【ゼラニウムの育て方】 艶やかな花と香りを楽しむための栽培のコツ
色とりどりの鮮やかな花と芳しい香りが特長のゼラニウム。
開花時期が長く、丈夫で育てやすい植物ですので、ガーデニング初心者の方にもおすすめです。
今回は、ゼラニウムの基本的な育て方や栽培のコツ、注意点、増やし方などをご紹介します。
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ゼラニウム
学名 Pelargonium Zonal Group 科名 フウロソウ科 別名 テンジクアオイ 原産地 南アフリカ・ケープ地方 分類 多年草 耐寒性 やや弱 耐暑性 中 栽培カレンダー
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月開花時期植えつけ・植えかえ施肥
ゼラニウムの特長
ゼラニウムは、南アフリカやケープ地方を原産とするフウロソウ科の多年草です。
花色は、白やオレンジ・赤・ピンク・黄色など。咲き方も一重咲きや八重咲きなどさまざまです。
品種が多く、ハーブのように高い香りを放つものやカラーリーフとして楽しめるものもあります。
丈夫な性質をしているため、ガーデニングが初めての方にもおすすめできる植物です。
開花時期が大変長いのもゼラニウムの魅力のひとつです。主な開花時期は3月から12月上旬とされます。四季咲き性があり、条件が合えば一年を通して花を観賞できるでしょう。
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☘55:ゼラニウムの育て方|植えつけの注意点、水やりや肥料など日々の管理や、切り戻しや花がら摘みなどもご紹介
ゼラニウムの育て方のポイント・注意点
ゼラニウムは育てやすい花のひとつです。ぜひご自宅で育てて、きれいな花を堪能しましょう。こちらでは、ゼラニウム栽培の基本的な方法や注意点をご紹介します。
栽培場所
ゼラニウムは日光を好むため、日当たりが良い場所で栽培しましょう。日光が足りないと花つきが悪くなるほか、葉の色が薄くなってしまうことがあります。
斑入りの葉は模様が出なくなることもあるため気をつけましょう。ただし、真夏の西日のように強い直射日光が当たる場所は避けることがおすすめです。
用土
ゼラニウムは水はけが良い弱アルカリ性の土を好みます。地植えする場合は、植えつけ前に苦土石灰をまいておきましょう。
鉢植えの場合は元肥としてマグァンプKが配合されている「ハイポネックス培養土 鉢・プランター用」がおすすめです。プランターは鉢底穴が大きく、排水性の良いものを選ぶと良いでしょう。
植えつけ
ゼラニウムの植えつけは、3月下旬から6月下旬、または9月前後が適しています。
なお、ゼラニウムは生育旺盛な植物です。庭植えすると根が広がり、他の植物の生長を妨げてしまうことがあります。十分なスペースを確保できない場合は、鉢植えをおすすめします。複数株を植えたい場合、株間をあけられるように大きめの鉢を選びましょう。
肥料
ゼラニウムは開花時期が長く、次々と花を咲かせます。肥料切れには注意して、定期的に施肥を行いましょう。
植えつけの際は元肥として肥効期間が約1年間持続する緩効性肥料「マグァンプK中粒」を土に混ぜ込みます。
春から夏、秋には追肥として液体肥料「ハイポネックス原液」を1週間~10日に1度を目安に与えるか、置くだけで肥効期間が約2カ月間持続する「プロミック草花・鉢花用」を置肥しましょう。
また、開花時期には、すぐに効果の出る速効性肥料ではなく、じっくりと効果の続く緩効性肥料を与えることがおすすめです。
水やり
ゼラニウムは多湿を嫌うため、水の与えすぎには注意が必要です。鉢植えの場合、用土の表面が乾いたら水を与える程度にとどめましょう。
地植えの場合は基本的に降雨に任せます。ただし、土の乾きやすい真夏や、晴れた日が続いたときなどは、土がカラカラの状態になっていることがあります。そういったときは適宜水を与えましょう。
アブラムシ対策
ゼラニウムに発生しやすい害虫のひとつがアブラムシです。とても小さいため見逃してしまうこともありますが、気づいたらどんどん増えてしまうことがあるため注意しましょう。見つけ次第、すぐに駆除することが重要です。薬剤も活用しながらアブラムシを防除しましょう。「虫を予防するマグァンプD」は肥料やり+害虫の予防・退治が同時にできるのでおすすめです。
花がら摘み
ゼラニウムは、開花期になったら次々と花を咲かせてくれます。咲き終わった花は順次摘み取るようにしましょう。そのままにしておくと見た目が悪いだけではなく、病害虫の原因になることがあります。
切り戻し
