ほうれん草? 小松菜? 同じに見える?

2020.11.28

人気者のほうれん草、不人気の小松菜?

同じ葉野菜でもほうれん草は人気がありますが、小松菜はもう一つ人気がない野菜です。
ほうれん草は栄養価が高いことはよく知られていますが、小松菜は…って思っていませんか?
実は小松菜はほうれん草とならぶ緑黄色野菜の代表野菜で、ほうれん草をも上回る栄養をもっています。

小松菜の栄養はどれくらいスゴイのか?

小松菜はカロテン、ビタミンC、ビタミンB群、ビタミンE、カルシウム、鉄、リン、食物繊維などを豊富に含んでいます。
皮膚を強くしてくれるカロテン=ビタミンAはほうれん草より多く含み、特にカルシウムは、ほうれん草の3.5倍以上あります。
そして小松菜はほうれん草に比べるとアクが少ないので、生でも食べることができます。

生で食べることができるだけで、どうしてほうれん草に勝っているのか?

それはビタミンCです。小松菜はレモン(果汁、生)にも匹敵する量のビタミンCをもっています。

ビタミンCは熱に弱いため、生で食べることができる小松菜はビタミンCを流出させることなく摂取することができるのです。

でも生で食べるのは抵抗がある……という方は、油でさっと炒めて下さい。

油で炒めることによってビタミンCの流失を防ぎ、ビタミンAの吸収力もアップできます。

小松菜に含まれるビタミンCは熱に弱く、水溶性のため、茹でてしまうとビタミンCが外に溶け出してしまいますので、栄養素を効率良く摂取するにはスムージがおススメです。
小松菜だけだとちょっと・・・なので、僕のおススメは小松菜とりんご、人参のミックスです。飲みやすくなりますよ。

小松菜を選ぶ時のポイント

緑色が濃すぎるものは避ける

葉物野菜ですので、葉の緑色が鮮やかで、葉そのものが肉厚でみずみずしくピンと張っているものがおススメです。
葉脈が発達しすぎていると固く歯ざわりが悪いです。根が長く伸びているものは、生育のよいものですのでおススメです。

名付け親は八代将軍吉宗

東京都江戸川区の小松川地区で作られていた「小松菜」ですが、八代将軍吉宗公の鷹狩りの際に献上されました。
それを吉宗公が大変気に入られ、吉宗公がこの野菜を小松川地区の土地名にあやかり「小松菜」と名付けたといわれています。
当時から江戸庶民に親しまれていた野菜です。

小松菜の仲間

小松菜が江戸から各地域へ伝わり、群馬の武州寒菜(ぶしゅうかんな)、新潟の大崎菜、熊本の黒菜など各地域の気候に合った小松菜が生まれました。
現代ではチンゲンサイと交雑させて茎を太く改良し、自立型のシャキッとした小松菜が一般的となっています。

熊本伝統野菜の黒菜

保存は葉先を上にして立てた状態で冷蔵庫の野菜室に。

葉野菜は、乾燥に弱く収穫したらすぐにしなびてしまいます。

小松菜も買ってきた状態のままにしておくと、1〜2日程度でしおれてしまいますので、できるだけ早く使いましょう。

保存する場合は、湿らせた新聞紙やペーパータオルで包み、ビニール袋に入れて乾燥しないようにし、葉先を上にして立てた状態で冷蔵庫の野菜室に入れて保存すると2-3日程度はもちます。冬場であれば、常温保存も可能ですが、暖房の効いていない冷暗所で保管するようにしましょう。
冷凍する場合、水洗いし水分をしっかりふき取り、食べやすい長さに切ってジップロックなどに入れ、空気をしっかり抜いて冷凍保存します。

小松菜

ほうれん草

ほうれん草と小松菜、似ていますが、茹で方は異なります。

2つの野菜に共通していることは、茹でる前に根元を水に浸すことです。

野菜は収穫後、時間が経つと野菜から水分が抜け、しなしなにしおれます。

洗った後、茹でる前に15分程度冷水に浸すと、活き活きとした野菜に戻ります。

 

次にたっぷりのお湯で短時間茹でるのですが、ほうれん草は沸騰したお湯で、小松菜は沸騰したお湯ではなく、コップ1杯の水で少し温度を下げたお湯で茹でます。

長時間茹でると、しなっとして歯ごたえがなくなり、エグミも出て来ますので、茹でる時間は短時間にしましょう。

ほうれん草はアクがあるので、茹で上げたら冷水に浸けてザルにあげましょう。

小松菜

時期:12 月~2 月 主な産地:埼玉県、東京都、神奈川県

小松菜は食べやすく育てやすい

関連する記事