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アカムツ(ノドグロ)を選ぶ
まず鮮度が大事な魚です!
まず特徴の一つである大きな目を見ましょう。澄んでいて綺麗なものが新鮮な証拠です。
身を触った時に張りがあるもの、エラ蓋を持ち上げて、エラが鮮やかな紅色をしているかチェックできれば完璧です。
アカムツ(ノドグロ)は大きいものほど脂質の割合が高くなりますが、小さくても鮮度が良ければ脂も乗り美味しい魚です。
アカムツ(ノドグロ)を選ぶ上では、鮮度が絶対条件です。
「アカムツ」よりも「ノドグロ」が有名
標準和名は「アカムツ」ですが、口を開くと喉の部分が真っ黒なため、「ノドグロ」と呼ばれる方が有名です。
喉は黒いですが身は白く、白身魚とは思えないほど脂が多く「白身のトロ」とも呼ばれています。
東のキチジ(キンキ)、西のアカムツ(ノドグロ)と赤い魚の高級魚として対比され、アカムツ(ノドグロ)は「日本海の赤い宝石」とも呼ばれています。
「ノドグロとかあったら食べたい」
2014年、全米オープンテニスで準優勝という快挙を成し遂げた錦織圭選手(島根県出身)が、帰国後のインタビューでこう語ったことが話題になり、ノドグロという名が一気に全国区へ。
島根県浜田市では「ノドグロ」の名前で市の魚にも指定され、8月から翌年5月までの間に特定の漁船で漁獲されたノドグロを「どんちっちノドグロ」としてブランド化されています。
アカムツ(ノドグロ)のおいしい食べ方
刺身は焼霜造りで皮のうまさを堪能
刺身、塩焼き、煮付け等何で食べても美味しい魚ですが、特に煮付けにすると、身がトロトロして、脂の乗りを実感できる食べ方です。濃い目の味で味付けした方が、美味しく感じると思います。ご飯が欲しくなりますよ。
煮付けを少し脂っぽいと感じるならば、塩焼きにするとよいです。焼くことにより余計な脂が落ち、焼いた身の食感がフワフワとして美味しいです。
ノドグロを焼く際には、皮目をしっかりと焼きましょう。皮目に焦げ目がつくことで、ノドグロの脂が旨味に変わります。
刺身の場合は、身が柔らかいので食感よりも味を楽しむように、薄造りで食べるのがおススメです。皮を残して焼霜造りにすると、焼き目が入ることで脂が出て、皮目のうまさが際立ちます。
塩焼きにすると旨味が凝縮され、脂の美味しさを実感できます。皮が美味で、焼くと甘みが増します。
普通の刺身にしても美味しいですが、アカムツは皮目が本当に美味しいので、皮を生かす「焼霜造り」で食べるのもおススメです。
白身魚なのにトロにも匹敵する濃厚な脂の乗り、白くふんわりとした身は干物にしても美味しく頂けます。
「白身のトロ」と言われるだけあって、身と皮の間にある脂が溶けて流れだし、ご飯に絡むのが非常に美味です。
アカムツ(ノドグロ)は深海魚ですよ!
アカムツは、クロムツやムツと同じ種類と誤解されることが多いですが、ムツ科ではなく、スズキ目スズキ亜目ホタルジャコ科アカムツ属に属します。
水深 100~200m くらいの深海(小さな頃は水深100m、大きくなると200m前後の水深)に生息します。
ノドグロ(ノドクロ)と言われているように、ノドの奥が黒いのですが、深海(水深200m以上)に生息する魚の中にはノドから腹にかけて黒い魚がいます。
理由は解明されておらず諸説ありますが、「外敵から身を守るため進化として黒くなった」というのが有力のようです。光の届きにくい深海では、捕食のために発光体を持った魚が多くいます。
アカムツなどはそのような魚を捕食するのですが、捕食した後もしばらく発光している場合があるので、体に黒い膜(腹膜)を張ったと考えられています。
もし、発光しているエサが体内で光っていたら、アカムツよりも大きな魚に逆に捕食のターゲットとなってしまうからです。