更新日:2019.09.05
手鞠のような姿がかわいらしい! ランタナを育てて花色の変化を楽しもう
ランタナは小さな花が集まって手鞠のように丸く咲く、かわいらしい植物です。品種によって色が豊富で、なかには開花が進むごとに色が変化していくものも。暑さに強く育てやすいため、ガーデニングを始めたばかりの方にもおすすめです。今回は、ランタナの特徴や育て方、主な品種、管理方法のコツなどをご紹介します。真夏にも元気に咲く花をお探しの方は、ぜひランタナを育ててみましょう。
- 目次
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- 七変化とも呼ばれるランタナは、カラフルな花が特徴!
- ランタナの原産地は?
- 耐暑性が強いランタナ
- ランタナの花言葉は?
- ランタナの名前の由来とは
- ランタナの主な種類は?
- 真夏の日差しの下で咲くランタナの育て方
- 土づくり
- 種まき
- 植えつけ
- 日当たり
- 水やり
- 肥料
- ランタナは生育旺盛! こまめに手入れしよう
- 花がら摘み
- 剪定
- 植え替え
- ランタナを冬越しさせる方法やコツ、準備方法は?
- 冬越しの方法
- 冬越しのコツ
- 冬越しの準備
- ランタナを育てるときに注意したいポイントは?
- ランタナの植える場所に注意
- ランタナに含まれる成分に注意
- ランタナの水やりの量や頻度に注意
- 育てているランタナを増やす方法とは?
- 挿し木
- 種の採取
- おわりに
- 【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
- この記事に関連する商品について
七変化とも呼ばれるランタナは、カラフルな花が特徴!
ランタナは別名「七変化」と呼ばれる常緑低木です。アジサイのように小さな花が集まって咲きますが、名前のとおり花色がどんどん変化していくのが特徴です。ピンクや黄、赤、オレンジ、白、複色など、鮮やかでカラフルな花が咲く様子は、見る人の心を明るくしてくれます。
ランタナの原産地は?
ランタナの原産地は熱帯アメリカやブラジル、ウルグアイなどの熱帯地方です。日本には江戸時代の末期に入ってきたといわれています。生長のスピードが大変はやく、すぐに野生化するため、現在はさまざまな地域で自生しています。
耐暑性が強いランタナ
ランタナは5月~10月の暖かい時期に花を咲かせます。熱帯地方原産のため耐暑性が強く、真夏でも元気に育ちます。大きさは30cm程度のものから100cmほどになるものまでさまざまです。しっかりと手入れし、剪定を行えばコンパクトに育てられます。
本来は常緑の植物ですが、日本の冬の寒さには耐えられず落葉してしまいます。ただ、気温が3℃以上であれば冬越しは可能です。
ランタナの花言葉は?
ランタナの主な花言葉に「心変わり」というものがあります。花色が移り変わるランタナの性質から生まれた花言葉と考えられています。ほかには、「協力」や「厳格」、「合意」といった花言葉が有名です。
ランタナの名前の由来とは
ランタナの正確な名前の由来は判明していません。「曲げる」という意味を持つラテン語の“lentare”がもとになったとする説や、ガマズミ属の学名がもとになったとする説などがあります。
和名の「七変化」は、花の色が変化する性質によってつけられたとする説が有力です。ちなみに、日本でなじみ深いアジサイも「七変化」の別名で呼ばれることがあります。
ランタナの主な種類は?
