【家庭菜園】 【モロヘイヤの育て方】収穫のコツや栽培のポイント、注意点
独特のねばりけが特徴のモロヘイヤ。丈夫な性質で初心者でも育てやすく、夏の暑い時期から秋にかけて長く収穫できることが魅力です。栄養をたっぷりと含んだモロヘイヤを、ぜひご自宅で育ててみましょう。今回は、モロヘイヤの基礎知識や育て方、収穫のコツ、増やし方などをご紹介します。
☘94:モロヘイヤの育て方|次々と沢山収穫したい!植えつけ方法や、水やりと肥料、摘心などもご紹介
モロヘイヤの基礎知識
モロヘイヤは、カロテンをはじめ、ビタミンやミネラル、カルシウムなどを豊富に含んでいる野菜です。栄養価が高く、夏バテ防止にもぴったり。日本でよく食べられるようになったのは1980年代とされており、比較的新しい野菜として知られています。シマツナソ(縞綱麻)やタイワンツナソの名前で呼ばれることもあります。
種、莢(さや)などの毒に注意
モロヘイヤ栽培で注意したいのが、種や莢、発芽からすぐの若い葉などに含まれる毒です。誤って食べてしまうと、中毒症状を引き起こす可能性があります。収穫期の葉や茎は問題ありませんが、それ以外の部分は食べないように気をつけましょう。子どもやペットの誤飲にも注意が必要です。
モロヘイヤの好む日当たり、風通し
モロヘイヤは寒さを嫌う植物で、温暖な時期に種まきや植えつけを行います。半日陰でも栽培可能ですが、できるだけ日光がよく当たる場所で管理しましょう。風通しの良さも重要です。
モロヘイヤの育て方
モロヘイヤを家庭菜園で育てると、夏の間、長く収穫することができます。ベランダやお庭に植えて育てていきましょう。
モロヘイヤの土づくり
モロヘイヤを地植えする際は、植えつけ2週間前に苦土石灰や堆肥、化成肥料を加えて耕しておきましょう。プランター栽培の場合、市販の野菜用培養土を使うと便利です。
おすすめは、排水性、通気性、保水性、保肥性など、よい土の条件を備えた「今日から野菜 野菜を育てる土」です。
モロヘイヤの種まき、育苗
モロヘイヤは発芽適温が25℃~30℃と高めです。寒さの心配がなくなった5月頃に種まきしましょう。
育苗ポットを使う場合はひとつにつき4~6粒をまきます。種まき前に一晩だけ水につけて吸水させると発芽率を高められます。種まき後は、水切れしないように気をつけながら日なたで管理しましょう。乾燥を防ぐため、上から新聞紙などをかぶせておくと安心です。
モロヘイヤの種はとても小さいため、じょうろやホースで水やりすると、種が流れてしまうことがあります。霧吹きを使って土を湿らせると良いでしょう。本葉が出たら間引いていき、最終的に元気な1本のみを残します。
また、モロヘイヤは初期生育が遅い植物です。育苗の手間を省きたい場合は、苗を購入して植えましょう。
モロヘイヤの植えつけ
モロヘイヤの植えつけは本葉が3枚~6枚ついた頃に行えます。寒い時期に植えつけると花芽がついてしまうことがあるため、十分に暖かくなってから作業しましょう。
複数株を植える場合は、株間を30cmから40cmほどとりましょう。地植えの場合は高さ10cm、幅50cm程度の畝をつくります。鉢植えにする場合は、10号に一株が目安です。
モロヘイヤは縦にも横にも大きくなるため、十分なスペースを確保することが大切です。一株の収穫量が多いため、それほど量がいらない場合はひとつ植えるだけでも十分でしょう。
植えつけ後は、水をたくさん与えます。苗が小さなうちは強風で倒れてしまうことがあるため、支柱を立ててあげることがおすすめです。
モロヘイヤの水やり
モロヘイヤは水切れを起こすと、葉が硬くなってしまうことがあります。土の表面が乾燥したら、たくさん水をあげましょう。乾燥しやすい夏場は、1日に2回~3回の水やりが必要になることもあります。ただし、気温が高い日中に水やりするのは避けましょう。朝や夕方の涼しい時間帯に水を与えることが大切です。プランター栽培の場合、真昼に土が乾いてしまったときは、プランターを涼しい半日陰に移してから水やりしましょう。乾燥を防ぐため、株元に敷き藁を敷き詰めるのも有効です。
