更新日:2022.09.19
ハイドロカルチャーって何?メリットや植えつけ方法、お手入れの注意点
「植物を育ててみたいけれど、土の管理が大変そう」という方におすすめなのが、ハイドロカルチャーです。植物を気軽に栽培できることから人気を集めています。
今回は、ハイドロカルチャーの基本やメリット・デメリット、植えつけの方法、日頃のお手入れのポイントなど、さまざまな情報をご紹介します。ハイドロカルチャーに興味のある方は、ぜひ参考にしてみてください。
ハイドロカルチャーの基礎知識
ハイドロカルチャーは、一般的に土を使わない植物の栽培方法を意味します。特に、ハイドロボールと呼ばれる植え込み材を使った方法を、狭義のハイドロカルチャーとするケースが見られます。
ハイドロボールの特徴や使い方
ハイドロボールとは、どのような特徴を持つ資材なのでしょうか。ハイドロカルチャーを始める前に、使い方を確かめてみましょう。
・ハイドロボールとは
ハイドロカルチャーで用いる人工の土・ハイドロボールは、粘土を高温で焼いて発泡させたボール状の石です。発泡煉石(はっぽうれんせき)ともいわれます。
一つ一つの石には細かい穴がたくさん空いていて、その中に取り込まれた空気が植物に酸素を供給します。
・ハイドロボールの使い方
ハイドロボールの使い方は、基本的には普通の土と同様です。
まず、穴のない植木鉢や容器の2/3程度の高さまでハイドロボールを入れ、根に付いた土をよく払った植物を植えます。
植物の向きが決まったら、そこにハイドロボールを足していきます。
植木鉢を使用しても良いですが、見た目が綺麗なので中身が見えるガラス容器を用いるのもおすすめです。
ハイドロカルチャーのメリット
ハイドロカルチャーには、土を使った栽培とは異なる魅力があります。どのようなメリットがあるかを確かめていきましょう。
水の管理がしやすい
植物を育てる際、意外と難しいのが水やりの加減です。
与えすぎは根腐れの原因になり、足りなければ水分不足で枯れてしまいます。
適切な水やりを行うためには、土の状態を見て判断しなければなりません。
その点、ハイドロカルチャーは水の過不足が目で見てわかりやすいというメリットがあります。
清潔感がある
ハイドロカルチャーで使うハイドロボールは基本的に無菌で清潔です。
そのため、虫がほとんど寄ってきません。
また、ハイドロボールは無臭なので、「室内で植物を育てると土の匂いが気になる」という方にもおすすめです。
インテリアと合わせやすい
ハイドロカルチャーでは、基本的に底に穴の空いていない容器を使います。そのため、空き缶やガラス瓶、コップなどで植物を育てることができます。自分好みのおしゃれな容器を使えるため、お部屋の雰囲気に合う容器を選びやすい点も魅力のひとつです。
費用を節約しやすい
ハイドロボールは劣化しにくく、洗って繰り返し何度でも使うことができます。植えつけるたびに購入する必要がないため経済的です。もちろん、清潔な状態で長く使い続けるには、定期的なお手入れが欠かせません。適切な管理を心がけましょう。
ハイドロカルチャーのデメリット
ハイドロカルチャーはメリット豊富な一方で、いくつかのデメリットもあります。事前にチェックしておきましょう。
あまり大きく育たない
ハイドロカルチャーで育てると、植物の生長は緩やかになります。
そのため、あまり大きく育てることはできません。
インテリアとして植物を部屋に置きたいという方には適していますが、「植物がすくすくと育っていく様子を楽しみたい」という方には向いていないかもしれません。
根腐れを起こしやすい
ハイドロカルチャー栽培のデメリットとして、根腐れが起きやすいという点が挙げられます。
単純に水を与えすぎているケースもありますが、根が排出する老廃物が容器内に溜まり根が腐ることも。
土栽培であれば、排出された老廃物は土中の微生物が分解してくれます。
しかし、ハイドロボールには微生物がいないため、老廃物が蓄積され続けてしまうのです。
根腐れを防ぐためのお手入れを行うことが大切です。
ハイドロカルチャーに向いている植物は?
