目次
柿を選ぶ
色が均一のものを選ぶ
ムラなく均一にヘタの近くまで色づき、皮にハリがあるものを選びましょう。柿の種類によって「赤さ」は異なりますが、同種のものを比較するならより赤づいているもの、大きいものの方が美味しい柿の可能性が高いです。ツヤに関しては一概には言えません。白く粉を吹いたようになっているものはブルームと言い、ブドウなどでも見られるように完熟した果実によく見られる自然現象なので、付いていた方が良い物もあります。
柔らかすぎるものは避けましょう
かたすぎず柔らか過ぎないものが理想ですが、かたいものは時間が経てば柔らかくなりますので、柔らかすぎるものを選ばないようにしましょう。しっかりと実の詰まったものはずっしりとした重みを持つので、スーパーなどで選ぶときは同じぐらいの大きさのものを手に取り比べてみるとよいですよ。
柿を横から見てチェック
通常ヘタは4枚付いていますが、熟す前にヘタが一枚でもかけると実が育たずに十分な大きさになりません。柿が十分に大きく育つとヘタと実との隙間がなくなりますので、軸が真ん中にあり、ヘタが緑で生き生きとし、ヘタと実がぴったりくっついている柿を選びましょう。
柿を保存する
ヘタの部分にちょっと工夫をすると…
市場流通している渋柿の多くは、アルコール脱渋加工と炭酸ガス脱渋されていて、15~20度で1週間~10日間位保存が出来ます。まだ熟していない場合、常温の冷暗所で保存します。乾燥しないように新聞紙などで一つ一つ包んで保存すると良いです。柿は常温で置いておくと、エチレンガスを出しながらどんどん柔らかくなります。どんどん熟してドロドロになっていきますので、熟している柿も冷蔵保存が向いています。柿はそのままの状態で冷蔵庫に保存すると、多少は柔らかくなるスピードが遅くはなるのですが、水分が抜けてしまうこともあります。柿はヘタの部分で呼吸し水分が蒸発していきますので、保存する時に、ティシューや折りたたんで濡らしたキッチンペーパーを、柿のヘタの部分にあてて、そのままひっくり返しヘタの部分を下にした状態、ヘタが湿らせたティシューに乗っている状態で一つ一つビニール袋に入れて、冷蔵庫に入れておきます。ビニール袋に入れるのは、柿からエチレンガスが出ているので、他の野菜や果物が熟すのを抑えるためということと乾燥を防ぐためです。
柿に含まれるビタミンA・Cが皮膚や粘膜を丈夫にして肌の健康を守ります。βカロテンは油とともに吸収率がアップするのでサラダにしてドレッシングをかけるのもおススメです。
柿のやさしい甘さが口に広がるタルトです。旬の味わいを楽しむことができます。
熟れすぎてしまった柿を使ったレシピとしてもおススメの「柿のコンフィチュール」。砂糖を加えなくても甘みが強いですよ。「渋戻り」には注意しましょう。
「柿が赤くなると医者が青くなる」この言葉通り、柿には栄養がたっぷりと含まれています。元々の栄養価が高い柿を干し柿にすると、さらに栄養豊富になりますよ。
柿の豆知識
黒い斑点は甘い証拠
“Kaki”という言葉は万国共通で、学名も〔ディオスピロス・カキ〕といい、”神から与えられた食べ物”という意味が有るほどです。 現在、日本にはおよそ1000種以上の柿があります。しかしそのうち、700種あまりが「渋柿」です。渋柿は「干す」ことによって渋味が抜けます。これは渋味の成分であるタンニンが、干すことによって姿を変え、実の中にある「黒い斑点」になって渋味を感じなくなるためです。「甘柿」も最初は渋味がありますが、熟す過程で自然とタンニンが変化するため、干さなくても美味しく食べられます。ちなみに柿は奈良時代には栽培されており、当初はすべて渋柿でしたが、鎌倉時代に入って甘柿が誕生し、江戸時代以降、品種が増えました。
甘柿と渋柿の差
甘柿は樹上で甘くなり、収穫後はそのまま食べられます。果実が成熟する秋に気温が低いと、完熟しても甘くはならないので、関東地方より西の温かい地方で栽培されることが多いです。渋柿は日本に古来よりある柿で、渋みの素のタンニンが含まれているため、収穫したものをそのまま食べることはできません。「渋抜き」って聞かれたことがあると思いますが、お店に並んでいる渋柿は渋抜き処理をして甘みを引き出したものです。
頭(葉っぱがある方)の部分と、お尻の部分では、どちらが甘いでしょうか?
