【家庭菜園】今日から野菜 ミニトマトのお勧めする栽培方法
これから野菜の栽培を始められる方、現在も野菜の栽培をされている方どちらにとってもトマトは多くの果実が収穫でき、甘く栄養価が高く家庭菜園で人気の野菜となっております。トマトには果実のサイズで大玉トマト・中玉トマト・ミニトマトに分類されますが、初心者の方や、鉢・プランターで栽培する方にお勧めな種類は「ミニトマト」です。今回は、なぜミニトマトが栽培をする上でお勧めな理由とミニトマトでお勧めする栽培方法やコツをご紹介します。またミニトマトを栽培する上でお勧めの品種サントリー本気野菜「純あま」についても併せて紹介をさせていただきます。
なぜミニトマトが初心者の方に良いのか?
トマトを栽培する上で一番悩まされる問題は「尻腐れ症」です。これは下の写真のように果実のお尻の部分から黒く腐ってしまい、せっかくできた果実が美味しく食べられない状態になってしまう現象です。
尻腐れ症の原因はカルシウム不足です。ただし、カルシウムが土の中にあれば発生しないわけでなく、①肥料のやりすぎ(窒素過多・つるボケ)、②極端な乾燥によっても引き起こされます。また、1度発生してしまうとすぐには症状が回復できずにやっかいな問題です。
この尻腐れ症は、一般的に「大玉トマト」で発生しやすく「ミニトマト」では発生しにくいです。また、「畑で栽培する」よりも「鉢やプランターで栽培する」方が発生しやすいです(鉢は畑よりも土が少ない分乾燥しやすいためです)。
上記を踏まえて、初心者の方がベランダ・庭先で鉢やプランターでトマトを栽培する上では「ミニトマト」をまずはお勧めをいたします。失敗が少なくなると言えます。
また、育てる上で美味しく多くの果実を収穫できる品種を選ぶと更に家庭菜園が楽しくなります。サントリー本気野菜「純あま」はトマトらしい風味を残しつつも甘さが他品種とは格別に違い(当社栽培試験時は8-10度、フルーツの糖度にも匹敵します)、栽培の最後まで多くの果実を収穫できることが特徴となっております(当社栽培試験では1株当たり60-80個収穫できました)。
下記からの栽培方法は「純あま」と当社の製品「今日から野菜シリーズ」を用いた栽培方法となっております、ぜひ参考にしていただき美味しいミニトマトを育ててください。
下記するマニュアルで育てて多くの果実が付いた「純あま」
ミニトマトのお勧めする栽培方法
下記する手順がお勧めするミニトマトの栽培方法です。定植してから収穫までは概ね2ヵ月程度かかり8月頃まで収穫ができます。長い道のりになります、今回初めて本ページを見てミニトマトの栽培をされる方は、とりあえずSTEP1をぜひ見ていただき「定植作業」を行ってください。
STEP1 定植作業(栽培を開始する前に見てください)
STEP2 脇芽取り・誘引(定植作業が終わった後に見てください)
STEP3 水やり(定植作業が終わった後にみてください)
STEP4 本支柱立て(栽培を開始してから1ヵ月後くらいを目安に見てください)
STEP5 追肥(栽培を開始してから1ヵ月後くらいを目安に見てください)
STEP6 摘芯(栽培を開始してから1ヵ月半後くらいを目安に見てください)
STEP7 収穫
番外編 苗の選び方・肥料の効き方・培養土の重要性・裂果対策・下葉取り
STEP 1 定植(まず植え付け前はここまで読めばOK)
苗や資材をホームセンターや園芸専門店等で購入して来て定植(植え付け)の準備をしましょう。
必要なものとしては、以下の通りです。
①苗
②土
③10-15L以上の大きな鉢やプランター
④植え付けの道具(小さめのショベル・支柱・紐(お勧めはビニールタイ)など)
⑤肥料
⑥じょうろ(空のペットボトル等も可、水を上げられれば良いです)
※あったら良いものとして、鉢底石
なお、苗は「純あま」、土・肥料は「今日から野菜シリーズ」がお勧めで、「今日から野菜 野菜を育てる土」は袋のまま育てることも可能ですので鉢やプランターを買わずに済むのでお財布に優しいです。また、下記する育て方は「純あま」「今日から野菜シリーズ」を使用した際の育て方です。