ハイドロカルチャーは、ハイドロボールに水を溜めて植物を育てる栽培方法です。
そのため、ハイドロカルチャーを日光に当てすぎると、苔や藻が発生して見た目が悪くなります。
また、日光によって水温が上昇するため、根が傷みやすくなります。
このことから、ハイドロカルチャーでは日光を最小限に抑える必要があります。
つまり、ハイドロカルチャーに向いている植物は、日光が少なくても生育できる耐陰性の高い植物ということになります。
具体的には観葉植物がおすすめです。
中でも、ポトスやデコラゴム・テーブルヤシ・ガジュマル・モンステラなどは、少しの日光でもすくすくと育つため、ハイドロカルチャーに向いています。
ハイドロカルチャーを始める際は、以下のアイテムを準備しておくことがおすすめです。
・ハイドロボール
・根腐れ防止剤
・発根している植物
・お好みの容器 など
ハイドロボールは園芸店、ホームセンターや100円ショップなどで販売されています。必要な量を購入しましょう。
根腐れ防止剤は、一緒に容器に入れておくことで根腐れを起こりにくくしてくれます。大切な苗を守れるため、ぜひ活用しましょう。
また、ハイドロボールにいきなり種をまいても発芽させることは困難といえます。あらかじめ別の方法で育てておいた、発根している苗を使いましょう。
ハイドロカルチャーに必要なものを準備できたら、いよいよ植えつけです。植えつけに使うハイドロボールは軽く洗っておきましょう。そうすることで濁りを軽減できます。
容器を準備したら、底に根腐れ防止剤を入れていきます。底面が隠れる程度の量が目安です。その上にハイドロボールを少しだけ敷いておきましょう。
土栽培で育てていた植物の苗を使う場合は、ポットから取り出して土を落としておきます。根を傷めないように、水を張った容器につけて優しく洗ってあげましょう。
ハイドロボールを敷いておいた容器に苗を入れたら、残りのハイドロボールを詰めていきます。ピンセットを使い、ハイドロボールが根の間にしっかりと入るように調整しましょう。
完了したら水を入れます。このとき、容器が満杯になるほど水を加えるのは避けましょう。根が水につかりっぱなしになると呼吸ができず、根腐れしてしまいます。カビの原因にもなるため気をつけましょう。水位は容器の4分の1から5分の1程度が目安です。
ハイドロカルチャーを植えつけたら、カビや根腐れなどに気をつけながら管理していきましょう。こちらでは、ハイドロカルチャーのお手入れ方法をご紹介します。
ハイドロカルチャーにおすすめの置き場所
ハイドロカルチャーを元気良く育てるためには、明るい場所に置いてあげることが大切です。ただし、直射日光が当たり続ける場所では、植物の葉焼けやハイドロボールの劣化などが起こってしまうことがあります。窓際に置く場合は、レースカーテン越しの光が当たるように管理すると良いでしょう。
ハイドロカルチャーの水やり
ハイドロカルチャーの容器に水がなくなり、2~3日経ってから新しいものをつぎ足します。入れすぎてしまった場合は、容器を傾けてこぼしておきましょう。このとき、苗が飛び出ないようにしっかりと押さえておくことが大切です。
ハイドロカルチャーの肥料
植物は水だけでは健全に育つことができません。
ハイドロカルチャーにはすばやく根から吸収できる液体肥料や活力液を与えましょう。
すぐれたミネラルバランスでうすめずそのまま株元へひと押しするだけの「キュート ハイドロ・水耕栽培用」がおすすめです。
ハイドロカルチャーの注意点
ハイドロボールをよく見ると、白いものが付着していることがあります。水のミネラル分が結晶となっているケースであれば、特に問題ありません。白くふわふわとしたものの場合は、カビが生えている可能性があります。すぐに取り除いておきましょう。
ハイドロカルチャーのカビを防ぐためには、風通しの良い環境で管理することがポイントです。水の与えすぎにも注意しましょう。
また、ハイドロボールを定期的にメンテナンスすることも大切です。半年から1年に1回、ハイドロボールを取り出して洗いましょう。その際、根腐れ防止剤も新しいものへと交換します。ハイドロボールを清潔に保つことで、カビ予防はもちろん、根腐れ予防に役立つでしょう。
おわりに
ハイドロカルチャーは室内で手軽に栽培を始めたい人にぴったりです。植えつけや水の管理などは土栽培と異なる部分もありますが、お手入れの手間がかかりにくく、インテリアとも合わせやすいメリットがあります。観葉植物のある暮らしを楽しみたいなら、ぜひハイドロカルチャーも検討してみてはいかがでしょうか。
公開: 2018年11月21日
更新: 2022年9月19日
『ミニ観葉×ハイドロカルチャー』
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