ブロッコリーの育て方|家庭菜園初心者も楽しめる!栽培方法や管理のポイント
ブロッコリーは日本全国で食べられている、人気の高い野菜のひとつです。
適した品種を選ぶことで、さまざまな地域で栽培できます。ぜひブロッコリーの家庭菜園を始めてみましょう。
こちらでは、ブロッコリーの基本情報や育て方、収穫方法など、さまざまなポイントをご紹介します。
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ブロッコリー
学名 Brassica oleracea var. italica 科名 アブラナ科 原産地 地中海沿岸地方 分類 一年草 耐寒性 強 耐暑性 強 栽培カレンダー
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月収穫期植えつけ・植えかえ施肥
- 目次
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- 【ブロッコリーの特徴】花も茎も食べられるアブラナ科の野菜
- 旬の時期、収穫時期
- 花蕾の特徴
- 食用部分の違い
- カリフラワーとの違い
- 茎ブロッコリー(スティックセニョール)との違い
- ブロッコリースプラウトとは
- ブロッコリーが国の指定野菜に
- ブロッコリーのコンパニオンプランツ
- 【ブロッコリーの育て方】品種の選び方やおすすめ品種
- ブロッコリーの品種の選び方
- 頂花蕾型、頂・側花蕾型の違い
- ブロッコリーのおすすめ品種
- 【ブロッコリーの育て方】家庭菜園の方法
- ブロッコリー栽培で準備するもの
- 土づくり
- 種まき、育苗
- 間引き
- 苗の選び方
- 植えつけ
- 日当たり、風通し
- 水やり
- 肥料
- 肥料の施し方
- 中耕・土寄せ
- 【ブロッコリーの管理方法】収穫までのお手入れポイント
- 防虫ネットを張る
- 強風対策をする
- 【ブロッコリーの収穫方法】ポイントや注意点
- 収穫のタイミング
- 収穫方法
- 収穫後の保存方法
- 頂花蕾を2回収穫するには
- 【ブロッコリー栽培のトラブル】よくある問題や対処方法
- 紫に変色
- 病害虫被害
- 生理障害
- おわりに
【ブロッコリーの特徴】花も茎も食べられるアブラナ科の野菜
鮮やかな緑色の見た目と味わいの良さ、栄養豊富な点から人気の高いブロッコリー。全国の食卓で食べられている、代表的な緑黄色野菜のひとつです。まずは、ブロッコリーの基本的な知識をご紹介します。
旬の時期、収穫時期
ブロッコリーは、1年を通して野菜売り場で見かけることができます。ハウス栽培や品種改良などにより、さまざまな時期に栽培できるためです。ただし、本来の旬は冬の時期です。11月~3月にかけて、美味しいブロッコリーがたくさん出回ります。
花蕾の特徴
ブロッコリーを食べるときは、小さな房のようなものがたくさんついた丸い部分を調理することが多いのではないでしょうか。
房は、一つひとつがブロッコリーの花蕾にあたります。たくさんの小さな花蕾が集合し、独特の形をつくっているのが特徴です。ブロッコリーを栽培する際、収穫しないまま放っておくと花が咲いてしまうため気をつけましょう。
食用部分の違い
ブロッコリーの花蕾は柔らかく、少し火を通すだけでも簡単に食べられます。花が咲いた場合も食べられますが、花蕾とは違った食感になります。
もちろん、花蕾だけでなく茎の部分も食べられます。生食するにはかたいため、熱して柔らかくすることがほとんどです。歯ごたえを楽しむため、あえてかたさを残したまま調理することもあります。
カリフラワーとの違い
カリフラワーはブロッコリーとよく似た野菜で、真っ白な外見が大きな特徴です。ブロッコリーもカリフラワーもアブラナ科の植物で、いずれも花蕾の部分を食べます。色以外の違いがよくわからないという方も多いのではないでしょうか。
