更新日:2023.10.23
【サボテンの育て方】水やりや植えかえ、増やし方などを解説!上手に行うポイントは?
サボテンは園芸店や雑貨屋など、さまざまな場所で購入できます。お手入れの手間がかかりにくい植物でもあるため、気軽に栽培を始めやすいことが魅力のひとつです。
ただ、長く育てていくためには、購入後に植えかえを行い、適切な方法でお世話をすることが大切です。
「植えかえってなんとなく面倒そうだな……」「失敗して枯らしてしまったらいやだな……」と思う方も多いかもしれませんが、ポイントを押さえておけば簡単に植えかえを行えます。
お気に入りのサボテンを長く楽しむために、ぜひチャレンジしてみましょう。
今回は、サボテンの特徴や基本的な栽培方法、植えかえのコツ、増やし方などをご紹介します。
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サボテン類
学名 Cactaceae 科名 サボテン科 原産地 南北アメリカ 分類 多年草 耐寒性 強 耐暑性 強 栽培カレンダー
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月生育期植えつけ・植えかえ施肥
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【サボテンの育て方】特徴や魅力
サボテンといえば、トゲのある独特な姿を真っ先にイメージする方も多いはず。サボテンのトゲは「刺座」や「アレオーレ」とも呼ばれ、葉が変化したものだといわれています。
トゲの形や長さ、色は品種によってさまざまです。ほかの植物にはなかなか見られない個性的な姿は、サボテン独自の魅力です。
ほかにも、サボテンには水分をたくさん貯め込める「多肉質」の特徴があります。こういった植物は、「多肉植物」という通称で呼ばれることが一般的です。
サボテンも多肉植物の仲間とされますが、大変種類が多いことから、園芸ショップなどでは多肉植物とは別枠で扱われることもあります。
原産地や和名について
サボテンの原産地はメキシコを中心としたアメリカ大陸といわれています。
乾燥して日差しが強く、昼夜の寒暖差があるエリアに自生しています。こういった厳しい環境でも生育できる丈夫さもサボテンの魅力です。
サボテンの和名は「仙人掌」や「覇王樹」などです。日本へ伝わってきた時期は正確にはわかっていません。1600年代の文献に登場していることが確認されているため、少なくともその頃には日本へ伝来してきたと考えられています。
生育期や休眠期について
サボテンには「生育期」と「休眠期」があります。栽培する際は、いつが生育期・休眠期にあたるのかを確認しておくことがおすすめです。
サボテンがよく育つ生育期は、基本的に春と秋です。この時期には水や肥料などをしっかりと与える必要があります。
反対に、夏と冬には休眠期に入り、生育が停滞します。サボテンは暑い地域が原産ですが、日本の夏の高温多湿は苦手とします。
また、気温が下がると徐々に生育が停滞するため、この時期には水やりや施肥などを控えめにすることが大切です。
【サボテンの育て方】基本的な栽培方法
サボテンを育てるときは、適した環境で管理してあげることがポイントです。こちらでは、サボテンの基本的なお世話の方法をご紹介します。
サボテンの好む栽培環境
サボテンは日当たりが良く、風通しの良い環境を好みます。湿気がこもりやすい場所に置くと、腐敗の原因になってしまうこともあるため気をつけましょう。
屋外栽培の場合は雨が当たらない軒先や屋根のあるベランダなどに置くことがおすすめです。室内で育てる場合、エアコンの風がずっと当たるような場所は避けましょう。
また、日当たりの良さは重要ですが、強い直射日光に当てるとかえって弱ってしまうこともあります。とくに真夏は日焼けに注意し、必要に応じて遮光したり、半日陰へ移動させたりして対処しましょう。
サボテンの水やり
