【バジルの育て方】いろいろな料理に利用できるハーブ お手入れのコツなどをご紹介!
【バジルに関して】
植物としての特徴
バジルは熱帯地域を原産とするシソ科の植物で、葉は濃い緑色で、品種によって30 cmから150cmまで生長します。日光を好み寒さが苦手なことから、本来は多年草ですが日本では一年草として扱われます。バジル(basil)は英語由来の呼び方で、イタリア語由来のバジリコ(basilico)ともよばれます。和名はメボウキですが、日本でもバジルという名の方が一般的です。
また、食物繊維を豊富に含むことからダイエット補助食品としても利用されています。
歴史
インド、熱帯アジア原産で、英語のBasilならびにイタリア語のBasilicoはいずれも「王」を意味するギリシャ語の「バシレウス」に由来します。
バジルはアレキサンダー大王によってインドからヨーロッパに伝えられたとする説がありますが、実際にはイギリスに16世紀に、アメリカに17世紀に渡来したそうです。
日本には江戸時代に渡来し、当初は種子が漢方薬として輸入されました。バジルの種子はグルコマンナンを多く含むため、水分を含むと乾燥状態の約30倍に膨張し、ゼリー状の物質で覆われます。このゼリー状の物質が目の汚れを取り去る目薬とされていたそうです。そのためメボウキ(目箒)の名前がついたといわれています。
イタリア料理
独特の風味があるバジルは、イタリア料理には欠かせないハーブの1つです。
日本では当初は漢方薬であったバジルですが、日本で普及したきっかけはイタリア料理の普及です。それまでは、プロの料理人が扱う素材としての認知度でしたが、バブルの頃の「イタ飯ブーム」で一気に普及しました。
家庭菜園
バジルは様々な料理に利用できますし、日当たりがよければ室内でも庭でも簡単に育てることが可能なことから、ご家庭で栽培している人も多くいます。
バジルの種類
バジルには、以下に挙げるような種類があります。
スイートバジル
もっともポピュラーで、単に「バジル」というと、だいたいスイートバジルのことを指します。
イタリアンを始めとする欧米料理に利用され、甘みのある爽やかな香りがします。
アニスバジル
アニスに似た甘い香りがあり、葉の葉脈が紫色です。
シナモンバジル
メキシコ産の園芸品種で、スイートバジルに似ていますが、葉は少し小ぶりで特徴的な光沢がなく、花と茎はピンクがかっています。シナモンに似た甘い香りをもち、クッキーやパンに混ぜたり、シロップやはちみつにつけて香り出しをします。
ダークオパールバジル
アメリカを原産とするスイートバジルの園芸品種です。赤紫色の葉と茎で、7月〜10月にピンクの花を咲かせます。葉の香りはスイートバジルに似ており、ビネガーやオイルに漬けて葉の色の美しさを楽しみます。
パープルラッフルバジル
バジルの種類の中でもっとも濃い赤紫色の葉を持ちます。ピンクの花を咲かせます。
香りはスイートバジルよりも穏やかで、ビネガーやオイルに漬けると真っ赤な色が出ます。
ブッシュバジル
スイートバジルに似ていますが、矮性で、葉や草丈がコンパクトに育ちます。その反面香りは強く、枝分かれしてこんもりとブッシュ状に生長することからこの名前が付きました。
見た目が小さくてかわいく、省スペースで育てることができるため、近年人気があります。
ホーリーバジル
タイ料理のガパオライスに刻んで入れられます。別名トゥルシー。インドの伝統医学のアーユルヴェーダでは不老不死の霊薬とされてきました。
スイートバジルとは違った、フルーティなお香のような強い香りがします。
レタスバジル
スイートバジルの変種で、大きな葉がつき大型に育ちます。チーズやトマトと相性が良く、別名がナポリターナ。
アフリカンブルーバジル
一般的にバジルは寒さに弱いのですが、アフリカンブルーバジルは耐寒性が強く0度近くの低温でも育ちます。葉は紫がかっており、寒さにあたるほど色が濃くなっていきます。色の美しさから観賞用に栽培されることもあります。
レモンバジル
