【バラ栽培】バラも夏バテ気味になる季節……7月に行いたいバラのお手入れ
雨の多い6月が終わり、7月に入るといよいよ夏本番。
照りつける日差しと上昇する気温に、バラも夏バテしやすくなります。また、地域によっては7月前半は梅雨と重なり、雨が多い時期となります。梅雨明けの前後でバラ栽培のポイントも変わるため、あらかじめお世話のコツを確かめておくことが大切です。
バラを元気に育てて夏を乗り越えるためには、どのような方法で管理すれば良いのでしょうか。今回は、
7月に行いたいバラのお手入れについてご紹介します。
- 目次
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- 動画でわかりやすく!高木大輔店長の「バラ栽培は面白い!」
- 【7月のバラ栽培】梅雨時期と梅雨明け後で水やりの方法を変えよう!
- 梅雨どきの水やり
- 梅雨明け後の水やり
- 【7月のバラ栽培】マルチングで乾燥予防&暑さ対策を!
- 【7月のバラ栽培】病害虫の予防対策を引き続き徹底!
- 【7月のバラ栽培】夏本番の前に、枝同士の風通しをよくしておく!
- 【7月のバラ栽培】二番花、三番花などの咲きがら切りを!
- 【7月のバラ栽培】シュートのお手入れも忘れずに!
- つるバラのシュートのしつけ
- 木立ち性バラのシュートピンチ
- おわりに
- 動画でわかりやすく!京阪園芸 小山内健さんのバラを楽しむための管理ポイント
- この記事で紹介された植物について
動画でわかりやすく!高木大輔店長の「バラ栽培は面白い!」
【7月のバラ栽培】梅雨時期と梅雨明け後で水やりの方法を変えよう!
7月のバラ栽培で重視したいもののひとつが水やりです。梅雨の時期と梅雨明け後で水やりの方法を変えてみましょう。まずは、7月のバラ栽培における水やりのポイントを解説します。
梅雨どきの水やり
バラに水をあげすぎると、徒長しすぎて軟弱な株に生長することがあります。雨が多い時期は、水の与えすぎにならないよう管理することが大切です。
雨が当たる場所でバラを育てている場合、梅雨の時期は基本的に水やり頻度が少なくなります。地植えの場合はほとんど必要ありませんが、雨が当たらない場所に植えている場合は土が乾いたときに水をあげましょう。頻度は1週間に1回程度が目安です。鉢植えの場合、土の表面が乾いていればたっぷりと水やりします。
梅雨明け後の水やり
雨が多い6月には、バラは水分や養分を溜め込み、大きく生長します。
梅雨が明けてジメジメした季節が終わると、バラが蓄えていた水分が抜け、枝はシャープに締まり、葉は濃い緑色になっていきます。
晴天と高温が続く時期は、バラが乾燥しないようなお手入れが必要です。
水が不足すると、葉が黄色くなって落ちたり枯れたりすることがあります。梅雨明け後はしっかりと水を与えましょう。
鉢植えの場合は、1日1回を目安にたっぷりと水をあげます。
水やりの際、いつも同じ方向から水をそそいでいると、まんべんなく水が行き渡らないことがあるため注意が必要です。乾燥している部分と湿っている部分がまばらにできないように水を与えましょう。
庭植えの場合は、土が乾いていたら1日1回を目安に水やりします。
株元を中心に、40cm~50cmの範囲に水をそそぎましょう。
ただし、土が湿っている日には、水やりの必要はありません。土が濡れている状態が続いてしまうと、かえって株が弱ってしまうことがあります。水やり前に土の状態をチェックして、乾燥していたら水をあげるよう心がけましょう。
なお、鉢植え・庭植えいずれも、水やりは気温が高くなる日中を避け、気温の涼しい早朝または夕方以降に行ってください。
水やりの際に植物用活力液『リキダス』を与えることもおすすめです。植物本来の力を引き出し、夏バテ気味の株を回復して肥料吸収を高める効果が期待できます。
また、『ブリリアントガーデン バラのストレスブロック』は高温、低温、乾燥、多湿、日照不足などの環境からのストレスを軽減し、バラの生育を促します。
『ブリリアントガーデン バラのストレスブロック』は肥料成分とミネラルほか、フルボ酸、アミノ酸、ベタイン、多糖類、ビタミンなどを含んだ「バイオスティミュラント資材」です。
バラの葉の色つやを良くし、花と葉の数を増やします。夏越し時のストレスを軽減し、低下した免疫力を戻し改善しますので秋の開花に効果的です。
【7月のバラ栽培】マルチングで乾燥予防&暑さ対策を!