カリフラワーはブロッコリーの突然変異であると考えられています。似ている部分が多いものの、カリフラワーの場合は白い色を損なわないように葉を束ねて花蕾を覆うなど、細かな管理方法に違いが見られます。
また、それぞれに含まれる栄養にも違いがあります。例えば、βカロテンはブロッコリーのほうが豊富に含まれています。生食した際のビタミンC含有量はブロッコリーのほうが多めです。ただし、カリフラワーは茹でてもビタミンの損失が少ない点がメリットとされます。
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茎ブロッコリー(スティックセニョール)との違い
茎ブロッコリー(スティックセニョール)は、ブロッコリーとカイランからつくられた野菜です。脇芽がたくさん伸びることが特徴で、脇芽の花蕾を摘み取って食べます。
ブロッコリーと比べると茎が柔らかく、アスパラガスのような食感です。茹でたり炒めたりして、ブロッコリーと同じように食べることができます。細長い形状を活かして肉巻きにするといったアレンジも可能です。
ブロッコリーも茎ブロッコリー(スティックセニョール)も、基本的な育て方は変わりません。畑でもプランターでも栽培することができます。お好みのほうを栽培してみましょう。
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ブロッコリースプラウトとは
スプラウトとは新芽のことを意味します。ブロッコリースプラウトとは、ブロッコリーの種を発芽させたものです。一般的なブロッコリーのように大きく育つ前に収穫し、伸びた芽の部分を食べます。
スプラウトとしてよく流通しているのが、ダイコン(かいわれ大根)やレッドキャベツ、マスタードなどです。また、「もやし」は大豆や緑豆、ブラックマッペなどのスプラウトとなります。
ブロッコリースプラウトの魅力のひとつが、生でも気軽に食べられることです。食感はシャキシャキとしており、かいわれ大根のような辛みもありません。幅広い料理に使いやすいでしょう。
ブロッコリーが国の指定野菜に
2024年現在、日本には14種類の指定野菜が存在します。消費される量が多く、国民の食生活にとって重要であると判断された野菜が選ばれます。
現在の指定野菜はキャベツ・キュウリ・サトイモ・ダイコン・トマト・ナス・ニンジン・ネギ・ハクサイ・ピーマン・レタス・タマネギ・ジャガイモ・ホウレンソウです。どれも食卓にのぼる機会が多い野菜といえます。
2026年度から、上記の野菜に加えてブロッコリーも指定野菜になることが決まりました。ここ数十年の間にブロッコリーの出荷量や消費量が増えたためです。
前回、指定野菜が決まったのは1974年であり、約50年ぶりに新たな野菜が追加されることになりました。これからも食卓に欠かせない存在として活躍していくでしょう。
ブロッコリーのコンパニオンプランツ
コンパニオンプランツとは、同じ場所に植えることで相乗効果を発揮する植物のことです。病害虫被害を受けにくくなったり、生育が良くなったりと、さまざまな効果が期待できます。ブロッコリーのコンパニオンプランツといわれているのが、レタスや春菊などです。
ブロッコリーのようなアブラナ科の野菜にはモンシロチョウやコナガなどの害虫がつきやすく、収穫までに被害を受けてしまうことがあります。
キク科のレタスや春菊は上記のような害虫が忌避する成分を持つといわれており、一緒に植えることで虫がつきにくくなると期待できます。興味のある方は、ぜひこの組み合わせで植えてみましょう。
【ブロッコリーの育て方】品種の選び方やおすすめ品種
ブロッコリーには多くの品種があります。どれを選んだら良いか迷ってしまうという方も多いのではないでしょうか。こちらでは、ブロッコリーの品種の選び方やタイプ別の特徴、おすすめ品種をご紹介します。
ブロッコリーの品種の選び方
ブロッコリーは品種や栽培地域によって種まきと収穫時期が異なります。中間地から暖地では夏に種をまいて育苗し、晩秋から春にかけて収穫するのが一般的です。冷涼な土地になると、初夏に種まきして秋に収穫するケースが多く見られます。
