更新日:2022.09.28
アマリリスの育て方|球根栽培にチャレンジ!鮮やかな大輪の花を咲かせよう
アマリリスは球根から育てられる植物です。少々難易度が高いというイメージをお持ちの方もいるかもしれませんが、身構える必要はありません。育て方のポイントをしっかり覚えておけば、美しい大輪の花を咲かせることができますよ。今回は、「アマリリス」の球根栽培についてご紹介します。
アマリリスの特徴や種類
アマリリスは、ヒガンバナ科アマリリス属に分類される植物です。原産地は南米で、約80の原種があるといわれています。球根植物のため、種または球根からの栽培が可能です。春咲き品種は4月下旬から6月下旬にかけて、秋咲き品種は10月頃に、直径10cm~20cmほどの色鮮やかな花を咲かせます。日本では、観賞用に花壇で栽培されたり、切り花として用いられたりするのが一般的です。
日本においてはルードヴィッヒ系と呼ばれるアマリリスが多く見られます。オランダのルードヴィッヒ社によって改良されたものです。花びらの大きさや丸さなどに特徴があります。
ほかにも、八重咲きの品種や一茎につける花数が多い品種、花びらが波打つ品種など、さまざまなタイプのアマリリスが存在します。ぜひ、さまざまな品種を見比べて、好みのものを見つけてみましょう。
アマリリスの育て方のポイント
アマリリスは球根を植えつけて栽培することができます。適切に管理すれば、長く育てていくことも可能です。こちらでは、アマリリスの基本的な育て方をご紹介します。
必要なもの
アマリリスを育てるには、球根を購入して鉢植えにするのがおすすめです。季節に関係なく、球根を購入したらすぐに植えつけをしましょう。
アマリリスはひとつの鉢に1球植えるのが基本です。大輪種の場合には5号~6号の鉢を、小輪種・中輪種の場合には4号~5号の鉢を用意します。生長して花が咲くと花の重みで倒れやすくなるため、陶器製や駄温鉢のようなどっしりした鉢を用いてください。
球根選び
球根を選ぶときは、手に持ってみてずっしりと重いものを探してみましょう。大きくてツヤがあるものは元気な証拠です。柔らかくへこんでしまうものや、カビが生じているもの、大きな傷があるものなどは避けたほうが良いでしょう。
苗選び
アマリリスの花を早く楽しみたい方や、育苗期間を短くしたい方などは、すでにつぼみがついている苗や芽出し球根を買うのがおすすめです。葉や芽などに傷がないか、病害虫被害の痕跡がないかを確かめて、綺麗なものを選びましょう。
土づくり
用土については、水はけと通気性の良いものが適しています。ご自分で配合する場合は、赤玉土と腐葉土、パーライトを5:4:1で混ぜます。もしくは、市販の草花用培養土を用いると便利です。
なお、アマリリスは開花するまでにたくさんの肥料を必要とする植物です。植えつけの際には、元肥として『マグァンプK中粒』を土に混ぜ込みましょう。
植えつけ
アマリリスの球根の植えつけ適期は3月下旬から4月にかけてです。地植えの場合は特に、霜の心配がなくなってから作業しましょう。球根は浅植えが基本で、土から上部が見える程度に土をかぶせます。
球根の植えつけ後、10日程度は水を控えめに与えましょう。光が当たることで土が乾燥しやすくなるため、その間は日光が当たらない場所に置いておくのもポイントです。
栽培環境
アマリリスは日当たりと風通しの良いところに置くことが大切です。ただし、真夏は午後の強い日光が当たらない半日陰が適しています。
南米を原産地としているため、暑さには強い植物ですが、耐寒性はあまりありません。そのため、冬場の温度管理には気をつけましょう。冬は球根を掘り上げておく、鉢を室内へ移動させるなどの管理方法がおすすめです。
また、アマリリスが過湿になると球根が腐ってしまうことがあるため、雨の影響を受けにくい場所で育てることがおすすめです。鉢植えであれば雨の当たらない軒下に置くと良いでしょう。
水やり
上記の通り、球根の植えつけからしばらくは水やりを控えめに行います。急にたくさんの水を与えてしまうと、球根が腐る原因になることがあるためです。最初のうちは水をそそぐのではなく、植えつけに使う用土を湿らせておくのがおすすめです。
