Labyrinth バラの迷宮 pickup94『リナルド』
NewRoses玉置編集長が最新品種、人気品種を紹介する”Labyrinth バラの迷宮”
DATA
作出 | 日本 河本バラ園 |
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花色 | 紫の濃淡 |
花型 | 中小輪/ロゼット咲き/四季咲き |
香質 | 中香 |
樹形 | 高さ1.2~1.3mの木立性・直立性 |
紫色が開花段階・咲く季節によって変化する房咲き小中輪花。
濃い紫色から開花し、すぐ赤紫色となって、次第に灰紫色に。
色が変わりかけた花も含め白色やしべの黄色も見せながら、房咲きになって咲き混じる。秋花は灰紫色味が強い。
葉は濃緑色。樹はまっすぐ伸びる木立性で、高さ1.2~1.3m。
花名は「シャルルマーニュ伝説」と呼ばれる中世騎士物語の勇者の名。
ヘンデルの同名オペラがあり、アリア『私を泣かせてください(涙の流れるままに)Lascia ch’io pianga』は、TVなどでもしばしば流される。2020年秋発表。
一つの花は濃紫→赤紫→紫→灰紫と紫色をベースとして色が変わっていく。季節による変化も。
小さめの花ながら咲き始めの花、満開の花、咲き進んだ花が房の中や株に咲き混じって表すグラデーションは、バロック音楽の通奏低音の上に奏でられる繊細な調べのよう。
「ニュアンスカラー」と言えば一言で済むが、何色とも表現できない花色。
西洋のバラがはっきりとした色であるのに対し、花色がときの移ろいともに変化して、それらの花すべてが愛おしく思えるのは、日本のバラ、河本純子氏のバラならでは。
著者紹介
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玉置 一裕
バラの専門誌『New Roses』編集長。
『New Roses』の編集・執筆・アートディテクションを行うかたわら、ローズコーディネーターとしてバラ業界のコンサルティングやPRプランニング、関連イベントのコーディネート、バラの命名等に携わる。
また園芸・ガーデニング雑誌への執筆や講演を通じて、バラの「美」について語ると同時に、新しいバラの栽培法の研究も行っている。