目次
- 1マサバ (真鯖)を選ぶ
- 目が透き通っていて濁っていない、エラが鮮紅色のものを選びましょう
- お腹に張りがありぷっくり膨らんでいること
- 背中の青緑色した「さば紋」が濃いもの
- 2マサバのおいしい食べ方
- サバは早く食べるのが一番
- 3マサバの豆知識
- 大人も子どももサバを食べよう
- 4サバの代表的なご当地料理、京都編:丹後ばらずし(丹後のまつぶた寿司)
- 丹後ばらずし(丹後のまつぶた寿司)ってどんな料理?
- 丹後ばらずし(丹後のまつぶた寿司)に必要な材料は?(5人分)
- 丹後ばらずし(丹後のまつぶた寿司)の作り方
- 丹後ばらずし(丹後のまつぶた寿司)、発祥の由来とは?
- 丹後ばらずし(丹後のまつぶた寿司)はご当地ではどんな時に食べられる?
- 丹後ばらずし(丹後のまつぶた寿司)の栄養価・効能は?
- 「『丹後ばらずし』の主役は、サバ缶!?」
- サバ漁の方法は?
- ブランドサバの魅力
マサバ (真鯖)を選ぶ
目が透き通っていて濁っていない、エラが鮮紅色のものを選びましょう
透明でうるんだ目は新鮮な証拠です。鮮度が落ちるにしたがって目の中が濁り、しぼんできたリ白っぽくなってきます。エラブタを持ち上げてみて、中のエラが鮮やかな鮮紅色のものが新鮮です。薄いピンクや茶色っぽいものは鮮度が落ちています。
お腹に張りがありぷっくり膨らんでいること
カラダが太っている魚は相対的に顔が小さく見えますので、顔の小さな魚を選ぶと良いですよ。腹にハリがあり触った時に固いもの、表面にぬめり感のあるものを選びましょう。内臓が傷んでいるとお腹が柔らかくなってぺたんとなってきます。
背中の青緑色した「さば紋」が濃いもの
背中の模様は「さば紋」といって濃いものほど新鮮です。マサバは「く」の字のような斑模様で腹は真っ白です。ゴマサバは名前の通り体の側面と腹側に多数の小黒斑があります。
マサバのおいしい食べ方
サバは早く食べるのが一番
「サバの生き腐れ」という言葉がある通り、サバは活きがいいように見えても、傷んでいることがあるから気をつけなさい、という意味です。鮮度が落ちやすいのは、有害物質のヒスタミンに変質しやすいアミノ酸を多く含んでいるからです。生きているように新鮮に見えても、内部が傷んでいることもあります。鮮度の保持には気を配り、手に入れたら早めにいただきましょう。
このように傷みが早いサバですが、大分県と愛媛に挟まれた豊後水道の豊予海峡で獲れる「関サバ」は一本釣りで捕獲されます。網などで大量に捕獲する方法とは違い、サバを傷つけずに釣り上げることができ、釣り上げたサバはすぐにイケスに入れられ、生きたまま港に持ち帰られ流通されます。消費者の口に入る直前まで関サバは生きていますので、ヒスタミンの生成も促されず、安心して刺身で楽しめます。
背が青色で腹が白色の魚を「青魚」と呼びます。それは群れで海の上層部を泳ぎ回るため、鳥などが上から見たときに青く、大型魚類が下から見たときに白く見え、一種の保護色となり目立たないからです。
マサバは、腹の部分が比較的平たいのに対し、ゴマサバは腹の部分が丸い形をしています。ここから、マサバを「ヒラサバ」と呼び、ゴマサバを「マルサバ」と呼ぶようになりました。
サバという名は、歯が非常に小さいことから、小歯(サバ)と付けられ、背が青いことから「鯖」という字が当てられたらしいです。
関サバをはじめ、松輪サバ(神奈川県三浦市)、岬サバ(愛媛県佐田岬)、清水サバ(高知県土佐清水市)、金華サバ(宮城県石巻)、首折れサバ(鹿児島県屋久島)などのブランドサバがあります。
マサバの豆知識
大人も子どももサバを食べよう
サバは全国各地で水揚げされ、魚屋さんやスーパーなどでも目にする身近な魚です。サバの旬は秋です。秋サバと呼ばれて10月から11月が美味しいとされる時期です。サバは春ごろ伊豆沖で産卵し、餌を食べながら北海道沖まで北上し、産卵のために南下を始めます。南北に回遊する魚ですので、「秋サバ」の基準は全国区ではなく、地域でズレがあります。九州などでは冬以降に美味くなり、これが「寒サバ」と呼ばれます。根つきと呼ばれ回遊しないサバもいます。サバは青魚の中でもDHAとEPAが豊富で、悪玉コレステロールの減少、善玉コレステロールを増やす、動脈硬化など血管系の病気の予防、脳の発達促進などの効果に期待されています。
サバの代表的なご当地料理、京都編:丹後ばらずし(丹後のまつぶた寿司)
丹後ばらずし(丹後のまつぶた寿司)ってどんな料理?
