長崎県の地野菜・伝統野菜

2023.03.16

唐人菜 (とうじんな) / 長崎白菜

江戸時代から栽培され、唐人菜は「名(菜)を上げて」と縁起を担ぎ、長崎雑煮に欠かせない野菜として親しまれてきました。中国山東省から伝来したとされ、結球する一般的な白菜と違い、結球せず、ちりめん状の葉は立ち外開きになります。やわらかい葉と独特な風味があり、唐人菜を細かく刻んだ「唐人菜ぶらぶら漬」も人気です。

辻田白菜

1919年(大正8)に辻田長次郎氏が中華料理店「四海楼」の主人の協力のもと、長崎県内で栽培されていた中国の品種からやや早生で品質が優れ、結球率の高い系統を選び抜き、育成したものが「辻田白菜」です。大正の始め頃まで、葉が巻く(結球する)白菜は中国の品種のみで、「辻田白菜」は日本で最初の結球白菜といわれています。当時の白菜としては、大型で丸く結球し葉肉が厚く、漬物用として珍重されました。

長崎紅大根 (ながさきあかだいこん)

見た目から“大根”と名付けられていますが、かぶの一種です。赤鬼の腕に似ているとされ、長崎市内では江戸時代から節分に酢の物と金頭(カナガシラ)という魚の煮付けを食べる風習があります。

長崎赤かぶ (片淵かぶ)

来歴は明確ではないですが、江戸時代に伝わったとされ、先のほうの一部が白い洋種の赤かぶです。皮が鮮やかな赤紫色で、独特の風味と香りがあり、肉質はやわらかいです。長崎市の長崎くんちの行事食「くんちなます」、三杯酢の漬けものの「三昧漬け」、卓袱料理では、アラやハモの湯引きの付け合わせとして食されてきました。

長崎たかな

日本の三大漬け菜(野沢菜・広島菜・長崎たかな)の一つです。葉はちりめん状で細長く、緑に紫を帯びた色あいです。浅漬にすると、鮮やかな青色でマイルドな辛味と香りを楽しむことが出来ます。本漬けにすると、べっ甲色になりピリッとした辛みが出て、炒飯などの炒め物や、ラーメンの具に人気があります。

雲仙こぶ高菜

1947年(昭和22)頃に中国から引きあげた人が、持ち帰った種を雲仙山麓の吾妻町(現在の雲仙市)で栽培したのがはじまりといわれています。葉は大きく、つけ根に親指大の大きなこぶが出来るのが特徴です。一時は絶滅したかと思われていましたが、「雲仙こぶ高菜再生 プロジェクトチーム」が立ち上がり、復活に向けた取組が始まりました。一般的な高菜との違いは柔らかさです。若葉は生で食べることが出来ます。ほんのり辛みがある葉と、歯切れがよいこぶの食感が美味しさを際立たせます。

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