清楚な花の姿が魅力。かすみ草の育て方は?
すみ草は、細い茎を無数にのばし、小さな花をたくさん咲かせる植物です。清楚な花の姿は、他の花との相性も良いため、ガーデニングでもフラワーアレンジメントでも親しまれています。今回は、かすみ草の特徴や育て方などをご紹介します。
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かすみを思わせる繊細な花
かすみ草は、地中海沿岸・中央アジア・シベリアを原産とする花です。夏でも涼しい場所で生まれたため、高温多湿に弱いのが特徴です。花の色は白色が有名ですが、ピンク色の品種も存在します。最近では、赤色や水色、紫色などの着色液で染められた切り花も人気です。フラワーアレンジメントで使われる花の定番となっており、さまざまな場面で活躍しています。
品種
かすみ草には多数の品種が存在します。切り花として主に流通しているのはパニクラータ種です。宿根かすみ草と呼ばれることもあります。宿根とはユリやチューリップのように、地面から上の部分は枯れても根のみで年を越し、何年も咲く植物のことです。パニクラータ種は草丈が高く、大きいものだと1m以上に育ちます。花の咲き方は一重や八重などもあります。もうひとつの有名な品種が、一年草のエレガンス種です。草丈は中型で、ガーデニングではこちらの栽培が主流です。高温多湿に弱いかすみ草の中では、暖かい場所でも育てやすい特徴があります。かすみ草を栽培するなら、最初はエレガンス種を選ぶのがおすすめです。草丈30cm以下の小型品種としては、ムラリス種が有名です。鉢植えや寄せ植えにも使えますが、丈夫ではないため栽培の難易度が高めです。もうひとつ、よく見られる小型品種にレペンス種があります。高山植物のため、乾燥して冷涼な気候を好みます。
香り
かすみ草は、繊細な外見から、清楚な香りを持つイメージがあります。ただ、実際のかすみ草の香りは少々強めです。好みが分かれるため、フラワーショップではにおいを抑制する薬剤を使用していることがあります。最近は香りの少ない品種も育てられているようです。かすみ草を植える際のにおいが心配という方は、香りが少ない品種を選ぶか、香りが強いほかの花と一緒に植えると良いでしょう。
高温多湿を避け、日の光をたっぷり当てて育てよう
かすみ草は苗から育てるのがおすすめです。種からの育成は難しく、慣れない方では発芽させられないこともあります。茎が太く下葉が元気な苗を選んで、ご自宅に植えてみましょう。
鉢植えの場合は「ハイポネックス鉢・プランター用培養土」がおすすめですさらに、水はけを良くするために1割だけパーライトを混ぜ込むことがポイントです。排水を良くするため、土を入れる前に鉢底石を敷いておきます。地植えの場合は元肥としてマグァンプK中粒を混ぜ込んで土を耕しておきます。植える場所は畝立てし、排水を良くするのがおすすめです。また、鉢植えの場合も地植えの場合も、苦土石灰を混ぜることで土を酸性からアルカリ性へ戻せます。植えつけ1週間前までに混ぜておきましょう。
植えつけ
かすみ草は5月から8月にかけて花を咲かせます。かすみ草の苗を植えつけするのは開花期を避けた2月から4月、10月から11月が適しています。品種にもよりますが、基本的に寒い地域は春に、暖かい地域は春か秋に植えつけするのがおすすめです。植えつけの際は、根と土が絡まった「根鉢」を崩さないようにポットから出し、慎重に植えましょう。地植えの場合は株どうしの間を20~30cmあけて植えます。
かすみ草は根が弱く、植え替えをすると傷んでしまうことがあります。一度植えたら動かさないことを前提に、植えつけの場所を決めましょう。
日あたり
かすみ草は「長日植物」のため、日当たりが悪い場所では花を咲かせることができません。太陽の光をたっぷり当ててあげるのが大切です。ただ、日本の気候では日向に置いたままだと高温になりすぎ、株が弱ってしまうことがあります。明るめの日陰に植えるのが望ましいでしょう。
水やり
かすみ草は地面が湿りすぎると根腐れを起こします。水をあげすぎないように注意しましょう。鉢植えには土の表面が乾いたタイミングで水を与えます。地植えの場合は意識して水やりをする必要はありません。ただ、梅雨の季節には根腐れに気をつけましょう。風通しを良くするには、株周辺の雑草や枯れた下葉を取り除くのが有効です。雨の後は苗にはねた泥を落とし、蒸れや窒息を防ぎましょう。
支柱
茎が細いかすみ草は、支柱がないと自重や風の影響で折れてしまうことがあります。特に草丈が大きくなる大型品種には、支柱を立ててあげましょう。タイミングは植えつけからしばらくたった4月から5月ごろです。生長に見合った高さの支柱を立てましょう。
摘心
新芽が出てきた3月ごろ、先端を切って摘心することで脇芽が生じ、花芽が増えます。たくさん花を咲かせたい方は摘心しましょう。また、摘心することで株の風通しが良くなるメリットもあります。
切り戻し
開花期間の長いかすみ草は、切り戻しすることで、より長い間花を咲かせます。満開の時期が過ぎたら、花茎を切り落としてみましょう。切り戻しの際は株元に何枚か葉を残すようにすると、新しい芽が出やすくなります。
追肥
かすみ草は痩せた土のほうが育ちやすいため、それほど肥料を必要としません。ただ、開花前に追肥すると、花が育ちやすくなります。宿根かすみ草の場合、休眠期に入る前の10月~11月ごろにマグァンプK小粒を与えましょう。鉢植えにはハイポネックス原液も与えるのがおすすめです。
切り花やアレンジメントでかすみ草を贈ろう
かすみ草の花言葉は「清らかな心」や「感謝」、「幸福」など明るい表現が多く、プレゼントにぴったりの花です。育てたかすみ草は切り花やアレンジメントにして、贈り物にしてみてはいかがでしょうか。
かすみ草はどんな花とも相性の良い花です。定番なのがバラやカーネーション、ガーベラなどとの組み合わせです。かすみ草そのものを際立たせたいときは、ブルースター(オキシペタルム)のような、はかない雰囲気の花を合わせることがおすすめです。
おわりに
かすみ草は一株に小さな花を鈴なりに咲かせます。単体はもちろん、他の花との相性も抜群です。特に洋風のお庭に合うため、お庭の雰囲気に合わせてかすみ草を仲間入りしてみてはいかがでしょうか。
公開: 2019年6月14日
更新: 2022年12月22日