北海道の野菜

2022.12.19

日本の面積のほぼ5分の1、耕地面積は全国の耕地面積の4分の1近くを占めている北海道は、明治以降、欧米の農業技術が導入され、大型の機械を使い大規模で効率的な農業で日本最大の食料生産地です。ジャガイモ、タマネギ、大豆をはじめ、日本一の収穫量の農作物がたくさんあります。

ジャガイモ

国内で収穫されるジャガイモの8割は北海道で生産されています。シェア1位。

代表的な品種

男爵

ややくぼみは深い。果肉は白色で、煮崩れしやすいホクホク系。

「男爵」の名前の由来は、川田龍吉男爵が英国からアイリッシュ・コブラーを輸入栽培し、広まったので「男爵いも」と呼ばれるようになりました。

メークイン

形が細長く、表面は芽が少なく浅い。果肉はやや粘質できめが細かく煮崩れが少ないので煮物に向いている。

ジャガイモの女王「メークイン」は厚沢部町(あっさぶちょう)で、厚沢部町役場の裏には、「メークイン発祥の地」の碑があるようです。

きたあかり

果肉が黄色で甘味が強く、ホクホク煮崩れしやすい。

名前の由来は、北海道の「北」、希望の明るさの「あかり」から名付けられました。

なぜ北海道はジャガイモの生産が盛んなのか?

北海道でのジャガイモの栽培は明治時代に始まりました。冷涼な北海道の気候が、ジャガイモの原産地のアンデス地方の気候風土に似ていて、ジャガイモ栽培に向き安定して収穫量を得られるために、盛んに栽培されるようになりました。また昼と夜の温度差が大きく、春から秋に雨の少ない気候がジャガイモ栽培に向いています。

ジャガイモ・馬鈴薯・五升芋(ごしょういも)

ジャガイモ、馬鈴薯(ばれいしょ)どちらも同じですが、生産から販売までは「馬鈴薯」、お店では「ジャガイモ」と呼ばれることが多いです。北海道では「五升芋(ごしょういも)」と呼ばれることもあります。1株から五升マスいっぱいの収穫量があったことから、そう呼ばれているようです。

【いも餅】 簡単に出来る北海道の定番おやつ。

タマネギ

国内で収穫されるタマネギの6割近くは北海道で生産されています。シェア1位。

代表的な品種

北もみじ2000

北海道産タマネギと言えば、ほぼこの「北もみじ2000」という位、代表的な品種です。西暦2000年を記念して付けられ名前です。甘みも辛味も強く、煮崩れしにくいタマネギ。

オホーツク222

北海道のみで栽培され、秋の初めから冬の初めに流通するタマネギ。北もみじ2000に次ぐ代表品種。

辛みが少なく、みずみずしく果肉がやわらかなタマネギ。加熱すると甘みが引き立つ。

北はやて2号

極早生~早生品種で北海道産のタマネギの中では最も早く、8月上旬から収穫されます。札幌黄系統のタマネギなので、やわらかく辛味がほとんどなく、甘みがとても強いタマネギです。一般的な新タマネギと同じようにみずみずしく生食に向いています。

注目タマネギ

北見のブランド玉ねぎ「真白(ましろ) 」

見た目は名前の通り真っ白です。辛味成分は一般なタマネギと比べ1/3程度で、生でおいしく食べることが出来るタマネギです。ブランド化するに当たり、エコファーマーの認可を取得したり、羅臼の海洋深層水を使うなど栽培方法にこだわったタマネギです。販売期間が限られているので、要チェックです。

なぜ北海道はタマネギの生産が盛んなのか?

北海道の中でも5割は北見地方産のタマネギと言われています。タマネギは土の中で大きく成長するので、ほどよく乾燥している土壌がタマネギの栽培に適しています。(土壌の水分が多い場合、タマネギが腐りやすいです。)

北見地方は降水量が少ないのでタマネギの栽培に適している上に、日照時間が長く、昼夜の寒暖差が激しいため美味しいタマネギが育ちます。また、8月から翌年4月まで継続してタマネギを収穫・出荷できるように種をまく時期をずらしたり、技術向上により収量を上げていることも北海道がタマネギ生産量トップの理由になっています。