植えつけから2週間から3週間ほど経ち、葉やつぼみが見え始めたら、土の表面が乾いたタイミングで水を与えるようにしましょう。花が枯れた後も、葉が残っているうちは水やりを続けていきます。秋になって葉が枯れてきたら、徐々に頻度を少なくしていきます。冬になり、休眠期になったら完全に水断ちさせましょう。ただし、植えっぱなしで冬越しさせる場合は、少しだけ水を与えることもあります。
肥料
植えつけ時には元肥として緩効性肥料を与えます。発芽後は
追肥として、『ハイポネックス原液』を500倍に希釈して、1週間に1回は与えましょう。ただし、休眠期に当たる秋から冬、株にダメージが出やすい真夏の時期には施肥を控えます。
花がら摘み
アマリリスの花が咲き終わったら、花がら摘みをしておきましょう。花が枯れたまま放置してしまうと種をつくり始め、株の栄養が失われてしまいます。翌年以降も綺麗に花を咲かせたいなら、花がらを根元からカットしておきましょう。
アマリリスの花後の管理方法
アマリリスの花が咲き終わった後も、翌年に向けて適切な方法で栽培していく必要があります。季節に合わせたお手入れを行い、冬越しに備えていきましょう。こちらでは、アマリリスの花後の管理方法をご紹介します。
アマリリスの開花が終わった後の主なお手入れ
アマリリスの花がすべて咲き終わり枯れてしまった後は、できるだけすぐに茎を根元から切り取りましょう。このとき、葉っぱは残しておくことが重要です。葉だけの状態になった後も、しばらくは水と肥料を与え、日光に当ててあげます。球根を太らせて栄養を蓄え、翌シーズンに備えるためです。梅雨や秋雨の時期は雨に当たらない場所へ、直射日光の強い真夏の時期は遮光できる場所へ移して管理しましょう。
晩秋になり、葉が黄色くなって枯れ始めたら冬越しの準備を始めます。徐々に水やりを少なくしていき、休眠させましょう。
アマリリスの球根を掘り上げて冬越しする方法
アマリリスの場合、球根を掘り上げて冬越しさせることができます。特に、耐寒性の弱い品種の場合は掘り上げたほうが良いでしょう。
掘り上げ時期は最低気温が6℃前後になる前です。枯れた地上部を切り取り、根を傷つけないように注意しながら根を堀り起こしましょう。綺麗に土を落としてから数日間陰干しして乾燥させます。乾いたら、通気性の良い用土を入れた箱などに入れて、春が来るまで保存しましょう。翌年の植えつけ時期になったら、再び鉢や花壇へ植えて育てていきます。
アマリリスの球根を掘り上げずに冬越しする方法
暖地の場合は土に植えたままで冬越しさせることも可能です。寒冷地の場合も、鉢に球根を植えたまま、暖かい室内へ移動して冬越しさせることができます。土を完全に乾燥させないよう、やや湿り気をもたせながら管理しましょう。
屋外で植えっぱなしにする場合は、マルチングをして霜よけすることがおすすめです。腐葉土などを上からかぶせて保温しましょう。
アマリリスを増やす方法
アマリリスを増やしたいときは、球根を分球します。毎年のように分球できるとは限らないため、自然分球するまで気長に育てましょう。
アマリリスが分球しているのを見つけたら、親球と子球を割って分けます。適期は休眠している秋から冬頃です。手で取れない場合は、清潔な刃物を使いましょう。分け終えたら、別々の鉢へ植えつけるか、乾燥させて春の植えつけ時期まで保管します。球根を保存しておく場合は、乾燥させた後に茎や葉などの地上部を切り取っておきましょう。
また、子球が小さい場合は無理に分けず、球根を太らせることがおすすめです。次のシーズンまで肥料や水を適切に与え、日にしっかりと当てて育てていきましょう。
公開: 2017年5月30日
更新: 2022年9月28日
おわりに
アマリリスを上手に育てるためには、管理の仕方にいくつかのポイントがあります。時期によっては水やりを控えめに行い、花後はすぐに花がら摘みをしましょう。休眠期に適切に管理することができれば、再び春から育てていくことができます。ぜひ球根からの栽培に挑戦して、美しい大輪の花を咲かせてみてください。
この記事で紹介された植物について
アマリリス
学名:Hippeastrum /科名:ヒガンバナ科 /原産地:南米 /分類:多年草(球根植物) /耐寒性:やや弱~中 /耐暑性:中~強
あざやかな大きな花を咲かせるアマリリス。