水面に咲く、幻想的な花。スイレンの育て方のポイントは?
透明感あふれる淡い花を水面に咲かせるスイレン。その優美で幻想的な佇まいは、巨匠モネの絵画のモデルにもされたほど。
そんなスイレンは、池や沼地などの水辺がないと育てられないと思っている人が多いかもしれません。ですが、実はスイレンはおうちで鉢を使って育てることができます。今回は、そんなスイレンの育て方や育て方のポイントをご紹介します。
スイレンってどんな植物?
スイレンは、スイレン科スイレン属の多年草。水の中に沈めて育てることで水面に花を咲かせる水生植物の一種です。世界中の温帯域に生息しており、原種は40種あまり存在するといわれています。花の色は白やピンク・赤など。珍しいものではオレンジや黄色などもあります。
スイレンの育て方、おうちで育てるポイント
スイレンは水面に浮いて咲く植物のため、「水辺がないと栽培できないのでは?」と思っている人が多いかもしれませんが、そんなことはありません。おうちに池がない場合は、睡蓮鉢という専用の鉢を用意して栽培してみましょう。スイレンの育て方は、一般的な土に植える植物と異なる部分もありますが、特別難しいわけではありません。ぜひチャレンジしてみてくださいね。
- 睡蓮鉢と内鉢を用意しよう
睡蓮鉢とは、スイレンを育てる専用の鉢のこと。ここに水を入れ、スイレンを植えつけた内鉢を沈めて栽培します。睡蓮鉢は、鉢底の空いていない円形で口径が広いものが一般的です。内鉢には、大きめの平鉢が適しています。
どちらも園芸店などで販売されているので、サイズをあわせて購入しましょう。
- 気候に合わせて品種を選ぼう
日本で出回っているスイレンの品種は、温帯スイレン・熱帯スイレンの2タイプに分けられます。これらはそれぞれ耐寒性が異なるので、気候にあわせて選ぶのがいいでしょう。
温帯スイレンは寒さに強い性質をしているため越冬も可能ですが、熱帯スイレンは寒さへの耐性に乏しいため15℃を下回ると枯れてしまいます。
- 植えつけ適期と開花時期
スイレンの植え付け適期は3月から7月中旬まで。
開花時期は、温帯スイレンは5月中旬から10月頃、熱帯スイレンは7月から10月頃です。
- スイレンの用土と肥料
スイレンの用土には粘着性の高い土が最適です。園芸店にいくと水生植物用の土が販売されているので、そういったものを利用するといいでしょう。
また、用土には元肥として「マグァンプK大粒」を混ぜ込んでおくのがおすすめです。
- 植えつけの仕方
スイレンの苗・内鉢・睡蓮鉢・用土などを用意したら、まずは内鉢に用土を入れ、苗を植え付けます。このとき、土をしっかり固めておかないと苗が水中で浮いてくるので注意を。
苗を植え付けたら、水を入れた睡蓮鉢に沈めます。用土の表面から水面までが5~20cm程度になるようにしてください。
- 日当たり・栽培場所
スイレンは日光を好む植物です。日当たりがよければ生長が早くなり、花がつきやすくなります。
- 水やりについて
スイレンは、水中で栽培する植物ですので、基本的に水やりの必要はありません。
ですが、睡蓮鉢の水が足りなくなると枯れるため、鉢の水が減ってきたら常に足してあげるようにしましょう。開花時は特に水をたくさん吸うので、水切れに注意してください。
- 金魚やメダカを睡蓮鉢に入れてもOK
睡蓮鉢に、スイレンと一緒に金魚やメダカを入れて飼うのもおすすめです。見た目がかわいらしいだけでなく、夏場に発生するボウフラ予防にもなります。
- 開花後の管理、冬越しについて
スイレンの花は秋には咲き終わります。
温帯スイレンの場合は耐寒性があるため、そのまま水面に植えた状態でも冬越しが可能です。熱帯スイレンの場合は、水温が10℃以下にならないように暖かい室内に入れるなどしてください。
動画でわかりやすく!HYPONeX Smile
『スイレンを楽しむ』
HYPONeXのYouTubeチャンネルは植物の楽しみ方が充実しています。
是非、ご覧ください。
https://www.youtube.com/user/HYPONeXJAPAN
【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
☘96:スイレンの育て方|実は簡単?苗の選び方、植えつけ方法、日々の管理や注意点などご紹介
この記事で紹介された植物について
スイレン
学名:Nymphaea /科名:スイレン科 /別名:耐寒性スイレン、温帯性スイレン /原産地:世界の温帯・熱帯地域 /分類:多年草 /耐寒性:温帯性:強 熱帯性:弱 /耐暑性:温帯性:中 熱帯性:強
光り輝くような透明感あふれる花と、丸い葉が水面に浮かぶ姿が優美な佇まいの水生植物。