目次
アスパラガスの選び方
穂先を見よう
アスパラガスは穂先がピンとしていて、締まっている物を選びます。色も鮮やかな黄緑色の物が柔らかく美味しいです。穂先に「ハリ」がないアスパラガスは水分が抜け乾燥気味で鮮度がよくありません。また、ハカマと呼ばれる三角形の葉のようなものがあります。このハカマの数が少ない方が、柔らかく美味しいと言われています。ハカマの形がキレイな三角形であればあるほど、生育条件が良いアスパラガスです。
またアスパラガスの栄養は、穂先の部分に多く集まっています。疲労回復に有効なアスパラギン酸、毛細血管を強くする作用があるルチン、ビタミンACE(エース)と呼ばれるビタミンA、ビタミンC、ビタミンEなどです。また穂先には少し紫色の部分がありますが、ポリフェノールの一種であるアントシアニンがあります。
切り口を見よう
根もとのあたりまで張りがあり、切り口が変色しておらず、みずみずしく新鮮なものを選びましょう。しわっぽくなく、乾燥していないものを選ぶようにします。乾燥していると繊維にそってシワが目立ちます。
太さは?
品種にもよりますが細めより太くふっくらした方が柔らかく水分が多いです。太さが均一なものを選びましょう。アスパラガスの繊維の数は、アスパラガスが太くても細くても変わりません。細いアスパラガスは繊維を感じやすいので“筋っぽい”と感じることが多いです。極端に茎が細すぎたり、太すぎると、筋っぽいことが多いです。アスパラガスの茎は、太めのほうが美味しいですが、中には細い品種のものもあります。鮮度が落ちると、穂先の下のあたりが細くなり、全体的に曲がって味も悪くなり、筋っぽくなるので、できるだけ避けましょう。茎がかたくて太いアスパラガスは、そうでないものよりも新鮮である時間が長く、より甘さを維持できます。
【太いアスパラガス】
太さを活かした丸ごとグリルやサラダに向いています。
【細いアスパラガス】
オイル漬け、お浸し、ポタージュなどに向いています。
ハカマを見よう
ハカマは葉が退化したもので、ハカマとハカマの距離はアスパラガスの成長スピードを表しています。
● ハカマとハカマの距離が長い → 気温が高かったので成長が早かった
● ハカマとハカマの距離が短い → 気温が低かったので成長がゆっくり
ゆっくり成長していると、アスパラガスがかたくなってしまうことがありますので、ハカマの間隔が長いもの、つまりハカマの数が少ないものがおすすめです。
ハカマの形が正三角形のものは、鮮度が良く、良い生育条件で育ったアスパラガスです。アスパラガスを収穫してそのままにしておくと、正三角形だったハカマが二等辺三角形になってきます。やがて二等辺三角形になったハカマの裏から枝になるための芽が出て来ます。
ハカマは正三角形ということと、ハカマが茎にピタリとくっついているものがおすすめのアスパラガスになります。
アスパラガスの保存
立てた状態で冷蔵室で保存
時間が経つにつれてかたくなってしまうので、購入したらなるべく早く食べましょう。アスパラガスは葉物などと同様、冷蔵庫で保存する際には乾燥しないように袋に入れるかラップで包むようにして、できるだけ立てた状態で保存します。横にすると穂先が起き上がろうとしてエネルギーを消費してしまうため、鮮度が落ちてしまいます。コップや牛乳パックを切ったものなどに水を入れ、立てておくのも一つの方法です。その場合の水は毎日取り替えるようにしましょう。
アスパラガスの保存適温は3 ℃です。冷蔵室は0~5℃、野菜室は5~10℃の設定が一般的なので、野菜室よりも冷蔵室の方が保存にはおすすめになります。
冷凍保存する場合
アスパラガスを冷凍保存する場合は、さっと下茹でしてから冷凍します。茹で上がったら適当な長さに切り、ステンレスなどのバットに広げて一気に凍らせ、凍ってから保存バッグに移して冷凍しておきます。少しでも早く凍らせる事で組織内の氷の結晶を小さくすることで食感の劣化を抑えます。
アスパラガスは穂先の締りが大切、みずみずしいものを選びます。
根元の切り口に水分があり、きれいなものを選びましょう。
根の部分は表面が非常にかたいので、皮を剥くか切り落とします。
切り口に水を含ませたキッチンペーパーを当て、乾燥しないように、ラップやビニール袋で包み、穂先を上にして、立てて冷蔵庫で保存します。
アスパラガスの豆知識
意外に歴史のある野菜です
比較的新しい野菜のイメージを持たれがちですが、日本に入ってきたのは江戸時代。意外と歴史のある野菜なのです。
アスパラガスはどこになっているかご存じですか?