丹後ばらずしは、京都の丹後地方でお祝いのときに食べる料理です。まつぶたと呼ばれるモチを入れる浅い木箱にすし飯を敷き、その上に甘辛く煮付けたサバのそぼろ、錦糸玉子、紅しょうが、かまぼこ、椎茸などを彩りよく散らします。できたすしを切り分けて食べるのが丹後独特のスタイルです。
丹後ばらずし(丹後のまつぶた寿司)に必要な材料は?(5人分)
・米3合(450g)
・だし昆布(5cm角)1枚
・すし酢90ml
・鯖の水煮缶 2個
・干ししいたけ 3枚
・ごぼう 適量
・かまぼこ(赤板)1/3枚
・卵2個
・絹さや 適量
・紅ショウガ 適量
・だし汁150ml
・調味料(砂糖/醤油/酒/みりん/塩)分量は作り方参照
丹後ばらずし(丹後のまつぶた寿司)の作り方
①米は洗って水に30分つけておき、昆布を入れて炊く。
②干ししいたけは200ccの水に戻す。
③ごぼうはささがきにし、水にさらしておく。
④鍋に干ししいたけの戻し汁、砂糖、醤油、みりん(各大さじ1)を入れ、中火で汁がなくなる程度までしいたけとごぼうを煮る。煮上ったら、しいたけは薄くスライスする。
⑤鯖は水気を切り、フライパンに入れて、弱火でほぐしながら、水分がなくなるまで炒る。
水分が飛んだら、砂糖、みりん(各大さじ1.5)、酒(大さじ2)醤油(大さじ2.5)を入れ、中火でそぼろ状になるまで炒る。
⑥かまぼこはいちょう切りで切り、酢に浸しておく。
⑦卵を割りほぐし、砂糖(小さじ1.5)、酒、みりん(各大さじ0.5)、塩少々を入れ、油を敷いたフライパンで薄く焼き、細く切って錦糸卵を作る。
⑧絹さやは塩ゆでし、水におとし、色出しし、適当な大きさに切る。紅ショウガは薄くスライスして、適当な大きさに刻む。
⑨酢(大さじ6)砂糖(大さじ4)塩(小さじ1)を合わせすし飯を作り、しいたけとごぼうの水分を切って混ぜ合わせる。
⑩丹後地方では「まつぶた(浅い木箱)」、無い場合は重箱にすし飯の半分を敷き詰め、④と⑤の半分を全体に振る。
⑪その上に残りのすし飯を入れ、軽く押さえる。さらに、残しておいた④と⑤、錦糸玉子、かまぼこ、しいたけ、絹さや、紅ショウガを飾る。
⑫食べる時に切り分けて器に盛る。
丹後ばらずし(丹後のまつぶた寿司)、発祥の由来とは?
歴史的にその起源は定かではないですが、丹後の海でサバが沢山獲れた時期があり、そのサバを焼きそぼろ状に調理した後、酢飯の上に乗せて食べたのが始まりと言われます。「まつ」は松の木、「ぶた」は木箱をつみ重ねてふたとしても使うことからきた名前です。
丹後ばらずし(丹後のまつぶた寿司)はご当地ではどんな時に食べられる?
このばら寿司は家庭料理として、お祭りや結婚式などの祝い事、それに子どもの運動会などのお弁当として、ハレの日だけでなく、お葬式など大勢の人が集まる席では定番の料理になっているようです。
丹後ばらずし(丹後のまつぶた寿司)の栄養価・効能は?
丹後ばらずしは具がたくさん入って、見た目も華やかなごちそうです。すし飯の上にのせるメインの具材はサバを焼きほぐして作っています。サバは「青魚の王様」と言われており、栄養価が高く、サバの脂質にはDHAやEPAなどが豊富に含まれ、含有量は青魚の中でも群を抜いて多いです。DHA(ドコサヘキサエン酸)は、脳や神経組織の発育や機能の維持において重要な働きをすることが知られており、記憶力の低下を抑えたり、目に良いとされています。EPA(エイコサペンタエン酸)は、血液中の血小板凝集を抑制して血中のコレステロールや中性脂肪を低下させる働きを持ちます。
サバの血合い肉には多くの栄養素が集中しており、鉄分やビタミン群、タウリンが多く含まれ、貧血、皮膚炎、胃腸疾患などの予防、老化の抑制などの効果が期待できます。
「『丹後ばらずし』の主役は、サバ缶!?」
戦前、丹後地方は日本海近海で漁獲されたサバを焼き、そぼろ状に調理した後、ばらずしの具材に利用していました。ところが昭和30年頃、サバの漁獲量が激減し、サバ缶を代用するようになったといいます。しかしこのサバ缶、実は優れものなのです。水溶性ビタミンなどの栄養素は食品を水で洗ったり茹でたりする事によって失われてしまう事がありますが、サバ缶はまず生のサバを缶に入れそれから加熱調理を行いますので、栄養素の損失がほとんど無いのです。
しかも、丹後地方はあまりにも多くのサバ缶を使うからか丹後地方限定のビッグサイズのサバ缶も売られています。手軽にサバの栄養を摂取出来るサバ缶を是非活用して丹後ばらずしを作ってみましょう。
サバ漁の方法は?
