更新日:2021.08.11
【観葉植物】丈夫で人気の高いゴムの木の育て方や植え替え方法とは
「ゴムの木」は、楕円形の大きくて肉厚な葉が特徴の観葉植物です。初心者でも育てやすい丈夫な観葉植物としてゴムの木は人気が高く、一度は聞いたことや見たことがある方も多いのではないでしょうか。
インドやマレーシアなど熱帯地域を原産とするゴムの木は、世界中に約800種類が分布しているとされています。その名のとおり、ゴムを作るための原料として用いられてきたゴムの木ですが、強靱で生命力旺盛、大きく美しい葉が人気となり、今では一般家庭で育てられる定番の観葉植物として親しまれています。
今回は、観葉植物を育てるのが初めてという方にぜひおすすめしたい「ゴムの木」の育て方の基本や植え替えの方法、剪定やお手入れのポイントなどについて詳しくご紹介します。
- 目次
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- 動画でわかりやすく栽培法をご紹介|【PlantiaQ&A】
- ゴムの木とは
- インドゴムノキとデコラゴムノキについて
- ・インドゴムノキ
- ・デコラゴムノキ
- ゴムの木の樹液について
- ゴムの木の生育のサイクル
- ゴムの木の置き場所
- ゴムの木は室内栽培もOK
- ゴムの木を屋外に置く場合の注意点
- 冬場の置き場所
- ゴムの木の水やり
- 春~秋のゴムの木の水やり
- 冬のゴムの木の水やり
- ゴムの木の肥料
- 春~夏にかけて生育期に肥料を与える
- ゴムの木の剪定方法
- ゴムの木の剪定時期について
- ゴムの木の剪定のやり方
- ゴムの木の植え替え
- ゴムの木の植え替え時期ついて
- ゴムの木の用土について
- ゴムの木の植え替え方法(鉢植え)
- ゴムの木の植え替え方法(地植え)
- ゴムの木の増やし方
- ゴムの木を増やす時期
- ゴムの木を「挿し木」で増やす方法
- ゴムの木の病害虫
- ゴムの木に発生しやすい害虫
- ・カイガラムシ
- ・ハダニ
- ゴムの木がかかりやすい病気
- ・すす病
- ・灰色カビ病
- ・炭そ病
動画でわかりやすく栽培法をご紹介|【PlantiaQ&A】
☘103:ゴムの木の育て方|苗の選び方や、水やりや肥料の与え方、冬越しの方法などもご紹介【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
ゴムの木とは
ゴムの木の中で最も有名なのが、クワ科のイチジク属に分類される「インドゴムノキ」です。インド北部、マレー半島を原産地とする常緑高木で、現在ではインドゴムノキから枝変わりした園芸用の品種が多数作られています。
インドゴムノキとデコラゴムノキについて
世界では「インドゴムノキ」が最もメジャーな品種とされていますが、世界中にはおよそ800種類のゴムの木が熱帯地域を中心に存在するとされています。ゴムの原料が採れる植物のことをゴムの木と総称することから、クワ科イチジク属のインドゴムノキの他にも、イチジク属の他にもクワ科のフィカス属などもゴムの木の一種とされています。
・インドゴムノキ
インドゴムノキは、英名ではフィカス・エラスティカ(Ficus elastica)と呼ばれています。楕円形で肉厚の葉が垂れるようについているのが特徴で、大きいものだと高さ30mくらいまで生長します。
・デコラゴムノキ
日本ではインドゴムノキが人気ですが、最近ではインドゴムノキの枝変わり品種である「デコラゴムノキ」が最も普及している品種として知られています。デコラゴムノキは英名でフィカス・デコラ(Ficus Decora)と呼ばれ、楕円形で丸みのある肉厚な葉は濃い緑色をしていて、立ち性で強健なことが特徴です。
ゴムの木の樹液について
ゴムの木は名前にあるように、天然ゴムの原料となる樹液がでてきます。ゴムの木を剪定したときに、切り口から白い樹液が出てきますが、この樹液に触れたことで肌がかぶれる、アレルギー反応を起こすといった恐れがあるので、剪定などの作業をするときは必ずゴム製の手袋を着用するようにしてください。
ゴムの木の生育のサイクル
ゴムの木が好む栽培環境を整えて育ててあげてば、通年美しい葉を楽しむことができます。生育期は春~夏(5月~9月頃)にかけての暖かい時期です。この時期に購入したゴムの木は生長が早いので、定期的に生長したゴムの木を新しい鉢に植え替え(植えつけ)をします。
