家庭菜園をされている方、ぜひ注目してほしい点があります

2021.06.06

家庭菜園で人気のある野菜「きゅうり」「ゴーヤー」。
普段、あまり気にして見る人は少ないと思いますが、植物の「生きる知恵」が垣間見える部分に注目です。

きゅうりの巻きひげ

インゲンのようにマメ科の植物や、きゅうりやゴーヤーなどのウリ科の植物には細いつるのようなものがあります。
この細いつるのようなものには名前があり、「つる(蔓)」「巻きひげ」の2種類があります。

アサガオは「つる」、きゅうりやゴーヤーは「巻きひげ」と区別されています。
ちなみにマメ科のインゲンは「巻きひげ」なのですが、“つるなしインゲン” “つるありインゲン”と分かりやすいように名前が付いています。
本当ならば“巻きひげなしインゲン” “巻きひげありインゲン”なのですが(笑)

「つる」と「巻きひげ」の違いは?

「つる」は茎が変形したもの、「巻きひげ」は葉が変形したものです。
きゅうりの「巻きひげ」の正体は『葉』だったのです。

「巻きひげ」をよく見てみると

きゅうりの巻きひげ

ゴーヤーの巻きひげ

巻きの途中で巻く方向が変わっているのが分かりますでしょうか?
巻きの先端と巻きの根元の真ん中あたりで、右巻きと左巻きが逆転しています。

なぜ逆に巻くのか?

何かに巻きつきたい

巻きひげは伸びていくと、何かに巻きつこうとターゲットを探しています。

何かに巻きつこうとするのは、きゅうりやゴーヤーの茎はまっすぐに立つことが出来ない、自立できないから、茎を支えるために、何かに頼ろうとするのです。

そして巻き付くターゲット(支柱やネット)を見つけると、巻きひげの先端が(支柱やネットなどに)巻きつきます。

木化(もっか)

何かターゲットを見つけ、巻きひげの先端がターゲットに巻きついたら、巻きひげの片側のみが木化し始めます。

木化とは、「木に化ける」、つまり木のように硬くなるのです。

 

 

巻きひげの片側のみが木化するので、巻きひげ全体にゆがみが出来、ねじれてしまいます。

そしてねじれ始めた時には、もうすでに巻きひげの先端と根元は固定されているのです。

 

 

そしてバネのように

ねじれが進んでいった結果、巻きひげの根元がバネのようにクルクル旋回し、真ん中の部分で必ず旋回方向が逆になります。

この真ん中の部分を反旋点(はんすうてん)と言います。

「巻きひげ」の強さのヒミツ

「巻きひげ」ではなく「細いつる」の状態だとしたら、強い風が吹いて揺れると、切れてしまうかも知れません。
バネのように巻いていることで、強い風が吹き引っ張られても力を分散させることが出来るので、ねじれて切れることも少なくなります。

また真ん中の部分で反転していることで、両端が引っ張られたとしても、 巻きひげ自体にはねじれが生じないので、 ダメージが少なくて済みます。

「巻きひげ」が巻くターゲットを見つけられなかったら?

「巻きひげ」が巻くターゲットを見つけられない場合は、反旋点(はんすうてん)がない一方向のみで巻いている形状が多いようです。

 

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