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かぼすを選ぶ
「かぼす」も「すだち」も「シークヮーサー」も香酸柑橘類
シークヮーサーと言えば、沖縄。ではかぼすや、すだちはどこの特産品?かぼすは大分県特産の香酸柑橘で、緑色のうちに収穫し出荷されますが、熟すと黄色くなり、風味も若干変わります。鍋料理のポン酢や、酢の物に利用されます。すだちは徳島県の特産物で、ゴルフボールくらいの大きさですので、かぼすよりも小さく皮は薄いです。清々しい香りで「松茸と共に売られている」と言えば、イメージできますよね。
かぼす全国の生産量の96%は大分県産、消費量も90%
大分県のかぼすは、江戸時代に薬用として臼杵市で苗木を植えたのが始まりと言われ、臼杵、竹田市などが主な産地です。「大分かぼす」はかんきつ類では全国初の地理的表示(GI)保護制度認定となり、果汁の多い良質なかぼすを消費者に提供するため、「大分かぼす旬入り宣言日」を設定し、地元市場で「大分かぼす旬入り宣言式」を開催し、PRしています。ちなみに大分県人ならではの使い方は「味噌汁に絞って入れる」だそうです!
ツヤ、ハリがあり、重みがあるかぼすはとてもジューシー
美味しいかぼすの選び方は、まず、緑色が濃いかぼすを選びます。表面にツヤと張りがあって香りがよく、乾燥していないものを選びます。手に取って重量感があるものは果汁たっぷりです。持ったときに軽いものは水分が減っています。かぼすはゆずの変種とされているので、樹上で熟すと果皮が黄色くなります。青い状態のほうが風味がよいとされますが、黄色いものは酸味がまろやかになっています。
かぼすを保存する
保存方法だけでなく、切り方、搾り方にもひと工夫
かぼすの保存は、ビニール袋や密閉できる容器にいれ、冷蔵庫の野菜室で保存しておきます。その際、ビニール袋の空気は抜いておきましょう。10℃以上の常温保存では品質低下しますので、ご注意ください。
かぼすの果汁を保存する場合は、搾った果汁を小分けにして冷凍保存して置くと便利です。果汁は酢の物、鍋物、カクテルなどに利用できますよ。
かぼすに限らずレモンなどの「切り方」って気にされたことありますか?山型レモン絞り器を使い大量の果汁を絞る場合、横切りよりも縦切りの方が多くの果汁を絞ることができます。
櫛形に切り、手で絞る場合、レモンやかぼすを×の形で切ることをおススメします。薄皮袋を破って果汁は出てきますので、まずこの薄皮袋を断ち切ることが大事です。そして搾るときは、切り口を上向きにし、果汁と外皮に含まれている香りを一緒に絞ります。柑橘系の香りの源は皮にあります。そしてこの方法は搾ったときに果汁も飛び散らないのでおススメです。
またケガをして手に力が入らない時などは、果汁をフォークなどで崩してから手で絞ると、力を入れずに絞ることができますよ。
かぼすの豆知識
かぼすで減塩生活を
「かぼす」という名は、皮を刻んで蚊やブヨをいぶす(追いやる)ために使われていたことから、蚊をいぶす→蚊いぶし→かぶし→かぼすになったようです。
すだち同様、すっぱさが強い柑橘系で、そのすっぱさは「クエン酸」です。100g中にレモンは3g、みかんは1g、かぼすは6g、すだちは4.5g含まれています。かぼすに含まれているクエン酸の量は、レモンの2倍です。
クエン酸には食欲増進や疲労回復に効果があり、血液をサラサラにする効果、体内の代謝を活性させるはたらきもあります。ビタミンEと一緒に取ることで、抗酸化力をアップしたり、動脈硬化の予防や、コレステロールの改善、心臓病や脳卒中の予防になるといわれています。
かぼすは独特の香りがあり、ポン酢や焼き魚の風味づけだけでなく、ミネラル分としての塩味がしっかりしていることから、食材に塩を添加する代わりにかぼすを添加することにより、減塩効果が期待されます。