ランタナ・カマラ(Lantana Camara)は、もっとも一般的な種類といえます。花の中心と外側で色が異なる、ファンタジックな見た目が魅力です。とくに有名な園芸品種は、ピンクと黄色のバイカラーの花を咲かせる「コンフェッティ」ではないでしょうか。
コバノランタナ(Lantana montevidensis)は、枝が匍匐するタイプのランタナです。モンテビデンシスと称されることもあります。ランタナ・カマラもコバノランタナも、花の蜜が蝶に好まれやすい性質があり、バタフライガーデンをつくるときにも活躍します。蝶がお好きな方は、ぜひ取り入れてみてはいかがでしょうか。
また、ランタナ・カマラとコバノランタナを交配してつくられた品種も登場しています。花の色や樹形などをチェックし、お好みのものを探してみましょう。
真夏の日差しの下で咲くランタナの育て方
ランタナは大変丈夫で、育てやすい植物のひとつです。夏の花壇を充実させたいときは、ランタナ栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。こちらでは、ランタナの基本的な育て方をご紹介します。
土づくり
ランタナは土質を選ばない植物ですが、できるだけ水はけの良い土をつくってあげましょう。自分で配合する場合は、小粒の赤玉土と腐葉土を7:3で混ぜたものがおすすめです。ただ、園芸初心者の場合は自分で土づくりまで行うのは大変かもしれません。その場合は、市販されている園芸用土を使いましょう。
用土には、元肥として緩効性肥料『マグァンプK大粒』を混ぜ込んでおきましょう。より手軽に栽培を始めたい方には、元肥マグァンプKが配合されている『ハイポネックス培養土 鉢・プランター用』がおすすめです。元肥を追加で用意する必要がなく、すぐに植えつけが行えます。
地植えの場合、水はけの良いポイントを探して植えつけることがおすすめです。土が粘土質でうまく水が流れない場合、掘り返して新しい土へ入れ替えると良いでしょう。じっくりと時間をかけて土壌改良するなら、腐葉土や堆肥、ピートモス、緩効性肥料「マグァンプK 中粒」などを混ぜて置いておきます。
種まき
ランタナは20℃を超えると発芽します。地域によりますが、種まきの適期は3月から7月です。花壇やプランターなどにそのまま種まきすることも可能ですが、強い風雨にさらされると種が流れてしまうこともあります。心配な場合は育苗ポットやセルトレーなどを使いましょう。
植えつけ
ランタナの植えつけ時期は4月から10月にかけて行います。育苗ポットやセルトレーなどで種から育てる場合、根詰まりを起こす前に広い場所へ植えつけしましょう。苗を購入する場合は、持ち帰ってからできるだけはやく植えつけを済ませます。
ランタナは根の生長速度もはやいため、鉢植えにする場合は、大きめの鉢に1株ずつ植えるのがおすすめです。ウォータースペースをつくるために、縁ギリギリにまで土を詰め込むのは避けます。縁より3cm位下まで土を入れてください。地植えの場合、複数の株を植えるときは株間を十分にとりましょう。
鉢植えでも地植えでも、苗の根鉢より一回り大きな植え穴を掘ってあげることが大切です。根と土の間にできる限り隙間ができないよう、細い棒や割りばしなどを使って、土を優しくつついておきましょう。植えつけが完了したら、たくさん水をあげましょう。
日当たり
ランタナは日当たりの良い場所を好みますが、半日陰でも育てることができます。日当たりが悪いと花の数が少なくなってしまうため、ずっと日陰になる場所は避けましょう。
水やり
ランタナは水をたくさん必要とします。鉢植えの場合、土の表面が乾いていたら水をたっぷりと与えましょう。乾燥しやすい夏は、朝夕の2回水やりします。
地植えの場合は、自然に降る雨だけで育つため、基本的に水やりは必要ありません。長期間雨が降らないときに水を与えましょう。
肥料
