オカヒジキ

2020.12.30

時期:4-5 月
産地:山形県、秋田県、長野県

オカヒジキを選ぶ

オカヒジキはヒジキの仲間?

オカヒジキは名前に「ヒジキ」と入っていますが、海藻ではなく野菜です。多肉質の葉が海藻のヒジキに似ており、陸上(おか)に生育することからこの名が付けられました。漢字では「陸鹿尾菜」と書き、「陸の海藻」とも呼ばれ、別名「水松菜(ミルナ)」ともいいます。シャキシャキとした食感が特徴で、カロテンやカルシウムなどが豊富に含まれています。

天然のオカヒジキは絶滅が危惧されています

オカヒジキはアカザ科オカヒジキ属の一年草で、日本全国の日当たりの良い海岸の砂浜等に自生していますが、近年では天然の物は各地でその数が減っているため、流通しているものの大半は栽培物です。栽培には露地栽培とハウス栽培のものがあり、山形県で長野県や静岡県、千葉県など広い地域で栽培されています。

全体に大きく成長しすぎたものはかたくなっているので NG です

葉や茎にツヤがありピンと張っているものを選びましょう。葉は全体的にみずみずしい緑色のもので、株は小さめで育ちすぎていないものを選びましょう。オカヒジキは若い芽の部分が美味しく、育ち過ぎるととてもかたくなります。全体に黄色みを帯びている物は鮮度が落ちている場合が多いので避けるようにしましょう。

オカヒジキを保存する

鮮度がよいうちに、なるべく早めに消費することが一番です

オカヒジキは乾燥に弱いので、ラップやビニール袋にいれ、しっかりと密閉して、冷蔵庫で保存してください。しなびれてしまうと風味や食感が悪くなります。

シャキシャキとした食感が身上なので、ゆですぎないようにご注意ください。炒め物にもぴったりです。

下茹でしたものを胡麻和えやおひたしなどに。山形県では辛し和えが一般的です。

カリウムの含有量はずば抜けていて、むくみの解消に期待できます。特にβ-カロテンが豊富なのでアンチエイジングに期待できます。

貧血予防、髪や皮膚の美しさを守る効果など、ビタミンだけでなくミネラルも豊富な今、注目の野菜です。

オカヒジキの豆知識

オカヒジキは山形県の伝統野菜

オカヒジキは東北地方などでは古くから食用として自然に浜などに生えているものを採っていました。江戸時代初期には栽培が行われていたようで、庄内地方の浜で採れた種が船で最上川を上り、船着き場の砂塚村(現在の山形県南陽市)で植えられ、発祥の地となったとされています。オカヒジキは花が咲くと葉が固くなってしまうので、路地栽培の旬は 4 月から 5 月の若葉の時期となりますが、ハウス栽培のものは花を咲かせないように管理しているため、通年で店に出回っています。また、イタリアの高級食材で知られるアグレッティとよく似ていて、同じアカザ科の植物ですが別属にあたるようです。栽培している他の野菜には害虫などが付いたりしますが、オカヒジキには虫が付かないので、無農薬栽培されています。かつて認知度はそれほど高くなかったのですが、最近では栄養価の高い食材として認識され、スーパーなどでもよく見かけるようになりました。

家庭菜園で

プランターでも手軽に栽培できます。

乾燥が苦手なので、土の表面が乾いたら水やりをすることを忘れないようにすれば大丈夫です。株元を数 cm 残して食べる分を収穫すると、切ったところからわき芽が出て、また生長しますので、複数回の収穫が可能です。草丈が 15cm 位になると花が咲き始め、全体的にかたくなるので、その前に収穫しましょう。最近ではスポンジを使った水耕栽培でも栽培されています。

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