土の中から「つくし」のように生えているのか? 木の枝になっているのか? 「ニンジン」のように土の中にできているのか?正解は「つくし」のように土の中からニョキっと生えています。僕たちが食べているのは土から顔を出した若芽の部分です。アスパラガスは食べられるようになるまで 3 年以上かかりますが、その後 10 年は収穫が出来ます。
日本名は「オランダキジカクシ」
アスパラガスを収穫しないでそのままにしておくと、アスパラガスから枝が伸び、細かい葉のようなもの(仮葉)をつけた背丈1.5メートルほどの低木になります。「キジが隠れることができるほど生い茂る」ということからアスパラガスの和名は「オランダキジカクシ」と名付けられています。また、アスパラガスは漢字で書くと「竜髭菜」と書くのは、アスパラガスの葉が竜の髭に似ていることが由来だそうです。
ホワイトアスパラガス
スーパーには緑色のアスパラガスの他に、白いアスパラガスが並んでいたりします。この緑色のアスパラガスと白いアスパラガス、じつは同じ種類のアスパラガスって知っていましたか。色の違いは、育て方の違いなのです。緑のアスパラガスは他の野菜と同じように日光 (太陽)の下で育てていて、土の上に伸びた若芽を収穫しますが、白いアスパラガスは日光に当てないようにして、遮光のハウスの中や土を盛って日が当たらない様に育てます。そうすると光合成が出来ないので、色が白く育ちます。
北海道がアスパラガス生産量トップの理由
かつて欧米ではグリーンアスパラガスは少し青臭いということで、ホワイトアスパラガスの方が人気でした。大正末期、北海道で日本最初のアスパラガスの栽培がはじまり、海外輸出用(缶詰)にホワイトアスパラガスの栽培がはじまりました。最初は欧米で、北海道産のホワイトアスパラガスの缶詰が人気でしたが、安価な中国産に対抗できずに、だんだん生産が減少しました。同時期に、海外からの野菜(緑黄色野菜)ブームが起こり、ホワイトアスパラガスを栽培されていた農家さんが、日本国内向けのグリーンアスパラガス栽培に変更していったので、今でも北海道がアスパラガスのシェアトップです。
ちなみにグリーンアスパラガスも缶詰にしたようですが、缶詰にするとグリーンの色が褪せて美味しそうに見えないことで、流行しなかったようです。
アスパラガスに「オス」と「メス」がある?
アスパラガスには「オス」と「メス」があります。「オス」のアスパラガスは繁殖力が強いので、収穫量も多く、市場に出回っているアスパラガスの大半は「オス」なので、普段食べているのはほとんどが「オス」だと思っても大丈夫です。「オス」と「メス」の見分け方は、穂先がキュッと締まっている、閉じているものが「メス」で、穂先に隙間がありバラバラと膨らんでいるように見えるのが「オス」と云われています。「メス」はその分 1 本 1 本に栄養素が多く分配され、甘みや旨みが凝縮しています。栽培されている場合、「メス」は花が咲いた後に小さな丸い実が付くので、確認することが出来ますよ。
グリーンアスパラガス
もっとも一般的な緑色のアスパラガスです。甘みがあり、歯ごたえもあります。
ホワイトアスパラガス
芽が出る前に土を盛り、または遮光し、日に当てずに栽培したもの。やわらかくてほんのり甘いのが特徴です。
紫アスパラガス
アントシアニン系の色素を多く含む鮮やかな紫色の品種です。色を活かして生食で食べるのがおススメです。茹でると緑色になります。
ミニアスパラガス
グリーンアスパラガスを若いうちに収穫したものです。10 ㎝くらいで細くてやわらかいです。
アスパラソバージュ
“アスパラ~”と呼ばれていますが、一般的なアスパラガスとは品種が異なります。アスパラガスと似た様な穂が付いているので“アスパラ~”と呼ばれています。
さぬきのめざめ
大きいもので全長 50 ㎝。一般的なアスパラガスの 2 倍以上の長さです。このアスパラガスは春のめざめが早く、1月から収穫される品種です。
また、成長しても穂先が開きにくいというのが特徴で、そのため、通常の2倍まで伸ばしても収穫が出来ます。 硬そうと思うかとしれませんが、柔らかくてジューシーで、甘いのも特徴です。
春野菜の鮮度を保つ保存方法 アスパラガス編