可憐で神秘的なスイセンを 自宅でも育ててみよう
昔から日本各地で育てられ、人々に愛されてきたスイセン。清楚な立ち姿と華やかな芳香が特徴で、育てやすいことからガーデニング初心者にも人気です。今回は、スイセンの基本情報や育て方、主な品種などをご紹介します。
美しい花の姿と香りが魅力のスイセン
スイセンの花びらは基本的に6枚で、中心にはさらに「副花冠」という花びらがついています。見た目の美しさもさることながら、花から立ち上る香りも存分に楽しめる植物です。甘さとさわやかさを併せ持つ香りは、香料の原材料としても人気を集めてきました。
開花時期
スイセンの開花時期は品種によって異なりますが、はやいものは11月頃、遅いものは4月頃と、秋から春にかけて花をつけます。耐暑性は弱いため、夏になると株そのものが枯れてしまい、休眠に入ります。
原産地
スイセンはイベリア半島やイギリス、ヨーロッパ中部、北アフリカなど、地中海沿岸の地域を原産としています。日本に伝わってきた時期ははっきりしておらず、室町時代や安土桃山時代、平安時代などさまざまな説があります。
品種が豊富
昔からさまざまな地域で育てられてきたスイセンは、品種が大変豊富です。「英国王立園芸協会」によると、現在は1万以上の品種が登録されているそうです。日本でも愛好家が多く、数々の品種が栽培されています。
スイセンを育てて華やかな庭をつくろう
スイセンは丈夫で育てやすく、冬でもたくさんの花を咲かせます。夏場の手入れに気をつければ、次のシーズン以降も開花させることが可能です。スイセンを育てて、寒い季節のお庭を華やかに彩りましょう。
土づくり
スイセンは水はけと通気性の良い土を好む植物です。元肥として緩効性肥料マグァンプKが配合されているハイポネックス培養土 鉢・プランター用がおすすめです。水はけが悪い場合は川砂を混ぜて排水性を高めましょう。ある程度サラサラとした砂質土のほうが、根の生育も良くなります。
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植えつけ
スイセンの植えつけは、ある程度気温の下がった9月~11月に行います。球根を入手したら適期に植えつけましょう。植えつけが遅くなりすぎると花が咲かないため注意が必要です。深い鉢に植える場合は、地面から球根2個分の深さに土を掘りましょう。球根を埋めたら土をかぶせ、水をたっぷり与えます。浅い鉢を使う場合は球根と鉢底の間隔を7cm~8cmはとりましょう。地植えの場合、球根3個分の深さの穴を掘って球根を植えつけします。複数株植える場合は、株間を10cm~20cmあけましょう。
日当たり
スイセンは直射日光の当たりすぎない半日陰に植えるのがおすすめです。特に開花した後は直射日光を避け、適度に光の差し込む木陰などに置きましょう。
水やり
スイセンは過湿を嫌う植物です。鉢植えの場合、水やりは土の表面が乾いてから行います。冬場は地面の凍結を避けるため、夕方以降に水を与えるのは避けましょう。地植えの場合は頻繁な水やりを必要としません。何日も雨が降らずに土が乾いたら水を与えましょう。
肥料
スイセンは発芽後に液体肥料を与えると元気に育ちます。大量に与えると球根が腐ってしまうことがあるため注意が必要です。また、花が終わった後に液体肥料の「ハイポネックス原液」を与えると球根が大きくなり、次のシーズンにも花を咲かせやすくなります。
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アブラムシ対策
春になるとアブラムシが発生することがあります。こまめに株を確認し、発見したらすぐに「ハイポネックス原液 殺虫剤入り」で取り除きましょう。専用の薬剤を散布しておくと予防にもなるためおすすめです。
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花がら摘み
花が咲き終わったら、枯れた部分を花茎から摘み取りましょう。そのままにしておくと実がつき、次の花を咲かせるエネルギーが取られてしまいます。葉は完全に枯れるまでは残しておき、日光に当て続けましょう。球根にたまる栄養がつくられ、次のシーズンに開花しやすくなります。
球根の掘り上げ・分球
球根は、数年間は植えっぱなしにしておくことができます。水はけや肥料のやりすぎには注意し、腐らないように管理していきましょう。また、球根は掘り上げて管理することも可能です。葉が完全に枯れたら、土から掘り上げてみましょう。掘り上げた球根は乾燥させ、植えつけの時期まで風通しの良い場所で保管します。掘り上げた際、球根が自然に分球し、小さな子球がくっついていることがあります。余計な負担をかけないように丁寧に割り、ほかの球根と一緒に保存しておきましょう。
スイセンの種類はさまざま!よく見かける品種は?
スイセンは1万種以上の品種がありますが、日本でよく見かけるのは「ニホンズイセン」や「ラッパズイセン」などです。ここでは、それぞれの特徴についてご紹介します。
ニホンズイセン
ニホンズイセンは、名前のとおり日本の各地に自生しているスイセンです。スイセンといえばこちらの品種の姿を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか。淡路島と越前海岸、南房総・鋸南町は「日本三大水仙自生地」として有名です。ニホンズイセンは冬から春にかけて咲く品種で、白い花びらと黄色の副花冠からできた小さな花を一株にたくさんつけます。香り豊かなところも特徴で、清涼感のある甘い香りが古くから親しまれてきました。
ラッパズイセン
ラッパズイセンは、大きな筒状の副花冠がラッパのよう見えることからその名がつきました。個性的で存在感のある立ち姿が特徴です。ニホンズイセンとは異なり、ひとつの茎にひとつの花をつけます。花びらと副花冠の色が黄色のものが多く見られますが、花びらが白いものや副花冠が複色のものなども存在します。ウェールズの国花としても有名です。
フサザキスイセン
フサザキスイセンは、ニホンズイセンのように一株にたくさんの花がつくスイセンの総称です。イタリア語で「小さなコーヒーカップ」を意味する単語から、「タゼッタスイセン」とも呼ばれています。キブサズイセンやなどもフサザキスイセンに含まれます。鈴なりについた花の姿を楽しみたいときは、フサザキスイセンを育ててみましょう。ご紹介したもの以外にも、スイセンにはさまざまな品種があります。スタンダードなものから変わり種まで、幅広く調べてみると、お好みのスイセンが見つかるかもしれません。
おわりに
スイセンの香りと花の姿は、見る人の心をくすぐる可憐さがあります。耐寒性が強いため、冬のお庭が寂しいと感じている方にもおすすめです。初心者でも育てやすいため、お気軽に栽培にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。
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