ゴムの木の置き場所
熱帯地域原産のゴムの木は、日当たりの良い場所を好みます。耐暑性にも優れているので、生育期にあたる暖かい季節には屋外に出して直射日光を当てることで強健な株に育ちます。
ゴムの木は室内栽培もOK
日当たりの良い場所を好むゴムの木ですが、耐陰性にも優れているため室内で育てることも可能です。ただし、本来は明るい場所や日光を好む観葉植物なので、室内で育てる場合もできるだけ日当たりの良い場所に置くこと、定期的に屋外に出して日光によく当てることが大切です。また、エアコンや暖房の風がゴムの木に直接当たってしまうと、葉が枯れる恐れがあるので注意してください。
ゴムの木を屋外に置く場合の注意点
室内で育てていたゴムの木を屋外に出すときに気をつけたいのは、「いきなり直射日光に当てない」ということです。最初から室内で育てていたゴムの木や、購入してきたばかりのゴムの木の株は、急に強い光に当たると葉焼けを起こしてしまう恐れがあるからです。こういうときは、まずは屋外でも半日陰の場所にゴムの木を置いて、その後少しずつ慣れてきたら直射日光で管理してあげることがポイントです。
冬場の置き場所
耐暑性に優れたゴムの木ですが、耐寒性は低く、温度が低くなりすぎると株が弱ってしまいます。鉢植えのゴムの木を屋外で育てている場合は冬の間だけ室内に移動させて、できるだけ暖かくて明るい場所に置いて育てることが大切です。ゴムの木を地植え栽培で冬越しできる地域もありますが、冬越しには10℃以上を必要とするため、気温がそれ以下になる地域では鉢植えで育てて冬は室内に移動して育てるのが一般的です。
ゴムの木の水やり
ゴムの木は水を好む観葉植物です。土の状態や季節に合わせて水やりの頻度や量を調節します。
春~秋のゴムの木の水やり
鉢植えで育てているゴムの木の水やりは、生育期にあたる春から秋にかけては鉢土の表面が乾燥した頃を目安に行います。土の表面が乾いたら水やりをします。水はたっぷり鉢底から流れ出るくらい与えて、受け皿にたまった水は溜めないように気をつけましょう。受け皿に水がたまった状態になっていると、ゴムの木が根腐れを起こす恐れがあるからです。尚、真夏の暑い時期は、できるだけ朝や夕方など比較的涼しい時間帯に水やりをします。
水はけのよい場所で地植え栽培をしているゴムの木も同様に水やりをするときは涼しい朝や夕方に行います。
冬のゴムの木の水やり
気温が下がる冬の時期は、ゴムの木が休眠期に入って生長が止まります。この時期は乾燥気味に育てるのがポイントで、水やりは土の表面が乾いてから2、3日経った頃に水やりをします。地植えでゴムの木を育てている場合は、冬の時期は根が凍ってしまわないように、気温の高い時間帯に水やりを行うのがポイントです。
ゴムの木の肥料
ゴムの木は育てやすく強健な観葉植物ですが、より健康な生長を促すためにも「肥料」はとても大切です。
春~夏にかけて生育期に肥料を与える
ゴムの木に肥料を与えるタイミングは、生育期にあたる春から秋にかけてです。この時期はゴムの木の生長が著しいため、「プロミック 観葉植物用」等の緩効性の化成肥料を生育期の4月~9月の間は2か月に一度、置肥するか、「ハイポネックス原液」あるいは「専用液肥 観葉植物」を1週間~10日に1回のペースを目安に希釈した液体肥料を水の代わりに与えます。
肥料を与えることでゴムの木が健康的になりますが、一方で肥料の与えすぎは「肥料焼け」を起こすが原因にもなるので注意が必要です。肥料を与えるときは必ず適正濃度を守って希釈した液肥を与え、ゴムの木の株が徒長して大きくなりすぎた場合は先端を切るなどの剪定が必要です。
植え替えをした直後はゴムの木の根が弱っているので、しっかり土に根づいてから肥料を与えてください。
ゴムの木の剪定方法
ゴムの木の樹形が崩れている、バランスが悪い、葉が密集しているといったときに行う作業が「剪定」です。
ゴムの木の剪定時期について
ゴムの木の剪定は、4月~6月、9月~10月頃を目安に行います。真夏は生育期でもありますが、この時期は剪定をすることで株が弱ってしまう恐れがあるので避けた方がいいでしょう。また、冬はゴムの木が休眠期に入って生長が止まるので剪定作業は行いません。
雨の日に行うとゴムの木の切り口が湿って病気にかかりやすくなるので、ゴムの木の剪定は必ず晴れた日に行いましょう。
