【ラナンキュラスの育て方】 咲き方で表情が変わる! ラナンキュラスの花言葉や育て方、増やし方は?
春の花として人気が高いラナンキュラス。花の咲き方や色、花びらの数などのバリエーションが豊富で、品種によってさまざまな表情を楽しめます。そんな魅力的なラナンキュラスは秋植え球根であることをご存じでしょうか。今回は、ラナンキュラスの特徴や花言葉、球根からの育て方、普段のお手入れ方法、夏越し・冬越しのコツ、増やし方など、さまざまな情報をご紹介します。
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動画でわかりやすく栽培法をご紹介|【PlantiaQ&A】
🍀65:ラナンキュラスの育て方|球根から育てるコツ、日々の管理や肥料の与え方、球根の掘り上げ方もご紹介【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
一つひとつの花に個性あり。ラナンキュラスの魅力
ラナンキュラスはたくさんの花びらが重なったゴージャスな花の姿が魅力です。現在は切り花としても人気で、多くのフラワーショップでラナンキュラスの姿を見かけます。数多くの品種が開発され、色や花びらの数、咲き方など、さまざまなバリエーションが楽しめます。
花の咲き方
ラナンキュラスの花は丸みを帯びたカップのような形をしています。椿のようなカメリア咲きやカーネーションのようなフリンジ咲き、バラのようなカール咲きなど、咲き方も多彩です。原種とされる「ラナンキュラス・アシアティクス」は一重咲きで花びらの数も5枚だったようですが、品種改良を重ねるうちに八重咲きや大輪の品種などが増えていきました。現在は花びらが200枚以上つく品種も存在します。
名前の由来
ラナンキュラスの名前は、ラテン語の「カエル(rana)」に由来します。ラナンキュラスの原種が湿地に生息していたことや、葉の形状がカエルの足のようであったことから名付けられたそうです。ラナンキュラスの和名は「ハナキンポウゲ」です。中近東からヨーロッパ南東部原産とされているラナンキュラスは、明治時代に日本へ輸入され、「ハナキンポウゲ」という名前が付きました。ただ、現在はラナンキュラスと呼ぶほうが主流です。
色とりどりのラナンキュラスの花言葉
ラナンキュラスには「とても魅力的」「美しい人格」「合格」など、ポジティブな花言葉がたくさんあります。また、白いラナンキュラスには「純潔」、ピンクには「飾らない美しさ」、オレンジには「秘密主義」、赤には「あなたは魅力に満ちている」など、色別に花言葉も存在します。ラナンキュラスを贈り物にするときは、それぞれの花言葉も意識して選んでみてはいかがでしょうか。
球根から育ててみよう
ラナンキュラスは種・球根・苗などを購入して栽培します。苗からの栽培はもっとも簡単で、初心者の方にもおすすめです。ただ、球根からじっくり育成することで、ひときわ愛着を持った存在になるかもしれません。ここでは少し難易度の上がる、球根からの育て方をご紹介します。
ラナンキュラスの好む栽培環境
ラナンキュラスが好むのは、日当たりと水はけ、風通しの良い場所です。しっかりと日に当てることで、がっしりとした茎に育てられます。日陰で管理すると茎が伸びすぎて細長くなり、花の重みで折れてしまう可能性も。花つきの良い丈夫な苗にするため、濃い日陰に植えるのは避けましょう。ただし、植えつけ直後は弱りやすくなっているため、日陰で管理します。
また、気をつけたいのは雨が続く日の環境です。植えているところによっては、雨の影響でラナンキュラスが弱ってしまうことがあります。鉢植えの場合は、雨の当たらない場所に移動させれば問題ありません。風通しを良くするため、鉢の下にブロックやすのこなどを敷いてあげると良いでしょう。地植えの場合、水はけの良い土へ植えることが大切です。必要に応じて、土を盛って畝をつくり排水性を高める、雨除けをつくるなどの対処を行いましょう。
ラナンキュラスの球根の選び方
