【観葉植物】ガジュマルの育て方|苗の選び方、夏越えや冬越えの方法、葉を落としてしまう原因などご紹介
ガジュマルは、クワ科イチジク属の植物で、人気の観葉植物の一つです。
独特の形をした太い幹が人気です。生命力が強く、原産地の沖縄地方では、樹高が20mになることもあり、神が宿る木といわれています。
観葉植物用としては、テーブルの上における小型のサイズも多く流通していて、耐陰性もあるため、初心者でも育てやすい植物です。
この記事では、ガジュマルの育て方や、増やし方、種類のご紹介などをします。
- 目次
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- ガジュマルの図鑑情報
- ガジュマルの特徴
- ガジュマルの名前の由来は?
- ガジュマルの風水効果は?
- ガジュマルの育て方
- 置き場所
- 用土
- 水やり
- 肥料の与え方
- 剪定
- ガジュマルの植えかえ
- 植えかえのタイミング
- 植えかえの手順
- ガジュマルの苗の選び方
- ガジュマルの夏越し・冬越しの注意点
- 夏越しの注意点
- 冬越しの注意点
- ガジュマルの葉が落ちる原因に関して
- 原因① 日照時間の急激な変化
- 原因② 気温が5℃以下の場合
- 原因③ エアコンの風が直接当たっている
- ガジュマルの増やし方
- 挿し木で増やす
- ガジュマルで注意する病害虫に関して
- 乾燥しているときは、ハダニに注意
- 夏場は、カイガラムシに注意
- ガジュマルの種類
- ニンジンガジュマル
- センカクガジュマル
- パンダガジュマル
- 黄金ガジュマル
- ガジュマルを育ててみよう
三上真史の趣味は園芸ちゃんねる/スピンオフ企画
今回は三上真史 さんがガジュマルの育て方を解説していただきました。
ガジュマルの図鑑情報
科名 | クワ科 |
---|---|
別名 | キジムナー(沖縄)、多幸の木、絞め殺しの木 |
原産地 | 沖縄、東南アジア、オーストラリア |
分類 | 常緑高木 |
耐寒性 | 弱 |
耐暑性 | 強 |
ガジュマルの特徴
ガジュマルは日本では約20種類、世界では約800種類の品種があるといわれています。日本では沖縄や屋久島に自生しています。大きさも卓上サイズのものから大型のものまでさまざま。大型のものは高さ20mを超え、うねった幹が神々しい姿になります。
ガジュマルの名前の由来は?
ガジュマルは、生長しながら土台となる岩などに絡みつき、気根を伸ばして生長します。「絡まる」が訛って「ガジュマル」と呼ばれるようになったといわれています。
他にも諸説あり「神を守る」「風を守る」が訛ったという説もあります。また、「絞め殺しの木」という別名は、絡みつく姿から付いたといわれています。
ガジュマルの風水効果は?
丸い葉は「調和」を意味し、下を向いて生える葉は「リラックス効果」があります。家族が集まるリビングに置けば「調和」をもたらしリラックス効果が期待できます。
また、ガジュマルは強い生命力から、勝利を呼び寄せるともいわれており、さらには金運アップの効果もあるといわれています。
ガジュマルの育て方
ガジュマルは日当たりと水やりのポイントを外さなければ、がっしりと力強く育てることが出来る、初心者でも育てやすい植物です。ここではガジュマルの基本的な育て方をご紹介します。
置き場所
ガジュマルは観葉植物として室内で育てることが一般的ですが、耐陰性はあるものの、基本的には日光を好む植物です。
秋から春までは日光のよく当たる部屋で、真夏は直射日光を避けた場所で管理しましょう。室温は冬場でも5度以上の温度があると良いです。
・夏の置き場所
カーテン越しの窓辺に置きましょう。直射日光が当たると葉焼けしてしまう事がありますので、直射日光は避けましょう。
日光は大好きですが、葉焼けに注意して管理しましょう。風通しよく管理してあげてください。また、エアコンの風が直接当たる場所も避けて下さい。
・冬の置き場所
エアコンの風が直接当たらないように注意しましょう。またガジュマルは寒さに弱く5℃以下だと葉を落とします。窓辺に置いておくと、夜は冷え込むため、窓辺から離してあげると良いでしょう。
用土
ガジュマルは高温多湿を好みますが、水はけの悪い土を使ってしまうと根腐れを起こしてしまいます。水はけのよい土が適しておりますので、鹿沼土や赤玉土をブレンドするか、市販の土を購入しましょう。
元肥として緩効性肥料「マグァンプK」が配合されている『ハイポネックス培養土 鉢・プランター用』は、観葉植物にもおすすめです。
無機質の用土を使えば、コバエの発生を防ぐことも出来ますが、根腐れしやすいのでこまめにお手入れをしてあげてください。
水やり
