- 目次
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- オリヅルランとは?
- オリヅルランの概要
- オリヅルランの特徴
- オリヅルランの名前の由来
- オリヅルランの栽培ポイント
- オリヅルランの選び方
- オリヅルランの仕立て方
- オリヅルランの花
- オリヅルランの開花時期
- オリヅルランの花言葉
- オリヅルランの品種
- ソトフオリヅルラン
- ナカフヒロハオリヅルラン
- シャムオリヅルラン
- ボニー
- オリヅルランの冬を越すための育て方
- オリヅルランの日当たりや置き場所
- オリヅルランの水やり
- オリヅルランの肥料や追肥
- オリヅルランの用土
- オリヅルランの植え替え
- オリヅルランの植え替え手順
- オリヅルランを増やす方法
- オリヅルランを種まきで増やす方法
- オリヅルランを子株で増やす方法
- オリヅルランを株分けで増やす方法
- オリヅルランの病害虫
- オリヅルランの害虫
- オリヅルランの病気
- まとめ
オリヅルランは、鮮やかな葉が主役の観賞用の植物で、室内に置けばお部屋の印象がパッと明るくなります。品種によって葉のコントラストが楽しめるタイプや、葉が丸まるタイプ、ミニサイズなど、見た目の好みやお部屋に合わせて選べます。
オリヅルランは鮮やかなグリーンの葉、ぐんぐん伸びるランナーとランナーにつく折り鶴のように見える子株、開花する花によって、さまざまな表情を見せてくれるのが特徴です。耐寒性もあるため地域によっては冬越しも可能であり、置き場所もある程度自由に決められます。植え替えをおこなって増やせるため、アレンジのしやすい観葉植物といえます。オリヅルランの育て方や冬越しのポイント、植え替えについても詳しくご紹介します。
オリヅルランとは?
オリヅルランの概要や特徴についてご紹介します。
オリヅルランの概要
オリヅルランはキジカクシ科オリヅルラン属の植物で、学名はchlorophytum(クロロフィツム)といいます。オリヅルランの原産地は南アフリカを中心に、温帯や熱帯地域に広く分布しています。オリヅルランは200種以上が自生しているといわれていますが、観葉植物として流通しているものはそのうちの数種類のみです。
オリヅルランの特徴
オリヅルランの見た目は、細く長い草が放射状にいくつも伸びています。全長は、30cm程度です。濃いグリーンと薄いグリーンの2色の鮮やかなコトンラストが美しい、斑入りタイプの品種や、ひとつの色をした品種などがあります。
オリヅルランは、NASAの研究によって密閉された空気中のホルムアルデヒドを吸収してくれる作用があることが判明しています。見た目の美しさだけでなく、気分的にもリフレッシュさせてくれる植物といえます。
オリヅルランの名前の由来
オリヅルランは、和名で「折鶴蘭」と書きます。ランナーの先につく子株が、折り鶴に見えることに由来しています。弧を描くように伸びたランナーに、折り鶴が羽を広げているように見えます。名前に蘭の文字がついていますが、ラン科の植物とはとくに関係はありません。
オリヅルランナーが伸びると蜘蛛のように見えることから、英名ではスパイダープラント(spider plant)と呼ばれています。
オリヅルランの栽培ポイント
オリヅルランの植えつけや、植え替えのタイミングは5〜9月の間です。耐寒性のある植物ですが、生長スピードが遅くなる冬期は避けてください。オリヅルランの耐寒性は5℃で、関東地方以西の地域であれば、屋外でも冬越しできます。1〜2年に1回のタイミングで植え替えが必要です。
植え替えの際は、肥料期間が約2年間持続する緩効性肥料マグァンプK大粒を元肥として土に混ぜ込みます。
明るめの日陰や窓越しのような遮光性のある日光を当てるのが理想で、水やりは土の表面が乾いてからたっぷりと与えます。冬場は土の表面が乾いてから、3日ほどおいてから水やりをします。
オリヅルランの選び方
オリヅルランは、生育環境が悪いと葉の先が茶色く枯れたように変色します。葉の先まできれいな色のものを選び、病害虫などがついていないか葉の裏や株元のあたりまでしっかりと確認しましょう。
オリヅルランの仕立て方
オリヅルランは放射状に伸びる葉や、オリヅルランナーにつく子株が魅力的です。とくに下垂するランナーは、ハンギングにすれば見応えがあり十分に楽しませてくれます。
オリヅルランの花
オリヅルランの花は、白く6枚の花びらがあります。小さく、可愛らしい花です。
オリヅルランの開花時期
オリヅルランはランナーといわれる茎が伸びて、ランナーの途中部分に毎年3〜9月頃、白い花を咲かせます。
