更新日:2023.12.02
【バラの育て方・栽培】12月はバラ栽培のスタート時期!特につるバラのお手入れは抜かりなく!
12月は、バラの新年と呼ばれています。つまり、12月は来年のバラ作りのスタート時期!
バラたちが休眠期に入るこの時期に、必要なお手入れをしっかり行いましょう。
特に、春につるバラを美しく咲かせるには、この時期の誘引作業が欠かせません。
1月、2月は外気温、湿度とも低くなるため枝が赤茶色になり硬く締まります。
この時期に誘引作業をしてしまうと、枝がしならないため、大事な枝を折ってしまったり、新しく出てきた新芽を傷つけてしまったりすることも少なくありません。
関東以西の地域の場合、年内であれば枝は水分を多く含んでいます。しなりやすく、誘引作業をスムーズに行うことができるでしょう。
また、11月に引き続き、12月もバラの大苗の植えつけに適しています。来春にバラの開花を楽しみたい方はぜひ大苗を購入して植えつけ作業をしてくださいね。
今回は、12月にしておきたいバラのお手入れについてご紹介します。
12月のバラ栽培:病害虫の防除対策を
寒くなって病害虫が少なくなってくるこの季節。ただ、まったく病害虫対策をしなくても良いわけではありません。
来年の病害虫防除のために、細い枝や未熟な枝を剪定しておきましょう。
12月になっても暖かい場合、落葉せずに葉が残ってしまうこともありますが、すべて取り除いておくことがおすすめです。
また、病害虫は葉の付け根や土の中に潜んでいることもあります。
この時期に薬剤を使用して病害虫駆除をしておきましょう。
バラに発生することのある病害虫被害
バラにはうどんこ病や黒星病、アブラムシ、ハダニなどの病害虫被害が発生することがあります。うどんこ病にかかった株は、葉や新芽などが白い粉がかかったような状態になります。
黒星病は黒い斑点が生じる病気です。いずれの病気も放置していると枯れてしまうため、早めの対策が求められます。
アブラムシやハダニはとても小さな虫です。アブラムシはバラの樹液を吸って弱らせるだけではなく、ウイルス病を媒介することもあります。排泄物によってすす病が発生してしまうことも。
ハダニも葉などの汁を吸い、葉を落としてしまいます。害虫が発生したまま放っておくと枯れる原因になることもあるため、すみやかに駆除しましょう。
うどん粉病や黒星病には、優れた効果を発揮する『BrilliantGarden フローラガードAL』または、うすめて使う
『BrilliantGarden サルバトーレME』。ハダニには卵から成虫まですべてのステージに効果がある『BrilliantGarden ハッパ乳剤』がおすすめです。
適した薬剤を散布して予防・駆除などを行い、大切なバラを守りましょう。
動画でわかりやすく!【高木店長のバラ栽培は面白い!! 】
12月のバラ栽培:11月に引き続き、大苗の植えつけを
休眠期のこの時期は、バラの大苗の植えつけ適期です。大苗とは、一般的に前年の秋か冬に接ぎ木を行い、1年以上栽培した後に流通する苗を指します。
初心者の場合は、ある程度育った大苗から栽培をスタートすることがおすすめです。10月頃から冬にかけて販売されはじめるため、お好きな品種を探してみましょう。
大苗は、ポットに植えられているポット苗や、麻布などで包まれた根巻き苗、掘り上げて土を落とした裸苗など、さまざまな形で売られています。
すぐに植えつけられる場合は裸苗で問題ありませんが、根が乾燥しやすいため気をつけましょう。
苗を選ぶ際は枝の切り口を見てみましょう。中心の白い部分が小さめのものがおすすめです。枝はがっしりと太めで、縦方向に筋が入っていると良いでしょう。
苗を買ってきたら、なるべく早めに鉢やお庭などへ植えます。植え穴を掘ったら根を優しく広げて苗を入れ、土をなじませていきましょう。
植えつけてからは暖かく日当たりが良い場所で管理します。水やりは土の表面が乾いたタイミングで行いましょう。
苗の選び方や植えつけ方法などは、こちらの記事にも詳しく記載してあります。ぜひ併せてご覧ください。
12月のバラ栽培:バラへの被害を防ぐ防寒対策を
バラを健康に育てるためには、冬の間にある程度の寒さに当てることが大切です。ただし、防寒対策をしっかりと行わなければ、根が凍って枯れてしまうことも。
特に、マイナス10℃を下回るような地域ではしっかりと冬の寒さに備えることがおすすめです。以下のポイントを押さえておきましょう。
鉢植えのバラの防寒対策
鉢植えのバラの場合、寒冷地では寒さにやられて根が傷む心配があります。バラの根が凍ってしまうと、最悪の場合は枯れてしまうことがあるため注意が必要です。
