てやすい野菜のひとつです。場所を取らないため、ベランダなどの小さなスペースでも家庭菜園を楽しむことができます。
香りが良く、上品な味わいであることも魅力です。鍋や魚介料理、汁物など、さまざまな料理の薬味として活躍するでしょう。
わけぎ・あさつき・小ネギの違い
わけぎは小ネギと比べると葉がやや太めです。香りが良く甘みがあり、辛み・苦みは控えめです。
わけぎとよく似た野菜に「あさつき(浅葱)」があります。わけぎや小ネギよりも葉が細く、色も鮮やかです。辛みが強めな点も異なります。
わけぎとあさつきはほとんど同じ方法で育てることができます。ただ、わけぎは耐寒性が弱く、あさつきは寒さに強い点に違いがあります。
寒冷地の場合はあさつきを育てたほうが管理しやすいでしょう。
また、小ネギは基本的に球根ではなく種で増えます。わけぎやあさつきは球根をつくるため、その部分で見分けることもできるでしょう。
【わけぎの育て方】基本的な栽培方法
わけぎは種をつくりにくい植物で、球根から育てるのが基本です。秋口に球根を植えつけると、秋から春にかけて何度か収穫できるでしょう。
こちらでは、わけぎの基本的な育て方をご紹介します。
土づくり
わけぎは畑でもプランターでも栽培しやすい野菜です。地植えする場合は、植えつけの2週間前までに苦土石灰を、1週間前までに堆肥や緩効性肥料を混ぜて耕しておきましょう。
その後は幅50cm~60cm程度の畝をつくっておきます。雑草が気になるときはマルチングしておくと良いでしょう。
プランター栽培やコンテナ栽培などでは、市販されている野菜用の培養土を使うのが手軽でおすすめです。
『今日から野菜 野菜を育てる土』は、有機原料が含まれており、植えつけ時に排水性、通気性、保水性、保肥性など野菜を育てる条件に適した培養土です。
植えつけ
一般的なわけぎ栽培では、種球と呼ばれる小さな球根を植えつけて栽培をスタートします。適期は8月下旬から9月にかけてです。
園芸店や通販などで種球を購入しましょう。傷んでいたり、腐っていたりするものがあれば取り除いて、元気なものを選んで植えつけます。
植えつけの際は、種球の頭が地面から少しだけ出るように土をかぶせます。
深く植えてしまうと発芽が遅くなり、うまく生育しないことがあります。反対に、浅く植えすぎても、不安定で生育に影響が出てしまうでしょう。
また、種球の向きにも注意が必要です。芽の出ている尖ったほうを上にしましょう。ひとつの穴に2つの種球を植えつけることもポイントです。
地植えで複数株を植える場合は株間を15cm~20cmあけましょう。プランター栽培の場合は株間を10cm~15cmほどとります。
水やり
わけぎに水をあげすぎると根腐れの原因になってしまうことがあります。ただ、乾燥しすぎても生育が悪くなってしまいます。適切な頻度・量を心がけることが大切です。
植えつけから1週間程度の間は、とくに乾燥しすぎないように気をつけましょう。苗がまだ小さなうちは、水やりの勢いで倒れてしまわないよう、優しくそそぐことがポイントです。
その後、地植えの場合は基本的に水やりをせず、雨が降るのに任せます。晴れて乾燥した日が続いたら、乾かないように水やりしましょう。
プランター栽培では土が乾いてからたっぷりと水やりします。鉢底から水が流れ出るくらいたくさんそそぎましょう。
肥料
わけぎは肥料をしっかりと与えることで元気に育ちます。
植えつけ後に野菜の生育に必要な成分と有機成分をバランスよく配合した緩効性肥料『今日から野菜 野菜を育てる肥料』を種球から少しはなして円を描くようにばらまきます。
その後は生育に応じて追肥をしていきます。植えつけ後、草丈が10cm~20cmになった頃に追肥を行いましょう。
植えつけ時に使用した『今日から野菜 野菜を育てる肥料』もしくは、速効性の液体肥料『ハイポネックス原液』がおすすめです。
また、わけぎは何度も収穫可能な野菜です。収穫するたびに追肥を行い、次の収穫のために必要な栄養を与えましょう。
土寄せ・中耕
追肥と同時にしておきたいのが土寄せ・中耕です。水やりを繰り返すと株周辺の土がどんどん流れていき、根が露出してしまうことがあります。
株周りの土表面を軽く耕して、株元に寄せましょう。定期的に実施しておくことで、根が出てしまうのを防げます。プランター栽培の場合は新しい用土を足しても良いでしょう。
収穫
わけぎを夏に植えつけたら、10月~11月頃の秋と3月~5月の春に収穫できます。葉が20cm~30cmまで伸びた頃が収穫のタイミングです。
地際から3cm~4cmの位置でカットし、葉を刈り取りましょう。
その後、緩効性肥料『今日から野菜 野菜を育てる肥料』もしくは『ハイポネックス原液』を追肥として与えて育てていくと、20日~30日後にはもう一度収穫できます。
秋の収穫が終わり、気温が下がってくると生育が停滞します。春になれば再び生育し、収穫することが可能です。
球根の掘り上げ
夏が近づいて気温が上がり、地上部が枯れてくると、わけぎの収穫は終了となります。収穫が一通り済んだら、種球を掘り上げて保存しておきましょう。
タイミングの目安は5月下旬から6月上旬頃です。最後の収穫が終わってからすぐ掘り上げるのではなく、しばらくは水やりし、日光を当てながら管理しましょう。
しっかりと種球を肥大させてから掘り上げることで、次のシーズンで再びたくさんのわけぎを収穫できるようになるはずです。
掘り上げた種球は風通しの良い日陰で乾燥させてから保存します。掘り上げた際に自然と分球しているものは取り分けて、数を増やすこともできます。
植えつけ適期が来たら、再び土に植えて育てていきましょう。
【わけぎの育て方】栽培時のよくある疑問
最後に、わけぎ栽培のよくある疑問や対処方法などを解説します。
わけぎは最大で何回ぐらい収穫できる?
わけぎの収穫は1年に3回~4回が目安です。たくさん収穫するためには、葉を刈り取った後に追肥をすることが大切です。
『ハイポネックス原液』は水でうすめて使用しすぐに効果の現れる速効性肥料なのでおすすめです。
わけぎ栽培で植えかえは必要?
わけぎを植えっぱなしにしていても育てることは可能です。ただ、土の中で自然と分球していくため、放っておくと窮屈な状態になってしまうことがあります。
株が込み合うと生育が悪くなり、収穫できる量も少なくなるでしょう。また、植えっぱなしにしておくと病害虫被害を受けやすくなってしまうことがあります。
定期的に掘り上げて植えかえることがおすすめです。種球は分球しておき、なるべく大きく形の良いものを選んで残しましょう。
わけぎの病害虫対策は必要?
わけぎは基本的に病害虫被害を受けにくいとされる野菜です。ただし、まれにアブラムシなどがついてしまうことがあります。
アブラムシを放置しているとすぐに増えてしまい、株を弱らせてしまいます。枯れる原因にもなるため、見つけ次第すぐに駆除しましょう。
アブラムシの発生を予防するため、風通しや日当たりの良い場所へ植えつけることも大切です。
おわりに
わけぎは栽培が簡単で、一度植えると何回も収穫することができます。
ご家庭にひとつあれば、さまざまな料理で活用できるのが魅力です。家庭菜園初心者にもおすすめなため、お好きな方はぜひ栽培に挑戦してみましょう。