【家庭菜園】 キャベツの育て方、春まき、夏まき、秋まきと時期による特徴と栽培方法をご紹介!
炒めものやお鍋、料理の付け合わせなど、私たちの食卓に欠かせない「キャベツ」は、年間を通して栽培できる野菜です。季節ごとに春キャベツや冬キャベツなどと呼ばれるキャベツがスーパーなどの店頭に並べられています。
品種改良により家庭菜園向きのキャベツや、一年を通して育てやすい品種もたくさんあるので、初めての方もキャベツ栽培の基本やコツさえ知れば、おいしいキャベツを作ることができますよ。
今回はビギナーさんでも挑戦しやすいキャベツ栽培の特徴や、育て方、注意点などを詳しく紹介します。
- 目次
-
- ☘31:キャベツの育て方|春植えと秋植えの違いは?上手に結球させるコツや、害虫対策などもご紹介|
- キャベツの特徴
- キャベツ栽培のポイント
- キャベツはプランター栽培もOK!
- キャベツは春まき・夏まき・秋まきができる野菜!
- キャベツは暑さが苦手!温度管理に気をつける
- 大きく育てるには肥料と土寄せがポイント!
- 害虫対策に防虫ネットや寒冷紗を使う!
- キャベツの連作障害に気をつける!
- キャベツの栽培時期
- 「春まき」の栽培時期
- 「夏まき」の栽培時期
- 「秋まき」の栽培時期
- キャベツの種まき
- セルトレイまたはペーパーポットを使う場合
- ポリポットを使う場合
- 【キャベツの種まきポイント】
- キャベツの植えつけ
- キャベツの土づくり
- プランターへの植えつけ
- 畑への植えつけ
- 防虫ネットをトンネル状にかける
- キャベツの水やり
- キャベツの追肥と土寄せ
- キャベツの収穫
- キャベツ栽培の注意点
- キャベツのとう立ち
- キャベツの裂球
- 外葉が紫色になってしまう
- キャベツの病害虫
- キャベツのかかりやすい病害と対策
- キャベツに発生しやすい害虫と対策
- この記事に関連する商品について
☘31:キャベツの育て方|春植えと秋植えの違いは?上手に結球させるコツや、害虫対策などもご紹介|
キャベツの特徴
キャベツはアブラナ科に分類される一年草の葉野菜です。原産地はヨーロッパの地中海周辺とされ、大きさや見た目の異なる品種がたくさんありあります。
キャベツには、βカロテンやビタミン C、ビタミン B1、ビタミン B2、ビタミンK、ビタミンU、葉酸、カルシウム、カリウム、食物繊維などの栄養素が豊富に含まれています。胃腸を整える効果や便秘の改善や予防する働きがあると言われています。
キャベツ栽培のポイント
おいしいキャベツを育てて収穫するには、栽培方法の基礎やコツを知ることが大切です。そこでまずはキャベツ栽培の特徴やポイントについて紹介します。
キャベツはプランター栽培もOK!
キャベツは露地栽培もできますが、お庭の畑やプランターでも育てられます。プランターでキャベツを育てるなら、深底の大型サイズのプランターを用意しましょう。キャベツは株間を 30cm 以上とる必要があるので、育てたい株の数に合わせてプランターを用意してください。小型サイズのプランターや鉢植えで育てる場合は、1 鉢に 1 株を育てるのが基本です。
キャベツは春まき・夏まき・秋まきができる野菜!
年間で栽培できるキャベツは、「春まき」「夏まき」「秋まき」と3回まきどきがあります。初心者には「夏まき」、または「秋まき」がおすすめです。特に秋まきは害虫が比較的少なく、温度管理もしやすいのでおすすめです。栽培時期により栽培に向いている品種や、春植え用の品種、秋植えの品種があります。栽培したい時期にあった品種を選ぶことが、上手にキャベツを育てるポイントです。
キャベツは暑さが苦手!温度管理に気をつける
キャベツは暑さに弱いという特徴があります。どの季節にまく場合でも温度管理を徹底して、適温で育ててあげることがポイントです。キャベツが定植した後も、真夏の暑い日に強い日差しを受けてしまうと苗が枯れてしまうことがあるので暑さ対策が必要です。
大きく育てるには肥料と土寄せがポイント!