一般的な漁法は、巻き網、流し網、棒受け網、定置網などです。それに対し、ブランドサバの漁法は主に一本釣りです。
巻き網漁とは、魚の群れを探し、網で囲い込む方法です。
漁師が一本ずつ丁寧に釣り上げる一本釣り。
ブランドサバの魅力
大分・佐賀関の【関さば】の名が全国に轟くと、全国でブランド化の動きが盛んになりました。青森・八戸の【八戸前沖さば】、岩手・石巻の【金華さば】、神奈川・三浦松輪の【松輪黄金サバ】、長崎・松浦の【旬(とき)さば】。高知・土佐清水の【土佐の清水サバ】、屋久島の【首折れサバ】はゴマサバのブランドです。
大分・佐賀関【関さば】
関さばは、大分県佐賀関沖で大分県漁業協同組合の佐賀関支店の漁師が一本釣りで獲ったマサバだけにつけられる名称です。全国初の水産品で商標登録された関さばはブランドサバの中でも別格の知名度を持っています。関さばが生息している豊予海峡は一年を通して水温の変化が少ない上に潮の流れが速いので、この海域に住んでいる関さばは通常のサバと比較すると、体が大きく身がよく締まっています。金色かかった体色、腹に線が入っているのが特徴です。活け締めで出荷されます。旬は10月~3月。季節による脂肪量の変化は小さいので、比較的1年中トロッととろける味わいが楽しめます。
青森・八戸の【八戸前沖さば】
全国を回遊するサバですが、北緯40度30分日本のサバ漁場として最北端に位置する八戸前沖で八戸前沖さばは獲れます。北海道沖の海域はプランクトンが豊富で、その地域を回遊する頃にサバは太りますが、脂肪分は皮と身の間などに貯められ身に均等に入りません。産卵のために南下を始める時期の9月〜10月頃に脂肪が身に入り込み、身も締まります。八戸前沖で水揚げされるサバは「戻りの鯖」と呼ばれ珍重されます。一般的にサバの脂は12%程度ですが、八戸前沖で漁獲される600g以上のサバには30%に達するものがあり、400g程度の小さいものでも15%以上になります。
岩手・石巻【金華さば】
金華さばは、東北・宮城県の南三陸金華山周辺海域で定置網、一本釣り、巻き網によって漁獲された高鮮度で脂のり抜群の大型マサバとされています。一般的にサバは、エサを求めて海を回遊しながら過ごす魚ですが、黒潮と親潮が混ざりあう金華山周辺は、エサが豊富なため、この近辺に住むサバはここをほとんど動かず、回遊をせずに豊富なエサをたっぷりと食べられるので、上質な脂が身に入り、そのなかでも基準をクリアした大型のサバのみが、「金華さば」となります。旬は9月~1月位まで。ただし、この間でも秋の10~11月が食べ頃です。
神奈川・三浦松輪【松輪黄金サバ】
松輪(まつわ)黄金サバは、神奈川県三浦市松輪漁港で水揚げされるマサバのブランド名。普通のマサバの10倍近い価格となる高級サバのブランドです。波が穏やかでエサが豊富という恵まれた環境で育つ東京湾のサバ。秋には皮が脂で黄色に輝き、「黄金サバ」と呼ばれています。漁師たちが一本ずつ丁寧に釣り上げ、指一本触れずに針を外し、魚倉へ移します。マサバは手づかみすると黒く変色してしまうためです。魚倉はバネ仕掛けになっていて、サバの重みでふたが開き、入ると自然に閉じます。松輪サバは漁師たちの技と工夫によって、出荷直前まで生かされ鮮度が保たれているため、生食でもおいしくいただけます。旬は10月~12月。
長崎・松浦【旬(とき)さば】
「長崎旬さば(ときさば)」は毎年10月から翌年2月にかけ五島列島、対馬海峡で獲れる寒サバで、400g以上のマサバとされています。地元漁協が「玄界灘の荒波で揉まれた」と形容する通り、この海域で獲れるサバは脂が乗っていて、なおかつ身が締まっており、とても美味です。
マグロの中トロのように、脂は細い線のように走っています。刺身ももちろん美味しいですが、旬サバが水揚げされている松浦市内では、旬サバのしゃぶしゃぶが絶品です。きれいに皿に盛られた刺身を、まずはそのまま醤油で味わい、その後旬サバを湯にくぐらせて、薄切りの大根と一緒に巻いて、ポン酢でいただきます。