レモンに似た香りがあります。別名にシトラスバジルともよばれます。葉は小さく、食べるとスイートバジルに似た味がしますが、その後柑橘系の味わいが広がります。魚料理や鳥料理との相性が良く、タイ料理でよく使われます。
観賞用のバジル
このほかにも、主に観賞用とする交配品種があります。ダークカラー系のバジルは食用だけでなく、カラーリーフの素材としても使われます。食用としてバジルを育てる場合は花を咲かせないですがおうちガーデニングなら花を咲かせて楽しみましょう。バジルの花は穂状のかわいい花で、夏に開花します。
バジルの育て方のポイント
置き場所
日当たりと風当たりの良い場所で、たっぷり水やりし、たっぷり肥料を与えることがバジル栽培の大事なポイントとなります。
バジルは丈夫な植物ですが、西日や盛夏の強い日差しと乾燥には弱いですので、鉢植えで育てている時は強光を避けることができて風通しのよいところに移動させるようにします。
地植えでは移動ができませんので、強い日差しの当たらない風通しの良い植え場所を探しましょう。
苗と種
バジルは種から育てるか市販のポット苗で購入して育てる方法があります。また、種から育てる場合は、直接プランターに種を撒く方法と、先に苗を育ててから苗をプランターに植え替える方法があります。
初心者の方は、市販の苗から育てる方が失敗が少なくおすすめです。また、たくさん育てたいなら種まきから、少しだけ楽しむなら市販の苗からをおすすめします。
苗の選び方
市販のポット苗を購入して育てる場合の、最初の苗の選び方について説明します。
バジルの苗は、園芸店やホームセンター、ネット通販などで入手することができます。同じ品種でもたくさんの苗が並んでいます。虫がついている、白いカビのようなものがついている、他の苗と比べて葉色が悪かったり萎れていたりする苗は避けます。
背丈だけが伸びて茎が弱々しくヒョロヒョロしたものや、葉と葉の間が間延びしているものを、園芸用語で「徒長(とちょう)」といいます。日照や栄養状態に問題があったときにこうなります。こういった苗も避けましょう。
よい苗は、しっかり根が張り、ぐらつかず、ずんぐりとして、がっしりとしています。葉の色が元気な緑色で、茎が太く節が詰まっている苗を選ぶようにしましょう。
土
バジルは、中性~弱アルカリ性を好み、酸性が強い土を嫌います。保水力が高く、有機質を多く含んだ肥えた土を好みます。おすすめは、元肥として緩効性肥料マグァンプKが配合されている今日から野菜 野菜を育てる土がおすすめです。
地植えなら、畑の土1㎡あたりに苦土石灰100g(コップ1杯くらい)を混ぜて、1週間寝かせます。その後、完熟堆肥2kgと『今日から野菜 野菜を育てる肥料』を混ぜ込みます。
プランターや鉢植えの場合は赤玉土7、腐葉土3の割合で混ぜたものに、『今日から野菜 野菜を育てる肥料』を混ぜ込んで使用するのが良いです。
最近ではハーブ用の培養土が市販されているので、それを利用しても構いません。市販のハーブ用培養土は、あらかじめちょうどよい土質に調節されているので初心者の方でも簡単にバジル栽培を楽しめます。
栽培時期
バジルの種は発芽温度が20度以上となります。もし苗を購入するのではなくて種まきからバジルを育てるのであれば、温度を目安に種まきの時期を考えます。気温が安定して遅霜の心配がない頃にまきましょう。北海道などの寒い地域では5月〜6月、関東から中部地方にかけては4月中旬〜6月中旬、九州や沖縄は4月〜6月上旬が目安となります。
苗を購入する場合は、4月の間は遅霜などで気温が急に下がる日もあるので、定植は5月以降の方が安全です。もし4月中旬までにバジル苗を買ってしまった場合は、ゴールデンウィークの頃までは夜間だけ室内に取り込んだ方が安全です。
バジルの植えつけ
バジルは地植えとプランターのどちらでも栽培可能です。種から苗を自分で育てて、苗を植えつける方法も、そのまま直接栽培する方法もあります。ここでは苗を購入してきてプランターに植えつける方法をお伝えします。
鉢を選ぶ
