【ポインセチアの育て方】基本的なお手入れや色を鮮やかにするコツ
ポインセチアは、クリスマスシーズンになると多くの国々でクリスマスフラワーとして親しまれています。
ポインセチアの赤い「花」は、実際には苞(ほう)と呼ばれる葉が変色しているものです。
これらの赤い部分が花のように見え濃い緑の葉とのコントラストがよりクリスマスを演出してくれます。
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ポインセチア
学名 Euphorbia pulcherrima 科名 トウダイグサ科 別名 ショウジョウボク(猩々木)、ポインセチア 原産地 メキシコの山地 分類 常緑広葉低木 耐寒性 弱 耐暑性 やや弱 栽培カレンダー
1月2月3月4月5月6月7月8月9月10月11月12月開花時期植えつけ・植えかえ施肥
- 目次
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- ポインセチアの基礎知識
- ★動画でわかりやすく!【間室みどりさんの植物のお手入れ術!】
- ポインセチアの苞(ほう)
- ポインセチアが色づく条件
- ポインセチア栽培で準備するものや栽培環境
- ポインセチア栽培に必要なもの
- ポインセチアの好む栽培環境
- ポインセチアの基本的な育て方
- 土づくり
- 苗選び
- 植えつけ
- 水やり
- 肥料
- ポインセチアのお手入れ方法
- 病害虫対策
- 夏場の管理
- 冬場の管理
- 植えかえ
- 剪定、切り戻し
- ポインセチアの短日処理のポイント
- 短日処理とは
- ポインセチアの短日処理の方法
- ポインセチアの増やし方
- 挿し木とは
- ポインセチアの挿し木に必要なもの
- 動画でわかりやすく‼︎ 植物の育て方を紹介する【PlantiaQ&A】:ポインセチアの育て方
- ポインセチアの挿し木の方法
- おわりに
クリスマスシーズンを彩る植物として有名なポインセチア。
冬になると、真っ赤な苞(ほう)と鮮やかな緑の葉のコントラストで、見る人を楽しませてくれます。現在は赤だけではなく、白やピンク、黄色などのカラーを持つ品種もあります。
お気に入りのポインセチアを見つけて、ご自宅で育ててみましょう。
今回は、ポインセチアの育て方やお手入れ方法、鮮やかな色をつける短日処理のポイント、増やし方など、さまざまな情報をご紹介します。
ポインセチアの基礎知識
ポインセチアは、メキシコ原産の植物です。トウダイグサ科トウダイグサ属の植物で、野生種はある程度耐寒性があります。
一方、栽培されている園芸品種は耐寒性が弱いため、冬は室内で育てるケースも多く見られます。
日本ではコンパクトな鉢植えにして草花のように管理することが多いものの、原産地では樹高数mにまで生長することもあるようです。
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ポインセチアの苞(ほう)
鮮やかな赤や白、紫色などの部分は「苞(ほう)」で、花びらではありません。
本当の花は苞の中心部分にあります。目立ちにくいものの、12月から2月にかけて開花します。
苞の色が真っ赤なタイプが有名ですが、現在はさまざまなカラーの品種が登場しています。
黄色やピンク色に染まるものや、斑入りのものもあります。お好みに合わせて選びましょう。
ポインセチアが色づく条件
ポインセチアは、「短日植物」にあたります。短日植物とは、徐々に日が短くなり、暗い時間が長くなることで花をつける植物です。
ポインセチアの場合、10月頃から花芽分化がスタートし、12月頃から花を咲かせます。それに伴い、苞が鮮やかに色づいていくのも特徴です。
ポインセチア栽培で準備するものや栽培環境
ポインセチアを育て始める前に、必要なものを準備しておきましょう。また、適した栽培環境を把握し、環境を整えておくことも重要です。
ポインセチア栽培に必要なもの
ポインセチアは基本的に鉢植えで管理します。株に合う大きさの鉢や鉢底石、鉢底ネットなどを準備しておきましょう。
その他、ポインセチアの好む培養土も必要です。ポインセチアの性質に合わせた土を準備しましょう。
ポインセチアの好む栽培環境
開花株を購入した場合は、いきなり屋外で育てるのではなく、室内での栽培から始めましょう。
最低でも10℃を保てる環境で管理していきます。冬が終わり、暖かくなってきた5月頃からは戸外に出すことができます。日光を好むため、しっかりと日に当ててあげましょう。
室内では、よく日の当たる場所に置いて管理することがおすすめです。ただし、窓際は夜になると気温がぐっと下がってしまうことも少なくありません。
冷気に当たらないように窓から離すか、鉢を発泡スチロールなどで覆って防寒対策を行いましょう。暖房の風を直接当てないことも大切です。
屋外で管理する際は、長く雨に当てないようにします。梅雨時には軒下に移動させるか、雨除けをつくってあげましょう。