ランタナは次々と花を咲かせます。花つきをよくするため、5月~10月の春から秋にかけて緩効性肥料を使い、定期的に置肥をしましょう。ランタナの場合、置き肥には窒素、リンサン、カリが、等量かリンサンがやや多めに含有されている肥料が適しておりますので、「プロミックシリーズ いろいろな植物用」もしくは「プロミックシリーズ 草花・鉢花用」が適しています。開花時期を迎えて花の数が多くなったら、週に1回は水でうすめて使う液体肥料「ハイポネックス原液」も与えるのがおすすめです。ただ、地植えの場合はランタナは繁殖力が非常に強いため、肥料を与えすぎると株が大きくなりすぎることがあります。肥料は春と秋のみに与える等、状況に応じて施肥回数を調整しましょう。
ランタナは生育旺盛! こまめに手入れしよう
ランタナは枝や根がすぐに伸びてしまうため、こまめなお手入れをするのが大切です。ここでは、ランタナの管理方法についてご紹介します。
花がら摘み
ランタナは開花期間中に何度も花を咲かせます。咲き終わった花がらは積極的に摘み取っていきましょう。そのままにしておくと種をつくりはじめてしまい、花を次々と咲かせるための栄養が足りなくなります。とくに、ランタナ・カマラ種の場合は種ができやすいため、長く開花させるためには花がら摘みが欠かせません。
花がら摘みは手でちぎっても良いですが、ハサミを使うほうが手軽です。枯れた花のついた花茎ごとカットしてしまいましょう。落ちている花がらも拾って、ゴミとして捨てます。
剪定
ランタナは夏の間に大きく生長していきます。そのままにしていると枝が伸び放題になってしまうため、剪定を行いましょう。
剪定は、4月から11月の春から秋にかけていつでも行えます。生育旺盛なランタナなら、強めに剪定してもすぐに新しい芽が出るためです。ただ、秋にも花を楽しみたい場合は9月の中旬以降に剪定しないように気をつけましょう。
剪定する際は、枝を半分程度切ってしまってもかまいません。一度にたくさんの枝を切るのではなく、回数を分けて少しずつ剪定するのがおすすめです。一気に剪定を進めてしまうと、再び花がつくまでに時間がかかってしまいます。はみ出してきている枝や、地面のほうへ伸びてしまっている枝など、余分な枝を中心にカットしていきましょう。
植え替え
ランタナを鉢植えで育てるときは、根詰まりを防ぐため、定期的に植え替えしましょう。可能であれば毎年1回の頻度で植え替えを行うのがおすすめです。とくに、5月~9月の生長が著しい時期に行うと、根が張りやすくなります。新しい鉢は一回り大きなものを用意しましょう。
植え替えの際には、新しい土を用意します。植えつけ時に準備したものと同じでかまいません。元肥として、肥料効果が約1年間持続する『マグァンプK中粒』を混ぜ込んでおきましょう。
ランタナを冬越しさせる方法やコツ、準備方法は?
ランタナは耐寒性が弱い植物です。暖地であればそのまま屋外で冬越しさせられますが、寒冷地では注意が必要です。霜がつくと枯れてしまうことがあるため、保温には気を配りましょう。こちらでは、ランタナの冬越しについてご紹介します。
冬越しの方法
地植えであればビニールでマルチングするか、わらを地面に敷き詰めます。鉢植えの場合は、霜の降りない場所へ移動させましょう。気温変化が少なくエアコンの風が当たりにくい、玄関のような場所がおすすめです。
また、地植えの場合、根を掘り上げて鉢へ移し、暖かい場所へ移すこともできます。気温が下がりすぎると植え替えには適さないため、10月までには鉢へ移しましょう。どうしても冬場に適した環境を用意できない場合は、割り切って一年草として育てるのもひとつの方法です。翌シーズンもランタナを咲かせたいのであれば、種の採取や挿し木などで、新しい株をつくっておきましょう。
冬越しのコツ
ランタナは気温が下がると生長も止まります。夏場より水やりの回数は少なくし、土は乾燥ぎみにしておきましょう。生育旺盛な時期と同じように水やりしていると、過湿になって根腐れし、根にダメージを与えてしまいます。地植えの場合は、最初の植えつけ時から水はけの良い場所を選ぶことが、冬越しの成功にもつながります。
冬越しの準備
ランタナを冬越しさせるときは、思い切って株元の部分まで切り戻しするのがおすすめです。種を採取しない場合は、開花時期が終わるタイミングで切り戻ししてもかまいません。ランタナの生育スピードであれば、大胆に切り戻ししても翌年には同じくらいの大きさに育つでしょう。
ランタナを育てるときに注意したいポイントは?
