2024年12月8日 朝日新聞「食文化創造都市」10年で記念イベント 鶴岡の魅力を発信

2024.12.08

山形県鶴岡市のユネスコ食文化創造都市認定10周年を記念するイベント「つるおかふうどフェスタ」が7日、同市内の結婚式場グランドエル・サンであり、多くの人でにぎわった。

鶴岡市は2014年12月、在来作物や郷土食が数多く継承されていることや、出羽三山の精進料理が評価され、国内初のユネスコ食文化創造都市に認定された。

イベントでは、鶴岡の食文化を支える料理人と研究者が「食文化創造都市10年の軌跡 過去、現在、そして未来へ」をテーマに語り合った。アル・ケッチァーノの奥田政行シェフ(55)は「鶴岡はローカル野菜もあって、食材のバリエーションはおそらく世界一。生産の後継者をつくるため、なるべく高く買い、プロデュース店を増やして多く使った」などと話した。山形大の江頭宏昌教授(60)は「在来作物は使いこなすのが難しいが、奥田さんのおかげで、イタリアンという場で新しい可能性をもった食材として花開いた。それが鶴岡の在来作物の価値を引き上げるきっかけになった」と指摘した。

最年少で野菜ソムリエプロになり、真室川町の「食の教育大使」も務める緒方湊さん(16)=横浜市=も講演。在来作物のクイズを出して会場を盛り上げ、「在来作物はその土地にしかなく、味の個性が強いのが強み。鶴岡はその数がすごく多いし、僕も応援したい」などと語った。

イベントでは、海外各地のユネスコ食文化認定都市のシェフらによる料理の実演と振る舞いのほか、鶴岡の食材を使った料理や加工品のブースも並び、来場者に人気だった。

エプロン姿で在来作物の魅力を語る野菜ソムリエプロの緒方湊さん=2024年12月7日、山形県鶴岡市 <朝日新聞より>