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更新日:2022.11.11

【コブシの育て方】植えつけや肥料、剪定、増やし方などのポイントは?

【コブシの育て方】植えつけや肥料、剪定、増やし方などのポイントは?
コブシ

大きな木にたくさんの白い花をつけるコブシ。昔から親しまれてきた花木のひとつで、庭木としても人気があります。お庭のシンボルツリーを探している方は、コブシも候補に入れてみてはいかがでしょうか。今回は、コブシの基礎知識や、よく似たハクモクレンとの見分け方、基本的な育て方、お手入れ方法など、さまざまな情報をご紹介します。

コブシの特徴やハクモクレンとの違い

コブシは日本や韓国などが原産の高木です。冬が過ぎた4月上旬頃、春を告げるように白い花を咲かせます。地域によっては、コブシが咲いたタイミングで春の農作業を始めることもあったようです。

花の後には、でこぼことした集合果をつくります。最初は薄緑色ですが、徐々に色づいてきれいなピンク色に染まり、秋が来ると実が裂けていきます。

花は香りが良く、香料の素材になることもあります。蕾は乾燥させて漢方薬に、樹皮は油にと、さまざまな用途で活躍してきたといわれています。

呼び方の違い

コブシは古くから日本にある植物です。漢字で「辛夷」と表記することもありますが、中国における漢方の名称が由来といわれています。

サクラと同じ頃に開花するため、「種蒔桜」「田打桜」「田植桜」などと呼ばれることもありました。遠くからだと、花が咲く木の姿もサクラに見えます。

ハクモクレンとの違い

コブシはモクレン科の花で、ハクモクレンとよく似ています。ひとめ見ただけでは区別がつかないことも。簡単な見分け方のひとつが、花びらの枚数を数えることです。コブシは6枚、ハクモクレンは9枚と、ハクモクレンのほうが多めです。

また、コブシの花はさまざまな方向に咲きます。対して、ハクモクレンの花は上や斜め上の方向に咲きます。花の大きさはハクモクレンのほうが大きめです。

コブシの育て方

コブシ

コブシは管理の手間がかかりにくい花木のひとつで、園芸初心者にもおすすめです。ぜひお庭に植えて育てていきましょう。こちらでは、コブシの基本的な育て方をご紹介します。

土づくり

コブシは、水はけが良く肥沃な用土を好みます。植えつけの前に、腐葉土や完熟たい肥などを加えて土を耕しておきましょう。

苗木選び

一般的に、コブシを育てる際は苗木を購入して植えつけます。幹ががっしりとして丈夫なものを選ぶことがおすすめです。株元がぐらぐらとしていないか、虫食いや病気の痕跡はないかなどもチェックしましょう。葉がしおれていたり、変色していたりするものは避けたほうが無難です。

植えつけ

コブシは10mほどまで大きくなります。地植えにして、庭木として大きく育てていくことが一般的です。鉢植えにしたい場合や、もう少し小さめな木を植えたい場合は、同じモクレン科のシデコブシ(ヒメコブシ)を選ぶと良いかもしれません。

植えつけ場所におすすめなのは、水はけや風通しの良いところです。日当たりの良い環境で元気良く育つため、日陰に植えるのは避けたほうが良いでしょう。

植えつけ適期は、落葉期にあたる1月から3月にかけてです。ただし、寒さが厳しいタイミングは植えつけを控えることがおすすめです。

植え穴を掘ったら根鉢を3分の1程度くずして植えましょう。このとき、根を傷めないように優しく扱います。深植えを避けることもポイントです。

植えつけの際は元肥として肥料効果が約2年間持続する緩効性肥料マグァンプK大粒 を土に混ぜ込みます。

植えつけが終わったら根の活着促進のため植物用活力液リキダスを1,000倍に希釈してたっぷりと与えます。

水やり

基本的には降雨に任せて問題ありません。ただし、植えつけてからしっかりと根づくまでは、土が乾いたタイミングで水をあげましょう。また、晴れた日が何日も続いた真夏のように、暑くて乾燥した時期には水やりすることがおすすめです。

