釣り鐘型の花がふわふわと揺れる。 カンパニュラの育て方
すらりと伸びた茎にふわふわとした釣り鐘型の花がいくつも咲くカンパニュラ。かわいらしい見た目と育てやすさから、ガーデニングで人気の高い植物です。ボリューム感のある花の姿は、お庭の彩りとしてもぴったりです。ぜひご自宅で育ててみましょう。
ヨーロッパ原産のメルヘンチックな花
カンパニュラはキキョウ科の植物です。原産地は南ヨーロッパで、明るい岩場に自生している姿がよく見られます。メルヘンチックな愛らしさを持つためか、イラストや挿絵などの題材としても人気があります。
日本でよく育てられているのはカンパニュラ・メディウムという品種です。二年草で、初夏から夏にかけて、ピンクや紫、白などの花を咲かせます。草丈は高めで1mを超えることがあります。切り花としても人気です。
カンパニュラの名前
カンパニュラの名前はラテン語の「campana(小さな鐘)」からつけられたとされています。英語では「Bell Flower」と呼ばれます。ただし、リンドウやキキョウなどの花も「Bell Flower」といわれることがあるようです。英語で呼ぶときは、混同しないように気をつけましょう。
また、カンパニュラには「フウリンソウ」や「ツリガネソウ」などの和名があります。風鈴や釣り鐘に似た花の見た目からの連想で、この名がついたようです。
小惑星カンパニュラ
火星と木星の間にある小惑星帯。その中の星のひとつに「カンパニュラ」という名前がついています。発見したのは「カール・ラインムート」という天文学者です。ラインムートは生涯のうちに400個近い小惑星を発見しました。中には「スカビオサ」や「ゲラニウム」など、「カンパニュラ」以外にも植物にちなんだ名前が多数存在するそうです。
カンパニュラの育て方は?
カンパニュラは一株にたくさんの花をつけます。うまく育てられたら、数十輪の花を咲かせてくれることもあります。日当たりや水はけなどに気をつけて、丁寧に栽培しましょう。
土づくり
カンパニュラは水はけがよく、栄養のある土を好みます。用土を用意するときは、小粒の赤玉土と腐葉土を6:4で混ぜたもの、元肥として緩効性肥料マグァンプKが配合されている「ハイポネックス培養土 鉢・プランター用」がおすすめです。地植えの場合は腐葉土を混ぜて耕しておきましょう。
また、カンパニュラは酸性の土を嫌います。土が酸性に傾いている場合は、石灰を混ぜ込みましょう。
苗選び
カンパニュラは苗から育てると簡単です。葉が変色しておらず、茎ががっしりとしたものを選びましょう。虫がついていないか確認するのも大切です。
カンパニュラの開花時期は4~7月です。9~10月に苗を植えつけしておき、冬の寒さに当てることで花芽をつけます。ただし、品種によっては冬を越えなくとも花を咲かせるため、春植えすることも可能です。
春植えの際は花のついた苗も選べます。ある程度株が育った丈夫な苗を入手し、花が咲ききる前に植えつけを済ませましょう。ただし、株をより大きく育てたい場合は、秋からじっくりと育てるのがおすすめです。
植えつけ
直根性のカンパニュラは、根が傷むと大きなダメージを受けてしまいます。植えつけの際は根鉢を崩さないように注意しましょう。根の活着促進のため植物用活力液「リキダス」を1,000倍にうすめて与えます。できるだけ植え替えをしないで済むよう、植える場所をよく考えておくのも大切です。
また、カンパニュラは過湿に弱く、水はけが悪いと根腐れすることがあります。地植えの場合は、水はけが良くなるように土を盛り上げた上に植えてください。複数の株を植える際は、株間を30cmはあけましょう。
水やり
カンパニュラへの水やりは、土の表面が乾いたタイミングで行います。気温の下がる冬場は生育が停滞するため、水やりの回数を少なくします。土の表面が乾いてから、2~3日後に水を与えましょう。また、冬の水やりは、夜に行うと地面が凍結する可能性があります。気温の高い日中に水やりを済ませましょう。
肥料
こまめにお手入れして花を長く咲かせよう
カンパニュラは花がら摘みや剪定などのお手入れをすることで、より長い開花期間を楽しめます。ここからは、カンパニュラを育てるときに気をつけたいことや管理方法などをご紹介します。
日当たり
カンパニュラは日が当たらない場所に植えると元気がなくなり、花つきが悪くなってしまいます。日当たりの良好な場所へ植えつけましょう。ただし、耐暑性はそこまで強くないため、真夏は直射日光を避けるのが大切です。地植えの場合は日よけをつくってあげましょう。
冬越し
上記の通り、カンパニュラは基本的に冬の低い気温に当てることで花芽をつけます。屋内にはできるだけ取り込まず、冬も屋外で育てましょう。ただし、根の凍結には注意しなければいけません。寒冷地であれば土の上にわらやビニールなどを被せて、地面が凍らないようにしましょう。
支柱
茎がすんなりと伸びるカンパニュラは、草丈が高くなる品種だと支柱が必要になることがあります。ある程度の大きさになったら、茎に支柱を添えて折れないようにしてあげましょう。支柱は土深くまで埋め、しっかりと固定するのが大切です。
アブラムシ対策
アブラムシは春から発生する虫です。カンパニュラにアブラムシがついたままだと生育が悪くなってしまいます。見つけたらすぐに専用の薬剤で駆除しましょう。予防のため、事前に薬剤を使用しておくのもおすすめです。アブラムシを見つけたら肥料と殺虫剤がひとつになった「ハイポネックス原液 殺虫剤入り」を使うといいでしょう。
剪定
カンパニュラは風通しが悪くなると株がダメージを受けてしまいます。枝が込み合ってきたら余分なものをカットして整え、風通しを良くしましょう。また、花が8割程度咲いたら、一度切り戻しをしてみましょう。脇芽が伸びてきて、次の花が再び咲き始めるはずです。
花がら摘み
カンパニュラは開花時期になると次々と花を咲かせます。咲き終わった花がらはこまめに摘み取りましょう。そのままにしておくと種ができ始め、開花期間が短くなってしまいます。
おわりに
すんなりとした茎とふわふわした花が魅力的なカンパニュラ。冬の間は生育が鈍りますが、耐寒性は強いため冬越しも手軽に行えます。初夏から夏にかけてたくさんの花を咲かせるカンパニュラを、ぜひ育ててみてはいかがでしょうか。
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