目次
トウモロコシを選ぶ
皮が緑で新鮮なものから見初めよう
まず外の皮が新鮮なものを探しましょう。皮付きは絶対条件です。トウモロコシは皮をむいてからどんどん鮮度が落ちますので、皮は茹でる直前にむくようにしましょう。皮の多少の傷は大丈夫ですが、皮がよれよれのものは避けておきましょう。トウモロコシはすぐに鮮度が落ちていきますので、常温だと24時間もすれば糖分がでんぷんに変化して美味しさが半減すると言われています。従って、今朝採れたてのトウモロコシかどうかが重要です。
粒ぞろいのトウモロコシを見つけよう
実が先までぎっしりと詰まってすき間のないもの、粒が大きくふっくらしていてそろっているものが良いです。粒の大きさがあまりに不均等だと味のバランスが悪い可能性があります。指で押してみた時にしっかりと弾力があり、かたすぎない物が美味しいです。手で持った時にずっしりと重みを感じるものは実が多く、また水分をたっぷりと含んだ新鮮なトウモロコシです。
先端の太さをチェック
トウモロコシは鮮度が落ちてくると先端がしぼんできます。先端まで太いトウモロコシを選ぶのがおすすめです。
先端のヒゲは茶色のものを選ぼう
先端から出ているヒゲは茶色に褐色しているものを選びましょう。ヒゲの先まで緑色が残っているものはまだ実が未熟なものなので避けるようにしましょう。ヒゲは1本1本粒とつながっているので、ヒゲが多いものほど粒が多いものと言えます。ヒゲがしっとりとしていて乾燥していないものを選ぶようにしましょう。皮の上から軽く押してみてそのかたさで、完熟か未熟かを判断するのも方法です。やわらかかったり、かたすぎるものは中身が色づいていない場合が多いです。
スーパーなどでは、ヒゲの部分を切って売っているトウモロコシもありますので、その場合、茎の切り口が白く、みずみずしいものがいいです。切り口が変色している物は古いと考えられます。
トウモロコシを保存する
収穫後急速に栄養価が落ちますので、買ったらその日のうちに食べるのがおすすめです。
保存する場合は、まず生の保存は考えないようにしましょう。すぐに食べない場合は茹でてからラップで包み冷蔵庫に入れれば2日は保存可能です。冷凍保存する場合は、茹でるか蒸すかした状態で密封出来る袋かラップに包んで冷凍します。かために茹でたものを包丁で実を外して密封出来る袋かラップに包んで保存し、炒め物などに活用することをおススメします。
もし、どうしても生での保存をしなければならない場合は、おいしさを逃さない為に、皮をつけたままラップに包み、冷蔵庫に立てて保存します。
※トウモロコシは茎の一部で、横に置いておくと立ち上がろうとするので(アスパラガスと同じ現象)、立ち上がるエネルギーのために自分の糖分を消費してしまいます。
切り口が黄色く変色していないものが新鮮です。
ヒゲ1本1本はトウモロコシの実1粒1粒と繋がっていますよ。
ヤングコーンはトウモロコシが小さいうちに摘果したもの。
ヒゲはトウモロコシの「ヒゲ茶」が有名ですが、僕は素揚げにして食べます。
トウモロコシの豆知識
トウモロコシは茹でますか?電子レンジですか?
茹でる場合、皮をめくり、最後の皮(薄皮)は残した状態で茹でます。皮を残すことで、旨みを閉じ込めます。水から茹でると、ジューシーなトウモロコシに、お湯から茹でるとシャキっとしたトウモロコシになります。電子レンジで加熱する場合も、皮を利用します。皮をむかずにラップして電子レンジ(500W)で5分程度加熱してください。
皮を剥いている場合は、茹でた後、水気を切りすぐにラップでピッタリと包むと水分や香りが抜けるのを防ぎ、トウモロコシがシワシワになるのを防いでくれます。お好みに合わせて茹で方を変えてみて下さいね。
トウモロコシのヒゲ
先端のヒゲは茶褐色のものが完熟しているトウモロコシですが、収穫して間もないトウモロコシはヒゲが湿っています。ヒゲが乾燥している物は古いと考えられるので、湿っている物を選ぶようにしてください。
ヒゲ1本1本はトウモロコシの実1粒1粒と繋がっているので、ヒゲが多いほど粒が多いトウモロコシですが、トウモロコシの粒の数は必ず偶数個です。トウモロコシの花は必ず2つ1組で咲く特性がありますので、必ず2の倍数、つまり偶数になります。トウモロコシを輪切りにした際の断面を観察すると2つずつセットで粒が並んでいることが分かります。ちなみに、粒はだいたい平均1本に600粒程度あります。
トウモロコシの粒
スーパーなどでは、きちんと粒が詰まっているトウモロコシだと分かるように、一部皮をめくって売っている場合があります。その場合の粒の確認ですが、粒がすき間なくぎっしり詰まってふっくらしたものを選んでください。黄色が濃い方が熟して甘いように思われがちですが、実は成熟し過ぎで甘味は落ちている場合があります。薄い黄色の粒の方が甘く、歯応えも良いことが多いので、粒の色も確認してみて下さい。
トウモロコシの粒がへんこでいる