苗を定植していきましょう。まず鉢底石(なければなくても大丈夫です)を鉢の底が隠れるくらい入れます。その後土を入れていきます。土を入れた後、2-3回鉢全体を上下させ地面で軽く叩きましょう。ふかふかの土が鉢にしっかり充填されます。充填した後は土を追加で入れてましょう(目安は鉢の8-9分目)。用意が整いましたら苗を植えます。ショベルで苗の土の量だけ穴をあけて、苗の土を崩さずに植えつけます。植えつけた後は、穴をあけたときに取り出していた土を入れて軽く上から土を押して土を寄せてあげます。
左)苗の分だけ穴を空けて土を崩さずに植えましょう
右)植え付けた後は土を戻して手で軽く押さえましょう
苗を植え付けた後は必ず支柱を立てて「誘引」をしてください。(ミニトマトは誘引をしないと自力では立つことが難しい野菜です。すぐに風で倒れてしまいます。)支柱は株から少し離れたところ(4-5cmくらい、苗の土に刺さらない程度)に指してください。その後紐等でミニトマトの茎と支柱を8の字で結んでください。
ここで肥料が登場します。「今日から野菜 野菜の肥料」は土に混ぜ込む必要はなく、土の表面にばらまくだけで良いです(一般的な肥料は土と混ぜ込む必要があります)。1株当たり30gを計量し(計量スプーンで大さじ2杯のイメージ)、株から少し離して円を描くようにばらまいてください(最初に与える肥料を元肥と言います)。最後に水を鉢の底から水が出てくるくらいしっかりやりましょう。
これであなたのミニトマトの栽培がスタートします。以下のSTEP2-7を時期が来た時にぜひ読んでみてください。(STEP 2・3は早めに見ることをお勧めします)きっとあなたのミニトマトの栽培のサポートになります。
STEP2 脇芽取り・誘引
ミニトマトを含めてトマトは野菜の中では栽培期間中に実施する作業が比較的多くあり、コツも多くあります。その中でも初心者の方にまずお勧めするのは「脇芽取り」です。
下の画像と写真をご覧ください。ミニトマトに限らず植物には脇芽というものが存在します。これは本葉と呼ばれる茎(主茎)から生えてくる葉の根元に発生するものです。脇芽は全ての本葉の根元に発生し、かつ本葉がなくなったあとでも同じ位置から生えてくることがあります。
脇芽は取らずに伸ばしていくとそこからも花が咲き果実がいずれ付きますが、今回初心者の方には脇芽を取る栽培方法(一本仕立てと言います)をお勧めします。なぜなら脇芽を取らないと下の写真のように茎や葉が繁茂し日々の管理が難しくなります(決して脇芽を伸ばす栽培を否定はしておりません、栽培が慣れてきた方は脇芽を1本だけ伸ばしたりして楽しむ方法もお勧めです)
脇芽の取り方ですが、小さい脇芽は指でつまんで簡単に取れます。ただし大きくなった脇芽は主茎を誤って折ってしまうことがあるので、ハサミで切ることをお勧めします。
脇芽はけっこうな頻度で発生するため厄介です。下の画像も脇芽になります、参考にして日々脇芽を取ってみてください(ちなみに脇芽は一度とっても同じ場所からも生えてきます、また、株元から生えてくる脇芽は見落としがちですのでご注意)。
また、脇芽を取った後は支柱に誘引をしましょう。トマトは支柱にくくりつけないと風で倒れてしまう野菜です。
STEP 3 水やり
脇芽取りや誘引と同様に日頃から気を付けることとして、「水のやりすぎ」にも注意してください。トマトは土の中の水が極端になくなり乾燥すると「尻腐れ症」が出やすくなりますが、同時に水が多すぎて過湿状態になると根が腐ってしまい調子を悪くしてしまいます。
とはいえ、ではどのように水をやれば適切なのか?という疑問が生まれますが、土の水分の状態を見て判断することをお勧めします。
左の写真と右の写真の土の色を見比べてください。同じ土ですが左が濃く、右が薄いです。左の状態は水がしっかりと入っており潅水をする必要がなく、右の状態は水が少なくなってきており潅水をするタイミングとなります。他にも①土を触ってみて湿り気を確認する、②鉢全体を持ってみて軽くなっているか確認する、等様々な方法があります。いずれにしてもコツは、「乾いたこと(乾き始めたこと)を確認してから水をあげること」です。乾かないうちに水をあげると、植物の根は呼吸ができなくなってしまいます(根も呼吸しており、空気が必要です)。人間と同じです、ずっと空気がない状態にはいられませんので、たまには乾かして空気を吸えるようにしてください。