夏場は強い日差しの影響で葉焼けすることがあるため、半日陰へ移すことがおすすめです。
ポインセチアの基本的な育て方
ポインセチアは適切な方法で栽培すると、長く育てていくことができます。
適した用土を準備し、性質に合う方法でお手入れしていきましょう。こちらでは、ポインセチアの育て方を解説します。
土づくり
ポインセチアは排水性と保水性を兼ね備えており、有機質が豊富な用土が適しています。
ご自分で単用土を配合する場合は、中粒の赤玉土と腐葉土、酸度調整済みピートモスを5:3:2で混ぜるのがおすすめです。
ただし、数種類の用土を準備するのは手間がかかります。特にガーデニング初心者の方は、市販されている草花用培養土を使うと手軽です。
元肥が入っていない場合は、緩効性肥料『マグァンプK中粒』 を土に混ぜ込みましょう。
苗選び
ポインセチアは苗を入手して育てるのが基本です。幹が細くひょろひょろとしたものは避け、がっしりとしているものを選びましょう。
葉が元気良く茂っており、しっかりと色づいているものは元気な証拠です。
葉が枯れているものや、変色しているものなどは弱っている可能性があります。病害虫の跡が見られないかもチェックしましょう。
植えつけ
ポインセチアの植えかえ適期は3月から5月です。霜の心配がある場合は、暖かくなるまで待ちましょう。
冬に鉢植えとして売られているものを購入した場合は、春が来るまでそのまま管理します。適期が来たらお好きな大きな鉢へ植えかえましょう。
植えつける鉢は、根鉢よりも一回り大きなものを使います。鉢底ネットと鉢底石を敷き、3分の1ほど用土を入れたら、苗を置きましょう。
残った土を入れ、手や棒で突いて根になじませていきます。土の表面が、鉢の縁から2cm~3cm下の位置にくるよう調整しましょう。
作業が済んだら水をたっぷりと与え、日当たりの良い場所で管理していきます。
水やり
ポインセチアに水を与えすぎると、過湿によって根腐れしてしまうことがあります。土は乾き気味の状態を保つことがおすすめです。
土が湿っているうちは無理に水を与えないようにしましょう。鉢受け皿に水が溜まったら捨てておきます。
冬に生育が休止しているときは、春以降の生育期間と比べて水の吸収が悪くなります。寒い時期は、特に控えめに水を与えましょう。
ただし、室内管理では暖房の影響で空気が乾燥しやすくなります。たまに葉水を与えると良いでしょう。
暖かくなってきてからは、水やりの頻度を増やします。土が乾いたタイミングで、たっぷりと水をあげましょう。
乾燥しやすい夏の時期は、1日2回の水やりが必要になることもあります。
肥料
植えつけ時には元肥として緩効性肥料『マグァンプK中粒』を混ぜ込みます。冬の間は生育が停滞するため、施肥は避けましょう。
追肥は春からの生育期に行います。速効性の液体肥料『ハイポネックス原液』を1週間~10日に1回程度の頻度であたえましょう。
より手軽に管理されたい方には、置くだけで肥料効果が約2カ月間持続する緩効性肥料『プロミックいろいろな植物用』がおすすめです。
特に、5月~7月にかけては新芽が伸びる時期です。肥料を施して、しっかりと栄養を与えましょう。
ただし、肥料分が過多になるとかえって弱ってしまうため、適量を守ることが大切です。
また、追肥は10月までで終了します。寒くなる11月頃からは休眠期に入るため、施肥を控えましょう。暖かくなってきたら追肥を再開します。
ポインセチアのお手入れ方法
ポインセチアは、病害虫対策や定期的な植えかえ、剪定などを行うことで、より長く楽しむことができます。
こちらでは、ポインセチアを育てるうえで知っておきたいお手入れのコツをご紹介します。
病害虫対策
ポインセチアにはアブラムシが発生することがあります。アブラムシはさまざまな植物に被害を与える害虫です。
新芽や蕾などに付きやすく、汁を吸って株にダメージを与えてしまうことがあります。ウイルス病の原因になることもあるため、早めに駆除することが大切です。
アブラムシの発生を予防するためには、日当たりと風通しの良い環境を整えることもポイントです。つねに暗い場所や、蒸れやすい場所などにポインセチアを置くのは避けましょう。
また、アブラムシの予防・駆除を行える薬剤を使うのもおすすめです。ポインセチアを被害から守るために活用していきましょう。
『虫を予防するマグァンプD』は肥料やり+害虫の予防・退治が同時にできるのでおすすめです。
夏場の管理
ポインセチアは日本の高温多湿の夏に耐えられず、枯れてしまうことがあります。特に気温が30℃を超える真夏の時期は、できるだけ涼しい場所で管理しましょう。
午前中は日なた、午後は日陰になる場所がおすすめです。
また、夏の水やりは朝か夕方の涼しい時間に行いましょう。真昼に水やりすると水の温度が上がり、ポインセチアが傷みやすくなります。
加えて、乾燥しやすい時期のため、水切れしないように気をつけましょう。