粒に凹みが出来ているトウモロコシのことを「しなび」と言い、収穫遅れが原因と考えられます。粒の糖分がデンプンに変化し、水分が少なくなることで凹みます。収穫してからだいぶ時間が経ったものも水分が抜け、凹みます。
水分が抜ける例として、焼きトウモロコシの粒の画像を見て下さい。焼くことで水分が抜けているので、粒が凹んでいます。トウモロコシは水分が抜けると粒が凹むので、このようなトウモロコシは買う時に注意しましょう。
栄養を逃がさずに食べる
トウモロコシを食べる時、どのようにして食べていますか?そのままかぶりついたり、一粒ずつ潰れないように指で取ったり、料理に使う場合は包丁でそぎ取ったりしますよね。栄養を逃がさずに食べる場合は、一粒ずつ潰れないように指で取るのがおススメです。切ってしまいがちな粒の根元にはビタミン、カリウムなどが豊富で、栄養的にも摂ったほうがよいです。一粒一粒取るのは大変ですが、端の部分が台形になっている割りばし(天削箸)やバターナイフでトウモロコシを削り取ることができますよ。
トウモロコシの発熱
トウモロコシは前日の光合成で作り出された養分が蓄積され、朝に一番養分が保たれた状態で、さらに実に養分が移っている状態のため、夜明け直前が最も甘くなります。出来るだけその時間に収穫すると甘いトウモロコシを収穫することが出来ます。
トウモロコシを収穫するとき、トウモロコシの根元をしっかり押さえて、手前に下げるように引っ張ってもぎ取ります。茎を折るようなイメージでポキンと折るのですが、折った時にトウモロコシが熱くなります。これはトウモロコシの自然治癒力で、ポキンと折られた(傷ができた)のを自分で傷を治そうとする力が働いています。この発熱によって、トウモロコシの栄養や甘みが失われますので、収穫したら冷蔵庫にいれるなどして熱を下げましょう。
ポップコーン
映画館やディズニーランドといえば「ポップコーン」を食べることって多いと思いますが、ポップコーンに使われるトウモロコシの種類は「爆裂種」という種類のコーンです。そうではない食用の乾燥コーンを使うと、ただ焦げます。しかも全然膨らまないです。爆裂種のとうもろこしは皮が固く、それを乾燥させてさらに皮を固くするのですがそれを加熱すると、皮の中にわずかに残った水分が熱によって気化されて熱と水蒸気の逃げようとする圧力によってデンプン質が膨張して皮が堪らず弾ける!という仕組みです。
トウモロコシの種類
トウモロコシの種類には、「ホワイトコーン」や「ゴールデンコーン」「バイカラーコーン」「3色コーン」などがあります。ホワイトコーンと言えば「ピュアホワイト」が有名です。ホワイトコーンは小粒ですが、糖度が高いです。ゴールデンコーンは「ゴールドラッシュ」などの黄色のトウモロコシ。バイカラーコーンは、黄色と白が3対1の割合で混ざっているトウモロコシです。3色コーンは黄色・白・紫の3色でモチモチとしたトウモロコシです。
北海道には「八列とうきび」(八列しかないので細長く、長さ30センチ程のトウモロコシ)や、山梨県の甲州もろこし(100年前から栽培される伝統野菜)などもあります。
生で食べることが出来る?!
トウモロコシは生で食べることが出来ます。と言っても、生食に向き不向きがあります。僕たちが食べる一般的な食用トウモロコシはほぼ「スイートコーン」という品種です。その中でも「ゴールドラッシュ86」「ゴールドラッシュ90」などのゴールドラッシュ系は、粒が大きく甘い上に、生でも食べることが出来る品種です。
生で食べるには、完熟する数日前に収穫して食べます。完熟すると粒の皮が堅くなり、口の中に皮が残るからです。ゴールドラッシュ系は皮が薄く、水分が多いので実が少し柔らかいと感じ、かじりやすいかも知れません。それでも収穫後、時間が経つと食べにくくなるので、出来るだけ収穫まもなくの方が良いです。だから家庭菜園などでご自身で育てるか、農家さんで収穫後すぐのものを食べるのがおススメです。ゴールドラッシュ系は家庭菜園でも育てやすい品種ですので、チャレンジしてみましょう。
※トウモロコシにはデンプンが含まれているので、お腹を壊す場合もあります。お腹に自信が無い方は、加熱して食べるのが良いです。もちろん加熱する方が甘みは感じますよ。
糖度保持には『茎付き収穫』
トウモロコシは鮮度落ち、糖度落ちが早いのが特徴ですが、トウモロコシを茎付き(3節分の茎を付けて収穫し、立てて保管するとより糖度保持できる)で収穫すると、朝収穫して夕方まで糖度を保持することができる、とのことを東京都農林総合研究センターが突き止め、その内容を2019年7月28日の日本農業新聞にて発表されています。
ゴールドラッシュ
ロイシーコーン
ヤングコーン
(左)ドルチェドリーム
(右)ピュアホワイト
離れた2か所の畑で栽培(黄色と白が交雑するのを避けるため)
(左)もちとうもろこし
(右)グラスジェムコーン
【もちとうもろこし】 福島県産
もちとうもろこしは以前黄色いものを育てたことがありますが、紫色のものは初めて食べました。もちとうもろこしご飯とバター醤油焼きでいただきました。モチモチでところどころトロッとした部分もあり癖になります。