胡蝶蘭におすすめの肥料や追肥の注意点、育て方のポイントは?
蝶のような花をたくさん咲かせる胡蝶蘭(コチョウラン)は、東南アジア原産の多年草です。お祝いごとの際に贈られる高級な花というイメージをお持ちの方も多いのではないでしょうか。胡蝶蘭は、適切に管理することで長く育てていくことができます。肥料の与え方や水やり頻度など、お手入れの方法を覚えておきましょう。今回は、胡蝶蘭の肥料や栽培の流れ、育てる際のポイントなどをご紹介します。
胡蝶蘭に適した肥料とは
胡蝶蘭はそれほど多くの肥料を必要としませんが、丈夫に育てるためには適切に施肥をすることも大切です。おすすめなのは、チッソ・リン酸・カリの配合がそれぞれ同程度のもの。肥料成分のバランスが良いものが適しています。市販の洋ラン用肥料が特におすすめです。窒素、リン酸、カリの3大要素が同等に入っているのみならず、それ以外の微量要素も洋ランに適した配合で含まれているからです。「専用液肥 洋ラン」は、チッソ、リン酸、カリが6:6:6と等分に入っているのみならず、ビタミン・トレハロース等も配合されております。このような専用肥料を使うことで、より管理しやすく、失敗も少なくなるでしょう。
胡蝶蘭栽培の流れや施肥の注意点
胡蝶蘭は温暖な気候を好み、春から秋にかけて生育します。時期に合わせた方法で管理しましょう。こちらでは、胡蝶蘭栽培の流れや、施肥の注意点などをご紹介します。
土づくり
胡蝶蘭を育てるときは、ミズゴケやバーク、ヤシ殻チップなどの植え込み材を使って着生させます。ミズゴケは保水性が高い反面、腐りやすいデメリットがあるため、素焼き鉢に入れて使いましょう。バークやヤシ殻チップなどは、プラスチック製の鉢に入れて使います。植え込み材は、単体で使用してください。
元肥
胡蝶蘭の多くは、すでに元肥が施された状態で販売されています。その場合、追加で施肥する必要はありません。元肥が切れる頃に追肥をしましょう。
元肥が含まれていない土の場合は、4月下旬に「マグァンプK 大粒」を鉢土の上におきます。目安の施肥量は、5号鉢に対し2g(小さじ約半分)です。
植えつけ
胡蝶蘭の植えつけは気候が穏やかな春から初夏頃に行います。ポットから根を取り出したら優しくほぐし、古くなったミズゴケやバークなどを取り除きましょう。
ミズゴケを使う場合は、新しいものを根に巻き付けてから鉢へ入れます。ミズゴケには、あらかじめ水を含ませておきましょう。
バークの場合は、鉢にバークを少しだけ敷いてから根を入れます。残ったバークは、隙間を埋めるように入れていきましょう。
また、胡蝶蘭は2年~3年を目途に植え替えを行います。新しい植え込み材に交換してあげましょう。
追肥
胡蝶蘭の追肥は、春から秋の生育期に行います。元肥に「マグァンプK 大粒」等を使用した後は、2~3週間後から、追肥として「専用液肥 洋ラン」を1週間~10日に1度を目安に施肥してください。肥料の吸収・根の張りをワンランクあげたいときは、活力剤「リキダス」も併用してください。また、35℃を超える極端に暑い真夏や、生育が停滞する冬は株が弱りやすくなっているため、施肥を避けましょう。
とくに、開花前に肥料を施しておくと、綺麗な花を咲かせやすくなるので、是非お試しください。なお、肥料をあげるときは、与えすぎに注意することが大切です。説明書に記載されている適量を守りましょう。心配な場合は、様子を見ながら少なめに施肥をすることがおすすめです。
開花
胡蝶蘭の開花時期は不定期で、環境が合えば年に2度花を咲かせて、楽しむことができます。一般的には、3月~5月に開花することが多いようです。
花がら摘み
胡蝶蘭は、一度開花が終わっても、花がら摘みをすることで再度花を咲かせてくれることがあります。咲き終わった花は適宜摘み取っていきましょう。
また、胡蝶蘭は、ひとつの花茎に複数の蕾をつけます。蕾の半数以上が開花し終えたら、花茎ごとカットしてみましょう。丁寧に管理していくと、再び生長して数カ月後に花をつけることがあります。茎は、根元から3~4節は残しておきましょう。
胡蝶蘭栽培のポイント
胡蝶蘭を育てる際は、水やり頻度の調整や栽培環境の整備を行うことが大切です。最後に、胡蝶蘭栽培のポイントについてご紹介します。
水やり頻度の調整
胡蝶蘭は、頻繁に水やりをしなくても元気に生長していきます。夏の時期は多めに与えてもかまいません。植え込み材が乾いていたら、たっぷりと水をあげましょう。
冬場は控えめに水やりするように気をつけます。土が濡れた状態で寒さにあたると、根腐れを起こす可能性があるためです。ただし、長く乾燥した状態にしておくと、株が弱ってしまうことも。霧吹きで葉水をすることで対策しましょう。
栽培環境の整備
胡蝶蘭は20℃前後の気温を好みます。真夏や真冬などは、冷暖房を使って温度調整してあげると良いでしょう。ただし、エアコンの風が直接当たる場所に置くのは避けます。冬の寒さが厳しい場合は、新聞紙や段ボールなどで覆いをつくって鉢にかぶせてあげると保温できます。
強い直射日光に当たると弱ってしまうことがあるため、屋外で管理する際は遮光ネットを使うのがおすすめです。室内の場合は、カーテンやブラインド越しに日の光を浴びることができる場所が適しています。
また、1年を通して風通しの良い場所で管理してあげることが大切です。湿気がこもりにくい環境を整えてあげましょう。
おわりに
胡蝶蘭は肥料や水やり、温度など、さまざまな部分に注意しながら育てることがおすすめです。適切に管理できれば、何年も栽培し続けることができます。ぜひ、ご紹介した情報も参考にしながら胡蝶蘭栽培に取り組み、綺麗な花の鑑賞を楽しんでください。