ゴムの木の剪定のやり方
ゴムの木を剪定するときは、切り口から白い樹液がでてくるので、必ずゴム製の手袋や汚れてもいいエプロンなどを着て作業をします。清潔な剪定用のハサミを用意したら、徒長して長くなった枝や葉が密集しすぎているところなどを中心に気になる部分を切り取ります。枝の分かれ目の部分や根元の部分、新芽が出ている場合はその上あたりを切ることで新しい枝が生えやすくなります。
ゴムの木を剪定すると樹形が整うだけでなく、風通しが良くなって病害虫対策にもなりますので、定期的に行うことが大切です。尚、剪定で切り落とした枝を挿し木として使えば、ゴムの木の数を増やすこともできるので残しておきましょう。
ゴムの木の植え替え
ゴムの木は1年~2年くらい経つと根詰まりを起こしやすくなります。鉢植えをして育てている場合に、水はけが悪いと感じたときは「植え替え」をしてあげましょう。根詰まりの状態を放置してしまうと、生長を阻害する原因になるので注意が必要です。
ゴムの木の植え替え時期ついて
ゴムの木の植え替えは、真夏を除く5月~9月頃に行います。室内栽培で育てている場合は、暖かい室内であればいつ植え替えをしても構いません。生育期であるこの時期は植え替えに適した季節ですが、気温が高い真夏の時期にはできるだけ植え替えは避けた方がいいでしょう。真夏の時期に植え替えをすると根が弱ってしまう可能性があるからです。
植え替えの際には、元肥として2年間肥料効果が持続する「マグァンプK大粒」を土に混ぜ込みましょう。
ゴムの木の用土について
乾燥にも強いゴムの木は水はけのよい土を好みます。ホームセンターや園芸店などで販売されている観葉植物用の土を使ってもいいですし、自作した土を使ってもいいです。
ゴムの木用に土を自作する場合は、小粒の赤玉土7に対し、腐葉土を3の割合でブレンドした土を使います。観葉植物用の培養土を使うときは、培養土2に対して赤玉土を1、鹿沼土を1ブレンドしたものを使います。配合した土は、一度ふるいにかけておくことで粉塵を取り除くことができます。
ゴムの木を地植えする場合は、元々の苗よりも一回りくらい大きな穴を掘ります。掘った穴から取り出した土に対して、腐葉土を3の割合でブレンドして、少量の苦土石灰を混ぜておきます。尚、植え替えを行う2週間前までにこの作業を完了しておきましょう。
ゴムの木の植え替え方法(鉢植え)
ゴムの木を鉢植えに植え替えする方法を紹介します。植え替えをする前に植え替え用の土と、今までの鉢よりも一回り大きなサイズの鉢、鉢底石、鉢底ネットを用意しておきましょう。
STEP1. 鉢に鉢底ネットと鉢底石を入れる
STEP2. 新しい鉢に土を1/3程度入れる
STEP3. 鉢からゴムの木の株を取り出す
STEP4. 根鉢についた古い土をほぐして1/3程度取り除く
STEP5. 新しい鉢にゴムの木の株を置く
STEP6. 株と鉢の間に土を入れる
STEP7. 手で土を軽く押されて安定させる
STEP8. たっぷり水やりをしたら植え替え完了
POIT:植えつけ後は根の活着促進のため植物用活力液『リキダス』を1,000倍に希釈して与えましょう。
ゴムの木は水はけと通気性のよい土を好むため、新しい鉢を用意したら鉢底ネットと鉢底石を必ず入れましょう。用意したゴムの木用の土を鉢の1/3程度まで入れておきます。今まで育てていた鉢からゴムの木の株をやさしく取り出します。根鉢についた土が固まっているときは、古い土をやさしく手でほぐして1/3程度丁寧に取り除きます。このときに、古い土が固くなければそのままの状態で植え替えをします。
バランスをみながら、新しい鉢にゴムの木の株を置きます。株と鉢のあいだにすき間があるので、ここを埋めるように残りの土を入れます。株が土に安定するように土を軽く手で押さえて、最後にたっぷりの水を与えたらゴムの木の植え替え作業は完了です。
新しい鉢への植え替えが終わったら、しっかり根づくまでは風や日光が直接当たらない明るい日陰に置いて管理します。植え替えから1ヶ月くらいは肥料を与えずに育てます。
ゴムの木の植え替え方法(地植え)
ゴムの木を地植えする場合の植え替え方法を紹介します。育てやすく丈夫なゴムの木は適切な方法で植え替えをすれば、地植えで数十年と長く栽培することができます。できます。植え替えの2週間前までに土を用意しておきましょう。
