【家庭菜園】【イチゴの育て方】イチゴのお勧めする栽培方法
赤くて見た目も可愛い、食べたら甘くて美味しいイチゴ。多くの方が好きな果実だと思います。イチゴは秋から春にかけて栽培をし、寒い冬を乗り越えてやっと収穫できる野菜です。栽培する期間が長いだけあって、「失敗はしたくない」「多くの果実を収穫したい」という想いは強いと思います。今回はイチゴを栽培する上でお勧めの栽培方法と、お勧めする資材「今日から野菜シリーズ」を紹介させていただきます。また、イチゴの果実が甘かったり多く収穫できるかどうかは「品種」の能力が一番影響します。今回はサントリー本気野菜「蜜香・ドルチェベリー・ローズベリー・レッド」の3品種を用いて栽培した結果です。蜜香は糖度が14度を超えて圧倒的に甘い点が特徴です。また甘いイチゴの香りが立ちこみ、心地よい香りで癒される点が他社の品種にはない特徴です。ドルチェベリー・ローズベリー・レッドは四季成りイチゴで長い期間取れる特徴を持ち、他の品種よりも果実が多く付きたくさん収穫できる点が特徴です。
植え付け作業(10月)
イチゴを植え付ける前に、ホームセンターなどで苗を選ぶと思います。苗を選ぶ際はできれば葉が長く伸びていなく、葉先が枯れたりしていない元気な苗を選んできましょう。もし、枯れている葉があったりした場合は定植前にカットして定植しましょう。また、時折ランナーと呼ばれる葉が付いていない茎が伸びていることがあります。これも同様に植え付ける前にカットしておきましょう。
蜜香(左)とドルチェベリー(右)の苗 綺麗で元気な苗
葉先が枯れている苗などの場合は、枯れた葉を定植前にカットしてあげましょう
ランナーという器官が延びているのでカットする
定植をします。定植で必要な資材は以下です。
1)鉢やプランター(個人的にお勧めは鉢です、今回は6号長鉢を使用してます)
2)苗
3)土(今日から野菜 野菜を育てる土がお勧め。もしくは野菜用やイチゴ用の培養土を使用してください)
4)肥料(『今日から野菜 野菜を育てる肥料』がお勧め)
5)スコップや受け皿、じょうろなど
土はなるべく水はけが良い土を選び、肥料は急激に効かず緩やかに効く肥料を選びましょう
定植をしていきます。まず鉢底に鉢底石を入れます(鉢の底に穴がしっかりと多く空いた鉢だと鉢底石はなくても大丈夫です)。その次に土を入れます。その後、苗を黒ポットから根を崩さずに取り出して植え付けます(イチゴは根が繊細なので崩さないように)。植えつける際にとても重要な点が、浅めを意識して植えてください。クラウンと呼ばれる根元の部分が埋まるとイチゴは上手く育たなかったり、育っても果実が少なくなったりするので、必ずクラウンを埋めずに浅めに植えてください。
鉢底石を底に敷き詰める
土を8分目位まで入れる
根を崩さずに取り出す
浅めを意識して、株の真ん中の盛り上がったクラウンという部分を埋めないように
植え終わったら、肥料をあげます。この時も注意点があります。イチゴは「肥料が少な目が好ましい植物」です。あまり多くの肥料をあげすぎると根が傷んで葉の淵が枯れたり、それが影響して花が付きづらくなったりします。必ず少な目を意識してあげましょう。
『今日から野菜 野菜を育てる肥料』の場合は肥料のあげすぎによる失敗が少なくなるように緩効性肥料(急激に効かずにゆっくり効く肥料)を配合しているため、あげすぎの心配が少ないです。肥料の量ですが、1株当たり5gを意識して株の周りに円を描くようにあげてください。肥料をあげたあとは水やりをしてください。
円を描くように肥料をあげる
肥料をあげたあとは水をしっかりとやる
急激に効く肥料をあげすぎると根が傷み葉の淵が枯れる
これで定植が完了です。10月に定植をして2月までイチゴは越冬をします。越冬する際にも少しだけ実施することがありますので、次の項を参考に実施してください。一緒に春の果実の収穫まで頑張りましょう。
越冬中の作業(10月~2月)
イチゴは10-11月の内はまだ生育が進み、葉が増えたりします。この時に注意する点としては、付いた花やランナーは適宜カットすることです。花が付いたのにもったいないと思いますが、秋に付いた花は屋外では絶対に果実になりません。写真のように寒さに当たり黒くダメになります。かわいそうかもしれませんが適宜取り除きましょう。無駄な花やランナーを取り除くことにより、春に咲いた花・実にたくさんの栄養を回して、より美味しい果実が取れますので我慢しましょう。
秋に付いた花はカットする
冬の間(2月)に付いた花。寒さで黒くなり食べられる果実にならない
12-2月の寒い時期になると、イチゴは冬支度を初めて葉が地面に着くくらい茎が短く小さくなります。これは「ロゼッタ」と呼ばれる状態で、寒い冬に耐えるための通常の現象なので、急に株が小さくなっても焦らなくて大丈夫です。
外側の茎が長い葉が秋まで付いていた葉。内側の短い地面に着いている葉は冬の葉。越冬するために葉が生え変わります。
12-2月に実施することとしては、引き続き付いた花やランナーをカットすることと、水やりは土が乾いてから実施すること(過剰に水をやらないこと)、枯れた葉を取り除くことがあります。水やりは冬の間は植物があまり水を必要としないためあげすぎると調子が悪くなります。土の表面が乾いたり鉢を持って軽くなって水がなくなったと感じたときにあげるようにしましょう。