平均的なバジルは高さ50cm〜80cm、幅30cmぐらいに育ちますので、適切な鉢のサイズは容量15Lの丸い深型で直径30cmのものです。あまり大きく育てたくない場合は直径15cm〜18cmの5号鉢や6号鉢で育てるやり方もあります。
横長のプランターに並べて育てる場合は、枝張りが30cmぐらいになることを考慮し、大きく育ってもお互いの葉が重ならないようなサイズにします。バジルは日光を好みますので、お互いの葉が重なると成長を阻害してしまいます。65cm幅のプランターなら株間をしっかりとり2株が適切で多くても3株くらいまでにしましょう。
土を入れる
鉢をきれいに洗い、鉢底石を底が見えなくなるぐらいに敷いて、野菜用やハーブ用の培養土、もしくは赤玉土7、腐葉土3の割合で混ぜたものに、元肥して『今日から野菜 野菜を育てる肥料』を混ぜこみましょう。土はウォータースペースを確保し鉢の上の縁から2cmぐらい下のところまで入れます。
苗を入れる
苗のポットと同じサイズの穴を掘り、じょうろで水を注ぎ入れます。水が土に染み込んだのを確認したら、ポットから苗を取り出します。苗の扱い方は苗が傷つかないように根本を片手で抑えながら、逆さにしてそっと抜き出してください。その苗を穴に入れて埋め戻します。苗の土の表面が軽く潜るように株元に土をかぶせて、軽く押さえます。
水やり
苗を植えたら、鉢の底から水が流れるまでたっぷり水をやります。
水やり後は風通しの良い日向に置きます。ただし季節と実際の日当たりを考慮します。季節によっては強い日光があたって、バジルが日光を好むと言っても日がきつすぎてバジルの苗に負担をかけますので、その時は根が落ち着くまで数日は明るい半日陰においたほうがいいでしょう。
バジルの肥料に関して
ポイント
肥料が多すぎると葉っぱが育ちすぎて硬くなってしまうので、一般的には葉っぱを食べるハーブ類は肥料の調整が必要です。しかしバジルは水や肥料をたっぷり与えても大丈夫です。そうはいっても限度はありますので、使用する肥料の注意書きを読んで使用量を守って与えるようにしましょう。
肥料が不足したら
バジルは肥料切れを起こすと、下の方の葉が黄色く変色して枯れて落ちてしまいます。
この兆候が見えた時は肥料不足ですので、肥料をしっかり与えましょう。
肥料が過剰だったら
バジルは肥料を好みますが、与えすぎると根が肥料やけを起こします。肥料やけとは肥料が多効きすぎて根が萎縮したり壊死する現象をいいます。
元肥
バジルの根を定植するときにコーティング肥料『今日から野菜 野菜を育てる肥料』を土に混ぜ込みます。野菜用やハーブ用に調整された培養土ではすでに含まれている場合がありますので、注意書きを読みましょう。
生育期
植えつけ2~3週後から追肥を与えましょう。追肥には『今日から野菜 野菜を育てる肥料』などの粒状肥料を株元にバラまいたり、液体肥料ハイポネックス原液を希釈してあたえます。
液体肥料は7日〜10日に1回程度の間隔で施します。粒状肥料のネクスコートは2~3か月肥料効果が持続します。成長期のバジルは肥料をたくさん必要としますので、肥料を切らさないように注意しましょう。バジルは日光と水を好みますが、日光と水をたくさん与えると、よりたくさんの肥料を要求します。肥料が不足すると、上述の通り下の方の葉が黄色く変色して枯れてしまいます。
バジルの水やりのコツ
バジルは水を好み乾燥を嫌いますので、水切れを起こさないようにします。土の表面が乾いたらたっぷりと水を与えてください。特にプランターや鉢は水切れを起こしやすいですので注意します。
しかし、バジルを枯らしてしまう原因は乾燥だけでなく、植物の様子を見ずに水やりをした結果の過湿の場合もあります。鉢土が乾いていることを確認してから水やりをすればよいのであって、天候などで土に湿り気が残っている状態なら水やりは不要です。メリハリをつけて水やりをするようにしましょう。
バジルの水やりのタイミングは午前中が良いです。日が高くなる前の涼しいうちに水やりを済ませてしまいましょう。