ランナーとは、親株から伸びる茎のことで地面を這うようにして伸びていき、茎の先端に芽や根が出て、子株が誕生します。ランナーは、匍匐茎(ほふくけい)と呼ばれることもあり、ランナーで増える植物や野菜は多数あります。開花する時期が見頃ともいえますが、多年草であるため、1年をとおして鮮やかなグリーンの葉を楽しめます。
オリヅルランの花言葉
オリヅルランの花言葉には、「子孫繁栄」「集う祝福」「祝賀」「守り抜く愛」などがあります。オリヅルランの容姿から、イメージしやすい花言葉といえます。ランナーが伸びて子株がつくようすを生長段階で観賞できるため、子孫繁栄という花言葉もぴったりです。家族に対する想いを感じられる花言葉であるため、新居のお祝いや結婚祝いにも最適です。
オリヅルランは初心者の方でも育てやすく、ぐんぐんと生長スピードも早いため、縁起のよい観葉植物といえます。
オリヅルランの品種
オリヅルランには、観葉植物として流通している品種がいくつかあります。代表的なものをご紹介します。
ソトフオリヅルラン
ソトフオリヅルランはオリヅルランの代表格といえ、葉が白っぽく縁取られており中央部分が明るいグリーンのコントラストが美しい品種です。寒さや乾燥に強いため、日本でも地域によって冬越しが可能です。またランナーや子株も生長しやすい品種です。
ナカフヒロハオリヅルラン
ナカフヒロハオリヅルランは、ソフトオリヅルランと反転して葉の中央部分に白っぽく模様が入り、グリーンで縁取られている品種です。
シャムオリヅルラン
シャムオリヅルランは、オリヅルランの中でもミニサイズで葉が短い品種です。ランナーがでない品種であるため、小さなスペースでの生育におすすめです。
ボニー
ボニーは、葉の中央に白っぽい模様が入っています。葉の先が丸まる特徴のある品種です。
オリヅルランの冬を越すための育て方
オリヅルランの耐寒性は5℃であるため、関東地方以西の地域であれば、屋外でも冬越しできます。ベランダや玄関先、お庭などある程度自由に置き場を決められます。
とはいえ、温帯や熱帯地域に生息している植物であるため、気温が0℃近くの環境に長い期間置くことは避けましょう。
真冬は玄関やベオリヅルランダも5℃を下回ることもあるため、室内に移動させるか、防寒対策としてバークチップなどのマルチング材を被せて、霜が降りないようにします。冬に寒さで葉が枯れてしまっても、根を保護できていれば春先にはまた新たな葉が伸びてきます。
オリヅルランの日当たりや置き場所
オリヅルランは基本的に日光を好む植物であるため、日のあたる場所に置きます。日光を浴びるほどぐんぐん生長して葉も伸び株も強くなります。
オリヅルランは耐陰性もあるため日陰でも生育が可能で、置き場のバリエーションが多いです。しかし日光が足りないと、株が弱々しくヒョロッとした徒長した状態となり健全な生育の妨げとなります。一方、直射日光が当たりすぎるのもよくないため、明るめの日陰や窓越しのような遮光性のある日光がベストです。
オリヅルランの生育期間である5〜9月はたっぷりと水やりをして、風通しのよい場所の屋外に置きます。反対に冬場は寒い風が当たらないようにし、日のよく当たる場所であれば室内においても問題ありません。
オリヅルランの水やり
オリヅルランの水やりは、土の表面が乾いてから水やりするのがポイントです。反対に土が乾燥していない状態で水やりすると根腐れの原因となります。
夏場はオリヅルランの生育期となり、どんどん水分が吸収されていきます。土が乾燥しやすくなっているため、たっぷりと水やりします。
冬場はオリヅルランの生育が緩やかになるため、水やりの回数を減らしていく必要があります。土の表面が乾いてから3日ほどを目安に、たっぷりの量の水やりをします。
もしも枯れてしまった場合は、水やりの頻度を増やすなどして、気温などの環境でタイミングを調節するとよいでしょう。
オリヅルランの肥料や追肥
オリヅルランの肥料は、生育期である5〜9月の間に与えるのが必須条件です。室内で生育している場合は、化学肥料を使うことでコバエの発生を抑制します。
手軽に管理したい方はプロミック観葉植物用がおすすめです。
プロミック観葉植物用は、早く効く成分とゆっくり効く成分を含み、安定した肥料効果が約2ヵ月間持続します。 株元に置くだけで葉の色を鮮やかに丈夫に育てます。
生育期にや速効性の液体肥料で管理される場合は、水やりの際にハイポネックス原液を1週間~10日に1回の頻度で与えることでより丈夫な株に生長します。
冬(11月〜2月の間)は生育が停滞するため、肥料ではなく植物用活力液を与えるとよいでしょう。水やりの際に植物用活力液リキダス を200~1000倍程度に薄めて施しましょう。