冬の間は、できるだけ日当たりの良い場所に移動させてください。腐葉土やバーク堆肥などを株元に敷き、マルチングすることもおすすめです。
ただし、暖房のきいた暖かい室内に移動させるのは避けます。気温が上がると春が来たと勘違いし、バラが休眠を終えてしまうためです。
また、ビニールなどで鉢の側面を覆うことで、根が低温にさらされるのを防ぐことができます。
素焼き鉢に植えたバラであれば、鉢ごと地面に埋め込んでしまうのも良い方法です。複数の鉢植えを育てている場合は、一カ所に集めて寄せても良いでしょう。
大きな鉢を組み合わせ、二重鉢にする方法もあります。
地植えのバラの防寒対策
地植えの場合はバラを移動することができません。土にマルチングをして保温しましょう。
雪が降る地域の場合は、積雪によって枝が折れてしまう可能性があります。心配な場合は雪囲い(冬囲い)をしておきましょう。
雪囲いをする際、枝が広がっている場合は束ねておきます。支柱などを複数本組み合わせて三角形の囲いをつくり、バラを覆いましょう。仕上げに不織布やネットなどを巻きつけます。
12月のバラ栽培:つるバラは、枝の整理と誘引作業を
つるバラを栽培されている方は、この時期に誘引作業を行いましょう。
つるバラは枝が長く伸びるため、真っすぐに立ち上がったままにしていると、どんどん上へ伸びていきます。
バラには上部から花枝を伸ばして花を咲かせる性質(頂芽優勢)があります。そのままにしていると高い位置にばかり花が咲いたり、花数が少なくなったりすることがあるため注意が必要です。
開花時期にたくさんの花を咲かせるために大切なのが誘引作業です。春から秋にかけて伸びた枝を水平に曲げておきましょう。そうすることで、春にたくさんの芽が吹き出し、
つるバラらしいきれいな樹形を楽しめるようになるはずです。なお、誘引作業はバラの休眠期に行えますが、寒くなるにつれて枝が硬くなり、折れやすくなってしまいます。
新しく出てきた新芽を傷つけてしまうおそれもあるため、まだそれほど気温が下がっていない12月のうちに誘引を済ませておきましょう。
12月のバラ栽培:つるバラの誘引の手順は?
つるバラの誘引を行う際は、枝に残っている葉っぱをすべて落とします。グローブを手につけて、むしるように取っていきましょう。
葉を落としておくことで、枝に日光がまんべんなく当たるようになります。その後、太くてしっかりとした枝を優先し、水平に曲げながらフェンスや支柱に誘引していってください。
ここでのポイントは、枝と枝との間隔を適度に空けることです。
枝同士の間が狭すぎると、日光がしっかり当たらず、花がつきにくくなります。
小輪のバラの場合は5cmほど、大輪のバラの場合は10cmほど、間隔をあけておくことがおすすめです。
花が咲いたときの状態をイメージしながら枝を配置するとわかりやすいでしょう。長すぎる枝や弱々しい枝、込み入った枝などがあった場合は適宜剪定します。
誘引が終わったら、落ちた枝や葉などを掃除して完了です。
12月のバラ栽培:肥料や水やりは?
休眠期間中、バラへの水やりは控えめに行います。水やりが必要かどうかは、土の表面を軽く握ることで確かめられます。
鉢植えの場合、土を握ってみて中がカラカラに乾いた状態であれば、たっぷりと水やりしましょう。
地植えの場合はほとんど水やりしなくても問題ありません。土が乾いていたら、1カ月に1回ほどを目安にたっぷりと水をあげましょう。
肥料については、12月中は与えなくてもかまいません。1月~2月に寒肥を施しましょう。
寒肥として『BrilliantGardenバラの有機肥料』を施すことで「肥料」「土壌改良」の二つのすぐれた効果を発揮し
おわりに
バラ栽培の新年が始まる時期でもある12月。休眠に入るため生育は停滞しますが、春にきれいな花を咲かせるためには、この期間中も適切な管理を行うことが大切です。
お住まいの地域に合わせた防寒対策や病害虫対策、つるバラの誘引など、季節に応じたお手入れを実践していきましょう。
金子慎吾さんのバラ栽培の基本🌹
バラの育て方 秋バラの花後の管理(鉢植え)
新たなバラ講師として注目されている”ローズガーデン・カネコ ”(群馬県伊勢崎市)金子慎吾さん 動画で分かりやすくバラの育て方をご紹介頂いています。
公開日:2018年12月1日
更新日:2022年11月25日
更新日:2023年12月2日
この記事で紹介された植物について
バラ
気品あふれるその華やかな姿から、花の女王とも呼ばれるバラ。花の色形のバリエーションは豊富で、ツル性や木立性、一季咲きから四季咲きなどいろいろなタイプあります。比較的病害虫がつきやすい傾向がありますが、樹木なので枯死することはあまりありません。