高温多湿に強い性質を持っていますので、冬以外は、土の表面が乾いたら水を与えると覚えておいて良いでしょう。特に夏場は生育旺盛なので、鉢の底から水が流れ出るまで、水を与えましょう。
・夏の水やり
上記に記載した通り、夏場はたっぷりと水やりをしてください。
ただし、午前中でもお昼近くに、水やりをすると、日中の高温で、鉢の中の温度も上昇して煮えたようになってしまいます。根にダメージを与えますので、夏場の水やりは、早朝か夕方以降に行いましょう。
・冬の水やり
冬場は休眠期間に入りますので、断水気味にします。2週間に1回程度でも十分です。土が完全に乾いてから水をやるようにして、根腐れに気を付けましょう。
また、霧吹き等で、葉水はこまめに行いましょう。ハダニの防止にもなります。葉がしおれてきた場合は、水やりのサインです。
・葉水に関して
葉水は毎日行うと良いでしょう。ホコリを落とすことにもなりますし、害虫のハダニやアブラムシの予防にもつながります。霧吹きで行いましょう。
肥料の与え方
肥料を与えなくても生長していきますが、与えたほうが成長が早く、より逞しく緑も鮮やかに元気に育ちます。
『プロミック 観葉植物用』等の置き肥タイプの緩行性化成肥料を与えるか、葉に元気がない時は『専用液肥 ―観葉植物―』か『ハイポネックス原液』等の液体肥料を与えても良いでしょう。
植えかえ直後は根が弱っている場合があるので、2週間ほど間をあけてから肥料を与えましょう。
・夏場の肥料
春から秋は、生育期間です。この期間に、『プロミック 観葉植物用』等の緩行性肥料を2ヶ月に1回、鉢の縁に置いてあげましょう。化成肥料を使うことでコバエの発生を予防することもできます。
・冬場の肥料
冬場は生長が止まるので、肥料は控え目にしましょう。元気がなく気になる場合は、活力剤『リキダス』などを与えると良いでしょう。
観葉植物の元気がなく、根が既にいたんでいる状態のときは、規定より薄く『リキダス』を希釈するとより効果的です。週に1度与える際、まず1000倍、次に500倍、最後に200倍、と、植物の状態を見ながら濃度を少しずつあげて調整してください。
剪定
剪定は生育期間中、5月~6月頃に行いましょう。寒さに弱いため、冬場に剪定を行うと、切り口のダメージが負担になり葉を全部落としてしまう危険性があります。
剪定しないで育てると枝がどんどん伸びてしまいます。日の当たらない葉が病気になったり、枝葉が増えすぎて水分や養分が全体にいきわたらない事も起こり得ます。
切り口に負担をかけないように、切れ味の良い剪定ばさみで行いましょう。また、剪定後は数日間は直射日光の当たらない場所に置きましょう。
・剪定の注意点
ガジュマルは剪定した切り口から白い樹液が出てきます。直接この液に触れるとかぶれることがありますので、園芸用の手袋などを着用して作業しましょう。
ガジュマルの植えかえ
ガジュマルは鉢の中も根が一杯に広がります。根が詰まってしまうと、水の流れも悪くなり、古い物質が土に残留し、養分の吸い上げも酸素の吸収もできなくなってしまいます。
一回り大きな鉢に植えかえを行いましょう。1~2年に1回は植えかえを行いましょう。
植えかえのタイミング
生育旺盛な期間で、5月~6月に行いましょう。植えかえ自体は、植物に負担がかかる作業です。育成期間であれば、ダメージの回復も早いので、この時期に行います。
また、葉っぱが黄色くなるなど、元気がないように見えることがあります。原因の一つとして根詰まりが考えられます。この根詰まりを起こしていたら植えかえ時です。
鉢底穴から根が飛び出ていたり、水の染み込みが悪くなっていないかなども、根詰まりのサインです。根詰まりを起こしていたら、生育期間に植えかえを行いましょう。
植えかえの手順
鉢からガジュマルを引き抜きましょう。植物にダメージを与えないように、慎重に引き抜きます。根についている土は、手で優しく揉んで落とします。黒ずんで腐っている根はハサミで切り落としましょう。
その後は、一回り大きい鉢に植えかえてあげます。水はけが大事なので、鉢底石を入れて、観葉植物用の、水はけの良い土を使ってください。
植えかえ後は水をたっぷり与え、直射日光の当たらない明るい日陰で様子を見ましょう。1~2週間は肥料を控えて、直射日光に当てないようにしてください。
ガジュマルの苗の選び方
ガジュマルは、ホームセンターや園芸店だけでなく、100円ショップや雑貨屋でも手に入れることが出来ます。虫がついていないか、葉の表だけでなく裏側もチェックしましょう。
みずみずしく張りがあるものを選ぶようにします。手で触ってみてグラグラするものも避けるようにしましょう。幹がシワシワになっているものも、根が弱っている可能性があるので避けましょう。
ガジュマルの夏越し・冬越しの注意点
夏越しの注意点