STEP 4 本支柱立て
野菜は身体が小さい内は小さい支柱(仮支柱と言います)で問題はありませんが、ぐんぐんと大きくなる野菜の身体に対して大きさにあった支柱を用意してあげることが重要です。今回はミニトマトを鉢で栽培する上でお勧めの本支柱(大きな支柱)の立て方を説明します。
まず準備するものですが、①大きな支柱1本(180cm等)、小さな支柱3本(120cm等)、紐(ビニールタイ等)になります。※栽培環境によっては小さな支柱は要りませんが、今回はお勧めとして紹介します。
まず大きな支柱を株から少し離れたところに指してください。この時花や実がついている方向の裏側をお勧めします。トマトは同じ方向から花が咲きやすいです。花のついている表側に支柱を指すと花や実が支柱に当たってしまい管理しづらいです。お勧めは裏側です。大きな支柱を指した後に小さな支柱を3ヵ所、上端が大きな支柱に向かうように斜めに指してください(下の画像参照)。刺した後は大きな支柱と3本の支柱を括ってください。以上で完了です。小さな支柱を立てる理由は、倒れづらくするためです。トマトは前述した通り同じ方向に果実が付くため、一つの方向に重さがかかってしまい1本の大きな支柱では果実が多く付いた時に傾いて倒れやすいです。小さな支柱などで補強をしてあげると最後まで管理がしやすいです。
STEP 5 追肥
肥料は一度野菜に与えるだけではダメです。追加で肥料が必要です(2回目以降の肥料を追肥と言います)。植物も日々大きくなりますので、食事(肥料)を追加で与える必要があるためです。また野菜、特にトマトにおいては元肥で一辺に肥料を与えないでください。肥料が多すぎるとトマトは尻腐れ症が出やすくなったり、軟弱に育ち病気にかかりやすくなってしまい、失敗してしまうためです。
「今日から野菜 野菜の肥料」は肥料が効きすぎないようにゆっくりと効く被覆肥料を多く配合しており、肥料が効きすぎる心配が少ないです。また、下記する追肥のタイミングを見落としても、長く効くため肥料がなくなり野菜がお腹をすかせてしまう(肥料切れ)心配も少ないです。
さて、追肥の方法ですが簡単です。元肥同様に土の表面にばらまいてください。与える量は元肥と同じで1株当たり30gです。なお、元肥で入れた肥料は土の表面に残っていますが栽培が終わるまでは取り除かないでください。
追肥の時期ですが、第1花房(初めて付いた花たちのこと)の果実が大きくなり始めた時(最初についた花が果実になり大きくなってきた時(青い果実の状態で))が目安です。時期としては定植して約1ヵ月後になります。また、追肥の回数ですが一般的な化成肥料の場合数回の追肥が必要ですが、「今日から野菜 野菜の肥料」は追肥が1回で大丈夫です。何回あげたか、いつあげたかどうかわからなくなりやすいですが、「今日から野菜 野菜の肥料」は1回だけですので簡単です。
※あくまで本マニュアルに従って栽培した場合です。脇芽を伸ばしたり、摘芯を
しない場合などは別途追肥が必要になる可能性があります。
STEP 6 摘芯
ミニトマトの作業はいっぱいあり大変だなと思ってきたところかもしれません。作業としてはこれが最後になります。一緒に頑張りましょう。
摘芯という作業をしましょう。摘芯とは、まっすぐ上に伸びている主茎の先を切って成長を止める作業です。トマトは摘芯をしないといくらでも伸びていってしまいます。延々と伸ばすことで農家の方は多くの実を収穫していきますが、家庭園芸では中々そうはいきません。下の写真をご覧ください。伸びすぎて管理ができなくなり、最終的には折れました。初めてミニトマトの栽培を始められる方やベランダ等スペースが限られている方は摘芯をお勧めします。
摘芯ですが、本支柱からはみ出た部分を切り取るイメージです。目安としては、第5花房(5段目の花が付いている場所)を残して上を切り取ります。切る時のコツですが、残す花房の上の2枚の葉を残して切り取りましょう(下の画像参照)。これは摘芯して残った一番上の花や果実が熟するときに、この残した葉から栄養が行き渡り甘くなるためです。