モロヘイヤの肥料
モロヘイヤは栽培期間が長くなるため、肥料切れしないように調整しながら育てていきます。植えつけ時には元肥を施し、20日ほど経ったら1回目の追肥を行いましょう。
元肥・追肥には、野菜の生育に必要な成分と有機成分をバランスよく配合し、おいしい野菜が収穫できる「今日から野菜 野菜の肥料」がおすすめです。
その後も、2ヶ月に1回の頻度で肥料を与えていきます。
モロヘイヤの摘心(摘芯)
モロヘイヤを放っておくとどんどん株が生長して、3mほどに伸びてしまうこともあります。倒れやすくなるうえ、管理も大変になるため、摘心して横に広がるように調整することがおすすめです。
摘心は草丈が30cm~40cmの頃を目安に行います。主茎の先端を摘み取ることで脇芽が増え、収穫できる葉も多くなります。その後も、モロヘイヤが大きくなりすぎる前に摘心を繰り返していきましょう。
モロヘイヤの病害虫対策
モロヘイヤは基本的に病気や害虫の被害を受けにくい植物ですが、ハダニやアブラムシなどが発生することがあります。ハダニは高温で乾燥した環境を好む虫です。見つけ次第すぐに駆除しましょう。
アブラムシは蒸れやすい環境を好みます。防除効果のある薬剤を使って対策すると良いでしょう。
また、病害虫は風通しが悪い場所で発生するケースが見られます。予防のために風通しが良い栽培環境を整えることも重要です。
モロヘイヤの収穫方法
モロヘイヤがある程度まで大きくなったらいよいよ収穫できます。主な収穫時期や方法を確認しておきましょう。
モロヘイヤの収穫時期
モロヘイヤの収穫時期は7月から10月にかけてです。草丈が40cm~50cmになった頃から、秋になって花が咲くまで行えます。葉が硬くなり始めたら、収穫をストップしましょう。花が咲いた後は、間違って莢を収穫しないように注意が必要です。
モロヘイヤの収穫のコツ
モロヘイヤは、茎ごと手で折って収穫します。先端から10cm~20cmの位置を目安に摘み取りましょう。手で折れないような硬い茎は食感も悪いため、積極的に食べる必要はありません。
モロヘイヤの葉はそれほど日持ちしないため、収穫後はすぐに食べることがおすすめです。生でサラダに、茹でておひたしにと、お好みの方法で味わいましょう。すぐに食べるのが難しい場合は冷蔵もしくは冷凍保存します。冷蔵の場合は1日~2日、冷凍の場合は1週間をめどに食べきりましょう。
モロヘイヤの収穫が終わったら
モロヘイヤは冬越しできず、収穫時期が終わったら枯れていきます。株を引き抜いて片付けておきましょう。
モロヘイヤの増やし方
モロヘイヤは種まきや挿し木などで増やすことができます。最後に、モロヘイヤの増やし方をご紹介します。
モロヘイヤの種の採取
モロヘイヤの収穫が一段落すると、黄色い花が咲き始めます。その後は細長い莢ができ、種がつくられます。莢が茶色に枯れてきたら、弾けてしまう前に種を採りましょう。あらかじめ莢に紙袋をかぶせておくと、地面にこぼれてしまう心配がなくなります。種を採ったらしばらく乾燥させた後、紙袋へ入れて保管しておきましょう。種には毒があるため、誤飲しないように十分に注意して管理することが大切です。
モロヘイヤの挿し木(挿し芽)
モロヘイヤは挿し木でも増やすことができます。摘心の際に切り取った側枝を挿し穂として使うと効率的です。挿し穂の先端をしばらく水につけて発根させたら土に植えてみましょう。または、挿し穂の先を土に埋めて育てても問題ありません。
おわりに
モロヘイヤは真夏でも収穫できる葉物野菜です。ご家庭で育てていれば、気軽に新鮮なモロヘイヤを食べられます。ご紹介した育て方を参考に、ぜひモロヘイヤ栽培にチャレンジしてみてください。