愛媛県の野菜・果物

2023.02.24

伊予柑をはじめ、柑橘類の宝庫といわれる愛媛県。特に宇和島市や瀬戸内海の島々では栽培が盛んで、伊予柑やぽんかんの生産量は日本一です。江戸時代末期に伊勢参りや四国巡礼で手に入れたみかんの苗木を宇和島市内に植えたのがはじまりといわれています。現在では約50種類の柑橘類が栽培される柑橘王国です。毎年1000種類近い品種が育成され、選抜された次世代柑橘類が生まれ続けています。
協  力 : 愛媛県農林水産部 ブランド戦略課
画像協力 : 愛媛県

甘みと酸味のバランスが絶妙なおいしい柑橘が出来る理由

愛媛県は、年間平均気温が15度以上の瀬戸内の温暖な気候です。段々畑は南に面した急傾斜なので、すべてに太陽の光が当たりやすく、水はけがよい畑になっています。目の前に広がる瀬戸内海は穏やかで、水面は鏡のように光を反射し、みかん畑に太陽光が当たります。また段々畑の斜面に築かれた石垣にも太陽光が降り注ぎ、石垣の石は熱が冷めにくいため温かさを保っています。品種によって収穫時期が異なるので、一年を通して柑橘を楽しむことが出来ます。

温州みかん

生産量第3位(令和2年産)。一般的にみかんというと「温州みかん」のことです。江戸時代初期に発見された日本生まれの品種で、種がなく、皮がむきやすいのが特徴です。海外でも人気で、アメリカやカナダでは「テーブルオレンジ」「テレビオレンジ」などの愛称で親しまれています。愛媛県には糖度12度以上、温暖なしまなみ海道で栽培している「サンエース」、糖度12度以上、愛媛県を代表するブランドの「道後温泉」、糖度12.5度以上、とろける食感が特徴の「味ピカ」、糖度12.5度以上、長い期間出荷している「美柑王」、真穴みかんの中でも厳しい基準をクリアした「真穴みかん貴賓」などがあります。

伊予柑

弥生紅

生産量第1位(平成30年産)。旬は1月から3月。愛媛といえば昔から「いよかん」が有名。皮は厚いのですが、やわらかいので剥きやすいです。色よし、味よし、香りよし。爽やかな香りと、ほんのりとした甘み・酸味が魅力です。1月に樹上完熟させていたものを収穫し、3月まで専用貯蔵施設で熟成させ、糖度11.5度以上のものを「弥生紅」というブランドで厳選出荷されています。

甘平 (かんぺい)

愛媛Queenスプラッシュ

愛媛Queenスプラッシュ 

主に2月に販売される愛媛オリジナル品種(愛媛県でのみ生産できる品種)。「西之香」と「ポンカン」の掛け合わせで生まれた品種。皮が薄く簡単に剥け、果肉は袋ごと食べることが出来ます。甘く、濃厚な果汁、そしてシャキシャキした食感が特長。甘平の中でも「糖度13度以上」「色や形が優れている」「2L~4Lサイズ」などの条件をクリアした最高級ランクのものは「愛媛Queenスプラッシュ(愛媛クイーンスプラッシュ)」というブランド名で出荷されています。

せとか

生産量第1位(平成30年産)。旬は2月から3月。香りや味に優れた「清見」と「アンコール」と「マーコット」という3品種の掛け合わせで生まれた品種。じょうのう(薄皮)がとても薄く、袋ごと食べられます。ジューシーで濃厚な甘さ、トロリとろける食感から、「柑橘の大トロ」といわれることも。

愛媛果試第28号(紅まどんな)

主な旬は12月頃。愛媛オリジナル品種(愛媛県でのみ栽培できる品種)。「南香」と「天草」というみかんの掛け合わせで生まれた品種。皮がとても薄く、ゼリーみたいな食感が特長。愛媛果試第28号の中でもJA全農えひめの定める品質基準(糖度・酸度など)をクリアし、県内のJAを通じて出荷されたものだけ「紅まどんな」として販売される。

ポンカン

生産量第1位(平成30年産)。旬は1月~3月。皮が剥きやすく、大きさもコンパクトな、愛されかんきつです。果皮は手で簡単にむくことができ、じょうのう膜(薄皮)が薄いので袋ごと食べられます。ポンカンは収穫された後、しばらく貯蔵することによって皮の水分をとばしてから出荷され、凝縮された濃厚な甘味があります。酸味が弱く、独特な香りも特長です。

河内晩柑 (かわちばんかん)

生産量第1位(平成30年産)。和製グレープフルーツといわれる柑橘。ほんのり甘く、さわやかな味が特長。旬は3月から8月中旬までの夏のかんきつ。出始めは果汁が多く、8月終わりごろは水分が減りシャキッとした食感となり、食べる時期で変化を楽しむことができる。生産地ごとにさまざまな名称で出回っているため「宇和ゴールド」「愛南ゴールド(以前は美生柑)」などと呼び名があります。

キウイフルーツ

生産量第2位(令和2年産)。※令和元年までは生産量30年以上連続日本一でした。ニュージーランドのイメージがあるキウイフルーツだが、実は日本でも生産されています。

紅い雫

至高の紅い雫

至高の紅い雫

至高の紅い雫

旬は11月~6月頃。愛媛県のオリジナル品種(愛媛県でのみ栽培できる品種)。「あまおとめ」と「紅ほっぺ」の掛け合わせで生まれた品種です。雫のような形をしていることから「紅い雫」と名付けられました。 果実全体、果肉も赤く色づいているのが特長です。糖度が高くて、しっかり酸味もあります。

「紅い雫」をより手間をかけ、数量限定で生産した寒じめ苺「至高の紅い雫」もあります。果肉はシャキッとした硬めの食感で、香りが強く、まるで牛乳を加えてシェイクにしたかのような風味と味のするイチゴでした。

愛媛農試V2号(伊予美人)

愛媛県のオリジナル品種。品種名は愛媛農試V2号。愛媛農試V2号の中でも、県内のJAから出荷されたもののみ、「伊予美人」として販売することができます。舌触りがなめらかで、粘りが強く濃厚な甘味が特長です。旬は9月~4月頃。

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