【バラの育て方・栽培】11月は今年のバラの締めくくり!大苗の植えつけやお手入れのポイント
11月になると今年の秋バラの季節は終わりに近づきます。
気温が下がり日に日に残っている花も少なくなってきて、なんだか寂しい気分になってしまうものですね。
でも、バラ栽培の最後の締めくくりとなる月だからこそ、「ありがとう」の気持ちを込めてしっかりとお手入れをしてあげましょう。
また、11月はバラの大苗の植えつけ・植え替えの適期でもあります。
来年も美しいバラを楽しめるかどうかは、この時期のお手入れにかかっていると言っても過言ではありません。
今回は、そんな11月にしておきたいバラのお手入れ方法についてご紹介します。
11月下旬になったらお礼肥を与えよう
11月下旬ごろになると、花数が少なくなっているはずです。
バラは開花するためにたくさんエネルギーを使用します。
開花で失われた栄養を補うために、お礼肥(追肥)をしっかり与えましょう。
その際には、カリ成分を多く含む肥料を与えることがポイントです。
カリ成分は枝を硬く締め、冬の寒さに耐える充実した株にします。
おすすめはカリ成分の多い液体肥料『微粉ハイポネックス』です。
動画でわかりやすく!「高木大輔のバラ栽培は面白い!」
花がらや落ち葉を除去して病害虫の予防を
11月に入ると病害虫の被害は減ってきますが、それでも油断は大敵。
落ちた花がらや葉が地面にそのままになっていると、そこから病害虫が発生しやすくなります。
特に注意したいのは、黒星病やうどん粉病・アブラムシなどです。
このタイミングでしっかりと退治・治療することで、病害虫の越冬を防ぎ、来春の発生を少なくすることができます。
その際には、各症状に効果を発揮する専門のお薬を使用しましょう。
うどん粉病や黒星病には、優れた効果を発揮する『BrilliantGardenフローラガードAL』または、薄めて使う『BrilliantGardenサルバトーレME』。アブラムシには害虫退治と肥料やりが同時にできる『BrilliantGarden ハイポネックス原液 殺虫剤入り』を。ハダニには有効成分が天然のなたねから抽出したなたね白絞油の『BrilliantGarden ハッパ乳剤』がおすすめです。
『BrilliantGarden ハッパ乳剤』はバラのハダニ類・うどん病防除に効果があります。
咲がらを切って葉を残そう
花びらがシワシワになってきたら、秋の開花も終わりを迎えはじめます。咲きがらは切り落としてしまいましょう。
10月には二番花を咲かせるために切りますが、11月になると再び開花させるのは難しいため、冬に備えて花がらをカットします。通常よりも浅めに切り、できるだけ葉を残しておきましょう。葉をたくさん残しておくことで、翌シーズンに向けて株が充実しやすくなります。
水やりも忘れずに
特別なお手入れに加え、水やりも忘れずに行いましょう。地植えの場合は、乾燥した日が続いてカラカラになってしまいそうなとき、水やりします。鉢植えの場合は土が乾いたら適宜水を与えましょう。ただし、この時期はそれほど多くの水を必要としないため、水浸しにするのは避けます。
11月は大苗の植えつけ適期!