STEP1. 元々の株よりも一回り大きなサイズの穴を掘る
STEP2. 植え穴から掘り出した土に腐葉土を混ぜ込む
STEP3. 株を優しく掘り起こす
STEP4. 植え穴に株を置く
STEP5. すき間に土を入れる
STEP6. 土を軽く押さえる
STEP7. 水やりをしたら植え替え完了
POIT:植えつけ後は根の活着促進のため植物用活力液『リキダス』を1,000倍に希釈して与えましょう。
植え替えをした後は、鉢植えと同じく、1ヶ月ほどは追肥(肥料)を与えずに育てます。地植え栽培は鉢植えよりもゴムの木を大きく育てられるので、越冬できる地域にお住まいの方は地植え栽培に挑戦してみるのもおすすめです。
ゴムの木の増やし方
丈夫なゴムの木は、さまざまな方法で株を増やせます。今回はその中から「ゴムの木を挿し木で増やす方法」と「ゴムの木を取り木で増やす方法」を紹介します。
ゴムの木を増やす時期
ゴムの木を挿し木や取り木などの方法で増やす場合は、生育期にあたる5月~6月頃を目安に作業をします。植え替えをするときや剪定をするときに切り取った枝を使って株を増やすことができますので、これらの作業と同じ時期に挿し木を行うのがベストです。
ゴムの木を「挿し木」で増やす方法
剪定したときに切り取ったゴムの木の枝は、挿し木という方法を使って株を増やせます。
STEP1. 剪定で切り取った枝を10cm程度の長さに切る
STEP2. 切り口を水で洗い流す
STEP3. 下葉を取り除き上葉のみを残し1、2枚に減らす
STEP4. 葉を半分に切る
STEP5. 切り口を水に挿して半日ほど浸す
STEP6. 水苔で切り口を囲む
STEP7. 鉢に赤玉土を入れる
STEP8. 指で植え穴を開ける
STEP9. 植え穴に枝を挿し込む
STEP10. 発根するまで水やりをして日陰で管理する
STEP11. 発根して本葉が2枚~4枚になったら鉢に植え替える
ゴムの木を剪定したときに切り取った枝は、長さ10cm程度に切っておきましょう。ゴムの木の枝を切ると樹液が出てくるので水で洗い流します。枝についた上葉のみ1~2枚残して、下葉は取り除きます。発根していないゴムの木は吸水力が弱いので、葉を2枚に減らすことで水分の蒸発を防ぎます。
葉を半分に切ったら、枝の切り口を下にして水に挿します。半日ほど浸して枝に水を吸わせたら、湿らせた水苔を使って枝の切り口を囲み水分の蒸発を防止します。鉢に赤玉土を入れて、指で植え穴を開けたら、水を吸わせた枝を差し込みます。発根するまでは1週間ほどかかるので、その間は涼しい日陰に置いて管理をして、土が乾かないように注意して水やりを続けます。挿し木した枝が発根して本葉が2枚~4枚くらい生えてきたら、水苔で囲ったまま新しい鉢に植え替えます。
取り木は新しい根を作ることでゴムの木の株数を増やす方法です。取り木には、できるだけ茎が太いものが適しています。
STEP1. 根を作りたい部分の幹に切り込みを入れる
STEP2. 切り込み入れたら幹の皮を剥ぐ
STEP3. 皮を剥いだ部分を湿った水苔で囲う
STEP4. 水苔をビニールで覆う
STEP5. 発根したら切り離して新しい鉢に植え替える
太い茎を選んだら、根を作りたい部分の幹にナイフで切り込みを入れます。切り込みを入れたら、約5cm幅で幹の皮を1周するように剥ぎ取ります。皮を剥いだ部分は湿らせておいた水苔を握りこぶしくらい巻いて囲い、その上を水が流れる程度にビニールでさらに覆って固定してください。水苔は乾かさないように水やりをおこなってください。
取り木の場合は1,2ヶ月程度で発根します。ビニールの内側に10本以上の根が発根したら水苔やビニールを取り外し、切り離したら新しい鉢に植え替えます。
ゴムの木の病害虫
ゴムの木は丈夫で、病害虫に強い観葉植物として知られていますが、悪条件が重なると害虫が発生したり、病気にかかってしまったりすることもあるので注意が必要です。
ゴムの木に発生しやすい害虫
ゴムの木に発生しやすい害虫や対処法について紹介します。
・カイガラムシ
ゴムの木に発生しやすい害虫が「カイガラムシ」です。カイガラムシはゴムの木の葉の後ろ側や、ゴムの木の幹に発生する害虫で、その名のとおり白い貝殻のような形をしているのが特徴です。カイガラムシは風通しの悪い場所や、湿気の多い場所に発生しやすい害虫で、見つけたときはその場ですぐ駆除することが大切です。