初心者の場合は、栽培期間が短く済む「早生品種」を選んだほうが良いでしょう。気候が合えば、夏に種まきしても秋には収穫が行えます。ほかには、2月下旬~3月に種をまき、5月~6月に収穫できる品種もあります。お住まいの地域の気候に合った品種を選びましょう。
頂花蕾型、頂・側花蕾型の違い
ブロッコリーの品種には、主に頂花蕾(ちょうからい)を収穫する品種、側花蕾(側枝花蕾)のみを収穫できる品種、頂花蕾と側花蕾を収穫できる品種に分けられます。頂花蕾(そくからい)とは、株の主枝の頂点につく花蕾のこと。最近では、茎ブロッコリーとも呼ばれていますね。側花蕾とは、脇芽から伸びた側枝につく花蕾のことです。
頂花蕾型の品種を育てると、大きな花蕾が主枝にできます。側花蕾がつかないこともあります。
側花蕾型の品種は、生長過程で摘心することにより、多数の側枝を伸ばせます。そこから伸びた側花蕾をたくさん収穫可能です。大体、1株から15本程度収穫できます。
頂・側花蕾型の品種だと、頂花蕾を収穫した後に側枝が生じ、側花蕾を収穫できるようになります。栽培する品種を選ぶときは、どのタイプであるのかを確かめておきましょう。
ブロッコリーのおすすめ品種
エンデバー
頂・側花蕾型の晩生品種で、夏に種まきして冬に収穫します。寒い時期のブロッコリー栽培で悩まされやすい紫の変色に強く、きれいな花蕾を収穫しやすいことも魅力です。
シャスター
頂・側花蕾型の極早生品種で、定植から2カ月程度で収穫が行えます。中間地の場合、早春に種まきして初夏に収穫、もしくは夏に種まきして冬に収穫することができます。
チャレンジャー
頂・側花蕾型の晩生品種です。暖地向けの品種でもあり、秋に種まきして春先に収穫することができます。
緑嶺
頂・側花蕾型の中早生品種です。根張りが良く倒れにくいメリットがあります。春まき夏採り、夏まき冬採りが可能です。
ピクセル
早生品種であり、頂花蕾を収穫した後、環境次第で側花蕾も収穫可能です。種まきから約90日程度、植えつけから60日程度で収穫することができます。栽培期間が短い分、管理の手間を減らすことができるでしょう。
おはよう
頂花蕾を収穫することが基本の中早生品種です。種まきからおよそ95日で収穫がお行えます。紫色の変色が起こりにくいこともメリットのひとつです。
グリーンパレス
頂・側花蕾型の中早生品種です。定植から約70日で頂花蕾を収穫できます。春まきも夏まきも可能です。
夢ひびき
頂・側花蕾型の極早生品種です。夏まきの場合は85日ほどで頂花蕾の収穫を行えます。その後、大ぶりの側花蕾を収穫できることも魅力です。
【ブロッコリーの育て方】家庭菜園の方法
ブロッコリーは畑だけではなく、プランターでも十分に育てられます。ぜひお庭やベランダで、ブロッコリー栽培にチャレンジしてみましょう。こちらでは、ブロッコリーの基本的な育て方をご紹介します。
ブロッコリー栽培で準備するもの
- ブロッコリーの種や苗
- 用土
- 肥料
- 移植ごて
- 園芸用ハサミ など
プランター栽培の場合は、適切なサイズのプランターや鉢底石などを準備しましょう。
プランターのサイズ
ブロッコリーは根をたくさん伸ばして大きく育っていきます。品種にもよりますが、基本的には深さ30cm以上のプランターを使います。1株植える場合は長さ30cm程度、2株の場合は長さ50cm~60cmほどあると良いでしょう。
土づくり
地植えの場合、植えつけの2週間前に苦土石灰を入れて酸度を調整しましょう。1週間前には堆肥と『マグァンプK中粒』を混ぜて耕しておきます。
『土を豊かにする肥料』は、堆肥と肥料成分がペレット状になっているので、肥料効果と同時に土の中の微生物の働きをうながしますので、土づくりに最適です。
プランターで育てる場合は深さのある、大きめのプランターを用意しましょう。プランター栽培には元肥として緩効性肥料マグァンプKが配合されている『ハイポネックス培養土 鉢・プランター用』がおすすめです。
