一般的にイチゴの糖度は8~9度、タマネギの糖度は7~8度あります。ブドウ(巨峰)は15~20度、メロン13~18度、スイカ9~13度あります。タマネギを生で食べると甘く感じない、むしろ辛いと感じるのは、タマネギに含まれる辛味成分が強いからです。また野菜の多くは養分をデンプンとして蓄えていることが多いですが、タマネギは糖の状態で蓄えているので、糖度が高い野菜になります。タマネギの糖にはオリゴ糖(タマネギ1個でバナナ8本分に相当する量)を含んでいるので、腸内環境を整えるのに効果が期待されています。
タマネギが甘くなるのではない
そのタマネギを30~40分くらい水分を飛ばしながら長時間炒めてアメ色にします。タマネギを加熱すると辛味成分(硫黄化合物)が揮発し分解され、加熱され壊れた細胞壁から糖分が細胞の外に出ることで甘さを感じることが出来るようになります。つまりタマネギが甘くなったのではなく、辛みが抜けたことでタマネギが持っていた甘みをより感じることが出来るようになったのです。また、タマネギに含まれるアミノ酸が糖と結びつき化学反応を起こしてアメ色になり「香ばしさ」を引き出します。
・加熱することで辛みが抜け、本来の甘みを感じやすくなった
・香ばしさが作られた
厚手の鍋にバターを溶かし、低温でじっくりとタマネギを炒めていくのがセオリーですが、タマネギを炒めてアメ色にするには30~40分、量によってはそれ以上時間が掛かります。そこで『タマネギをアメ色にする』ということをゴールとした時間短縮の方法をいくつかご紹介します。
■細かいみじん切りにしてから炒める
タマネギを細かいみじん切りにすると、タマネギの細胞壁が壊れやすくなり、炒める時間の短縮が可能です。
■カットしたタマネギを冷凍してから炒める
タマネギを冷凍することで、タマネギに含まれている水分が氷となり、細胞が膨張し壊れます。細胞壁が壊れることで炒める時間の短縮が可能です。
■塩を入れる
野菜に塩をかけると、しなっとしますね。それは浸透圧による脱水作用を利用しているのですが、タマネギに塩をかけることで、タマネギから水分が抜け、炒める時間の短縮が可能です。
■水を入れる
炒めている時、ほんの少し水を加えることで、蒸し焼き状態になり、タマネギの中まで火が通りやすくなり、炒める時間の短縮が可能です。
■電子レンジでチンしてから炒める
電子レンジの特徴は、食品に含まれる水分を振動させて加熱する仕組みなので、炒める時間の短縮が可能です。
タマネギは75%が水分ですので、その水分を上手に抜きながら炒めていき、さらに香ばしさも加わることで、美味しさが作られます。焦げそうになったら水を足して、水分を補い、その繰り返しでアメ色に仕上げる。どの方法が正解だということはないので、いろいろ試してみて自分の好みのやり方が見つかればいいなぁと思います。