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阿房宮(食用菊)
南部地方を代表する植物のひとつが食用菊。江戸時代に南部藩主が京都九条家の庭に咲いていた観賞菊を株分けして植えたのがはじまりと言われています。味が良かったので食用にしたと伝えられています。色彩が美しく香り豊かなことから、秦の始皇帝の豪華な宮殿にちなんでこの名前が付けられました。苦みがなく、シャキシャキとした歯ごたえがあり、酢の物やなます、味噌汁など何にでも合います。花弁を蒸して板状に広げ乾燥させた干し菊(菊のり)はいつでも使用できます。
大鰐温泉もやし
大鰐温泉もやしは、800年もの歴史があり津軽藩の湯治場として利用されていた 津軽の奥座敷、大鰐町にある豆もやしです。350年以上前から栽培されてきた冬野菜で、弘前藩三代藩主・津軽信義が湯治をする時に必ず献上したと言われています。
夏の間に栽培した在来の大豆(小八豆)を使い、温泉の熱で地温を高めて栽培する土耕栽培で、洗浄・仕上げに至るまで水道水を一切使わず、温泉水のみを使用して育てます。
シャキシャキとした歯ごたえが最高で、2019年12月に放送された「博士ちゃん」でも番組内で紹介しました。 抜群の食感を楽しむには鍋で食べるのが最高ですが、鍋以外ももちろん美味しいです。
福地ホワイト(ニンニク)
「福地ホワイト」は昭和30年代後半に、青森県農業試験場が、青森県の風土・気候に適した品種として、福地村(三戸郡にあった村)から収集した「福地在来種」を改良・栽培したニンニクです。色が白く大粒なニンニクです。弘前市の鬼神社の例大祭に古くからにんにく市が立つほど、青森県とニンニクの関係は深い。黒ニンニクは、ニンニク臭が弱く、プルーンに似たフルーティな香りと甘みがあります。
おこっぺいもっこ(ジャガイモ)
マグロで有名な大間町にある奥戸(おこっぺ)地域では、三円薯(さんえんいも)を「オコッペいもっこ」というブランド名で販売しています。三円薯とは、当時、白米が1俵で5円30銭の時代に6個で3円という大変高価なジャガイモだったことから、この名前が付けられました。品種は「バーモント・ゴールド・コイン」というアメリカの品種で、明治38年にアメリカからもたらされました。ちなみに男爵いもは明治42年頃と言われていますので、男爵いもよりも早く導入されています。煮えやすく、茹であがると粉をふくホクホク系のジャガイモです。
毛豆(枝豆)
秋の味覚の一つの「毛豆(けまめ)」。枝豆は一般的には「夏」ですが、毛豆は「秋」です。毛豆は主に津軽地方で栽培されている在来種で、サヤに茶色の毛が目立つことから、「毛豆」と名が付きました。一般的な枝豆に比べると粒の大きさが大きく、甘くコクのある味です。栗のようだと表現されることもあります。
南部太ねぎ
岩手県に隣接する南部町、フルーツのイメージが強いこの町に「南部太ねぎ」があります。名前の通り太く、糖度は一般的なネギに比べると1.5倍あり、緑の葉の部分も柔らかいので1本丸ごと食べます。加熱することで甘みが際立つので、天ぷらやせんべい汁、塩焼きなど何にでも合います。
一町田せり
岩木町(現:弘前市)の一町田(いっちょうだ)地区は清らかな湧き水が豊富で、江戸時代から栽培がされてきたセリです。強い香りと歯ごたえをもつ400年以上の歴史をもつ津軽の冬の貴重な葉物野菜です。葉、茎はもちろんですがセリで特に美味しいと思う部分は、根の部分。定番のセリ鍋の他、味噌汁、かき揚げ、炊き込みご飯、お浸しなどに合います。