正解はお尻の部分です。種のまわりとお尻が一番甘いので、縦割にすると均一の甘さで食べることができます。
実だけではなく、葉も
奈良や和歌山に「柿の葉寿司」がありますが、柿の葉には抗菌作用や防腐効果があるので、葉でお寿司をくるんでお寿司の保存に役立てています。柿の葉は抗菌作用や防腐効果だけじゃなくて、葉にもビタミンCが多く含まれています。柿の葉に含まれるビタミンCは「プロビタミンC」と呼ばれビタミンCになる一歩手前の状態で熱に強く壊れない事から「柿の葉茶」としても有名です。また、ヘタを煮詰めた煎じ汁はしゃっくりを止める効果があるといわれ、しもやけ防止にも効果があるといわれています。
柿の種
柿にタネはいくつあるか分かりますか?柿の実の場合、完全に授粉してタネが入ると8個の種が入ります。実際にはそこまで数多くの種が入ることはまれです。種が入ることで、生理落果(柿の実が大きくなる前に落ちてしまう現象)を起こしにくくなったり、柿が大きくなるなど良い面があります。 品種によっては「平核無(ひらたねなし)」のように種が途中で退化して無くなってしまうものもあります。
【星霜柿(ほししもがき)】茨城
茨城県常陸太田市のブランド柿「星霜柿(ほししもがき)」。星霜柿は、星光る星が霜をまとったような横断面と、パリパリとした食感が特徴の柿です。樹の上で渋を抜く「樹上脱渋」を行っているので中に黒いゴマが入るのが特徴です。一般的な柿と大きさを比べてみると、星霜柿の大きさが目立ちます。
【太天】 愛媛
とても大きな柿です。名前も「天から授かった、素晴らしい、大きな果実のカキ」ということで「太天」と名付けられました。完熟の状態で食べたので、果肉が滑らかでとてもジューシーでした。糖度は17度と、とても甘い柿なのですが、くどい甘さではないので、後味はスッキリです。
【江戸柿】奈良
地域によっては 蜂屋柿や富士柿などと呼ばれます。半分に切ってスプーンですくって食べました。トロッとしていてとても甘く、果汁が多いです。
【禅寺丸柿(ぜんじまる)】(王禅寺丸柿)
禅寺丸柿は川崎市麻生区原産の柿で、日本最古の甘柿の品種です。柿生(かきお)という地名の元となった柿です。熟すと果肉に茶色いゴマがたくさん入った状態で、とても甘い柿です。ひび割れのような筋の「条紋」は完熟して糖度が上がっているサインです。
【天下富舞 】岐阜
高糖度の「新秋」と、サクサク食感の「太秋」を掛け合わせた柿で、厳選され基準クリアしたものが「天下富舞」です。「天下人」「大将」「武士(もののふ)」と3つの等級に分けられています。僕は「武士」しか食べたことはありませんが、充分甘くてフルーティーで濃厚な柿です。
【秋王】
秋王は糖度が18度もあり濃厚な甘さでサクッとしてるのにジューシーでした。
【愛秋豊】
糖度は13度でしたが、カリッとして濃い甘味です。これは毎年食べたいと思う柿です。
【クイーンパーシモン】
糖度は16度で、水分が多かったです。
【甘秋】 神奈川県産
農研機構が開発。「新秋」に「18-4(富有×興津 16 号)」を交雑して育成した早生の完全甘柿です。 名前の通り、甘味の強い柿でした。
【新秋】 神奈川県産
農研機構開発の完全甘柿。完熟すると果汁が多くなるため、食味 が非常に良い、とありました。食べたものはまだ少しかためでしたが、サクサクとした食感とみずみずしさがあり、甘味も強かったです。 新秋、早秋、甘秋、太秋、貴秋、愛秋豊、秋王… 柿は秋がつく品種が多いですね。
【伊豆】 神奈川県産
本日の柿は「伊豆」柿。農研機構開発の早生の完全甘ガキ。甘みが強く、果汁もわりと多く、何より果皮がキレイなオレンジ色でした。静岡のオリジナル品種のような名前ですが、主な産地は福岡県だそうです。
【シンデレラ太秋】 熊本県益城町
独特のサクサクとした食感で、強い甘みがあり果汁が多く、ジューシーな太秋柿です。シンデレラ太秋柿はハウスの中で育てられており、柿の木をいじめ抜くことで糖度20度前後の強い甘さが生まれるそうです。
【柿12号】 神奈川産
富有柿と伊豆柿の掛け合わせですが、ヘタの部分に隙間ができる為、品種登録されず、市場にも出回ることがないそうです。とっても甘くサクサクとして、みずみずしい柿でした。
アレンジ調理
焼き柿
焼き柿は、オーブントースターで、トロトロになるまで焼いただけですが、トロットロで、甘〜い‼
はちみつでもかけたような甘さです。しっかり焼くと皮もツルッと剥けて試してみる価値ありです。
気付いたら柿が熟し過ぎていた・・・
そのような場合、おすすめは「柿プリン」です。熟し過ぎた柿の実と牛乳をミキサーにかけ、レンジでチンするだけです。
柿に含まれている「ペクチン」が牛乳の「カルシウム」に反応してゼラチンの代わりになり、固まります。レンジで加熱せず、ミキサーにかけたものを冷蔵庫で冷やすと“なめらか柿プリン”になります。
上の「柿のフルコース」写真の中段に写真があります。ぜひお試しください。
ペーパーが乾いてしまうと追熟が進みますので、ティシューやキッチンペーパーは定期的に濡らしましょう。