球根は、手に持ってみてずっしりと重く、傷や虫食いなどのないものがおすすめです。皮が剥がれていないか、カビが生えていないかなども確認します。球根を購入した後は、植えつけするまで風通しの良い場所に保管しておきましょう。
吸水処理
ラナンキュラスの球根を何もしないまま土に埋めてしまうと、急速に水を吸ってしまい腐敗してしまう場合があります。あらかじめ給水処理をしてから植えつけするのが望ましいでしょう。
吸水処理では、トレーのような浅い容器とバーミキュライトを用意します。少し湿らせたバーミキュライトを容器に敷き詰め、球根を植えていきましょう。
ラナンキュラスの球根は、細長い球根が複数絡み合って、芽の部分で結合しています。吸水の際は芽の部分を下にし、水を吸わせるようにしましょう。それ以外の部分は埋めずに露出させておきます。
球根を入れた容器は冷蔵庫に入れてしばらく放置します。乾いていた球根がじっくりと水を吸い、丸く膨れていくはずです。球根が腐れていないか1日に1回は確認しましょう。吸水処理の期間は小さいもので3日程度、大きなもので1週間程度です。あまり長い間放置せず、芽が出る前にプランターやお庭に植えつけしてあげましょう。
土づくり
地植えの場合は、水はけの良い土壌を選びましょう。必要であれば、植えつけ2週間前に酸度調整のために苦土石灰を混ぜておきます。植え穴を掘り返したら、元肥として緩効性肥料『マグァンプK中粒』(N-P-K=6-40-6)を加えましょう。
鉢植えの場合は、赤玉土や腐葉土、酸度調整済ピートモスを5:3:2で混ぜたものなどが向いています。ただ、ご自分で土を用意し、うまく配合するのは難しい場合も。とくに初心者のうちは、市販の培養土を購入すると安心です。「ハイポネックス培養土 鉢・プランター用」なら、あらかじめ元肥としてマグァンプKも配合されています。袋を開けたらそのまま植木鉢やプランターに移し替えることができ、すぐに植えつけ作業へ移れます。
植えつけ
球根の植えつけは夜間の気温が15℃以下となる10月から11月に行います (苗は12月から3月頃に植えつけます)。土の気温が高くなりすぎると球根が腐って発芽しないこともあるため、日中と夜間の温度差には気をつけましょう。地植えでも鉢植えでも、植えつけ時は日の当たりすぎない涼しい場所に置くのがおすすめです。
複数の球根を育てる場合は、球根同士の間を15cm以上あけて植えていきます。土を2~3cmかぶるような穴を掘り、芽を上にして植えつけしましょう。吸水処理のときとは上下が逆のため、注意が必要です。植えつけ後、しばらくは水やりを控えめにし、球根が腐らないように気をつけます。順調にいけば1週間から2週間ほどで発芽するでしょう。発芽したら徐々に日当たりの良い場所へ移すことがポイントです。
霜よけ
ラナンキュラスの苗は寒くならないと花芽をつくれませんが、耐寒性はそこまで強くありません。冬を越えるには、霜よけをして手入れする必要があります。鉢植えの場合、夜は暖かい室内で管理しましょう。ただ、エアコンの風が当たる場所や暖房器具の近くは避けるようにしてください。気温差の出にくい玄関や廊下などに置いておきましょう。
プランターを室内に入れる際は虫がついていないか確かめましょう。プランターに虫がついたままだと暖かい室内で活発になり、ラナンキュラスに被害が生じることがあります。
移動できない地植えの場合はマルチや敷きわら、バークチップなどをかぶせて温めてあげましょう。風よけのビニールや不織布を、全体にかけてあげるのもおすすめです。無事に冬を越せると3月頃から開花がはじまります。
ラナンキュラスを植えつけてからの育て方
球根や苗を植えつけたら、ラナンキュラスの性質に合った方法で日々のお手入れを行います。水やりや施肥の頻度、病害虫対策など、さまざまな点に注意しましょう。
水やり
ラナンキュラスのように球根をつくる植物は、過湿を嫌う傾向にあります。球根である程度水をためておけるため、頻繁に水を与えると、かえって弱ってしまうことも。もちろん、水をまったくあげずに乾かしすぎるのも花のためになりません。乾燥させすぎると水切れを起こし、ラナンキュラスが枯れる原因になることもあります。土の状態を見ながら、表面が乾燥していたら水をあげるように調整してみましょう。