せっかく育てるなら、やっぱり大きくて葉がずっしり巻いたキャベツを収穫してみたいですよね。キャベツの球は外葉の大きさによって決まるので、元気な外葉を育てることができればしっかり光合成して大きく結球します。外葉を大きく育てるには、「肥料」と「土寄せ」がポイントです。栽培時期にもよりますが、生育初期頃のキャベツは肥料をあまり吸収しないので、ゆっくり効いてくる肥料を元肥に使います。栽培時期に合わせて追肥の頻度を調整し、同時に根元を安定させるために土寄せも行います。キャベツ栽培には肥料として元肥・追肥の両方に使うことができる「「Plantia」花と野菜と果実の肥料」がおすすめです。
害虫対策に防虫ネットや寒冷紗を使う!
キャベツに限らず、葉野菜は害虫が付きやすい野菜ではありますが、防虫対策をしっかり行えばそれほど心配することはありません。害虫対策としては、防虫ネットや寒冷紗を被せて害虫からキャベツを守るのが一般的です。キャベツを夏に栽培する場合も、寒冷紗を被せておけば温度の上昇を和らげる効果も期待できるので用意しておくと安心です。
キャベツの連作障害に気をつける!
キャベツなどアブラナ科の植物は連作障害があります。同じ畑や同じ土を使って栽培する場合は、アブラナ科の植物を最低でも 2~3 年の間隔を空けるようにします。
キャベツの栽培時期
キャベツの生育適温は 15℃~25℃で、冷涼な気候を好みます。品種や地域により栽培時期は異なりますが、関東以西では年間を通して栽培できます。キャベツは、春にまいて梅雨や夏に収穫する「夏秋キャベツ」、夏にまいて冬に収穫する「冬キャベツ」と、秋にまいて春に収穫する「春キャベツ」があります。品種や地域にもよりますが、キャベツを種まきから育てて収穫までにかかる栽培期間は、110 日~140 日くらいです。
ここでは、春まき、夏まき、秋まきに分けて、それぞれの栽培時期について中間地を例に紹介します。紹介する栽培時期は目安ですので、参考程度にご覧ください。
「春まき」の栽培時期
種まき時期:2 月下旬~3 月中旬植えつけ時期:3 月中旬~4 月中旬収穫時期:6 月上旬~7 月中旬春にまいて梅雨や夏に収穫する夏秋キャベツは、他の時期に比べると少々難易度が上がり ます。キャベツの発芽適温が 15℃~30℃なので、種まきをしたら保温しながら育てます。
「夏まき」の栽培時期
種まき時期:7 月中旬
植えつけ時期:8 月中旬~9 月上旬
収穫時期:11 月中旬~12 月中旬
夏まき冬どりの冬キャベツは、植えつけから 45 日程で収穫と栽培期間が短めです。若苗は真夏の日光に当たると葉が枯れてしまうので、寒冷紗を被せて日差し対策をします。
「秋まき」の栽培時期
種まき時期:10 月初旬~11 月下旬
植えつけ時期:11 月中旬
収穫時期:4月下旬~5 月中旬
秋まき春に収穫する春キャベツは、害虫の発生が比較的少なく、管理がしやすいことから初心者の方におすすめです。元肥をしっかり入れれば植えつけ後は年内の追肥は必要なく、春になり新しく葉が生長し始めたら追肥をします。
キャベツの種まき
キャベツを種から育てる際は、プランターや畑に直接種をまいてもいいですが、苗がある程度大きくなるまではセルトレイやペーパーポットで育ててから、プランターや畑に植えつけて育てるのがおすすめです。
また、家庭菜園で鉢植えやプランターで少ない株を育てる場合は、ポリポットを使って育てるのもおすすめです。
セルトレイまたはペーパーポットを使う場合
セルトレイまたはペーパーポットを使用する場合は、1カ所に種を1~2粒まき、軽く用土をかけます。キャベツは3~5日程度で発芽します。発芽したら1カ所につき株が1本になるように間引きをします。間引きをした後、本葉が3~4枚でポットに鉢上げ、または定植させます。
ポリポットを使う場合
ポリポットを使う場合は、1 つのポットに種を3~4粒まきます。直径3㎝くらい、深さ1㎝くらいの穴を作って種をまきます。種をまくときは出来るだけ重ならないように、離してまいてから軽く用土をかけます。
【キャベツの種まきポイント】
- 春まきは保温して育苗する!
- 夏まきは寒冷紗で日差しを和らげ高温になりすぎないように注意!
- 秋まきは初心者向け!
- 種まき後はたっぷりと水を与える!
- 朝に水やりをして発芽までは土表面が乾燥し過ぎないように注意!
