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野菜のうま味
トマトにはグルタミン酸とグアニル酸といううま味成分が含まれています。トマトが成長し、赤くなればなるほどグルタミン酸が増加し、その量は約10倍にも増えるといわれています。乾燥させたドライトマトは水分が減っているため、グルタミン酸とグアニル酸が凝縮され、さらにおいしく感じます。トマトを例にしましたが、ほとんどの野菜はグルタミン酸を含んでいます。
うま味がパワーアップ
大根を干した「切干大根」、シイタケを干した「干しシイタケ」は、野菜を干すと水分が減少し、うま味がギュっと濃縮されている馴染みの干し野菜です。また、干し芋の表面に付いている白い粉は、アミラーゼが活性化して糖類になったものなので、より甘さを感じることが出来ます。水分が抜けることで、野菜によって今までにない食感、歯ざわりを楽しむことも出来ます。また、日光にあたることで栄養素が増えるものもあり、同じ量の生の野菜よりも多く食物繊維をとることができます。
干し野菜の作り方
説明するまでもありませんが、野菜を洗い水気を取り、野菜を適当な大きさに切ってザルなどに入れて天気の良い日に風通しの良い場所に干すだけで簡単に作れます。水分が抜けると小さくなるので少し大きめに切ると良いです。曇りや雨が続き湿気の多い時期はカビが生えやすいので向いていません。また夕方以降は湿度が高くなるので室内にて保管します。
どれくらい干せばいい?
野菜によりますが、2~5日くらいかけてカラカラに乾燥させると日持ちが長くなります。基本的には戻してから調理します。半日程度干して半干しにした場合はそのまま調理できますが、水分が抜けきれていないものは腐りやすいので、早めに食べるか冷蔵庫で保存します。
干し野菜は何の野菜でもOKですが、アボカドのように油分が多い野菜は干し野菜には向いていません。最近じゃがいもを干してみたら、色が黒く変色してしまったのでじゃがいももあまりおすすめではないです。葉物はカラカラに乾燥させてしまうとバリバリになり、粉々になってしまうので半干し程度がよいです。僕のおすすめは「きゅうり」と「もやし」です。
もやしとキュウリがおすすめ
もやしとキュウリは、冷蔵庫に入れっぱなしで腐らせてしまいがちな野菜ランキング上位の野菜です。もやしは食感が“シャキシャキ”から“ザクザク”へ、キュウリは歯ごたえが出るので炒め物に最適です。
初めて食べたときはビックリします!
干し野菜は、何にでも使えて万能ですが、おすすめはお味噌汁です。干し野菜を好きなだけ入れ、水で煮て、味噌を溶いたら出来上がり。野菜からダシがでるので、ダシを入れる必要はありません。
干し野菜は皮ごと干しても気にならないので、皮や皮の近くにある栄養も逃すことなく食べることができます。干し野菜は水分が減った分カサが減り、よりたくさんの量の野菜が食べやすくなり、カサが減ったことで収納の場所も取らないのでおすすめです。
炊き込みご飯にいれたり、カレーにいれても野菜からダシがでるのでおいしいです。干し野菜は甘みを強く感じ、味付けも少なくてすむので、生活習慣病予防にも最適です。また、皮ごと干せるのでフードロスにもなり、時短調理にもつながり、野菜の保存期間も伸びるので、防災食としてのローリングストックもおすすめします。
干し野菜を冷凍するとさらに保存期間が延びる
『干し野菜』をジップロックに入れて冷凍すると、保存期間がもっと延びます。水分が抜けているので、冷凍しても固まらず、使いたい分だけを取り出しやすいので、とてもおススメです。
忙しい朝などは干した野菜を冷凍庫からちょっとづつ取り出し、お味噌汁にすると、野菜も沢山採れるし、簡単に出来るのでおすすめです。野菜からだしが出るので、だしは入れず味噌だけで美味しいお味噌汁の完成です。減塩にもなります。
野菜をとろうキャンペーン
1日の野菜摂取量の目標は350g*1ですが、現状は約290g*2であり、あと60g足りていません。
※1:「厚生労働省 健康日本21」が推奨する1日の野菜摂取目標量は、350g。
※2:平成22年~令和元年国民健康・栄養調査(厚生労働省)での日本の1人当たりの平均野菜摂取量は約290g。
カゴメ株式会社では、2020年1月より、日本の野菜不足をゼロにすることをめざし、「野菜をとろうキャンペーン」を開始されました。緒方湊はその趣旨に賛同し、カゴメ株式会社と一緒に日本の野菜不足ゼロを目標に、活動しています。