ランタナ栽培において、気をつけておきたいのが、管理する場所や水やりの量などです。生育旺盛なランタナならではの注意点に気をつけましょう。こちらでは、ランタナ栽培の注意点をご紹介します。
ランタナの植える場所に注意
ランタナは大変丈夫で、管理の手間がかかりにくい点が魅力です。ただ、ランタナの生育旺盛さは、ほかの植物の生長を妨げる原因になることがあります。
ランタナは、国際自然保護連合が定めた「世界の侵略的外来種ワースト100」のリストに含まれる植物です。外来種とは、ほかの地域から人の手によって持ち込まれた生物のこと。なかでも、元々の生態系に大きく影響を与える可能性のあるものが侵略的な外来種とみなされます。耐寒性がそこまで強くないため、日本ではまだ雑草と呼べるほどはびこっているわけではありませんが、要注意外来生物として位置づけられています。
勢いよく生長するランタナは、周囲の植物を押しのけて、生育環境を奪ってしまうことがあります。そのため、ランタナの栽培時には育てる場所を区切り、ほかの花や野菜などに影響を与えないように配慮することが求められます。お庭に植えるときは、まわりの植物から距離を取ったほうが良いでしょう。根が広がりすぎないよう、土に仕切り用の板やプランターなどを埋めて対策するのもおすすめです。こぼれ種でも簡単に増えてしまうため、種をつくる品種はとくに注意しましょう。
ランタナに含まれる成分に注意
ランタナには、ランタナン(ランタニン)と呼ばれる成分が含まれています。毒性があるとされており、誤飲・誤食には注意が必要です。ランタナには種をつけない品種も増えているものの、なかには結実し、有毒の種をつくる品種も存在します。こまめに花がら摘みをして、種ができる前に処理することが大切です。
ランタナの水やりの量や頻度に注意
ランタナは過湿を嫌うものの、極端に乾燥させるとしおれてしまいます。とくに、土が乾燥しやすく、開花によって水をたくさん必要とする夏は注意が必要です。
庭植えの場合は、水やりの心配は基本的にありませんが、鉢植えの場合ランタナの葉がしおれはじめているのを発見したら、すぐに水をあげましょう。はやめに対処できれば、水やりすることで元気になるはずです。
そもそも水切れをしないよう、こまめに様子を見て管理することも大切です。ランタナを植えている土の状態を見て、カラカラに乾いていないかを確かめましょう。基本的に、夏場は土の表面が乾いたら水をたっぷりと、冬場は乾かし気味に管理してください。
育てているランタナを増やす方法とは?
ランタナを増やしたいときは、挿し木や種の採取などの方法があります。ご自宅で育てているランタナをもっと鑑賞したいと思ったときは、こちらの方法を試してみてください。最後に、ランタナの増やし方についてご紹介します。
挿し木
挿し木とは、植物の茎や枝を切り取って土に挿し、新しい株をつくることです。親株と同じ花が咲くため、将来の姿を想像しやすいメリットがあります。
ランタナの挿し木のタイミングは5月~9月です。元気の良い枝をカットして土に挿しておくと、比較的簡単に発根します。とくに湿度の高い時期は、挿し木で新しい苗を育てるのに向いています。適期以外の時期でも発根させることは可能ですが、大きくなるまで時間がかかる傾向にある点に留意しましょう。
挿し穂に使うのは、新しく伸びた若い枝にしましょう。枯れ枝や古い枝では、発根しない可能性があります。用土は、肥料が含まれておらず、清潔であることが条件です。市販されている挿し木用土を使っても良いでしょう。
枝を5cm~10cmカットして挿し穂をつくったら、先端を水につけて吸水させます。1時間ほどたったら土に挿しましょう。直射日光を避け、水切れしないように管理すると、徐々に根を伸ばしてくるはずです。発根の目安は1カ月程度となります。ある程度の大きさになったら、鉢上げして育てていきましょう。
種の採取
種をつくるタイプのランタナであれば、花を楽しんだ後に採取して、時期が来たら種まきすることもできます。種を採取したいときは花がら摘みをストップし、結実を待ちましょう。
種まき適期は5月以降です。時期が来るまでは、種を容器に入れて保管しておきましょう。適期が来たら、ランタナの好む土を用意して種まきを行います。発芽するまで水切れしないように気をつけて、元気な苗を育てていきましょう。
おわりに
晴ればれとした日差しの下が似合うランタナは、初心者におすすめの育てやすい植物です。大切に育てると冬越しして、何年も花を咲かせます。
またご自宅でランタナを栽培すると、じっくりと花の色の変化を楽しむこともできます。ほかの花や木などへの影響を与えないよう、ご紹介したようなお手入れのポイントを意識しつつ、真夏でも鮮やかに咲く花をお探しの方は、ぜひランタナ栽培を始めてみてはいかがでしょうか。
【PlantiaQ&A】植物の情報、育て方をQ&A形式でご紹介
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