【SDGs 食品ロス 完結編】国産野菜・果物のススメ
2022.06.18
食品ロス量の減少
農林水産省が令和4年6月9日に発表した「食品ロス量(令和2年度推計値)」によりますと、令和2年度の食品ロス量は8%減の522万トン(前年度比▲48万トン)、このうち食品関連事業者から発生する事業系食品ロス量は11%減の275万トン(前年度比▲34万トン)、家庭から発生する家庭系食品ロス量は5%減の247万トン(前年度比▲14万トン)となり、いずれも、推計を開始した平成24年度以降で最少でした。
これは新型コロナウイルスの感染拡大でステイホーム時間が増え、在宅での食事機会が増えたことにより「食材の使い忘れ」などのロスが減ったことも影響しています。
食料自給率 最低記録
同じく農林水産省の発表によると、令和2年度の食料自給率は統計開始以降、最低を記録しました。
これはコメ需要の減少が続いていることが要因の1つです。ただし日本の食料自給率の計算方法は、日本独自の計算で海外とは考え方が違うので、数字だけで海外諸外国との違いを判断するのは正しい比較ではないよううに感じます。
自給自足と耕作放棄地
日本だけでの自給自足は現実的には難しいですが、世界人口の急増や、万が一の大規模災害など有事の際のことも考えると、食糧確保は真剣に取り組まなければならないことだと思います。
農研機構や各都道府県では病気や悪天候に強い農作物の開発、国や企業ではスマート農業など生産力の向上に取り組まれています。農業水産省「荒廃農地の発生・解消状況に関する調査」、「農林業センサス」、「耕地及び作付面積統計」によると、農地は年々減少し、耕作放棄地は増え続けています。食料自給率の低下は農地の問題だけでないですが、もっと耕作放棄地の再生についても取り組んでいかなければならないと考えます。
地産地消+α
とはいえ、やみくもに野菜や果物を栽培しても結局それがロスに繫がるようでは元も子もありません。世界人口は急増しても、日本の人口は減少しています。高齢化社会がさらに進むと予想されていますので、今より健康志向がさらに高まるかと思います。コロナ禍でお取り寄せ通販の「JAタウン」のようにECサイトが伸び、手軽に全国からのお取り寄せが出来るようになりました。サイトに同じ野菜が並んでいる中でも、生産者のこだわりなどを見て、多少高くても購入する人が増えています。地産地消+αでもっと国内産の野菜・果物が注目されると良いと思います。
フードテック
一方、書店では簡単料理の書籍が多く並び、Webサイトでも簡単調理のサイトが人気です。手間を掛けるということより、手軽で美味しい、さらに便利というキーワードが上位になっている感じがします。出演しているテレビ番組でも、(手間を掛けた料理は僕自身が出来ないのだが)簡単に美味しい料理の紹介を求められることが多いと感じます。二子玉川の蔦屋家電には、プロ並みの料理を実現する調理家電がたくさん並んでいます。フードテックという、料理と言うよりもはや理科の実験のような調理テクニックの備わった家電に驚きます。
「食」の裏側
コロナ禍や戦争で小麦など原材料も含め「食」が注目されています。野菜の価格が上がるとニュースになりますが、価格が下がってもニュースにはなりません。野菜を育てるには、異常気象や原油価格だけでなく、日々の栽培の苦労があります。野菜や果物を育ててみると、その食材の背後にいる人々の苦労とすごさが分かるかと思います。キュウリもずっと真っ直ぐに育てるのはとても難しい上、それを何千本、何万本と育てるなんて、控えめに言って神です。