肥料

苗木が幼いうちは、1月、5月、9月頃に緩効性肥料を与えることがおすすめです。成木になったら、施肥を控えめにしていきます。肥料をあげすぎると徒長してしまうことがあるため気をつけましょう。ある程度大きくなったら、1月や5月に少量の肥料を与える程度で問題ありません。

追肥にはバラまくだけで肥料効果が約2~3カ月間持続するプランティア花と野菜と果実の肥料がおすすめです。

コブシの剪定や病害虫対策

コブシ

コブシを長く育てていくためには、適した管理方法を実践することが大切です。剪定のコツや隔年開花対策、病害虫対策などに取り組みましょう。

コブシの剪定時期や方法

コブシの木は自然とまとまるため、こまめに剪定しなくても問題ありません。ただし、あまり大きく育てたくない場合は適切な時期に枝をカットしておくことが大切です。

コブシの剪定適期は花後すぐです。花が散ってから夏まで放置してしまうと、翌年に咲く花芽がつき始めてきます。夏以降の剪定では花芽を落としてしまう可能性があるため、できるだけ4月から5月には済ませておきましょう。

剪定時には、枝をしっかりと切れる剪定ハサミやのこぎりなどが必要です。コブシは樹高が高くなるため、柄が長いものを用意しておくと良いでしょう。

基本的に、込み合った部分や枯れ枝、徒長した枝、形が悪くなった枝などを取り除いていきます。内側や真上などに向かって生えている枝は、放っておくと風通しを妨げるため、根元からカットしてかまいません。

コブシの隔年開花について

隔年開花とは、1年ごとに花を咲かせる現象のことです。開花した次の年は花が咲かず、翌年になったら再び開花します。

コブシを育てていると、隔年開花が起こってしまうことがあります。隔年開花の理由とされているのは、花の咲かせすぎです。あまりに多くの花を咲かせてしまうと株が消耗してしまい、翌年に開花するエネルギーが失われてしまいます。隔年開花を避けるためには、咲かせる花の数をコントロールすることが大切です。秋から冬に花芽をチェックし、多すぎる場合は摘み取っておきましょう。

コブシの病害虫対策

コブシ栽培で気をつけたい病害のひとつがうどんこ病です。葉などが白い粉をまぶしたような状態になり、放っておくとどんどん広がってしまいます。原因はカビの一種である糸状菌といわれており、乾燥気味の状態で発生しやすくなるといわれています。進行すると変色したり枯れたりすることもあるため注意が必要です。

うどんこ病にかかった葉をみつけたら、すぐに患部を切り取りましょう。薬剤を散布して殺菌することも大切です。蒸れやすい場所や日陰などで発生しやすくなるため、風通しと日当たりの良い環境を整えて予防しましょう。植えつけ場所をよく選ぶことはもちろん、枝が混雑しないように剪定することも有効な対策です。

ほかにも、カミキリムシやカイガラムシなどの害虫が見られることがあります。放置しておくと木を弱らせてしまうため、発生したらすぐに駆除することが重要です。

コブシの増やし方

コブシ

一般的に、コブシは種を採取して種まきすることで増やします。種まきの適期は9月から10月にかけてです。秋頃になり、コブシの実が次々と裂けてきたら種を採取できるようになります。まだ裂けていない実を選んで摘み取り、陰干ししておきましょう。何日かたつと干してあった実が裂けてくるため、そこから種を採ります。果肉は取り除き、よく洗いましょう。

種を洗い終えたら、乾かないうちに素早くまきます。小粒の赤玉土を入れた鉢を用意し、ひとつの鉢に2~3粒まきましょう。土を薄くかぶせ、水やりしながら管理していきます。順調にいけば春頃に発芽しますが、環境によってはもっと長くかかることも。また、コブシが生長して花を咲かせるようになるまでは何年もかかるため、根気よく育てていきましょう。

おわりに

コブシの素朴な白い花が一斉に咲くと、春の訪れを感じられます。育てやすくお手入れの手間がかかりにくいため、庭木にもぴったりです。ぜひご自宅でコブシの花を育てて、毎年の開花を楽しみましょう。

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