- 夏まきの育苗期間は約 35 日
- 春まき・秋まきの育苗期間は約 40~45 日
キャベツの植えつけ
セルトレイまたはペーパーポットで育てた苗は、本葉が 3~4 枚くらいで植えつけます。ポリポットで育てた苗は本葉が 4~5 枚になった頃に定植します。夏まきキャベツのように夏の暑い時期に植えつけを行う場合は、日差しにあたって葉が焼けてしまわないように、早朝の涼しい時間帯を選んで植えつけをしましょう。
キャベツの土づくり
植えつけ前の準備として土を用意します。キャベツに適した土は市販の野菜用培養土を利用しても良いですし、自作した土を使うのも良いです。キャベツ栽培用の土を自作する場合は、赤玉土7、腐葉土 2、バーミキュライト 1 の割合で混ぜたものを使います。弱酸性~中性(pH5.5~6.5)の土壌を好むので、石灰などを混ぜ込み酸度の調整します。
畑に苗を直接植えつける場合は、植えつけの 2 週間前までに土を深く耕して、植えつけの1 週間前に元肥を入れます。元肥には肥料効果が2~3か月間持続する「「Plantia」花と野菜と果実の肥料」がおすすめです。
プランターへの植えつけ
プタンターの 7 分目くらいまで土を入れて、ウォータースペースが残るようにします。株間は早生種なら 30~40 ㎝、中晩生種は 40~45 ㎝を目安に植え穴を掘ります。株間が狭いとキャベツが大きくならない、逆に広すぎても生育が遅くなって葉が固くなりやすいので注意してください。植えつける際は根鉢を崩さないように注意して、浅めに植えます。この時、キャベツの子葉が土に隠れてしまわないように、根鉢の表面と土の高さが同じくらいになるように浅く植えるのがコツです。
ポリポットで育てた苗は植えつけ前に水につける、または植えつけ後にたっぷり水やりをします。水やりをしたら根元を軽く抑えて、苗を安定させます。植えつけ後は根の活着促進のため植物用活力液『リキダス』を 1,000 倍に希釈してたっぷりと与えましょう。
畑への植えつけ
畑の畝に 1 条(1列)に植える場合は、高さ 10cm、幅 50~60cm くらいの畝をつくります。2 条(2列)の場合は高さ 10cm、幅 80cm くらいの畝をつくります。植えつけの方法や株間はプランター栽培の植えつけと同じで、株間は早生種なら 30~40 ㎝、中晩生種は40~45 ㎝を目安に植え穴を掘ります。
防虫ネットをトンネル状にかける
プランターや畑に植えつけが完了したら、害虫対策として防虫ネットや寒冷紗をかけます。キャベツの葉を確認してすでに虫が付いている場合はその場ですぐに除去し、その後で防 虫ネットをかけます。
キャベツの水やり
種まき後は、たっぷり水を与えてください。その後の水やりは朝に行うのが基本ですが、キャベツは過湿を嫌うので水の与えすぎには注意が必要です。発芽するまでは土の表面が乾燥しない程度に水やりをします。植えつけ前は、ポリポットで育てた苗をポットごと水に浸けておき、植えつけから 2 日後に水やりをします。水に浸けない場合は、植えつけをした後にしっかり水やりをしてあげてください。その後は土の表面が乾いた頃を目安に水やりをする程度で構いません。
キャベツの追肥と土寄せ
春まきと夏まきは、植えつけから3~4週間くらい経った頃に、1 回目の追肥と土寄せをし、「「Plantia」花と野菜と果実の肥料」をまきます。その後は、結球が始まる前に 2 回目の追肥と土寄せをします。秋まきのキャベツは年内の追肥は控えめにして、冬越しさせて新しく葉が伸び出した頃に 1回、結球が始まる前に 2 回目の追肥と土寄せをします。
キャベツの収穫
キャベツは植えつけから 10 週間くらい経つと徐々に結球し始めます。収穫期は揃いやすいので結球が早い株から収穫していきましょう。
結球を手で押してみて、葉が固く締まっていたら収穫の適期です。収穫するときは結球を手で押し出すようにして、株元に包丁を入れ、芯を切って収穫します。
収穫適期を過ぎたキャベツは球が割れてしまって、腐ってしまうこともあるため、適期がきたら早めに収穫した方がいいでしょう。
キャベツ栽培の注意点
キャベツを栽培する上で、気をつけたいことや注意点についてまとめています。
キャベツのとう立ち