また、水やり時には、花や葉などに直接水をかけないように気をつけましょう。繊細なラナンキュラスの花は、水がかかることで病気にかかりやすくなる可能性があります。根元の土へ向かって、優しく水を注ぎましょう。
肥料
ラナンキュラスは、とくに開花時に多くのエネルギーを必要とします。肥料が不足すると、花つきが悪くなるばかりか、葉が黄色くなったり株が弱くなったりしてしまいます。適切なタイミングと量を心がけ、施肥を行いましょう。
植えつけ時には、元肥として緩効性肥料「マグァンプK中粒」を与えます。花の蕾ができ始めたら、3月末ごろまで液体肥料「ハイポネックス原液」を1週間に1度を目安に与えてください。
開花後、葉が枯れ始めたら追肥を控えましょう。水をあげ続けていると、球根を傷めてしまう原因になります。花後に供えて施肥を止め、夏越しの準備を始めましょう。
病害虫対策
ラナンキュラス栽培で注意したいのが、アブラムシによる被害です。さまざまな植物に発生する虫のため、一度は見たことがあるという方も多いのではないでしょうか。アブラムシは、植物の茎や葉、蕾などから汁を吸い、株を弱らせてしまいます。排出物の影響で病気が発生したり、ウイルスを媒介したりといった被害も生じることがあります。温暖な環境を好み、厳しい夏や冬以外の時期に発生するため、栽培期間を通じて注意が必要です。
アブラムシが厄介な理由のひとつは、増えやすさにもあります。とても小さなアブラムシは、気をつけていてもすぐにどこからかやってきて、数を増やしていきます。数が少ないならば指やテープなどで取り除けますが、手で駆除することが難しいときもあります。そのようなときは、ぜひ専用薬剤を使って、予防・駆除に取り組みましょう。なかでも、「ハイポネックス原液 殺虫剤入り」ですと、アブラムシ駆除と肥料やりが同時にでき便利なのでおすすめです。
鉢替え
ラナンキュラスの球根からは複数の芽が生じます。鉢植えの場合、大きさによっては根詰まりしてしまうこともあります。根詰まりを起こしかけているときは、葉が黄ばみやすくなっているため、一回り大きな鉢への植え替えで対策しましょう。
また、一番花の蕾が出てくる頃も、植え替えにおすすめのタイミングです。植え替えしてから5日前後で新しい根が出てきます。
花がら摘み
花が咲き終わったらすぐに茎ごと切り落としましょう。枯れた花をそのままにしておくと、次の花つきが悪くなります。切り取る部分は枯れた花茎の付け根です。新しい花芽まで切り落とさないように注意しましょう。また、落ちた花びらや枯れ葉は、残っている葉に触れないよう、はやめに取り除きます。触れた部分から腐ってしまうことがあるためです。
ラナンキュラスの夏越し・冬越しのコツ
ラナンキュラスは、耐暑性が弱く、夏になると地上部を枯らして休眠します。反対に、冬の寒さにはある程度耐えられるものの、霜害には注意が必要です。ラナンキュラスを何シーズンも育てるために、夏越し・冬越しのコツを確認しておきましょう。
ラナンキュラスの夏越しのコツ
ラナンキュラスは暑さに弱く、花が咲き終わったら休眠期間に入ります。休眠中は球根だけの状態となり、涼しくなってきたら再び芽を出し始めます。
花が咲き終わる頃には、休眠に備えて水やりの頻度を抑えましょう。葉が黄色くなってくる5月下旬頃が目安です。葉が完全に黄色くなったら水やりはストップし、土から出ている部分を完全に枯らします。茎が完全に枯れていることを確認したら土から引き抜き、球根を取り分けましょう。
球根の掘り上げは、できれば梅雨前に終わらせることがおすすめです。地中の温度が上がって過湿になりやすい梅雨の時期に、球根を植えっぱなしにしていると、腐ってしまうことがあります。
掘り上げた球根は、来年に向けて風通しの良い場所で休ませてあげましょう。夏の間は湿気と気温が高いため、涼しい環境を用意することが大切です。土を洗い、2~3日かけて陰干しで乾燥させた後、紙袋などに入れて保管しましょう。10月~11月になったら再び植えつけが行えます。吸水処理を済ませてから、適した用土へ植えつけましょう。
ラナンキュラスの冬越しのコツ