カイガラムシの体長は1mmほどと小さく見つけるのも難しいですが、放置してしまうとゴムの木の葉や幹について汁を吸って生育を遅らせる、最終的にはゴムの木を枯れさせてしまうこともあります。
カイガラムシはゴムの木の生育を妨げるだけでなく、病気を誘発する厄介な害虫です。成虫になった後では薬剤での駆除が難しくなるので、葉の裏や幹をこまめに確認して、発見したらすぐにこすり落として駆除してください。
カイガラムシの発生を抑制するためにも、ゴムの木はできるだけ日当たりのよい場所に置いて育てる、風通しをよくするために定期的に剪定をするなどの予防法が積極的に行いましょう。
・ハダニ
乾燥した季節に発生しやすい害虫が「ハダニ」です。ゴムの木に限らず、さまざまな植物に発生するハダニはゴムの木の葉にくっついて吸汁し、しまいには葉を枯らしてしまいます。体長は0.8mm以下でとても小さいですが、繁殖力が強く、大量の群れになって植物の葉に寄生するので、見つけたら早めに駆除することが大切です。
ハダニは高温で乾燥している季節を好みます。3月から10月までの暖かい季節は、ハダニが発生しやすいので注意が必要です。ハダニを発見した場合は、ガムテープなどを使ってこまめに除去する、または薬剤を使って駆除します。
薬剤などはできるだけ使いたくないという方は、葉水をすることでハダニの発生を予防します。ハダニは水が苦手なので、定期的に葉水をして管理することで寄りつきにくくなります。
ゴムの木がかかりやすい病気
ゴムの木がかかりやすい病気や予防法について紹介します。
・すす病
ゴムの木にカイガラムシの発生したことが原因で、「すす病」という病気にかかることがあります。糸状のカビが増殖して起こり、ゴムの木に黒いすすが付いたような病斑が見られます。葉がすす病菌で覆われてしまうと、ゴムの木の葉が上手く光合成ができなくなり生育が鈍る、しまいには枯れてしまう場合があります。
すす病は気温が高い時期に発生しやすいことから、発見した場合は葉に付いた病斑をきれいに切り取る、薬剤を使って雑菌をする必要があります。また、すす病にかからないための予防策として、すす病を誘発するカイガラムシを発生させない、見つけた場合はすぐに駆除する、こまめに剪定をして通気性を良くすることが大切です。
・灰色カビ病
細菌が原因で起こる「灰色カビ病」は、ゴムの木の葉に灰色のカビがあらわれ、徐々に病斑が広がっていきます。灰色カビ病にかかってしまった場合は、すぐにその部分を切り取ります。ゴムの木全体に広がっているときは、株をまるごと処分する必要があります。土に灰色カビ病が広がっている場合もあるので、部分的に切り取るときは新しい鉢と土を用意して植え替える方法が有効です。
灰色カビ病は風通しの悪い場所、多湿な場所に発生しやすいカビです。梅雨の時期や、雨が多く降る季節に発生しやすいので、できるだけ風通しのよい場所で育てること、水はけのよい土を使うことで予防をします。
・炭そ病
「炭そ病」は、ゴムの木の葉に円形などの形で病斑ができて、その部分が徐々に枯れて、株全体に広がってしまう恐れのある病気です。春から秋にかけてカビが原因で起こる病気で、とくに梅雨の時期や雨が多く降る時期に多く発生します。
炭そ病を発見したら、その部分を切り取って焼却処分する、株全体に広まっている場合は株ごと処分するしか対処法はありません。炭そ病にかからないためにも、ゴムの木を育てるときは高温多湿になる場所は避け、風通しのよい場所に置いて育てることが大切です。
その他、水やりが原因で炭そ病にかかることがあります。ゴムの木に水やりをするときは上からではなく、必ず株元あたりに水をあげるようにしましょう。水を与えたあとは、受け皿に水を溜めたままにせず必ず捨ててください。すでに炭そ病にかかっている、もしくは炭そ病かもしれないと感じたときは葉水を控えましょう。
ゴムの木の育て方の基本や植え替えのやり方、剪定方法や株の増やし方などについて色々紹介してきました。ゴムの木は丈夫で育てやすく、観葉植物を育てるのが初めての方にもおすすめの植物です。
大きくて肉厚の葉が特徴的なゴムの木はインテリアとしても重宝しますし、種類もたくさんあるので色々な品種を育てて楽しむのもおすすめです。育て方の基本を知っていれば、誰も簡単に育てることができるので、これを機にぜひゴムの木をご自宅で育ててみてはいかがでしょうか。