大苗とは、新苗を畑(地植え)で育て、秋に掘り上げたものを指します。
わかりやすく言うと「すでにしっかりと生育し、春には花を咲かせることができる大人の苗」ということです。
大苗のメリットは、すでにしっかり育っている苗のため、来春には開花を楽しめるということ。
新苗のように接ぎ口が剥がれる心配もありません。
10月を過ぎると大苗が園芸店などでたくさん出回るようになります。
11月は、大苗の植えつけ適期です。
ぜひ大苗を購入し、新しいバラの植えつけを行いましょう。
大苗を選ぶときのポイント
この時期に出回る大苗はポット苗(鉢)が主流ですが、他に裸苗・根まき苗があります。
裸苗とは、根がむき出しの状態のもの。
根まき苗とは、根をピートモスなどでくるんで布を巻いた状態のものです。
ポット苗(鉢)は、ポットに仮植えしてあるものを指します。
裸苗や根まき苗は価格が安めですが、すぐに植えつけを行わないと乾燥して弱ってしまいます。
その点、ポット苗は少し値段が高くなりますが、すでに仮植えポットに入っているため、慌てて植えつけをしなくても大丈夫です。
品種によっては来年の春に花を楽しんでからの地植えをされても大丈夫です。
バラをはじめて栽培される方は扱いやすいポット苗がおすすめです。
なお、裸苗・根まき苗・ポット苗は、いずれも枝が木のようにしっかりしていて硬く、株元が太いものを選びましょう。
細い枝がたくさんあるものより、硬くて太い枝が一本でもある苗がおすすめです。
その他、切り口もチェックしておきます。枝がしっかりと締まっており、芯の部分が小さいものは、しっかり育っている苗といえます。切り口がスカスカで芯ができていない枝は、まだ大きくなりきれていません。
品種選びについては、すでに栽培しているバラとの相性、置き場所を考えると良いでしょう。
難しく考えすぎずに、洋服のコーディネートを考える要領でかまいません。
「今オレンジ色とピンクのバラがあるから、白を足したら綺麗になりそう」「大ぶりのバラばかりだから、少し小ぶりなものを足そうかな」というように、まずは花色や形を選ぶとスムーズです。
大苗の植えつけ方法は?
大苗の植えつけ方法は、基本的には新苗の植えつけと同じです。バラの好む水はけの良い用土や肥料などを用意して植えつけていきます。接ぎ木部分にテープが残っている場合は取っておきましょう。
元肥として、肥料効果が2年間持続する『マグァンプK大粒』を混ぜ込みます。
植えつけをしたら、根の活着を促すため『植物用活力液リキダス』を希釈した水をたっぷりとあげましょう。
以下では、鉢植えと庭植えの植えつけのポイントをそれぞれ紹介します。
大苗の鉢植えの植えつけ方法
鉢に大苗を植えつける場合は、根鉢よりも一回り大きな鉢や、鉢底石、バラの好む用土を準備します。植え替えが難しいつるバラの場合は、最初から大きな鉢へ植えつけるのもひとつの方法です。
11月~2月の休眠期は、根をほぐしてから植えることができます。古い根があったら切り取りましょう。根をよくほどいて八方に広げるように植えつけることがポイントのひとつです。
接木の部分は土の中に入らないように調整します。根の間に土が入るよう、優しくつついてあげましょう。倒れないように支柱を立てて、枝をゆるく結びつけておくと安心です。
終わったら、鉢の底から水が流れ出るほどたっぷりと水をあげます。2~3回ほど行い、十分に水を与えてあげましょう。
大苗の庭植えの植えつけ方法
お庭に大苗を地植えする場合は、深さと直径ともに40cm~50cmの深い植え穴を掘ります。1日のうち5〜6時間は日が当たり、風通しの良い場所を選びましょう。以前にバラが植えてあった場所に植えるときは、連作障害をおこすこともあるため、新しい土(BrilliantGarden バラの培養土)に入れ替えるようにします。
庭植えの場合も接木部分が土に埋まらないようにします。根を広げて植えつけますが、肥料に直接触れてしまわないように気をつけましょう。
また、植えつけ直後は水をしっかりと与えられるよう、ウォータースペースをつくっておくことがポイントです。株の周囲に少しだけ土を盛っておきましょう。必要に応じて支柱を立てたら、最後にたっぷりと水をあげます。水がしっかりと染み込んだら土を平らに戻しておきましょう。
おわりに
11月は今年のバラ栽培の総決算となる時期です。来年に備えた作業を行い、春の開花を待ちましょう。また、お庭に咲くバラを増やしたいときは、大苗を購入して植えつけるのもおすすめです。お好きな品種を探して植え、来春の開花に向けて管理していきましょう。
公開: 2021年11月5日
更新: 2022年10月28日
更新: 2023年11月3日
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この記事で紹介された植物について
バラ
気品あふれるその華やかな姿から、花の女王とも呼ばれるバラ。花の色形のバリエーションは豊富で、ツル性や木立性、一季咲きから四季咲きなどいろいろなタイプあります。比較的病害虫がつきやすい傾向がありますが、樹木なので枯死することはあまりありません。