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ミョウガを選ぶ
ミョウガの煮汁はしもやけに効く?!
独特の香りとシャキシャキした食感が魅力のミョウガは、冷や奴やそうめんなどの薬味に欠かせない野菜です。ほんの少量添えるだけで食材の生臭さや油っこさを和らげ、香りで食欲を増す効果があるといわれています。夏バテ防止や風邪の予防などの効果があることで知られていますが、ミョウガの煮汁は長ネギの煮汁同様、しもやけ治療の民間療法に用いられていました。香りが苦手な方は、ごま油などを少量使ったスープや炒め物の仕上げにさっと加え、香りを緩和させると美味しく食べることができますよ。
ミョウガは花のつぼみを食べている
私たちが食べているミョウガは、ミョウガの花のつぼみの部分です。地上に茂っている葉の部分ではなく、土中に伸びた地下茎から直接つぼみが出てくるのを摘み取ります。また、本来は地上に出ている茎の部分を、日光が当たらないよう土をかけて軟化させて育てたものを「ミョウガタケ」と呼び、白く細長い見た目は、タケノコに似ています。ミョウガよりも一足早く、春に出まわる食材です。
ミョウガを食べるのは日本だけ
中国のミョウガは主に漢方薬に使われ、食用に栽培しているのは日本だけです。高知ではハウスによる周年栽培が行われており、奈良では露地栽培での「花みょうが」が大和野菜に認定されています。ミョウガは先端の紅色が鮮やかで、ふっくらと丸みがあるものを選んでください。表面の紅色は、アントシアニンによるものです。ミョウガはアクを抜くために切ってから水にさらして使うことがありますが、アントシアニンは水溶性のため、切り口から流れ出てしまいます。有効成分を多く摂ることを考える場合は、水にさらすのはできるだけ短時間にしましょう。
ミョウガを保存する
できれば 1 個使い切るようにしましょう
ミョウガは乾燥しないように湿らせたキッチンペーパーで包み、ラップかポリ袋に包んで冷蔵庫の野菜室に入れておきます。数日持ちます。独特の風味とシャキシャキした食感は時間の経過とともに無くなってしまいますので、なるべく早く食べましょう。カットした物はラップでピッタリと包み、冷蔵庫に入れておきましょう。風味が損なわれるので、できればカットせず保存した方がいいです。食べる直前にカットする方が、ミョウガの風味を楽しむことができます。
普段食べているのはミョウガのつぼみの部分で、土中に伸びた地下茎から直接つぼみが出てくるのを摘み取ったものです。
冷汁には欠かせないミョウガ。血液の循環をよくする働きがあり、食欲増進、冷え症予防などに効果が期待されます。
さっと湯通ししてから酢に浸けると赤みが増し色鮮やかになります。刻んで大葉、しらす、ごま、海苔などをあわせて混ぜご飯にすると最高です。
酢漬けのみょうがと鱒を乗せた押し寿し「みょうが寿し」は 100 年以上の歴史がある富山市名物。
冷奴の薬味として。香りが食欲をそそります。
ミョウガの豆知識
ミョウガの香りをより楽しむポイントは「切り方」
ミョウガはタテに繊維が走っているので、その繊維を断ち切るように「ヨコに切る」と香りが引き立ちます。繊維に沿って「タテに切る」ようにすれば、シャキシャキした食感がいっそう楽しめます。ミョウガの香りは繊細で揮発性が高いので、使う直前に刻みましょう。刻み置きして時間が経つと風味は無くなってしまいます。アクを抜くため、刻んだ後にさっと水にさらします。香りが無くなるので、長時間さらさないようにしてください。
香り成分 αピネン(アルファピネン)
ミョウガのあの独特の香りは「α(アルファ)ピネン」という成分です。αピネンには神経の興奮を鎮めストレスを緩和する働きがあります。また食欲増進効果や発汗作用もあるので、夏に食べるのは理にかなっていると言えます。
最近では、ミョウガのあの独特の香りを嗅ぐと脳の活動が活発になることも分かりました頭をスッキリさせたい時、眠気覚ましに有効なようです。
茗荷谷
東京都文京区に、「茗荷谷(みょうがだに)」という地名があります。これは江戸時代に早稲田村(現在の新宿区早稲田鶴巻町)からこのあたりまで「早稲田ミョウガ」産地だったことが由来です。切り立った崖の下に清水が湧き、周囲でミョウガがたくさん採れたことが分かる文献や地図が残されています。
ミョウガ 冷や汁