花房の上の2枚の本葉を残す
STEP 7 収穫
大変長らくお待たせしました、収穫作業になります。植え付けをして大体2ヵ月後より収穫が始まります。品種によって収穫時期の目安はありますが、基本的には「真っ赤になってから」収穫をしましょう。スーパーで売られているミニトマトは真っ赤に熟す前に収穫をします。真っ赤で収穫すると運んでいる最中に潰れたり割れたりするため、ある程度固い状態で収穫しないといけないためです。ただし、ミニトマトは赤くなればなるほど甘さや栄養がより増し美味しくなります。真っ赤になり、ミニトマトの美味しさが100%になったところで収穫できる点が家庭菜園の醍醐味です、ぜひ体験をしてみてください。ただし、真っ赤を通り越すと腐ってきますので注意が必要です(割れてしまうこともあります)。サントリーフラワーズ本気野菜「純あま」は、通常の甘いミニトマトの品種に比べて皮が厚くなっており、割れてしまったり腐ってしまったりしづらくなっておりますので、真っ赤に熟すまでじっくりと待ってより甘くておいしい果実を収穫することが可能です。
果実はどんどん赤くなっていく、真っ赤になるまで待ちましょう
最後にですが、収穫までお付き合いいただきありがとうございました。野菜を育てることは自然との闘いのため、本マニュアルだけでは上手くいかないこともあるとは思います。弊社としても、お客様へ「失敗が少なく」「野菜を育てる楽しさ」「新鮮でおいしい野菜」を届けられるように今後もサントリーフラワーズ様と協力し取り組んでいきます。
番外編 苗の選び方
作物を作るプロの農家さんの間では「苗半作」という言葉があります。この言葉は、苗で作物の生育の半分が決まってしまうという意味で、それだけ良い状態の苗及び良い品種を選ぶことが重要です。
今回は良い苗の選び方につきご紹介させていただきます。苗を選ぶうえで重要なことは①徒長していない(伸び伸びになっていない)苗を選ぶ、②葉の色が薄くない苗を選ぶことが重要になります。下の画像をご覧ください。左が良い苗で、右が状態が悪い苗です。右の苗は葉と葉の間(節間といいます)の茎が長く、葉も薄くなっております。これは肥料が適正に与えられていなかったり、管理方法が悪く苗が貧弱に育ってしまったためです。このような苗を使用すると特に1段目や2段目の花が付いた時に花数が少なくなり収穫する果実の数が少なくなります。また、異常気象で急に寒さが来たりした場合、定植しても枯れてしまう可能性があります。対して、左の苗は色が濃くしっかりとしております。また茎の部分が太く、こういった「しっかりとした」苗を選ぶことが重要です。「大きい苗の方が速く大きく育つのでは?」と思われる方もいますが、定植をすればすぐに追いつきます。ぜひ、「しっかりとした苗」を選び失敗せずに多くの果実を収穫し、家庭菜園をお楽しみください。
また、収穫できる果実の数や甘さ、栽培のしやすいさは品種で違ってきます。近年遺伝子で人の能力はある程度決まってしまうとあるように、作物でも品種(遺伝子)により能力はある程度決まってしまいます。失敗せずに美味しい果実を収穫したい場合はぜひ良い品種を選んでみましょう。なお、当社が推奨するミニトマトの品種はサントリーフラワーズ本気野菜「純あま」で、栽培しやすく美味しい果実が収穫できる点が品種の能力です。ぜひお手に取ってみてください。
番外編 肥料の効き方
トマトを育てる上で気を使わないといけないことは肥料を適正に効かせることです。例えば、葉物野菜やナス、ピーマンといった作物は肥料が多少多くても問題なく育ちますが、トマトは肥料が効きすぎると①尻腐れ症が出やすい、②ツルぼけ症状になり軟弱で病気に弱くなるといったデメリットが発生します。ただし、肥料はある程度はしっかりと効かせないと、花が少なくなり美味しい果実が収穫できません。では、「肥料の適正な効かせ方の判断方法は何か」、以下に「純あま」での例を示します。※品種により適正な肥料の状態は違います。別の品種を育てている場合はあくまで参考までにご覧ください。