サボテンには水やりしなくても良いと思っている方も多いかもしれません。実際はサボテンにもしっかり水を与える必要があり、水不足になると枯れてしまうことがあります。
水やりの頻度はサボテンの大きさや栽培環境など、さまざまな要素で変わります。
たとえば、小さなサボテンの鉢植えは、大きな鉢植えと比べて土が乾きやすいため、水を与える回数も多くなります。ただ、水をあげすぎても根腐れしてしまうため、適量を与えることが大切です。
また、サボテンの水やりは、季節ごとに少しずつやり方を変えていくこともポイントです。
春は休眠期があけて生育期に入る時期です。気温が上がってきたら徐々に水やりの頻度を増やしていきましょう。水やりのタイミングは土の表面がすっかり乾いた頃です。
夏は生育が停滞してくるため、少しずつ水やり頻度を減らしていきます。この時期に水をあげすぎると、根腐れしやすくなってしまうため注意しましょう。ただ、まったく水を与えないと水切れしてしまうため、土が乾いてから少量の水をそそぎます。
秋は再びサボテンの生育期に入ります。春と同じく、土が乾いてから水やりしましょう。気温が下がってきたら少しずつ頻度を減らします。
冬は休眠期に入ります。この時期は土も乾きにくく、ほとんど水やりする必要はありません。ただ、つねに暖房の効いた室内などではサボテンの生育が続いている場合があるため、土が乾いていたら2日~3日後に水を与えます。
サボテンの肥料
サボテンは多くの肥料を必要としない植物と思われていますが、より大きく育てたいときや花を咲かせたいときは、適量の肥料を与えましょう。
生育期に緩効性の置き肥を月に1回の頻度で与えましょう。『BotaNice ボタナイス 置くだけ!カンタン錠剤肥料』は、土の上に置くだけで、安定した肥料効果が約1ヵ月持続するのでおすすめです。
または、速効性の液体肥料で管理する場合は、1週間~10日に1回の頻度で液体肥料『ハイポネックス原液』をあたえます。
【サボテンの育て方】植えかえ方法やタイミング、必要なもの
サボテンの植えかえには何が必要で、どんなものを準備すべきなのでしょうか。こちらでは、サボテンを植えかえるときの基礎知識や具体的な方法などをご紹介します。
サボテンを植えかえるタイミング
サボテンは、生長して鉢が小さくなるとスムーズに生育しなくなってしまいます。生長とともに鉢のサイズも一回り大きくしてあげましょう。
「サボテンと鉢の大きさのバランスが悪い」「鉢の底から根が張り出している」「水はけが悪くなってきた」というような場合は、植えかえすることがおすすめです。
サボテンの生育状況によりますが、1年に1回~2回の頻度で植えかえるのが目安です。
サボテンの植えかえの流れ
サボテンの植えかえを行うときは、1週間ほど前から準備を始めましょう。植えかえをする1週間ほど前から水やりをひかえ、土と株をしっかりと乾燥させます。
その後、サボテンを鉢から取り出し、土を落としてから日陰で4日~5日干して乾かします。
この際に、株や根に黒ずみや腐っている部分があったら、その部分を切り落としておきましょう。ここまでが、植えかえの下準備です。その後、植えかえを行います。
また、サボテンの苗は、園芸店、インテリア店、雑貨店、100円ショップなどいろいろなお店で販売されています。
販売されているサボテンの中には、土の表面を糊で固めていたり、化粧砂が使われていたりする場合があります。
こういった化粧砂はしっかりと糊で固めてあることも多いため、すぐにはがすのは難しいでしょう。
水につけることで溶けるため、植えかえのついでに洗い落とすことがおすすめです。
サボテンの植えかえで準備するもの
- 鉢(サボテンより一回り大きく、深すぎないもの)
- 水はけの良い用土(草花用ではなく、サボテン用のもの)
- 肥料(サボテン用もの)
- 網
- 軽石
- 割り箸
サボテン栽培に適している用土は、排水性や通気性の良いものです。赤玉土と腐葉土、川砂を6:2:2で混ぜたものなどが適しています。