とくに夏は成長期なのでたっぷり水を上げることが大切です。真夏の鉢植えのバジルは水切れを起こしやすいので、朝に水をやっても夕方にバジルがぐったりとして水切れを起こしているようならば、
気温が下がる頃に再度水やりをしましょう。
ただし、夏の水やりは注意が必要です。夏の日照りの中に置いてあったジョウロやホースの水は熱せられてお湯のようになっていることがあります。水やりの前に手で触って確認するなどしましょう。
鉢に水をやる時は、土の表面を濡らしただけでは根まで水が届きません。また勢いよく水差しをすると、水が鉢の内面を伝ってすぐに流れ落ちてしまいます。株元にやさしく水をさし、底から水が流れ出ているかをしっかり確認してください。これが園芸でよく使う表現の「鉢底穴から水が流れ出てくるまでたっぷり水やりをする」ということです。
また、鉢の底から水が溢れてきた後、鉢受け皿に水が溜まったら、その水は必ず捨てるようにします。鉢受け皿に水が溜まったままでいると、鉢の中がいつまでも乾かず過湿になってしまい、根腐れを招いてしまいます。しかし鉢受け皿の水を捨てるのが面倒だからといって「水のちょいやり」をしてしまうと水を好むバジルは元気に育ちません。そのため、適切な水の量を知っておくようにしましょう。
水やりの確認方法としては、指で土を触っていることや、あらかじめ土に割り箸などをさしておいて引き抜いて湿り気があるかチェックするという方法があります。また水やり前と水やり後の鉢を持って比べてみて、水やり後の鉢の重さを体感しておくというのもあります。
鉢植えは鉢の大きさによって土が乾くスピードが違いますので、同じ場所に置いてあっても乾燥度合いが一様とは限りません。鉢ごとにどの程度水をやればいいのか頭に入れておきましょう。
バジルの増やし方
バジルは他の植物と同様に花が終わった後に実を結びますので、それを採取して次のシーズンに種まきをして増やすことができます。また挿し木で増やすることもできます。挿し木とは切り取った枝から根をはやして新しい株として育てていくことで、摘芯した枝などがよく利用されます。根を出させるには土に挿す場合と水に挿す場合があります。
種まき
バジルに花が咲いても摘み取らずにそのままにしておき、9月頃に種を採取します。バジルの花は一つ一つが小さいので、知らない間に種がこぼれてしまうことがあります。確実に種を採取するためには、花がしぼみきってしまう前に花ごと不織布やネットなどで包んでおくか、種が熟す直前に花穂ごと切り取ってしまいます。
採取した種は乾燥させ、通気性のある袋に入れて保管し、翌年の春に植えつけます。
土に挿す挿し木
挿し木は挿し芽ともいいます。地域によって違いますが4月〜7月頃に行います。
挿し木に使う枝を挿し穂といいます。バジルの株から、若くて元気な枝を4〜5枚の葉をつけた状態で切り取り、挿し穂とします。
4〜5枚の葉のうち、2〜3枚程度を残して下の葉を取り除きます。残した葉が大きすぎる場合は、そこから水分が蒸散することを防ぐために、半分ぐらいの大きさに切ってしまいます。
用土を用意し、十分湿らせます。そこに割り箸などで穴を開け、挿し穂をそこに挿し、隙間が生じないように慎重に土を寄せます。
その後鉢を日陰に置きます。この状態の挿し穂は乾燥に弱いので、直射日光に当てないように明るい日陰に置いてください。また発根するまで用土が乾燥しないようにしてください。
新芽が出てくれば発根したということなので、ポットに植え替えて管理します。またはもうちょっと根を成長させて、鉢やプランターや庭に植え替えます。
水に挿す挿し木
土に挿す場合と同じ手順で挿し穂を作ります。それを土ではなくて水を入れたガラスコップに入れ、直射日光の当たらない明るい日陰に置きます。
発根するまで観察しながら水を入れ替え、水を清潔な状態に保ちます。十分発根したら、鉢に植え替えて新しい苗として育てます。
土に挿すよりも根の力が弱いので、鉢に植え替えた後もしばらくは土が乾燥しないように注意して水やりを続けてください。
バジルの害虫に関して