ガジュマルは5月~7月が生育旺盛になります。水やりは表面が乾いたらたっぷり与えましょう。また葉水も効果的です。追肥は2か月に1回、『プロミック 観葉植物用』をあたえましょう。
植えかえや剪定も、この時期に行いましょう。注意点は強すぎる日差しです。葉焼けの原因になりますので、真夏は直射日光を避けるか遮光をしましょう。
冬越しの注意点
外で育てている場合、冬は室内に取り込みましょう。生育は止まりますので、水やりも土が完全に乾いてからにします。冬の注意点はエアコンの風に直接当てない事です。過度の乾燥を防ぐため、葉水が効果的です。
ガジュマルの葉が落ちる原因に関して
ガジュマルは常緑性ですが、葉を落としてしまう事があります。環境が合わないことが原因ですので、この原因をあらかじめ知っておくことで対策が可能です。
また、葉を落としても、幹は活生きていますので、季節に合わせた管理を行ってください。春になって暖かくなれば、また新しい葉が生えてきます。
原因① 日照時間の急激な変化
購入してきたばかり、置く部屋を変えた、などのタイミングで葉を落とすことがあります。環境の変化にガジュマルが耐えられなかった証拠です。
なるべく移動の前後で環境を合わせることが出来るのが望ましいです。週に一回ずつ日照時間を変化させるなど、事前に慣らしてあげることで防ぐこともできます。
原因② 気温が5℃以下の場合
ガジュマルは、寒さに弱いです。冬に5℃以下の環境に置くと葉を落としてしまいます。室内の暖かい場所に置くようにしましょう。
原因③ エアコンの風が直接当たっている
エアコンの風を直接あててしまうと、乾燥が急激に進んでしまいます。葉水をしていても、エアコンの風が直接当たる場所には置かないようにしましょう。
ガジュマルの増やし方
ガジュマルは挿し木で増やすことが出来ます。生育旺盛な期間で、5月~6月に行いましょう。剪定して切り落とした枝を利用すると良いでしょう。
挿し木で増やす
剪定を行う際に切り取った枝を使って、手軽に行うことが出来ます。
・挿し木のタイミング
気温と湿度が上がり始める5月~6月に行うと成功確率が高いです。ガジュマルは高温多湿を好むので、ちょうどこの時期が生育期にあたり最も活発です。差し穂も高い確率で発根します。また切られた側の親株も、ダメージの回復が早いです。
・挿し木に使う土
新しい土を使いましょう。古い土だと養分が少なく、根からの栄養の吸収も悪いです。
・挿し木の手順
選定したガジュマルの枝を10cm程度の長さにし、先端の葉を1枚のみ残します。樹液は水で洗い流します。 その後、新しい土に挿しましょう。
・挿し木後の管理
2週間~3週間ほどで発根してきます。それまでは、風通しの良い、明るい日陰で管理し、土が乾燥しきらないように、水を与えましょう。新芽が生えてきたら新しい鉢へ植えかえます。
ガジュマルで注意する病害虫に関して
ガジュマルは、病害虫の被害は少ないですが、ハダニやカイガラムシの被害にあうことも。毎日良く観察し、見つけたら殺虫剤も活用しましょう。ここではガジュマルの被害にあいやすい病害虫をご紹介します。
乾燥しているときは、ハダニに注意
ハダニは夏と、乾燥している冬に発生しやすい害虫です。発生した場合は、ガジュマルの葉の後ろに住み着きます。葉の裏も定期的に観察してあげると良いでしょう。
ハダニは水に弱い害虫ですので、霧吹きでこまめに葉水をしていると予防になります。数が少なければ、霧吹きの水で退治できますが、数が多い場合は、殺虫剤を吹きかけて退治しましょう。
夏場は、カイガラムシに注意
夏場は、カイガラムシが発生しやすい時期です。葉がべたべたしていたらカイガラムシが発生している可能性が高いです。
カイガラムシの成虫は体が硬い殻で覆われているため、薬剤での駆除が難しいです。ピンセットで取り除いたり、数が多い時は歯ブラシでこすり取ったりして、駆除しましょう。
ガジュマルの種類
正式な学名がフィカスミクロカルパであるガジュマルは、園芸品種が多くあり、盆栽風のものなどの種類があります。
ニンジンガジュマル
一般的にガジュマルと言えば、この品種を指します。幹がニンジンの様であることからこのように呼ばれています。小さいサイズが多く流通しています。
センカクガジュマル
尖閣諸島に自生している品種です。肉厚で光沢のある葉が人気で、希少種です。
パンダガジュマル
センカクガジュマルの突然変異種で、さらに希少種です。葉が丸みを帯びていて肉厚なのが特徴です。
黄金ガジュマル
葉が黄金色に輝くことが由来し、この名前で呼ばれています。沖縄では街路樹や公園などに良く植えられています。
ガジュマルを育ててみよう
いかがでしたか?この記事では、神々しくインテリア性も高い、ガジュマルの育て方に関してご紹介させていただきました。ガジュマルは耐陰性もあり、初心者でも育てやすい植物です。風水としてもよいガジュマルを是非一度育ててみませんか?