ニンジン

国内で収穫されるニンジンの3割近くは北海道で生産されています。シェア1位。

代表的な品種

向陽二号

農業や家庭菜園をしている人ならば知らない人がいないのでは?という位、メジャーな品種です。晩抽性と耐暑性に優れているだけでなく、形や味も人気であっという間に有名になったニンジンです。

ベーター312

「ベーターリッチ」シリーズ。甘みが強く、ニンジン独特の香りが少ないので、苦手な方でも食べやすい品種です。

アンビシャス、紅ぞろい、カーソン

加工用品種なので、太く短く丸い形のニンジンです。

注目のニンジン

雪下ニンジン(ゆきのした)

「雪下ニンジン」という品種ではなく、秋に収穫するニンジンを雪の下で越冬させ、4月のみの限定出荷のニンジンのことです。羊蹄地域が産地として有名です。秋に収穫予定だったニンジンを掘り忘れ、春に収穫し食べてみたところ、通常のニンジンよりも甘かったことから、理由を調べたところ、アミノ酸が増加していて甘みや旨みを強く感じたそうです。

雪の下は0℃で温度が一定なため、ニンジンが凍ることはありません。雪の下で越冬することによってアミノ酸が増加するだけでなく、ニンジン独特の香りが少なくなり、みずみずしく、歯切れのよい食感で食べやすくなります。

雪下野菜が甘くなる理由

野菜は水分が多いため、気温が氷点下になると凍ってしまいます。凍ると細胞が壊れる為、野菜は生きていけません。凍らないようにするため細胞内の「デンプン」を「糖」に変え、水ならば凍ってしまうところを糖にして凍らないようにします。糖が増えることで、甘みが増すのです。

北海道でニンジン栽培が盛んな理由

ニンジンは東洋種と西洋種がありますが、現在一般的に食べられているのは西洋種です。(東洋種は金時人参など) ニンジンは16~21℃くらいが栽培に適している気温で、北海道の冷涼な気候がニンジンの栽培に合っています。南富良野町や富良野市、十勝の音更町・幕別町、オホーツク地方の美幌町・斜里町など全道広域で生産されています。

北海道のニンジンの旬は7月〜11月です。8~10月の東京・大阪のスーパーには北海道産のニンジンがたくさん流通します。道南地方では畝をビニールなどで覆ったトンネル栽培で早出しもしています。

アスパラガス

北海道は国内で収穫されるアスパラガスのシェア1位です。

北海道の中でも上川地方が主産地で、名寄市、富良野市、美瑛町などで収穫量が多いです。

北海道産のアスパラガスは、5~6月頃から多く流通します。ハウス栽培のものは4月下旬ころから流通します。

定番のグリーンアスパラガスの他に、ホワイトアスパラガス、紫(パープル) アスパラガスなどもあります。

代表的な品種

ガインリム(オランダ系品種)

グリーンだけでなく、ホワイトアスパラガスにも利用できる品種。シャキッとした歯ごたえがあり、エグミも甘みも強いため、味が濃く感じます。

スーパーウェルカム(アメリカ系品種)

歯ごたえもありますが、やわらかさもあるアスパラガスです。頭部の締まりがよい品種です。

ウェルカム(アメリカ系品種)

極早生種。少しエグミはありますが、凝縮された甘みもあるので、飲み込んだ後はさわやかな感じです。

出始めの時期のアスパラガスはシャキシャキ感も強く甘いのが特徴です。終わりに近づくと、食べごたえのある食感とあっさりしたおいしさが特徴です。

アスパラガス発祥の地 岩内町

日本で初めてアスパラガスの栽培に成功したのは、岩内町出身の下田喜久三博士です。大正13年(1924年)、岩内町に「日本アスパラガス株式会社」を創立し、東洋初のアスパラガス缶詰の生産を開始されました。

栽培方法

北海道の主な栽培方法は露地栽培が中心ですが、近年は長期どりできる立茎栽培や、養成した株をハウスへ植え付ける伏せ込み栽培が増えています。

ジャガイモ

時期:9~12 月  新ジャガイモ:5~6 月 主な産地:北海道、長崎県…

タマネギ

時期:一般的なタマネギは通年、新タマネギは春が旬 産地:北海道、兵庫県、佐…

ニンジン

アスパラガス

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