虫がその臭いを嫌うためにハーブは害虫に強いというイメージがあります。実際にバジルは病気には強い方の植物ですが、虫はつきます。また観賞用ではなく料理に使いたいという人も多いと思いますので、害虫駆除の農薬を使うことには抵抗がある方も多いと思います。ここでは主な害虫とその被害について紹介するとともに、薬剤に頼らない予防法についてもお伝えします。
アブラムシ
アブラムシは柔らかい新芽を好むので、一気に成長する一年草には寄ってきがちになります。(バジルは基本的に一年草です。)
アブラムシ自体は小さく弱い昆虫で、テントウムシなど他の多くの昆虫に捕食されています。ですから逆にいうと、ベランダや軒下など雨や風が防げて、葉が密集して風通しが悪く隠れる場所が多いと繁殖しやすくなります。
アブラムシを見つけたら手で潰すなどして捕殺しましょう。
ベニフキノメイガ
バジルの食害の多くはベニフキノメイガの幼虫よるものです。ベニフキノメイガは蛾の一種で、夜に飛来して葉の裏に卵を産み付けます。
ベニフキノメイガの幼虫を見つけたら割り箸やピンセットで捕殺して駆除するのですが、成虫の蛾が飛来して卵を産み付けなければよいわけなので、ネットを被せるなどして予防します。
ハダニ
ハダニは暖かい季節に発生しやすく、葉の裏に寄生して栄養を吸い取り、葉を白い斑点を作って弱らせてしまうこともあります。繁殖力が強いので、交尾をしなくても増えるという特徴があります。
またハダニはどの植物の葉にもつくので予防が困難です。
ハダニは高温と乾燥を好み湿気を嫌うので、そのような環境を作らないことが大切になります。水やりの際に葉に水をかける葉水を行って乾燥している環境をなくすようにします。
その他にも、カイガラムシ、コガネムシ、ヨトウムシなどの被害があります。
予防策
ベニフキノメイガなどの外部から飛来するタイプの害虫の予防には、防虫ネットを被せます。
風通しを良くする
苗を植えるときに距離をおいたり、剪定をしたり、鉢を風通しの良いところに移動するなどして苗の風通しを良くします。これによりアブラムシなどの被害を防ぎます。
葉水を与える
水やりのときに葉に水をかけることで、ハダニを予防します。
コンパニオンプランツを植える
バジルのコンパニオンプランツとしてはトマトが有名ですが、実はこれはトマトにとってはコンパニオンプランツとしての効果がありますが、バジル側にとっては害虫予防の効果は特にありません。(どちらも暑いところを好みますが要求する水分量が違うので、土壌の水分調整の意味では価値のある組み合わせなのですが。)
一般的にはネギやニラなどのネギ科の植物やトウガラシが虫除けに良いと言われます。
日当たりや水分や風通しなどを調整し、バジル自体の生命力を維持するようにしましょう。
バジルの剪定
バジルの剪定には、脇芽を出して収穫量を増やす「摘芯」と、伸びすぎた茎を整理しバジルの生育を健康に保つ「切り戻し」があります。
摘芯の目的
摘芯というのは茎の先端を摘むことです。
バジルを始め多くの植物には頂芽優勢という性質があります。これは茎の脇にある芽よりも茎の先端にある芽の方が優先して育つというものです。そのため、摘芯をしないと主枝(優先された茎)だけが伸びて、脇芽が成長しなくなってしまうのです。そして、優先された茎は花を咲かせ種をつけるためにエネルギーを集中させます。そのため8月頃に種をつけた後は急に葉をつける元気がなくなってしまいます。子孫を残したいバジルとして当然なのですが、葉を収穫したい人間にとっては都合が悪くなってしまいます。
茎の先端を摘む摘芯によって、今まで1本だった茎が2本になります。これを繰り返すことで葉の収穫量を増やします。
バジルの草丈が20cmほどに伸びたら、茎の先端にある芽を摘み取ります。地面から数えて2〜3節ぐらい育てば、いつでも摘芯はできます。
切り戻し