下の画像をご覧ください。左から右の株にかけて葉が大きくかつ葉の色が濃くなっていっております。一見すると右が一番良い生育に見えますが、右は「肥料が効きすぎている」状態です。また逆に左は「肥料が切れている」状態です。
更に説明をしていきます。下の画像は肥料が効きすぎている葉の状態です。品種により様々ですが、一般的に下の画像のように葉が下側に大きく巻き葉の色が濃い状態のものは「肥料が効きすぎている」状態です。
対して、下の画像をご覧ください。この場合は葉が上の方に反り返り、葉の色が薄く「肥料が切れている」状態です。
では、どのような状態が良いかというと下の写真のようにほぼ平行に葉がなっている(上にも下にも巻いていない)かやや下に巻いている状態が良い肥料の効き方をしている状態となります。
平行からやや下に巻いているぐらいが良い状態
他にも判別方法があり、下の画像のようにトマトの頂上から15cm下くらいの茎の太さがボールペンより明らかに細いと「肥料が切れている」状態で逆にボールペンより明らかに太いと「肥料が効きすぎている」状態となります。
上記したものがトマトの肥料の状態を表しますが、難しいと思われた方も多いと思います。正直なところ、多少肥料が効きすぎても、肥料が切れていてもトマトはしっかりと育ってくれます。その中でも特に注意して欲しいことが、肥料を一度に大量に投入してしまい「肥料が極端に効きすぎている」状態になることで、中々手の施しようがありません。肥料は入れすぎると抜くことが困難だからです。トマトの栽培ではなるべく肥料が控えめを意識し、上記写真を見て「肥料が切れている」と思った場合追肥をしてあげてみてください。きっとトマトが喜んで多くの美味しい果実をつけてくれると思います。(元々トマトの生まれ故郷(原産地)の土は肥料が少なくかつ雨も少ない場所と聞いたことがあります。そのため、控えめの肥料と水を好むのだと思います)
なお、「今日から野菜 野菜の肥料」は上記のような「肥料の効きすぎ」「肥料が切れた」状態をなるべく予防できるようにゆっくりと長く効く被覆肥料を配合しております。そのため、多少の施肥のミスは問題とならないので安心して使用できます。
番外編 培養土の重要性
ホームセンターにいくと色々な培養土があり、値段も中身も様々です。ここでは培養土でトマトを育てる上で重要な点を説明させていただきます。
トマトといった野菜の培養土を選ぶうえで重要になるのは①排水性や通気性が良いこと、②保肥力が高いこと、③乾いた時に極端に軽くならないことが弊社としては重要と考えます。
排水性や通気性ですが、これは土の中に入った水が土の中で溜まり過ぎずに適度に排水され代わりに空気が土の中にはいっていけるかどうかを指します。植物は目に見えない土の中に根を張っております。目に見える葉が光合成をしたり呼吸をすることは良く知られていますが、根も同様に空気を取り込み呼吸をしております。根は呼吸ができないと①根が痛んで腐ってしまう、②根が上手く伸ばせずに肥料を多く吸えないといったデメリットが発生してしまいます。本項の一番下部に載っている写真は排水性や通気性が悪く根が呼吸を上手くできずに傷んでしまい葉が枯れてしまった株の写真です。トマトのように梅雨を乗り越えて果実が収穫できる野菜にとっては特に雨が多い中でもしっかりと根が呼吸できる環境を整えてあげることが大事です。
次に保肥力ですが、これは土が施肥した肥料を抱え込み肥料が流れないようにする点及び一辺に植物へ肥料が与えられないようにする能力を指します。特にトマトにおいては前項で述べた通り肥料が急激に効き過ぎるとつるボケになりすくなるため肥料が急激に効かないようにすることが重要です。保肥力はホームセンターで売られている土の中でも特に「赤玉土」を配合したものが高くなっております。