冬のラナンキュラスは、小さな苗の状態になっていることが基本です。霜の心配がない地域であれば屋外でも冬越しできますが、心配であれば室内へ移動させましょう。ただ、ずっとお部屋の中で管理していると、日光が足りなくなってしまうこともあります。日中は外へ出して日に当て、夜になる前に取り込むのもひとつの方法です。
また、暖房の効いた室内で育てていると、茎がひょろひょろと伸び、間延びしてしまうことがあります。玄関や窓の近くのように、暖かすぎない場所で管理することがおすすめです。
寒い時期を乗り越えたら、3月頃から再び花が咲きはじめます。徐々に日当たりの良い屋外での管理に切り替え、水やりや施肥などを行いましょう。
育てたラナンキュラスの増やし方
ラナンキュラスは、分球や種の採取などで増やすことができます。育ててきたラナンキュラスを増やしたい場合は、ぜひチャレンジしてみましょう。最後に、ラナンキュラスの増やし方をご紹介します。
ラナンキュラスの分球の準備
分球とは、球根をつくる植物の増やし方のひとつです。親球となる球根に生じた子球を取り分けて植え、新しい苗をつくります。分球しやすい植物の場合は、定期的に子球を分けてあげることで、親株が弱るのを防ぐことができます。
ラナンキュラスの分球は、夏越し前、球根を掘り上げると同時に行うのが効率的です。刃物やスコップ、保管用の袋などを用意しておきましょう。また、雑菌が入るのを防ぐため、刃物などの道具は消毒しておきます。
ラナンキュラスの分球の方法
ラナンキュラスの開花が終わったら花がら摘みをして、茎と葉だけの状態にします。しばらくは水やりを続け、日光に当てましょう。そうすることで、球根に栄養が蓄えられていきます。
ラナンキュラスの地上部が枯れたら、茎ごと引き抜いて掘り上げます。難しい場合は、スコップを使って掘り上げても問題ありません。球根についた茎は、付け根から折ってしまいましょう。その際、球根を傷つけないように注意します。
球根は、適当な大きさに分けています。少し力を加えると、手で割ることができます。ポイントは、それぞれの球根に発芽する部分を残しておくことです。上部にある白い毛のついた部分から芽が出るため、親球と子球に残るように分けましょう。
その後、土を洗い流してから乾燥させます。しっかりと乾かさなければ、湿気で腐ってしまうこともあるため注意しましょう。保管の際も、風通しが良く、蒸れにくい日陰の場所を選ぶことが大切です。
植えつけ適期になったら、保管しておいたものを花壇や鉢へ植えましょう。球根はカラカラに乾いているため、事前の吸水も忘れずに行います。
ラナンキュラスの種の採取
もうひとつの増やし方が、種を採取しておき、適期が来たら種まきする方法です。花後に花がら摘みをせず、しばらくそのままにしておき、種をつくるのを待ちましょう。環境によるものの、開花してから1カ月~2カ月程度で採取できるようになります。採取したあと、天日干ししてからさやから外してあげましょう。また、種がとれるまで、虫の被害を受けたり、高温多湿で枯れたりしないように管理してあげましょう。
採取した種は、種まき適期となる9月~10月が来るまで保管します。よく乾かしてから紙袋などへ入れて、冷暗所に置いておきましょう。
採取した種をまく際、注意したいのが発芽率についてです。すべての種が無事に芽を出すとは限りません。発芽して苗が育っても、親株となるラナンキュラスと同じ性質の花が咲かないこともあります。どんな花が咲くかわからないのを楽しめる方には向いているかもしれません。以上の点を踏まえたうえで、種の採取に取り組んでみましょう。
おわりに
春になると大輪の花を咲かせるラナンキュラス。さまざまな品種を集めて寄せ植えするのも楽しそうです。花が咲いたら、お庭を一段と華やかにしてくれるでしょう。花がら摘みや鉢替えなどに気をつければ、花も長く咲き続けてくれます。大切にお手入れして、開花の時期を楽しみましょう。
公開: 2019年6月16日
更新: 2021年8月30日
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