土が乾いたのを確認してから水やりはしましょう(写真は土の表面が乾いたかどうかを確認している)
枯れた葉を取り除くことに関しては適宜行いましょう。冬の葉に切り替わっていくに際して、秋まで付いていた葉は赤く紅葉し、その後枯れていきます。枯れた葉は放置しておくと春先の病気の原因にもなりますので適宜取り除き株を綺麗にしておきましょう。
手前ある紅葉し枯れてきた葉をカットする。
枯れていないけど、秋の葉なので色が薄い葉をカット。イチゴは葉をカットしても春にはすくすくと葉がいっぱい出てくるので心配せずに枯れたりした葉は取り除きましょう
3月の作業
冬を越えて暖かくなるとイチゴの生育が再開されます。この時期に出てくる葉は冬の葉でなく、茎が長い春の葉になります。イチゴの生育が再開され、葉が茂ってくると果実を育てるために必要な肥料を追加であげましょう。
『今日から野菜 野菜を育てる肥料』の場合、追加で1株当たり5gをあげましょう。1回目の肥料同様、株から離して円を描くようにあげてください。これで肥料は終わりで、簡単です(普通の肥料の場合、1-2月にも1回あげたり、4-5月にあげたりもしますが、今日から野菜は2回だけで済みます)
鉢の縁など、少し株元から離してやりましょう
この時期に実施することとしては、引き続き枯葉・ランナーを取り除くことです。花に関しては判断が難しいところもありますが、一般地では2月までに付く花は概ね綺麗な果実にならないので除き、3月以降の花は残してあげると良いです。弊社研究センターがある地域では、一般地より寒いので3月上旬に付いた花は実にならなかったです。
その年の気象にもよりけりですが、2月までに付いた花は落として問題ないと思います。3月以降の暖かくなってできた花を大事にしましょう。暖かくなって咲いた花には必ず受粉作業をしましょう。本来は蜂など虫が行う作業なのですが、3月はまだ虫も少なく(高層マンションなどでは虫がいないので必ず必要になります)、筆などを使って花粉を真ん中のめしべにくっつける受粉が必要になります。この受粉の作業は4-5月も継続して実施すると良いです。受粉が上手く行かなかった場合、綺麗な実ができなくなりますので注意。
3月頭に咲いた花だが結局は果実にならなかった。地域にもよりますが、寒い時期に付いた花はカットしてあげましょう。
受粉作業。筆など柔らかいものをくるくると花の中を回すと受粉される
粉が上手く行かなかった場合、奇形の果実になる
受粉が上手く行くと綺麗な果実になる
(まんべんなく筆などで花粉をくっつけることが大事です)
また、この時期になると悩まされることが病気です。3月暖かくなると、イチゴで発生しやすいうどんこ病などが発生し始めます。うどんこ病は発生すると最悪果実にも病気が付き、実が食べれなくなりますので注意しましょう。対策としては、枯れた葉等を取り綺麗にすることと、風通しが良い場所に鉢を置くこと、農薬をかけることの他にも病気にかかった葉は積極的にカットすることなどがあげられます。せっかくついた花や果実を守ってあげましょう。
葉に付いたうどんこ病、土や枯れた葉などから病原菌が飛んでくる
4-5月の作業
花がたくさん咲き、果実も大きくなってくる時期です。この時期に実施することとしては、引き続き古い葉・病気の葉・ランナーを取り除くこと、受粉作業になります。
この時期になるとランナーが品種によっては多く出てきます(1季咲きの蜜香はこの時期からランナーが結構出ます。逆に四季咲きのドルチェベリーやローズレッド・ベリーなどは出にくいです)。ランナーを伸ばしてしまうとせっかく果実に送るはずだった栄養が少なくなってしますので、速めにカットしましょう。
速めにランナーはカットしましょう。
他にこの時期に注意する点は、病害と花の状態です。サントリー本気野菜のイチゴは他社の苗とは違い圧倒的に花が咲き多くの果実を付けます。なるべく一つ一つの果実に栄養を送るため、大きくならない花や実は取り除いてあげましょう。
真ん中のめしべがない異常な花(カットしましょう)
めしべが黒ずんで大きくならない果実
(花の茎が鉢からはみ出ない短い花で起きやすいです。カットしましょう)
うどんこ病が付いてしまった花(カットしましょう)
元気な花の例
最後に収穫作業になります。やっとの想いで果実が赤くなった時に重要なことは、カラスや動物などに食べられないことです。イチゴは他の動物にとっても非常に魅力的な食べ物です。住宅街でもカラスが食べに来たり、自然が近い場所ではタヌキやイタチなどの動物がイチゴを食べに来てしまいます。せっかくできた果実なので、ネットなどをして守りましょう。
たくさん美味しい実が付いたドルチェベリー
最後に、イチゴは気象にも左右されやすい植物で、近年の異常気象のなか上手く栽培ができない時もあります。ただし、サントリー本気野菜「蜜香」などはスーパーのイチゴでは味わえないほど格別の甘さを体験することができます。ぜひ、イチゴの栽培にチャレンジしてみましょう。