元肥の入っていない培養土を利用する場合は、元肥として『今日から野菜 野菜を育てる肥料』を植穴に混ぜ込みます。
種まき、育苗
種まきの時期は品種やお住まいの地域によって変わります。例えば、夏に種まきして秋に収穫したい場合は、7月下旬~8月中旬までを目安に種をまきます。育苗ポット1個につき種を2粒~3粒まき、風通しの良い場所で管理しましょう。
また、夏に育苗する場合は、直射日光を当てすぎないことが大切です。寒冷紗などで覆いをつくってあげましょう。
ブロッコリーの種は数日で発芽します。元気なものを残して間引き、植えつけしましょう。
間引き
箱にブロッコリーの種をまく場合、育苗期間中に間引きを行います。苗同士で混雑しないよう、最終的に4cmほどの株間を設けられるように間引いていきましょう。
育苗ポットの場合は、最終的に一本の苗だけを残します。植えつけまでに1回~2回ほど間引きしましょう。
苗の選び方
育苗の手間を減らしたい場合や、プランターなどで少しだけ栽培する場合は、苗を購入するのがおすすめです。ホームセンターや園芸店などで販売されています。
苗を選ぶときは、葉の裏までしっかりと見て、虫食いや病害がないかを確かめましょう。茎はがっしりしているものが元気で丈夫な苗といえます。また、先端の芽も見ておきましょう。元気良く伸びているものがおすすめです。
植えつけ
本葉が5枚ほどになったら植えつけが行えます。植えつけ前には、苗に水をたくさん与えておきましょう。ポットを丸ごと水につけておいてもかまいません。
もし忘れた場合は、植えつけ作業の直後にたくさん水をあげましょう。植えつけ後も、1週間ほどは乾燥させすぎないように注意して水やりします。
地植えの場合は、風通しと日当たりの良い場所を用意してあげましょう。半日陰でも育ちますが、生育はゆるやかになります。また、水はけを良くするために土を盛り、畝をつくるのもおすすめです。株間は40cmほどあけましょう。
プランター栽培の場合は、プランターに鉢底石を敷き詰めてから用土を入れます。苗の根鉢ぐらいの植え穴を掘って植えつけましょう。植えつけが完了したら、たくさん水を与えます。
日当たり、風通し
ブロッコリーは日なたを好みます。日当たりの良い場所に植えつけてあげましょう。ただし、夏場は直射日光に長時間当たらないように気をつけます。半日陰で管理しても問題ありません。
湿気がこもって蒸れないよう、風通しの良い場所を選ぶことも大切です。ただし、室外機の風が直接当たるところは避けましょう。
水やり
地植えの場合、植えつけ後に根がしっかりと定着したら、土が乾燥したときに水やりする程度でかまいません。
ただし、雨が降らず極端に乾燥しそうなときは水を与えます。過湿にならないように気を配りましょう。プランター栽培の場合は土の表面が乾いてから水やりします。
肥料
美味しいブロッコリーを食べるためには、株を充実させることが大切です。適度に肥料を与え、ブロッコリーの生長を助けましょう。
最初の追肥のタイミングは、植えつけから2週間程度経ってからです。
『今日から野菜 野菜を育てる肥料』を与えると約2~3カ月肥料効果が持続します。また、追肥をしたら、同時に土寄せしてあげましょう。株が倒れないよう、根元に土を集めてあげます。
ブロッコリーは丈が高いため、土をしっかりと寄せておかなければ倒れてしまうこともあります。
液体肥料で追肥は行う場合は、1週間~10日に1回の頻度で『ハイポネックス原液』を与えましょう
なお、側花蕾を収穫するときは、収穫が続く限りは2週間に1回、『ハイポネックス原液』の追肥を忘れないようにしてください。
肥料の施し方
ブロッコリーのように栽培期間が長い野菜を畑に地植えする場合、元肥は「溝施肥」で施すことがおすすめです。畝をつくる前に中央に溝を掘り、緩効性肥料や堆肥などをまいておきましょう。
土を軽く混ぜて溝を埋め戻し、その上に畝をつくります。この方法だと肥料の効果が長持ちしやすくなるでしょう。追肥する際、1条植えであれば畝の端に、2条植えであれば畝の中央に肥料を施します。