植物用活力液リキダスは暑さでバテ気味の時や冬の寒さへの抵抗性をつけたいときにおすすめです。
オリヅルランの用土
オリヅルランの用土は、水はけのよい土が適しています。購入する場合は、観葉植物用がおすすめです。用土を作る場合には、赤玉土(小粒サイズ)5、腐葉土を3、川砂2の割合で混ぜ合わせます。いずれも鉢底には軽石を敷いて、水はけをよくします。
オリヅルランの植え替え
オリヅルランは生長が早くぐんぐん伸び株も大きくなるため、1〜2年に1回のタイミングで植え替えが必要です。植え替え用の鉢は一回り大きいものを用意します。
元肥として、約2年間肥料効果が持続する緩効性肥料マグァンプK大粒を土に混ぜ込みましょう。
植え替えは5〜9月頃の生長期におこないますが、真夏の猛暑の時期は避けましょう。オリヅルランの根もぐんぐん伸びている状態であるため、1〜2年以上ずっと植え替えしていない状態が続くと、根が窮屈になり健康的に伸びていけません。その結果、オリヅルランの葉が枯れるなどの可能性を引き起こしてしまいます。
オリヅルランの植え替え手順
- 1.植え替えは、土が完全に乾いた状態でおこないます。
- 2.一回り大きな鉢を置きます。
- 3.鉢底の穴に鉢底ネットを入れて、軽石を敷きます。
- 4.新しい用土を鉢の3分の1ほどの高さまでいれます。
- 5.元肥として、マグァンプK大粒を土に混ぜ込みます。
- 6.オリヅルランを鉢から丁寧にとりだします。
- 7.オリヅルランの根についている用土は軽く落とします。
- 8.オリヅルランの根が黒くなっている部分を確認してカットします。
- 9.鉢にオリヅルランを入れて、用土を追加していきます。
- 10.たっぷり鉢底から水が出るまでたっぷりと水やりします。
その際に根の活着促進のため、植物用活力液リキダス を1000倍に希釈した水を与えると良いでしょう。
オリヅルランを増やす方法
オリヅルランの増やし方は、種まきと株分け、子株から増やす方法があります。オリヅルランの植えつけの時期は5〜7月頃です。
オリヅルランを種まきで増やす方法
オリヅルランは、花を咲かせるため開花後に種を採取できます。オリヅルランを一から生育したい方におすすめの方法です。
採取したオリヅルランの種は用土の表面にまき、軽く土を被せておきます。鉢でなくとも小さな容器などでも代用できます。乾燥させないよう水やりをおこなえば芽がでてきます。
オリヅルランを子株で増やす方法
オリヅルランはランナーについた子株を分ければ増やせて、子株が根を張ることで生長していきます。オリヅルランの名前の由来にもなっている折り鶴のような子株です。
ランナーの子株に8枚以上の葉がついているものを選び、ランナーの根元からカットします。さらにランナーが分岐した先にそれぞれついている子株をカットします。
子株の根元を水に浸しながら根が張るのを待ちますが、透明の容器などに水差しにすると涼しげで、小さなオリヅルランの観賞を楽しめます。オリヅルランの子株は水に浸さなくてもすでに発根している場合もあります。発根している子株は水挿ししなくても、そのまま植えつけられます。
オリヅルランを株分けで増やす方法
オリヅルランの株分けは、ランナーがない品種や大きく生長した株であれば可能です。株分けは根から土を払い落として、芽が3つ以上つくように株を切り分けます。株分けできれば、株にあったサイズの鉢に植えつけします。
オリヅルランの病害虫
オリヅルランは、アブラムシやカイガラムシがつくことがあります。また炭そ病にかかることもあるため注意しましょう。
オリヅルランの害虫
アブラムシの体長は数ミリ程度ですが、大量発生する害虫です。見つけ次第早めに取り除き、大量発生している場合には、アブラムシがついた葉やランナーごと除去するか、薬剤の散布をすると良いでしょう。アブラムシを見つけたらアブラムシ退治と肥料やりが同時にできるハイポネックス原液殺虫剤入りがおすすめです。
オリヅルランの病気
オリヅルランは、炭そ病という病気になるケースがあります。炭そ病は斑点模様ができ、腐ったり枯れたりします。とくに梅雨時期や夏にかけては高温多湿になるため、炭そ病の原因となるカビが発生しやすくなるため注意しましょう。
まとめ
オリヅルランは、美しい葉とランナーにつく折り鶴のような子株が大変魅力的な観葉植物です。インテリア性も高いですが、耐寒性があるため地域によっては屋外で育てることもできます。
さらに耐陰性もあるためベランダや玄関先などにも置け、自由度の高さもあります。また鉢植えやハンギングなどアレンジが自在であるため、観葉植物のなかでも豊富な楽しみ方ができます。