甚五右ヱ門芋(じんごえもんいも) 山形県真室川町 最上伝承野菜
2024.10.10
甚五右ヱ門芋(じんごえもんいも)は山形県最上郡真室川町の佐藤家のみで育てられている一子相伝の里芋です。一般的な里芋に比べ、皮が薄く、細長い形をしています。茹で上がると、とても柔らかくふわふわ、とろっとした食感で、里芋とは思えないなめらかさが特徴です。
目次
真室川町について
真室川町の人口は約6,600人で、山形県最北部に位置し、古くから林業の町として栄えてきました。真室川音頭などをご存じの方もいらっしゃるのではないでしょうか。ニラ、ねぎ、雪うるい、原木なめこ、伝承野菜などが特産品です。伝承野菜としては、「甚五右ヱ門芋」や「勘次郎胡瓜(かんじろうきゅうり)」「とっくりかぶ」、「からどり芋」、「最上かぶ」、「地かぶ」などがあり、在来種(伝承野菜)が多く残っています。真室川町は特別豪雪地帯に指定されており、11月下旬から3月末までは雪に囲まれています。2月には「ホワイトアスロン」という雪上イベントが人気です。
僕は2020年に初めて真室川町へ訪問し、真室川あさひ小学校での出張授業、翌2021年に「食の教育大使」に就任しました。2022年に講演「伝承野菜って面白い」、以来、年に3回「おいしいふるさと給食」のメニューを考案しています。
生産者 佐藤春樹さん
室町時代から続く農家の20代目。甚五右ヱ門芋は、佐藤春樹さんのお父様方の家で毎年栽培されていた里芋に気づき、あまりにも美味しいことからサラリーマンを辞め、専業農家に転身。2017年からはお母さま方の果樹園を継承し、「リンゴリらっぱ」を設立、加工用に特化した約50種のリンゴ栽培をされています。2022年に有機JAS認証を取得。
甚五右ヱ門芋とは
土垂、石川早生、セレベス 、海老芋など里芋の品種名を聞かれたことあるかと思います。でも「甚五右ヱ門芋」という品種は調べても出てきません。それは佐藤春樹さんが名付けたブランド名だからです。もともと家族が食べる分として、20株程度の里芋を毎年栽培、種芋を残してきました。その里芋の美味しさに気づいた佐藤春樹さんが少しずつ栽培量を増やし流通することで、僕たちも食べることが出来るようになりました。「甚五右ヱ門」というのは、佐藤家の初代の方の名前にあやかり、甚五右ヱ門芋と名付けたとのことです。種芋を冬越しする方法は一子相伝で門外不出。