最後に重たい土ということですが、近年では軽い土といったものがホームセンターでよく並んでいます。この商品は軽くて購入し持ち帰る時には便利ですし、ベランダやお庭で鉢を移動させる時にも便利です。ただし、トマトのように風で倒れやすい植物を育てる時は注意が必要です。こういった軽い土は水が乾いた時に非常に軽くなる特性を持っているため、水が乾いた時に風が吹くと株が倒れてしまうことがあります。しっかりと壁か柱等に括りつけたり、株元に重たいものを置き倒れないようにすることが大事です。その分元々から重たい土はホームセンターから持って帰ることは大変ですが、その後は株が倒れづらく失敗しにくいです。
あくまで上記した内容は失敗を少なくするための説明です。軽い土であったり、排水性が悪い土であってもコツを掴めば上手に栽培できます。ただし、1年に1シーズンしか栽培できないトマトでせっかくついた果実が風で倒れて落ちてしまうことは、過去に筆者も経験をした苦い経験です。そのような失敗を少なくするため「今日から野菜 野菜を育てる土」は通気性・排水性を良くし根をしっかりと張らせて、赤玉土を配合し肥料をしっかりと抱え込み、かつ重たい土の配合にしているため風で倒れる心配が少ないです。「せっかく育てたのに失敗した」ということが少なくなるように配合した製品となっておりますので、ぜひ手に取って使用してみてください。
同じ条件で育てたミニトマト、左は通気性や排水性がやや悪い土、右は今日から野菜 野菜を育てる土を使用した。大雨の後に左の株は根が傷み下葉が枯れてしまった。
番外編 裂果対策
トマトを育てる上で直面する問題は色々とありますが、本項で説明する「裂果」も非常にやっかいな問題です。裂果とはその名の通り、せっかく大きく熟した果実が割れてしまう現象を指します。割れた果実は割れてすぐならば洗って食べれますが、割れた部分よりカビなどが入り腐ってしまうこともあるため、なるべく避けないといけない問題となります。
裂果が起こる原因としては①一度に極端の潅水及び降雨があった、②カルシウムやホウ素等の肥料が足りていない、③高温のストレスや窒素が過剰に施用されている、④品種として割れやすい等が考えられます。特に家庭菜園では①の極端な潅水・大雨を避けることである程度は回避できます。
上の写真は2020年の6-7月の大雨でせっかく熟していた果実が全て割れてしまった写真です。せっかくあと1-2週間で多くの実が収穫できるというタイミングでの雨で悲しい状況になっていまいました。
対して上の写真は同じ状況で大雨の前に屋外でなく温室の中に鉢を取り込んで雨に当たらないようにした株です。まったく割れることなく美味しく果実を食べることができました。
上記した通り、トマトにおいては気象の影響もあり裂果は避けられないこともあります。ただし、せっかく育てて熟した果実をなるべくたくさん収穫できるように、①日頃より水やりは適正に行う、②大雨が予想されるときはなるべく鉢を雨が当たらない場所へ移動させる等を実施し、美味しく熟した果実を守ってあげてください。
なお、裂果は品種によっても発生のしやすさがあります。サントリー本気野菜「純あま」は果実の皮が厚く裂果しにくいためお勧めです。
番外編 下葉取り
本項で説明する下葉取りは必ず実施するものではありません。参考までにご覧ください。トマトは長期間栽培するために、最初の方で付いた葉は収穫時期には老化して葉が黄色くなったり枯れてしまったりします。肥料がしっかりと効いていたとしてもこの老化という現象は避けられなく、ある意味植物が生きている証拠です(人間でも古い皮膚は剥がれてどんどん新しくなります、植物も一緒です)。この黄色くなったり、枯れた葉はそのまま残していても自然と茎から取れてしまうのですが、特に梅雨の時期などはこの下の方の弱った葉が病気の温床となることがあります。そのような葉がある場合は自然と落ちる前にこちらで取ってしまうと病気の発生リスクを防げます。ちなみにですが、葉がほとんどなくなってしまってもトマトは果実が熟して収穫することは可能です(甘さが少なくなってしまいますが)。病気等が付いてしまった下の方の葉はかわいそうですが、他の葉に移らないうちに除去してあげましょう。
01:🍅ミニトマトの栽培方法‐植えつけ編‐💧ハイポネックス研究員が実演!
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