ただ、自分で土を配合するのは少々難しく、手間もかかります。とくに初心者のうちは、市販されているサボテン用や多肉植物用の培養土を活用しましょう。
サボテンの植えかえ方法
サボテンの植えかえ手順は以下の通りです。
- 鉢底に網と軽石を入れる
- 水はけの良い用土に元肥『マグァンプK大粒』を加える
- 用土を鉢の中ほどまで入れる
- サボテンを配置し、残りの用土で植え込む
- 割り箸を使って用土をならし、サボテンを安定させる
植えかえ後の1~2週間ほどは、日光が適度に当たる場所に置いておきます。この間は、まだサボテンは水を上手に吸えないため、水やりは控えましょう。その後、根が土に馴染んできたら水やりを行いましょう。
【サボテンの育て方】主な増やし方
植えかえもうまくいき、順調に育ったサボテンが大きくなったら、株を増やしてより多くのサボテン栽培を楽しむこともできます。
こちらでは、サボテンを挿し木(挿し芽)や胴切り、種まきなどで増やす方法をご紹介します。
挿し木(挿し芽)での増やし方
サボテンを長く育てていくと、株の脇や上などに小さな株が生えてくることがあります。これを取って別の鉢へ植えてみると、新しい株として増やせるでしょう。
株を取った際は、1週間程度は断面を乾燥させます。風通しの良い日陰に置いて乾燥させてから植えつけましょう。
植えつけ時は土に埋めるというよりは、断面を乗せる程度で問題ありません。
植えつけ後は直射日光を避け、水をあげずに様子を見ましょう。発根してきたら徐々に日なたへ移し、水を与えていきます。
また、挿し木は生育期にあたる春や秋に行うのがおすすめです。この時期であればサボテンが元気に生長しやすく、挿し木した株も根を出しやすいためです。
胴切りでの増やし方
胴切りとは、サボテンの株を真っ二つに切って増やす方法です。サボテンの根腐れや徒長、病気など、さまざまな不調を解決するために胴切りすることが基本です。
こちらも挿し木と同じく、生育期の春や秋に作業を行いましょう。
胴切りするときは、よく切れるカッターなどを使ってサボテンをカットします。刃は消毒しておきましょう。ケガを防ぐために厚い手袋なども必要です。
大切に育てていたサボテンを切るのは気が引けるという方も多いかもしれませんが、一思いにカットすることがポイントです。ためらいながら切ると、切り口がガタガタになってしまうこともあるため気をつけましょう。
胴切りした下半分の株からは、断面から新しい芽が生えてくることがあります。上半分は1週間ほど乾かしてから土に挿してみましょう。
種まきでの増やし方
サボテンのなかには花を咲かせ、種をつくるものがあります。種を採取して土にまくことでもサボテンを増やすことは可能です。
ただ、サボテンが受粉するには基本的に複数の株が必要なため、たくさんの株を育てている場合にチャレンジできる方法といえます。
サボテンの種を採取できたら、洗ってからすぐに育苗ポットなどへまきましょう。
用土は小粒の赤玉土や川砂などがおすすめです。土はかぶせずにおき、水で湿らせてから、空気穴をあけたラップをかけます。
水が切れないように気をつけながら、日当たりが良く暖かい場所で管理しましょう。発芽したらラップを外して育てていきます。大きくなったら鉢へ移しましょう。
おわりに
今回は、サボテンの基本の育て方や植えかえ方法、増やし方などについてご紹介しました。
サボテンは、育て方が容易で気軽に始められる植物ですが、長く楽しむためには定期的な植えかえが必須です。
また、季節に合った水やりをすることも大事なポイント。基本的なお世話の方法を確かめておき、大切なサボテンをより長く育てていきましょう。
公開:2017.09.07
更新:2023.10.23
この記事で紹介された植物について
サボテン類
学名:Cactaceae /科名:サボテン科 /原産地:南北アメリカ /分類:多年草 /耐寒性:強/耐暑性:強
独特のフォルムと雰囲気で、変わらぬ人気があります。