冬場の管理
ポインセチアは寒さに弱いため、気温が15℃以下になってきた頃に室内へ移動させましょう。部屋の中では日当たりが悪くなりやすいため注意が必要です。
日光不足になると下葉が落ちてしまうこともあるため、できるだけ日当たりの良い置き場を探しましょう。
室温は10℃前後を保つことも大切です。5℃を下回ると枯れてしまうこともあるため気をつけましょう
植えかえ
ポインセチアは1年~2年に1回は植えかえを行うのがおすすめです。植えかえずに育てていくと、根詰まりしてしまうことがあります。
植えかえ適期は3月から5月にかけてです。根を掘り返す際は、傷つけないように優しく取り扱いましょう。
傷んでいる古い根があれば切り落としておきます。一回り大きな鉢と新しい用土を準備して植えかえましょう。
剪定、切り戻し
株をコンパクトな状態に保つためには、剪定や切り戻しが大切です。植えかえと同時に済ませておきましょう。
切り戻しの際は、株全体を2分の1から3分の1程度にカットします。ポインセチアは旺盛に枝を伸ばすため、短めに切っても再び元の大きさに生長していきます。
脇芽がしっかりと伸びるよう、夏が来る前には切り戻しを済ませておきましょう。
ポインセチアの短日処理のポイント
花が咲かない、苞の色が鮮やかにならないなどの悩みは、短日処理で解決できるかもしれません。こちらでは、短日処理の方法や注意点を詳しくご紹介します。
短日処理とは
植物を育てている部屋を暗幕で覆ったり、鉢に箱をかぶせたりして人工的に暗い環境をつくり、光の当たらない時間を増やすことを短日処理と呼びます。
短日植物に行うことで、早めに花を咲かせることができます。
ポインセチアは室内で育てることが多いため、暗くなってからも電灯の下で光を受けてしまうことがあります。
そうなると花芽分化に必要な暗い環境が整わず、苞がしっかりと色づかないケースも少なくありません。そのため、短日処理を行って遮光することがおすすめです。
ポインセチアの短日処理の方法
ポインセチアの短日処理は、9月から11月にかけて、2カ月ほど行います。日が暮れる17時頃から次の日の朝8時頃まで、ポインセチアに光を当てないようにします。
短日処理に必要なのは、ポインセチアの鉢ごとすっぽりと覆える段ボールや発泡スチロールなどの箱です。箱をかぶせることでポインセチアに当たる光を遮ります。
箱の下側の隙間から光が漏れることもあるため注意が必要です。念のために箱の上から黒やシルバーのビニールをかけても良いでしょう。
ポインセチアの苞が色づいたら、短日処理を終了します。その後は、通常と同じく管理していけば問題ありません。鮮やかな苞の観賞を楽しみましょう。
ポインセチアの増やし方
ポインセチアは「挿し木」と呼ばれる方法で増やすことができます。栽培に慣れてきたら、株を増やしてみるのもおすすめです。最後に、ポインセチアの増やし方について解説します。
挿し木とは
挿し木は、植物を増やす方法の一種です。茎や枝などを切り取って土に挿すと発根し、新しい株となります。
種を採ってまく方法と異なり、親株と同じ性質を持つ植物を増やしやすい点が特徴です。園芸初心者でも取り組みやすい増やし方といえます。
ポインセチアの挿し木に必要なもの
ポインセチアの挿し木をするときは、挿し床用の鉢や挿し木用土などが必要です。挿し木用土は肥料が入っていないものを使います。
また、枝をカットするハサミやナイフは、切り口から雑菌が入らないように清潔なものを使用しましょう。
動画でわかりやすく‼︎ 植物の育て方を紹介する【PlantiaQ&A】:ポインセチアの育て方
ポインセチアの挿し木の方法
ポインセチアの挿し木の適期は6月頃です。切り戻しの際にカットした枝を挿し穂として使うと良いでしょう。
カットした枝の切り口からは白い液がにじんできます。きれいに洗い流しておきましょう。
葉は3枚~4枚つけたままにしますが、それぞれ半分の大きさにカットします。葉をそのままつけておくと蒸散しすぎるためです。
挿し穂の切り口を1時間程度水につけ、しっかりと吸水させます。終わったら挿し木用土に小さな穴をあけ、挿し穂の先端を入れましょう。
挿し終わったら、直射日光の当たらない場所で管理していきます。発根までは土が乾かないように気をつけましょう。ときどき葉水を与えるのも効果的です。
発根までには20日から30日ほどかかります。ある程度大きくなったら鉢へ移し替えて、通常のポインセチアと同様に育てていきましょう。
おわりに
ポインセチアは適切なお手入れをすることで長く育てていけます。冬のイメージが強い植物ですが、防寒対策をしっかりと行うこともポイントです。
必要に応じて短日処理も行いながら、鮮やかなコントラストを楽しみましょう。
公開:2022年11月23日
更新:2023年12月10日
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