地面の温度上昇や乾燥を防ぐためには、株の根本をマルチングするのも効果的です。
マルチングとは、ビニールなどの資材で植物の株元を覆うこと。病害虫の発生や土の乾燥、急な温度変化などで、植物に悪影響を与えないために行います。敷きワラやバークチップ、腐葉土、ピートモスなどを使ってマルチングしておくと良いでしょう。
バラの株元をマルチングしておくと、地面への直射日光による暑さが和らぎ、根へのダメージを軽減しやすくなります。水やり後に乾燥するスピードもゆるやかになり、カラカラに乾ききってしまうのを防ぐことも可能です。雨が降った際は、地面の泥はねがバラに付着するのを予防することもできます。
また、マルチングは雑草対策としても有効な手段といえます。7月は湿度も温度も高く、雑草がよく伸びる時期になります。あらかじめマルチングしておけば、伸び放題になるのを防げるでしょう。
マルチングに加えて、除草や中耕なども行います。中耕とは、土の表面を軽く耕すことです。根を傷めないよう、土の表面2cm~3cmほどを耕してみましょう。こうすることで水はけや水もち、通気性などが良くなります。土を触ってみて硬くなってきたと感じたら適宜行いましょう。
【7月のバラ栽培】病害虫の予防対策を引き続き徹底!
梅雨はとくに病害虫対策が求められる時期となります。うどんこ病や黒星病など、バラに生じやすい病害を把握したうえでしっかりと対策しましょう。うどんこ病は白い粉をまぶしたような状態になる病気で、糸状菌が原因とされます。見つけたらすぐに患部を除去して消毒しましょう。黒星病は黒い斑点が生じる病気で、被害に遭った葉は落葉してしまいます。こちらも見つけ次第、すぐに対処することが重要です。こういった病害の防除が可能な薬剤もあります。必要に応じて活用することで、大切なバラを長く楽しむことができるでしょう。
ジメジメとした梅雨が明けてカラッとした陽気になれば、病害虫の被害はやや少なくなります。もちろん、完全になくなることはないため、引き続き対策を続けていくことが大切です。
この時期に気をつけたい害虫のひとつが、ハダニです。
ハダニは葉から養分を吸収するので、ハダニ被害にあったバラは葉が錆びたような状態になって弱ってしまいます。
ハダニの防除には、『ブリリアントガーデンハッパ乳剤』を使用しましょう。
有効成分は天然のなたねから抽出したなたね白絞油で、有機農産物栽培に使用できます。
なたね油で被膜をつくりバラのハダ二類、うどんこ病の防除に有効です。
【7月のバラ栽培】夏本番の前に、枝同士の風通しをよくしておく!
梅雨から7月前後にかけて、バラはぐんぐん生長します。この時期になると枝がだいぶ混み合ってきている株もあるかもしれません。
そのままにしておくと枝同士が蒸れて病害虫の温床となりやすいので、風通しを良くするための剪定作業を行いましょう。
【7月のバラ栽培】二番花、三番花などの咲きがら切りを!
バラの開花シーズンとなる5月~6月が終わった後も、二番花や三番花がつくことがあります。花を楽しんだ後は、花がらを切っておきましょう。基本的に、花がついた枝の中央あたりの位置でカットします。枝に5枚葉が残るように調整すると良いでしょう。
木立ち性バラだけではなく、つるバラの咲きがら切りも忘れずに行います。ひとつの枝に葉が3枚~4枚残るように切りましょう。一季咲きの品種で秋にローズヒップ(バラの実)を楽しみたい場合、子房は残して花びらのみを摘んでおきます。
また、例年よりも気温が高く株が弱りそうな場合、株を休ませるために摘蕾することもおすすめです。蕾を摘んでおくことで、株の消耗を防ぐことにつながります。
【7月のバラ栽培】シュートのお手入れも忘れずに!
この時期のバラは、6月から引き続きシュートがよく伸びる時期となります。シュートのお手入れも忘れずに行いましょう。
つるバラのシュートのしつけ
つるバラのシュートを放置していると、どんどん伸びて収拾がつかなくなってしまうことがあります。ただ、この時期に伸びるシュートは来年に花を咲かせる枝となるため、切り落とさずに管理することが大切です。伸びたシュートは上方向に向かって束ねておきましょう。あまりきつく縛ることはせず、少し余裕を持たせて縛っておくことがポイントです。
木立ち性バラのシュートピンチ
株元から伸びてくるベーサルシュートに蕾がつくことがあります。四季咲きの木立ち性バラは、シュートを充実させるために先端をピンチしておくことがおすすめです。シュートピンチしておくことで分枝するため、枝葉を増やすこともできます。なるべく枝が育って硬くなる前に済ませておきましょう。
おわりに
7月のバラ栽培では、水やりや病害虫対策などに気を配りながら、暑さ対策も始めることがポイントです。
梅雨明け前後でお手入れ方法を切り替えましょう。状況に合わせて適切な管理を続けていくことで、バラの株をもっと元気に育てていくことができます。バラの夏バテを防ぎながら、次の開花へ向けてお手入れしていきましょう。
動画でわかりやすく!京阪園芸 小山内健さんのバラを楽しむための管理ポイント
2018年6月30日 公開
2023年7月8日 更新
この記事で紹介された植物について
バラ
学名:Rosa /科名:バラ科 /別名: /原産地:アジア、ヨーロッパ、中近東、北アメリカ、アフリカの一部 /分類:落葉(ツル性)低木 /耐寒性:中~強/耐暑性:中~強
気品あふれるその華やかな姿から、花の女王とも呼ばれるバラ。