『土を豊かにする肥料』は堆肥と肥料成分がペレット状になっているので、肥料効果と同時に土の中の微生物の働きをうながしますので、土づくりに最適です。
プランター栽培の場合、元肥は用土全体に混ぜ込んでおきます。肥料が含まれている培養土ならそのままで問題ありません。追肥する際は苗に直接肥料が触れないよう、プランターの端に肥料を施します。
中耕・土寄せ
施肥と同時に済ませておきたいのが中耕や土寄せです。中耕とは、栽培中に用土を軽く耕すことです。土を完全に掘り返すのではなく、根が傷つかないよう表面だけを耕します。こうすることで固くなった土をほぐし、排水性や通気性を高めることができます。
土寄せとは、文字通り株に土を寄せることです。水やりや風の影響などで株元の土が崩れてくるため、倒れないようにしっかりと寄せておきましょう。ブロッコリーは草丈が高くなるため、定期的に土寄せを行って倒れるのを防止することが大切です。
【ブロッコリーの管理方法】収穫までのお手入れポイント
ブロッコリーを無事に収穫するためには、病害虫や強風などへの対策が必要です。こちらでは、ブロッコリーのお手入れポイントについてご紹介します。
防虫ネットを張る
ブロッコリー栽培で欠かせないのが害虫対策です。さまざまな対策方法がありますが、まずは防虫ネットを張っておくと良いでしょう。防虫ネットは細かい網目があり、各種害虫や鳥などによる被害を防いでくれます。
特に目の細かいものを選ぶと、小さな虫も通さなくなります。その分、通気性も悪くなるため、蒸れないように注意が必要です。
防虫ネットと似たものに寒冷紗があります。寒冷紗は、日差しを遮りたいときや防寒対策を施したいときにも活躍します。気候によっては寒冷紗を使っても良いでしょう。
防虫ネットは、植えつけ後すぐにかけていきます。しばらくネットをかけないままでいると、その隙に虫がついてしまうかもしれません。早めに作業を済ませましょう。
畑やプランターにトンネル用の支柱を立てたら、ネットを張っていきます。支柱とネットがセットで販売されているものもあるため、必要に応じて活用しましょう。
ネットと支柱には隙間ができないように注意します。浮いてしまう場合は洗濯ばさみなどで留めておきましょう。端は地面にしっかりと固定します。風で飛んでしまわないように押さえておきましょう。
強風対策をする
ブロッコリー栽培の時期は、台風が頻繁に発生する時期と重なることがあります。強風でも倒壊しないように対策が必要です。
鉢植えの場合は、台風が来るときは一時的に室内に取り込みましょう。
地植えの場合は、土寄せをしっかりと行うことがポイントです。防虫ネットや寒冷紗も、吹き飛ばされないように強く固定しましょう。
【ブロッコリーの収穫方法】ポイントや注意点
無事にブロッコリーを大きく育てることができたら、収穫の時期がやってきます。収穫の際には、どういったことに気をつけたら良いのでしょうか。ここでは、ブロッコリーの収穫方法やポイントをご紹介します。
収穫のタイミング
ブロッコリーの収穫は、茎の一番上についている頂花蕾が大きくなり、花蕾が開いてしまう前に行いましょう。収穫適期を逃すと、花蕾が開いて花が咲いてしまいます。花が咲くと味わいが変わってしまうため、時期を逃さないように収穫しましょう。
また、品種によっては頂花蕾の収穫後に脇芽が伸び、側花蕾ができることがあります。こちらも食べられるため、ぜひ育てて収穫しましょう。ただし、側花蕾は頂花蕾ほど大きくはなりません。こまめに様子を見て、花が開く前に順次収穫しましょう。
品種や種まきの時期などで収穫時期は異なります。事前に確認しておきましょう。
収穫方法
ブロッコリーを収穫するときは、はさみで茎をカットします。よく切れる清潔なはさみを用意しておきましょう。
また、切り口が濡れたままだと腐ってしまう原因になります。収穫は晴れの日に行うのがおすすめです。切り口に雨水がたまらないよう、斜めにカットしておきましょう。