秋に種をまいて冬越しさせ、春になったら収穫する春キャベツは、「とう立ち」することがあるので注意が必要です。キャベツの幼苗は一定の期間低温状態が続くと、結球する前に花芽が出来てとう立ちしてしまいます。秋まきした春キャベツのとう立ちを回避するには、とう立ちを起こしにくい品種を選ぶこと、適期に合わせて種まきをして小さめの苗で冬越しに備える、寒さ対策に寒冷紗を被せてトンネル栽培をするのがポイントです。
キャベツの裂球
収穫適期がきたキャベツは早めに収穫しましょう。キャベツは収穫適期が過ぎてもそのまま生長を続けるので、内側からの生長の圧力に負けて外側の葉が割れてしまいます。裂球したキャベツはその部分から腐りやすくなってしまいます。特に春まき夏どりの夏キャベツは裂球が起こりやすいので、適期を逃さずに早めに収穫するようにしましょう。
外葉が紫色になってしまう
キャベツの外葉が紫色になってしまう原因は、アントシアニンという色素にあります。アントシアニンはキャベツなどのアブラナ科野菜に含まれているのですが、この色素は冬場の寒さにより生成されて野菜を紫に変色させるといった現象が起こります。
尚、変色するのは外気に直接触れた部分だけです。外気に直接触れていない部分はキャベツらしい緑色をしていますので、問題なく美味しく食べられます。
キャベツの病害虫
キャベツ栽培でよくある失敗例が、病害虫により被害です。特に春まき・夏まきのキャベツは病害虫の被害を受けやすいので注意が必要です。ここでは、キャベツに発生しやすい病害虫の種類と対策方法について紹介します。
キャベツのかかりやすい病害と対策
キャベツは、菌核病(きんかくびょう)や黒腐病(くろぐされびょう)、軟腐病(なんぷびょう)、根こぶ病といった病気に注意が必要です。
「菌核病(きんかくびょう)」は、春頃や雨の多い時期に発生しやすく、キャベツの表面が綿状の白いカビに覆われたようになるカビの一種です。白いカビの中に糞のような黒い塊が出てくるのも特徴です。菌核病を発見したら、株ごと抜き取って処分しましょう。
「黒腐病」は、降水量の多い年に発生しやすい病害です。キャベツの葉が黄色く変色して、徐々にその範囲は拡大して乾燥し、破れやすい状態になります。黒腐病を見つけたら株ごと抜き取って焼却するか、土の中に深く埋めて処分します。
「軟腐病」は、キャベツが結球し始めた頃から起こる病害です。葉っぱに病斑が生じると徐々に株全体に広がってベトベトと腐った状態になり、悪臭を放つようになります。水はけの悪い土や窒素過多により発生しやすくなるので、病斑を見つけたら株ごと引き抜いて処分してください。
「根こぶ病」は、根の部分から発生する病害です。根にこぶができた状態になり、病斑が進むと腐敗したり、生育が悪くなったりします。酸性度が低い土壌で起きやすい根こぶ病は、見つけたら株ごと抜き取って処分します。
キャベツに発生しやすい害虫と対策
キャベツはアオムシやヨトウムシ、アブラムシ、コナガ、ダイコンシンクイムシなどの害虫が発生しやすいので注意が必要です。キャベツにアオムシがつくと、苗ごと食害されてしまうので、見つけ次第補殺して、必要に応じて殺虫剤を使います。殺虫剤は出来るだけ使いたくないという時は、こまめにキャベツの葉を観察してアオムシを見つけ次第補殺する、さらには植えつけをした後に防虫ネットを被せて防虫対策を行います。ダイコンシンクイムシはキャベツなどのアブラナ科野菜に発生しやすい害虫です。キャベツの芯を食害してしまうので、ダイコンシンクイムシの幼虫がキャベツの芯を食害して生長を止めてしまうので、発見したらその場で駆除してください。
防虫ネットをかぶせても、隙間が空いているとそこから害虫が入り込んでしまいます。地面に防虫ネットをしっかり固定して、隙間の出ないように設置してください。
プランターや露地栽培も可能なキャベツは、育て方の基本やコツなどを知れば、年間を通してたくさんのキャベツを収穫できます。最近は、品種改良が進んでいるので初心者でも比較的育てやすい品種や、春まき、夏まき、秋まきと栽培時期ごとに適した品種などもたくさん登場しています。
種から大切に育てたキャベツは収穫の喜びやおいしさも格別です。家庭菜園が初めてで、ちゃんと育てられるか心配な方に、秋に種をまいて春に収穫する秋まきのキャベツがおすすめです。秋まきに適した品種もありますので、是非この機会にキャベツ栽培に挑戦してみてくださいね。
公開: 2020年11月18日
更新: 2022年4月1日
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