ショウガ(生姜)
2020.10.03
時期
9 月~10 月 露地栽培 新ショウガ
12 月~2 月 露地栽培 根ショウガ
5 月~8 月 ハウス栽培 新ショウガ
主な産地:高知県、熊本県、宮崎県、千葉県
目次
ショウガを選ぶ
新ショウガも根ショウガも表面のツヤとハリをチェック
新ショウガは、色が白っぽくツヤがあり、茎の切り口付近がきれいな紅色の物を選びます。白い部分との色合いがハッキリしているものが良いです。皮に傷やシワがないかも要チェックです。根ショウガは、表面にツヤとハリがあり、皮に傷がなく、出来るだけふっくらと大きな塊の物を選びます。小さく細い物は繊維質が多いので避けます。切り口がしなびていたり、変色しているものは避けますが、乾燥している場合でも切り口を薄く切ればまだ使うことが出来ます。
新ショウガと根ショウガの違い
「新ショウガ」は収穫してすぐに出荷するもの、2~3 ヶ月寝かせて、色づかせ、辛味を増したものが「根ショウガ」になります。露地栽培の新ショウガの旬はショウガの収穫時期ですので、9 月~10 月頃です。ハウス栽培の新ショウガの旬は 5 月~8 月頃になります。「葉ショウガ」は根茎がまだ小さく柔らかいうちに葉が付いたまま収穫したもの。別名「谷中ショウガ」とも呼ばれ、一般的なショウガや新ショウガはショウガの分類で「大」の分類。谷中ショウガは「小」にあたります。
チューブ入りショウガ
価格が安くて、すりおろす手間が要らないことなんかを考えるとチューブ入りショウガは非常に重宝されます。ただ、一方でそれだけ安いということは原料となるショウガの原産地はおそらく国産ではなく、安い海外産などを使っていることが考えられます。またある程度の期間保存が出来るように、保存料や防腐剤などの添加物が使用され、チューブに本物のショウガのみが入っているのではなく、デンプンでかさ増しをしています。本物のショウガに勝るものはないです。とは言え、ちょっと料理に必要な時には便利なので、気になる方は添加物フリーのチューブ入りショウガを選ぶようにすると良いです。乾燥ショウガを常備しておくと、その都度ショウガをスライスしたり、すりおろす手間もなく便利です。粉末ショウガもありますよ。
ショウガを保存する
ショウガは 90%水分で出来ているので乾燥は大敵
そのままの状態のショウガの保存は、新聞紙かラップに包み、風通しの良い冷暗所で保存します。切ったショウガの保存はラップに包んで冷暗所で保存します。長期保存したい場合は、瓶やタッパーなどに水を張り、密閉して冷蔵庫で保存します。水は、3 日に 1 度くらいの割合で交換します。冷凍する場合は、皮を剥いてから輪切りにしたり、すりおろしたり、千切りにしたり、使いやすい大きさに切ってからフリーザーバッグに入れて薄く伸ばして空気をしっかり抜いて冷凍庫で保存します。ただし、冷凍すると体を温める効果は薄れます。乾燥ショウガは、体を温める効果が何倍にもなるため、健康に良いとされています。ショウガを洗い薄く輪切りにし、2~3 日天日干しし、密閉容器に乾燥剤と一緒に入れて常温保存します。
焼き魚などのあしらいとして添えられる甘酢漬けの葉しょうがを「はじかみ」といいますが、これは茎の端が赤いのが転じて「端赤み」になったという説があります。
新ショウガは一般的なショウガ(根ショウガ)と比べ、繊維はまだ柔らかく、心地いい歯ごたえを生かした梅酢漬けや甘酢漬けなど、保存食として親しまれています。
熱を加えることで身体を冷やす効果があるジンゲロールがショウガオールという成分に変化し、身体を温め、血管を拡張させ数時間かけてじわじわと温める効果に変わります。
ショウガの砂糖漬け(生姜糖)には冷え性、風邪による咳・のどの痛み、血行促進・便秘・などに効用があり、美肌効果、むくみ、疲労回復にも効果があります。
ショウガの豆知識
ショウガの皮
ショウガの皮を剥く時、包丁で剥くという方が多いのではないでしょうか。包丁や皮むき器を用いて皮を剥くと、厚く皮を剥いてしまうことが多くなり、皮の近くに多く含まれているジンゲロールという栄養素を捨ててしまうことになります。そのため本来は皮のまま使用した方が、ジンゲロールを有効的に摂取する事ができますが、皮が厚い部分は食感がよくないので…となります。そこで、包丁や皮むき器ではなく、スプーンを使ってみてはいかがでしょうか。包丁よりも手軽に簡単に皮を剥くことができ、薄く剥くことが出来ます。
すりおろした時に、おろし金にショウガの繊維がたくさん残る
すりおろした時に残る繊維を少なくするには、ショウガをおろし金に垂直の状態でおろしてください。そうするとショウガの繊維が切れるので、おろし金に残る繊維が少なくなります。
ショウガの皮に筋目(赤い点線)が見えます。ショウガのスジは、筋目に対して直角の方向に繊維(青い方向)が走っています。繊維に沿って切ると、シャキシャキ食感を残した切り方になり、繊維に対して垂直に切ると、繊維を断つのでやわらかな食感になります。お寿司屋さんでショウガのことを「ガリ」というのは、ショウガを切るときに“ガリ、ガリ”と音がするからといわれています。
家庭菜園におススメ
4 月頃になると種苗店やホームセンターで種ショウガが販売されます。大きなショウガの近江ショウガ、小さいですが辛みが強い谷中ショウガなどがあります。僕は一般的なショウガよりも肉質が黄色いので“黄ショウガ”とも呼ばれる「三州ショウガ」を育てています。ポット栽培も出来ますので、ぜひお試しください。
葉ショウガは、茎の付け根の部分の赤みが強く出ているものがおススメです。茎が太いと繊維質が多くなるので、あまり太くないものが良いですよ。
はじかみショウガ
色が赤くなっているのは、酢と合わさることで出る色素反応です。焼き魚に添えられていることが多いのは、焼き魚の次の料理を食べる前に、はじかみショウガを食べることで、口の中をリフレッシュし、味覚をゼロにリセットする役割もあります。