ゼラニウムを育てて、可愛い花と 爽やかな香りを楽しもう
ゼラニウムは香りの良さと熱帯の雰囲気を漂わせる花の姿が魅力です。丁寧に管理を行えば、長期間花を咲かせてくれます。ぜひご自宅で育てて、愛らしい花と爽やかな香りを楽しみましょう。
世界各地で栽培されている人気の花
ゼラニウムは、鮮やかなカラーの花と、しっとりとした葉が印象的な植物です。水を多く含むことができるため乾燥に強く、乾いた土地でも育てられます。開花期間が大変長いのが特徴で、適切に管理すればほぼ一年を通して花を楽しむことも可能です。
原産地
ゼラニウムの原産地は南アフリカのケープ地方を中心とした熱帯アフリカやシリア、オーストラリアなどの暖かい地域です。現在も世界各地で栽培されています。日本へは江戸時代末期に伝わってきたといわれています。最初は独特な葉を鑑賞するために栽培されることが多かったようです。日本で品種改良された品種もいくつか誕生しています。
品種が豊富なゼラニウム
ゼラニウムには多種多様な品種が存在します。品種によって性質も異なり、一年草のものもあれば多年草のタイプもあります。草丈は20cm程度の小さなものから1m近くなるものまでさまざまです。花の色はピンクや赤、白、黄、オレンジ、紫、複色などがあります。咲き方も豊富で、一重咲きや八重咲きのほか、バラ咲きやチューリップ咲きなどの変わり咲きもあります。花の形はもちろん、葉の色や形も品種によって違います。斑や模様の入ったもの、縁に切れ込みがあるものなど、お好みのものを探してみましょう。
アロマとしても人気
ゼラニウムは香りが良く、アロマオイルの原料としても人気です。特に香りの強い品種を選んで、アロマがつくられているようです。ゼラニウムのアロマオイルには、フローラルな華やかさの中にグリーンを思わせる爽やかさがあります。興味のある方はぜひ試してみましょう。
初心者にもおすすめ! ゼラニウムの育て方
ゼラニウムは管理しやすく、ガーデニング初心者にもおすすめの花です。過湿には注意して、ご自宅でゼラニウムを栽培してみましょう。ここでは、ゼラニウムの基本的な育て方をご紹介します。
土づくり
元肥として緩効性肥料マグァンプKが配合されているハイポネックス培養土 鉢・プランター用がおすすめです。地植えの場合は苦土石灰を混ぜて酸度を調節しましょう。また、元肥として肥効期間が約1年間持続する「マグァンプK中粒」を混ぜ込みます。
植えつけ
ゼラニウムの苗は、一年を通して入手可能です。ただし、植えつけは真夏や真冬を避けましょう。おすすめの時期は気候が穏やかな3月~5月や9月ごろです。鉢植えの場合、鉢底石を敷いて水はけを良くします。苗を植えつけしたら水をたくさん与えましょう。
水やり
ゼラニウムは過湿を嫌います。水やりは、土の表面が乾いたら午前中に行いましょう。生育が停滞する冬場は水やりの回数を減らします。地植えの場合、ほとんど水やりする必要はありません。ただし、雨が降らない日が続き、土が乾燥している場合は水をあげましょう。
日当たり
ゼラニウムは日当たりが良く、風通しの良い場所へ植えましょう。ただし、真夏の直射日光を当て続けると株が弱ってしまいます。鉢植えは明るい日陰に移動させ、地植えの場合は日よけをつくってあげるのがおすすめです。
肥料
ゼラニウムには、生育期にあたる春から秋に肥料を与えます。ただし、真夏は株が傷みやすくなっているため施肥を控えます。
1週間から10日1回の頻度で液体肥料「ハイポネックス原液」を与えましょう。また、置肥として「プロミック いろいろな植物用」を用いるのもおすすめです。
ゼラニウムをお手入れして、長い開花期間を堪能しよう
ゼラニウムの長い開花期間を楽しむためには、年間を通してお手入れしてあげる必要があります。夏や冬などの気温変化には気をつけて、ゼラニウムを育てていきましょう。ここからは、ゼラニウムのお手入れ方法や増やし方などをご紹介します。
夏越し
ゼラニウムは高温多湿の日本の夏が苦手です。気温が25℃以上になりはじめる前に、夏越しのための対策をとりましょう。暑い中、直射日光の当たる場所にゼラニウムを置いておくと、花つきが悪くなるほか、葉の色があせたり、落ちてしまったりすることがあります。できるだけ涼しい場所に移すか、日よけをつくってあげましょう。
冬越し
ゼラニウムは温暖な土地であれば屋外で冬越し可能です。霜が降りる地域では、屋内で管理するのがおすすめです。また、気をつけたいのが水やりの頻度です。冬は夏よりも地中の水が減りにくく、表面が乾いていても土の中は湿っていることがあります。春や秋よりも水やりのペースを遅くしなければ、根腐れを起こしてしまうかもしれません。土の表面が乾いてから3日ほど置いて水を与えるようにしましょう。
切り戻し
ゼラニウムの中には、大きく育つ品種もあります。コンパクトに育てたいときや、見た目のバランスが悪くなったときは切り戻しをしてみましょう。基本的に、夏と冬以外であればどの時期に切り戻ししてもかまいません。脇芽を残し、節の上の部分をカットしましょう。
植え替え
鉢植えの場合は1年か2年ごとに植え替えを行いましょう。そのままにしておくと、根詰まりや根腐れを起こしてしまうことがあります。時期は植えつけと同じく3月~5月か9月ごろがおすすめです。植え替えの際、根を掘り上げたら根鉢をほぐし、古い根や伸びすぎた根があったらカットしましょう。
挿し木
ゼラニウムは挿し木で増やすことができます。新芽がついている茎をカットして挿し穂にしてみましょう。切り取る位置は茎の先端から10cmほどの部分です。根は節から出るため、挿し穂に節がついているか確認しましょう。挿し穂の切り口は斜めにします。下のほうについている葉は取り除き、日陰に1日ほど置いて切り口を乾燥させましょう。乾燥が終わったら、湿らせた挿し木用の土へ挿しておきます。風通しの良い日陰に置き、土を乾かさないように気をつけながら発根を待ちましょう。うまくいけば、2週間~3週間で根が出てきます。ある程度育ったら鉢や地面に植えつけしましょう。