生育が旺盛なゼラニウムは、放っておくと草姿のバランスが悪くなってしまいます。草丈が高くなる品種の場合は、かなり大きく生長することもあります。コンパクトに育てたい場合、春または秋に茎を短く切り戻し、形を整えるようにしましょう。全体の大きさが3分の1程度になるよう、大胆にカットして問題ありません。
植え替え
鉢植えのゼラニウムを育てていると、根が伸びすぎて根詰まりしてしまうことがあります。そのまま育て続けると生育に影響が出てしまうこともあるため、植え替えることがおすすめです。適期は植えつけと同じく春と秋です。真夏と真冬以外であれば、基本的にいつでも行えます。
ゼラニウムをより大きく育てたい場合は、一回り~二回り大きな鉢へ植え替えます。そのままの大きさで育てたいときは、根鉢をほぐして3分の1程度にしてから今までと同じ大きさの鉢へ植えましょう。古い根や伸びすぎた根などはカットします。また、植え替えの際は新しい用土を準備しましょう。
ゼラニウムの季節別の管理方法
ゼラニウムは高温多湿や寒すぎる環境が苦手です。季節ごとの管理のコツを押さえておきましょう。こちらでは、梅雨や夏、冬のお手入れについてご紹介します。
梅雨時期の管理
ゼラニウムに雨が直接当たると茎や葉が腐ったり、病害虫被害に遭いやすくなったりします。梅雨のように雨が続く時期には軒下などに移動させましょう。地植えの場合、梅雨頃に一度切り戻しておくこともひとつの方法です。
夏場の管理
ゼラニウムは高温多湿の環境が得意ではありません。
気温が高い状態が続くと、葉の色が悪くなるほか、葉が落ちたり花色が薄くなったりすることがあります。
夏場の西日や直射日光も避けましょう。鉢植えの場合は涼しい半日陰などへ移動させます。
夏場の水やりは朝か夕方以降の涼しい時間帯に行います。暑い時間帯に水を与えると土の中の温度が上がり、根腐れを起こす原因になることがあるため気をつけましょう。
また、夏のゼラニウムを元気に育てるためには、植物用活力液「リキダス」がおすすめです。必要に応じて活用しましょう。
冬場の管理
ゼラニウムは暖地であれば冬も屋外で栽培可能です。
ただし、厳しい寒さが続くと株が傷んでしまうことがあります。雪が降ったり、気温が0℃を下回ったりする地域の場合は、室内に取り込んだ方が安心です。
暖かく明るい部屋であれば、冬の時期でも花を咲かせてくれることがあります。日当たりの良い窓辺などに置くと良いでしょう。ただし、窓の側は日が暮れると気温が下がりやすいため注意が必要です。暖房の風が当たる場所も乾燥しすぎるため避けましょう。
生育が緩慢になる冬場は、乾かし気味に管理しましょう。
土の表面が乾いたのを確認してから2〜3日後に水やりをすれば十分です。
ゼラニウムの増やし方
栽培しているゼラニウムを増やしたい場合は、挿し芽(挿し木)に挑戦することがおすすめです。最後に、ゼラニウムの挿し木の方法をご紹介します。
ゼラニウムの挿し芽で準備するもの
挿し芽の際は、清潔でよく切れる刃物を準備します。園芸用のハサミやナイフなどを消毒して使いましょう。
また、挿し芽をする場合は肥料の含まれていない土を使います。赤玉土などのほか、市販されている挿し木用土を使うことがおすすめです。
ゼラニウムの挿し芽の時期
ゼラニウムの挿し芽は、真夏と真冬を避ければいつでも行えます。切り戻しのついでに作業すると効率的です。ただし、梅雨の時期は挿し穂が腐りやすいため気をつけましょう。
ゼラニウムの挿し芽の方法
先端に新芽がついており、葉の色が良く、がっしりとしている茎を指し穂にするのがおすすめです。先端から10cm~15cmの位置で切り落としましょう。葉は先端に近いものを3枚~4枚残し、あとは摘み取ります。このとき、大きい葉がそのまま残っていると、蒸散する量が多くなり水が不足しやすくなります。大きい葉は半分にカットしておきましょう。
挿し穂の切り口は斜めにします。挿し芽用の土に小さな穴を掘り、先端を挿しましょう。その後、水をたっぷりとあげます。ただし、梅雨などの湿気が多い時期に作業する場合はすぐに水を与えず、1日待ってから水やりしましょう。
作業が終わったら、用土の土が乾かないようにしながら半日陰で管理します。品種によりますが、順調にいけば2週間から1カ月程度で発根します。発根したら徐々に日なたへ移し、鉢や花壇へ植えつけましょう。
おわりに
ゼラニウムを育てるときは過湿に気をつけることが大切です。水はけと日当たりの良い環境を整えてあげれば、きれいな花をたくさん咲かせてくれるはずです。
ぜひご自宅のお庭やベランダで育てて、ゼラニウムの観賞を楽しみましょう。
公開: 2018年12月28日
更新: 2023年7月31日
この記事で紹介された植物について
ゼラニウム
あざやかな花を長期間花を楽しませてくれるゼラニウム。ヨーロッパの窓辺で良く見かける花です。一重咲き・八重咲きとあり、最近では色幅がどんどん増えています。