収穫後の保存方法
ブロッコリーをたくさん収穫できたときは、すぐに食べるのが難しいこともあるでしょう。新鮮なまま保存しておきたいときは、0℃程度の環境を用意します。
冷蔵庫の野菜室では温度設定が高くなっていることがあるため、チルドルームのように低温を保てるところへの保管がおすすめです。水分が逃げないよう、ラップやビニール袋で包んでおきましょう。
頂花蕾を2回収穫するには
ブロッコリーの頂花蕾が収穫できるのは、基本的に一株につき1回だけです。ただし、方法によっては2回収穫できることがあります。頂花蕾を2回収穫したいときは、本葉が4枚~5枚のときに摘心して、脇芽をつくります。元気な脇芽を2本残して育てていきましょう。
そうすることで、それぞれの茎に頂花蕾が1個ずつつきます。この方法だと、収穫できる頂花蕾の大きさは小ぶりになります。大きいブロッコリーを保管しておくのは難しい、という方は、こちらの方法で小さな頂花蕾を2個収穫するほうが良いかもしれません。
もちろん、頂花蕾を2回収穫した後も、脇芽を増やして側花蕾を収穫することは可能です。水やりや追肥を続け、側花蕾をたくさん収穫しましょう。
【ブロッコリー栽培のトラブル】よくある問題や対処方法
ブロッコリーを育てていると、変色や生理障害といったトラブルに見舞われることがあります。いざというときに慌てないよう、事前に調べておきましょう。こちらでは、ブロッコリー栽培でよく見られるトラブルや対策をご紹介します。
紫に変色
寒い時期によく見られるトラブルが、ブロッコリーの変色です。低温下で栽培していると、アントシアニンという色素の影響により紫に変色することがあります。変色しても、見た目以外に問題はありません。そのまま収穫まで育てていきましょう。
紫色のブロッコリーは、寒さに当てることで糖度が高まっているため、食べると甘さを感じられます。また、紫色になったブロッコリーでも、茹でてしまえば緑色に戻ります。
病害虫被害
ブロッコリーで気をつけたいのが軟腐病です。軟腐病は、細菌が原因となって起こる病気です。発症すると患部が褐色に変化し、最終的に腐っていきます。軟腐病にかかってしまった株はすぐに処分しなければいけません。発症しないよう、しっかりと予防することが大切です。
軟腐病は、高温多湿の環境で発生しやすくなります。風通しが良く、涼しい環境をつくってあげましょう。また、ブロッコリーに傷があると、そこから細菌が侵入して軟腐病が発生することがあります。
傷の原因となる害虫についても防除することが求められます。カルシウム不足などでも軟腐病を引き起こす恐れがあります。『リキダス』はカルシウムを配合した植物用活力液です。
軟腐病のほかには、モザイク病と呼ばれる病害が発生することがあります。葉にモザイクのような模様が生じ、いずれは枯れてしまいます。見つけたら株ごと処理しなければいけません。
モザイク病は、さまざまなウイルスが原因となり得る病気です。特にアブラムシがウイルスを媒介するケースが多く見られます。アブラムシ対策を入念に行いましょう。
生理障害
ブロッコリーには、花蕾空洞症という生理障害が起こることがあります。茎に穴があいたり、コルクのような組織ができたりする障害です。食べる分には問題はありません。
花蕾空洞症は、チッソを過剰に与えてしまうことや、ホウ素の不足などが原因と考えられています。予防のためには、ブロッコリーの栽培に適した成分の肥料を施肥することが大切です。施肥のタイミングや量なども守りましょう。
おわりに
ブロッコリーは、家庭菜園できる野菜のなかでも育てやすいもののひとつです。一株植えるだけでも、頂花蕾や側花蕾を何度も収穫できます。
トラブルが起こったときは、慌てずに対処することが大切です。事前によくある栽培トラブルを調べておき、予防することも重要となります。ぜひご家庭で楽しく栽培して、美味しいブロッコリーを味わいましょう。
公開: 2020年10月9日
更新: 2022年10月5日
更新: 2024年10月2日