摘芯を繰り返すことで茎の数の増えたバジルには、開花時期の前にたくさんの葉がつきます。これをそのままにしておくと葉が茂りすぎて混み合ってしまい、株の風通しが悪くなり、中が蒸れてしまって病気や害虫の原因となります。そのため、バジルの開花は7月半ばから8月なのでその前の7月上旬ごろに、葉っぱの半分から3分の2ほどを剪定します。これを切り戻しといいます。
切り戻しをすることによって、上述の蒸れ防止だけではなく、葉に回る栄養を回すことで脇芽の成長を促しますし、これは収穫ということでもあります。バジルが脇芽を出し葉をつけることにエネルギーを使いますので、収穫期を長く保つことができます。
特に花を咲かせると葉が硬くなってしまうので、花芽が見えたら切り戻しをして、柔らかい新しい葉が出るようにしましょう。
切り戻しをする茎は、徒長した茎や、茂りすぎて混み合っている部分の茎です。また切り戻しをする時は、途中で折れてしまった茎なども取り除いておきます。
剪定の注意
剪定には剪定ハサミを使いますが、このハサミを清潔に保つために消毒をしましょう。他の植物を選定するときにも使っているでしょうし、病気を媒介してしまう危険性があります。消毒用エタノールの使用が手軽です。
バジルの収穫方法
摘芯を3〜4回繰り返して茎の数を増やした後は、10月頃まで収穫ができます。
収穫は外側の葉っぱから摘み取っていきます。バジルなどのハーブ類は、一日のうち朝が一番香りが高いのですが、夕食に使う分はその時に摘み取るなど、使いたいときにフレッシュなものを摘み取るのが良いでしょう。
しかし、葉をあまりにも多く収穫してしまうと、光合成ができなくなって枯れてしまいます。一食ごとに少しだけ使う時は葉を摘んで使えばよいですが、まとまった量を使う時は、切り戻しのタイミングと合わせて茎ごと切って収穫します。その場合は手摘みで収穫するよりも、ハサミを使ったほうが良いです。茎ごとカットして水に挿しておけば常温で数日間から1週間は保管できます。水は毎日取り替えるようにしてください。
バジルは寒さが苦手ですので、寒くなり始めると葉が黒ずみ始めて、あとは枯れてしまいます。晩秋になったら早めに整理して、料理に使い切ってしまうか長期保存を考えましょう。なお、収穫期をこえたバジルは土から引っこ抜いて処分してしまって良いです。
収穫したバジルの保存方法
常温保存は上記の通り水に挿します。数日から1週間程度持ちます。このとき茎ごと収穫することに注意してください。
冷蔵保存の場合は、バジルを洗って湿らせてよく絞ったキッチンペーパーにくるみ、さらに新聞紙で包んで野菜室で保管します。またはクッキングペーパーにくるんだバジルをポリ袋で密閉し、空気で膨らませた状態で野菜室で保管します。2〜3週間が保存期間の目安です。
冷凍保存の場合は、水洗いしてから水気を拭き取り、チャック付ポリ袋やタッパーなどの密閉できる容器に平らに置いて保存します。2〜4週間保存できますが風味は落ちます。使う時は冷凍したまま料理に加えます。
また、ドライハーブにして保存したり、ハーブビネガーやジュノベーゼソースにして保存する方法もあります。
ドライハーブにするには、バジルを水洗いしたあとキッチンペーパーで水気を取り、百均で売っている野菜乾燥用のネットに入れて数日間干します。
バジルはイタリアンではソースにしたりピザに数枚のっているようにスパイスとしての印象が強いですが、ベトナムやタイではよく生食をし、サラダと言って良いぐらいの量を食べます。
バジルは一枚ずつ摘んでお料理の味わいを増しても良いですし、サラダのように食べても良いし、ドライハーブにしてスパイスにすることもできます。
お部屋にもお料理にも彩りを加えるバジルの栽培に、ぜひチャレンジしてみませんか。
バジルは比較的育てやすく、とくに苗を購入して育てれば園芸の初心者の方にもきっとうまく育てることができるでしょう。
【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
☘52:バジルの育て方|水やりや肥料などの日々の管理、剪定方法や収穫方法などご紹介
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